岩井恭平のレビュー一覧
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異界と化した東京へ進入する非合法のレイダーである少年少女の物語。超高難度ダンジョン探索型ボーイミーツガールの今作は敵である救務庁への潜入というケタ外れに難易度の高いミッションが主となっている。相変わらず危機的状況を描くのが非常に上手い。今作のピンチの骨子はひた隠しにしていた身元の発覚と、別行動による孤立無援で、文字通り絶望的である。また舞台がクリティカル・エリアではない現実世界だからこその行動制限や能力の限界などもあり、かろうじてしがみついていた日常が崩れる恐怖があった。非日常の恐怖を描いた前作とは対になっているのが良い。サブタイの人類の敵vs人類の敵というのもかなり示唆的で、さらわれた人を助
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エネミー・オブ・マンカインド編の後編。ステルス&エスケープを中心に練りこまれたアクション、常に死と隣り合わせの緊迫感は後編でも変わらず。相変わらず絶望的なシチューエーション作りが上手く、主人公たちを容赦なく危機的状況へと追い込む手腕は見事である。EOMと戦うためのショットの本数という視覚化された絶望に加え、作品内でのパワーバランスを一切崩していないため打開策が想像しにくい。前回の伏線回収もスムーズで、謎の敵「ツイスター」の正体や、素人レイダーのキムラが名前を名乗らなかった理由もすんなりと腑に落ちた。また、クリティカルエリアからの帰還後に悪夢に悩まされるといった戦争神経症の症状が出るという描写が
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紫色の霧に閉ざされ、壊滅した東京都心を舞台にしたダンジョン探索型のボーイ・ミーツ・ガール。ダンジョンと化した東京、跋扈する異形の怪物クリプテッドと、人類の敵EOM(エネミーオブマンカインド)、ドロップアイテムかつ、EOMに対する唯一の対抗策である、赤緑青の、強化、感覚、修復の三種類の注入(ショット)と呼ばれる道具など、設定が非常にゲーム的であり馴染みやすい。しかしゲーム的という言葉から感じる軽薄さのようなものは微塵もなく、むしろ死と隣り合わせという緊迫感に満ちているため、常に極限状態のような緊張感がある。抵抗はできるが基本は勝てないというEOMとのパワーバランスも絶妙で、そんな中で主人公二人の
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(内容)
小磯健二は、憧れの先輩・篠原夏希に、「4日間だけフィアンセの振りをして!」とアルバイトを頼まれ、長野県の田舎に同行することに。夏希の曾祖母を中心にご親戚に囲まれながらも、大役を果たそうと頑張る健二のもとに、謎の数列が届く。数学が得意な彼は、夢中で答えを導きだすが、翌朝世界は一変していた。世界の危機を救うため、健二と夏希、そして親戚一同が立ち上がる。熱くてやさしい夏の物語。映画「時をかける少女」の細田守監督・最新映画を完全ノベライズ。
(感想)
私が小学生6年生の時、初めて児童文庫ではなく、文庫本を手にしたのがこの作品でした。金曜ロードショーで見てから読んだってこともあって、思い入 -
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混沌の街、アウルスシティでのお話。
”超人”と人間、その突然変異、それからネクスト。
色んなタイプの人間が出てくるのだけれど、それぞれが、本人が思っている以上に(いい?意味で)わがまま。
それぞれのわがままが交錯して、今作の混沌が生まれている感じでした。
前2作に比べ、小槙と祥の距離が近づいた…ような気がしたのですが、やっぱり基本的には別々に行動するんだよね、この二人。
しかし、今回はむしろそれが良かったのかもしれない。
318ページの小槙と祥の会話を見ていると、そんな気がしてくる。
ところで、この本出てから10年以上経っているんですね。
続編…読みたいです… -
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第1巻を読破。
というか再読完了です。
ムシウタ本編がクライマックスってな感じだったんで、最初から読んでストーリーを思い出そうと思いまして。
実はちょっと前の巻から積読状態になっていまして。
ああでも、こうやって読み直すとやっぱりおもしろいな、と痛感しましたね。
「消閑の挑戦者 パーフェクト・キング」をイラスト買いしたのが著者・岩井恭平さんとの出会いで。
四季童子さんがイラスト担当していたんです。
そのころはフルメタ読んでいたんで、四季童子さんの名前は知っていて。
最初は「バトロワみたいなやつか……」と敬遠していたんですが、なんとなく買っちゃって。
ええ、おもしろかったですよ -