あらすじ
“臨界区域・東京”に戻ってきた蓮次たち。しかし、対立する救務庁の待ち伏せで叶方の命が危険に。更には“金色の糸”も出現する! 蓮次と叶方は“ハーメルン”を倒し、大切な人を取り戻せるか――!?
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Posted by ブクログ
エネミー・オブ・マンカインド編の後編。ステルス&エスケープを中心に練りこまれたアクション、常に死と隣り合わせの緊迫感は後編でも変わらず。相変わらず絶望的なシチューエーション作りが上手く、主人公たちを容赦なく危機的状況へと追い込む手腕は見事である。EOMと戦うためのショットの本数という視覚化された絶望に加え、作品内でのパワーバランスを一切崩していないため打開策が想像しにくい。前回の伏線回収もスムーズで、謎の敵「ツイスター」の正体や、素人レイダーのキムラが名前を名乗らなかった理由もすんなりと腑に落ちた。また、クリティカルエリアからの帰還後に悪夢に悩まされるといった戦争神経症の症状が出るという描写が素晴らしい。主人公はあくまで高校生に過ぎないという現実感がある。ファミレスでの日常に戻るためのクールダウン等も含めて、こういう戦闘外の細部の描写にこだわることで、非日常性のリアリティレベルの整合を保っていると言えよう。救務庁内への協力者の必要性の示唆(兄が協力者に?)や兄についた恋人がいるという嘘(彼方がその役割に?)など、次作への伏線も多いため次が非常に楽しみである。