安宅和人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『イシューからはじめよ』を読んで、仕事における「考える」という行為そのものを改めて考えさせられた。
特に印象に残ったのは、「10分以上真剣に考えて埒があかないのであれば、一度考えることを止めたほうがいい」という考え方。思考にも時間制限を設け、進まないものは進まないと割り切ることの大切さを再認識した。だからこそ、分からないことを素直に聞ける環境を日頃から作っておくことが重要なのだと思う。
「一次情報を死守せよ」という言葉も印象的だった。研修などで「現場に出て生の声を聞くことが大切」と学んできたが、それがこうした名著にも書かれていることで、やはり普遍的に重要な考え方なのだと感じた。
また、ストーリーラインや比較についての考え方からは、分析そのものよりも「相手が納得できる形で伝えること」の重要性を強く感じた。比較することで物事の違いが見えやすくなり、それがそのままストーリーの納得感にもつながる。本書全体を通して、個々のテクニックではなく「どうすれば本質を捉え、相手に伝わるのか」という一貫した考え方があるように感じた。
最後に、「毎日の小さな成功からはじめよう」という言葉も心に残った。以前読んだ習慣化に関する本でも、笑ってしまうくらい小さな積み重ねから始めることの大切さが書かれており、今回も同じ考え方に触れたことで、自分自身もこの姿勢を大切にしたいと思った。
仕事で何となく実践していたことを言語化してくれる部分も多く、今後の仕事の進め方を見直すきっかけになった一冊。 -
Posted by ブクログ
「イシューからはじめよ」の著者である安宅和人氏の書いた本。2020年に書かれたもので、少々古いかなと思ったが、今読んでも多くの気づきを得られた。
タイトルの「シン・ニホン」は当時話題となった「シン・ゴジラ」から取ったみたいだ。
高度成長を経て、世界有数の経済大国となった日本。ものづくりの国であり、メイドインジャパンが世界を席巻していた。ただし、それは過去の栄光に過ぎない。今ではスマートフォンでは海外メーカーのものばかり、AIも海外の企業が先行している(国内メーカーで生成AIやってるところあるのか?)。そんな日本を数々のデータをもとに、真実の姿を明らかにしている「真・ニホン」の意味。また、こんな状況下で日本が再び浮上するには、どのようにしていけばいいのか、変わるための新たな姿を描いている「新・ニホン」の意味。色んな側面から説明がしてあって、日本を取り巻く現実と、ちょっぴり未来への希望を得られる本だった。
特に気になった部分としては
『我が国の国語教育では、あえて不完全に書かれた「小説、随筆の書き手の理解、言いたいことの推測」にかなりのエネルギーが割かれ、「分析的、構造的に文章や話を理解し、課題を洗い出す」という理解・課題能力の育成は後回しになっている。
〜つまり、日本における母国語教育とは、慮り、空気を読む能力、社会に出た時に丸く角が立たず生きる力を鍛える場であり、本来的な意味の基礎となるコミュニケーションスキル・思考能力を鍛える場になっていない。』
なるほど、学校教育ではロジカルなことを学ばないから米州、欧州と異なり、明晰で誰でもわかる文章が書けない人が多いのかと納得した。
さらに日本と米国の博士課程の違いが、専門知識を持った人材の数自体の差になってきているみたいだ。とくに博士課程の人間への経済的サポートが全然違う。安心して生活と研究を続けていける経済的支援がなければ、なかなか博士課程にいく人間は増えていかない。日本は教育への投資が他国に比べて劣っているという現実が、現在の、そして将来の日本の衰退を招いていると感じた。
教育への投資は、結果が出るまで時間がかかる。短期的な利益を求められる現在の大企業にはなかなか難しい。国が長期的なビジョンを持って、未来を担う若者への投資を出来るかどうか。年配者の方ばかり見ていた政治家には難しいだろうなと思っていた。ただし、今の政権には少しだけ期待している。若者へ目線を向けているように思える。
年寄りは新たに生まれ変わろうとする日本の邪魔だけはしないように、そっと支えていきたいと思った。
他にもいろんなテーマをもとに書かれていいるが、安宅さんの著書は一回読んだだけでは理解するのは難しい。何度も読んで深めていこうと思う。