東方雅美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ様々な事例を用いながら、早期の専門化による影響と、様々な経験を経る(寄り道する)ことで、新たな発見や特出した成果を残すことを説明している。
早期に専門化が決して悪いという観点ではなく、専門化が遅くなっても、決して悪くはないし、様々な道を通ることで、成功した事例を紹介している。1つの分野にとっては、当たり前なことでも他の分野に適用した際には、新しい発見を生み出すこともある。
任天堂の枯れた技術の活用
フェデラーのテニスへの専門化の時期など、
いくつか刺さる部分があった。
チャレンジャー号の例を見ていると、数値やデータだけに頼るというのが間違いというわかる。
* 何かが違っているのであれば、そこには何かがある。
多様な視点、様々な経験、知識の幅(レジン)を得ることがこの不透明で不確実な現代を生き抜く上で重要な考え方だということだ。
最初から自分にあった仕事や、スポーツをやっている人は本当に恵まれている人だ。たいていの人(自分もあなたも)は何度も挑戦して失敗して、そこから学んで自分のやりたいことを徐々に見つけていければいい。そのためには、自分の経験の幅(レジン)を非効率で地道で遠回りしながら見つけていこう。 -
Posted by ブクログ
様々なスポーツを経験することで運動能力や反射神経が養われる。
自分がかつてしていたこと(スポーツや楽器)を子供に指導してはいけない。イライラするだけ。ほっとく。
- タイガーウッズの場合
10000時間の法則。
意識的な練習、つまり最も良いやり方を明確に教えインストラクターが個別に指導してやってみた結果に対してすぐに有益なフィードバックと知識を共有し、同じことを何度も繰り返す。
- フェデラーの場合
体験期間を必ず経ている。その間にさまざまなスポーツを自由に緩い枠組みの中で経験し、幅広い身体能力を育み自分の力や性質を知って集中的に練習に取り組む。
成功者はウッズよりフェデラータイプが圧倒的に多い。様々な分野で経験を積んだ人の方が一つの分野を深めた人よりクリエイティブで影響力の大きい発明ができる
永続的な知識を得るためにはゆっくりと学習した方がいい。一見するととんでもなく非効率で遅れをとっているように思える。でもそれは短期的にみたら成績が良くても長期で見たらなんの役にも立たない。
チェスやゴルフやクラシックのようにルールと答えがわかっている時には、またそれが時間と共に変化しないならサバン症候群のような究極的に専門特化した練習が、有効。人間の最大の強みは専門特化とは正反対で幅広く知識や情報を統合すること。パターンや慣れ親しんだ構造ではない。それはAIに取って代わる。
最高レベルのアカデミックな科学者やノーベル賞受賞者は本職以外に本格的な趣味や副業をもっている。
片足を別の世界に置くことの重要性。クリエイティブな成果を上げる人は幅広い興味を持っている。この幅広さが専門領域の知識からは得られない洞察を生み出す。
→たしかに山中先生や椛島先生はそう。
幼い頃にあまりに多くのレッスンを受けても効果はない。さまざまな楽器や活動を経験し、あまり厳しくないレッスンをある程度受けその後になってようやく焦点を絞ってより厳しいレッスンを受けて練習量を激増させる。
望ましい困難にはいくつかあるがそのうちの一つは生成効果。自分1人で答えを出そうと奮闘することはたとえ答えが間違っていたとしてもその後の学びは強化される。
そして過剰修正効果もあり、答えに自信を持っていればいるほど正しい答えを学ぶと強く記憶に残る。大きな誤りに耐えることが最高の学習機会となる。
学ぶ時はまず問題を解くこと。出来なんてどうでもいい。
1st 問題(出来問わず)
2nd覚える
勉強でいうと予習が1番大事。
早期教育プログラムでは閉じられたスキル、つまり決まったやり方を繰り返すことで習得できるスキルを教える。これはいずれだれもが身につけることなので意味がない。早い時期に歩けるようになっても仕方ない。
継続的な学習効果を生み出したいのであれば早期教育プログラムは開かれたスキルにフォーカスすべき。その後の学びの足場となる。子供達に読み書きを少し早く教えてもそれが継続的な強みとはならない。そうではなく読んでいる内容を理解するための手がかりを探したりそれらを関連づけたりする方法を教えれば継続的な強みとなる。
早期教育プログラムはすぐに成果が出るが深い学びには時間がかかる。
遅れをとったと思わないことが大事。
多様な経験をもつ個人は専門家のグループよりも創造に貢献する。ある分野から別の分野に移ってもその経験が無駄になることはない。
とはいえ、専門特化は少しも悪いことではない。程度の差はあってもみんなどこかの時点で専門を決める。問題なのは早期の専門特化。 -
Posted by ブクログ
【サマリと感想】
「1万時間練習すると習熟できる」というのは自分が部活・習い事で何度も聞いて来た言葉だった。これにより得られるのは深さだが、広さもまた重要であり、イノベーションはむしろ広さから起きる可能性がある、というのが本書の主張。
何事も深く突き詰め専門家になる事が必要という常識があるが、それだけでなくmuch quality(ある仕事とその人がどれだけ合っているか)が重要であり、これを見つける為には一見回り道に見える道程が無駄ではないという事である。 例として、アメリカで大学の専門と関係する仕事に就き続ける人は2割程度だという。中でも学部の初めに教養課程を経て専門に移行する方が関係する職業に着く確率は上がる、この場合は先に回り道をしておく事でmuch qualityをしやすくなると解釈できる。
ダーウィンやゴッホは若い頃から専門的な学習を繰り返した訳ではなく、名を残すほどの成果を挙げたのはそこまでに経験して来た様々な事柄が結び付いた結果であり、まさしくconnecting the dotsであった。
短期的成果の為には幅と非効率を除外しようと考えるのが一般的であり、そのバランスはあるが何事も繋がるという見解を持ち、アナロジーや紐付けを行う事が重要だと理解した。 -
Posted by ブクログ
人生の回り道は選んででもした方が良いのかも、そんな事を思えた。救われた気がした。
日々の細々とした作業はいかに効率化するかを考えている私だけど、大きく見ると受験で当初想定と違う学校に行ったのもはたからみればなんでわざわざそんな、、、と思われそうな出来事。
仕事も色んな部署を転々としているから、なかなか評価してもらえない。でも、自分の中ではあっちの仕事でやった事がこんな所で役に立つんだ!なんて事もちょくちょくあって、なんだか腑に落ちた。
子供教育も、早くから何かを習わせた方が良い、継続させた方が良いというのはそれを売っている企業に乗せられている部分も少なからずあるのでは?と思えた。
スポーツ選手なども最近は二刀流の人が増えている気がする。本で紹介されている、スキーとスノボでオリンピックに出た選手を見た時は私も驚いたのを今でも覚えている。身近な所だと、投打に活躍する大谷さんもそうかな。スポーツ選手で夏冬の競技をして両方オリンピックやパラリンピックに出る人もいるなぁ。芸能活動でも、昔は女優が歌なんて!みたいなイメージあった気がするけど、俳優、歌手、小説家、くらいの間で複数活動されてる方は何人もいる。
大学で、専攻を絞ったり文系理系に分けるというのもこの本では否定的。共感します。なんで理系の学部に入ったから心理学は学べないのか、不満だった。統計学的な分野ではたいして変わらないはずなのに。
会社でも専門家がもてはやされてるイメージはあるけど、部署を色々異動している身からすると、他から来たから見える事とかもあるのよ?スペシャリストをまとめる横断的な思考を持った人も必要、うーんスペシャリストも憧れるけど、自分が向いているのは、、、と考えさせられた。
つれづれに書いたけど、とりあえず、ボリュームがすごいけど内容も濃くて概ね共感できる本でした。一つの事を極める、それも素晴らしい事だと思う。でも、回り道や余白にこそ人生の旨みが詰まっている、そんな風に思えるはず。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
これまでの自分の人生を振り返って「自分はスペシャリストにはなれないな」と思うことが増えていた。
そんな中この本に出会い、人生の指針を得たように感じている。
【要約】
・タイガー・ウッズとフェデラー
タイガー・ウッズのような早期からの特化型教育よりも、様々な経験を積んだフェデラー型の方が現代の複雑な世界では適応力が高いという指摘は、教育やキャリア設計において重要な示唆だと思った。
これは「意地悪な世界」(予測不能な領域)で生き抜くために、汎用的な問題解決能力が求められるからだと述べられている。
・「速い学び」と「ゆっくりな学び」
早期専門特化の教育は短期的な成果はあっても長期的な成長を損なう可能性が指摘されている。
幼少期は幅広い分野を学び「マッチ・クオリティ(自身の得意分野)」を見つけることが大事。
・画家のゴッホの人生
ゴッホの人生は、一見無駄に見える試行錯誤の連続が、最終的には独自の芸術スタイル確立につながったことを示しています。
ここから、キャリア設計においても「計画して実行」よりも「試して学ぶ」方が有効である可能性が示されている。
これは私にとってとても救いになった。
「何歳からでも遅くはないんだ」と。
・NASAのチャレンジャー号事故の例
特定の「ツール」や思考枠組みに固執することの危険性を痛切に物語っている。
本事例に置ける「ツール」とは「データ絶対主義」。
データが重要であることは間違いないが、過去実績(データ)のない未知の試みについては定性的な議論も必要。
NASAに勤めるほど優秀な人でもこのような落とし穴があるのだから自分はより注意すべきだと感じた。
・全体まとめ
専門化が進みすぎた分野でアウトサイダーにチャンスが生まれるという逆説は、AI時代における人間の役割を考える上でも示唆に富んでいる。
「不確実性の時代」を生き抜くためのメタスキルが重要。
特定の分野に深く潜るだけでなく、幅広い経験と言語化能力(概念化)を組み合わせることが、予測不能な課題に対処する力を養う。
一見無駄に見える経験も、後で統合されれば独自の強みになる。
これは個人のキャリア設計のみならず、組織の人材育成においても重要な視点だと考えさせられた。