あらすじ
【時代が変わっても読者が増え続ける】累計65万部ロングセラー
「21世紀のビジネス名著ベスト100」第2位(NewsPicks)
「読者が選ぶビジネス書大賞2025」イノベーション部門賞受賞
■『イシューからはじめよ』とは?
2010年の『イシューからはじめよ』(旧版)発売以来、知的生産のバイブルとしてビジネスパーソンを中心に研究者や大学生などから幅広く支持されてきました。15年間一貫して売れ続けて累計65万部突破(紙と電子版、旧版と改訂版を合算)。ビジネススキルの本として異例のロングセラー&ベストセラーです。改訂版では「課題解決の2つの型」「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」など、読者の実践に助けとなる内容を追加しました。
■イシューとは?
イシューとは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。世の中で問題だと思われていることのほとんどは、イシュー(=今この局面でケリをつけるべき問題)ではありません。本当に価値のある仕事は、イシューの設定から始まります。
■旧版からの変更・追加箇所
・New「課題解決の2つの型」(コラム)
・New「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」
・New「改訂版あとがき:旧版の裏話と今回の改訂にあたって」
・24ページ増(旧版248ページ→改訂版272ページ)
・全文推敲、一部事例差し替え
■本書の3つの特徴
(1)著者が発見した「圧倒的に生産性が高い人」の共通点
限界まで働き、努力をすれば、本当に目的にたどりつけるのでしょうか? 「圧倒的に生産性が高い人」の共通点──それは、ひとつのことをやるスピードが10倍、20倍と速いわけではありません。ビジネスでもサイエンスでも本当に優れた知的生産には共通の手法がある。それは、今この局面でケリをつけるべき「イシュー」からはじめることです。
(2)脱「犬の道」! イシューからはじめると、やるべきことは100分の1になる
さまざまな問題がある中で、「いま本当に答えを出すべき」かつ「答えを出す手段がある」問題は、ごくわずか。しかし、気合いと根性で手当たり次第に始める「犬の道」を進むと、本当に重要な問題に取り組めず、意味も成果もない仕事になってしまいます。価値あるアウトプットを一定期間内に生み出す必要のある人にとって、本当に考えなければならないことは何か。本書では、仮説ドリブン、アウトプットドリブン、メッセージドリブンなど、イシュー度と解の質の高める方法を解説します。
(3)新規事業、リサーチ、商品開発、研究…分野を超えて生きる、究極の思考法。
「仕事のやり方が根本的に変わった」「私のバイブル」「新卒の時から何度も読んでいます」…累計58万部ロングセラーの本書は、経営者、起業家、コンサルタント、デザイナー、研究者から学生まで幅広い方々に支持されています。AI×データ時代の産学官におけるリーダーであり、「価値ある未来のつくり方」を提示する『シン・ニホン』(NewsPicks パブリッシング)著者でもある安宅和人さん。価値観の刷新と新しい行動が求められる中で、本書は「本当に価値あるもの」を生み出したい人の必携書です。
■なぜ今『イシューからはじめよ』」なのか(本書から抜粋)
この本は、知的生産の現場において空気、常識、権威で判断することや、努力すればなんとかなるという根性論を終わらせ、本当に向き合うべき課題に取り組む人が増えることを期待して書いた。日本はイシューからはじまる社会に近づいているのだろうか。残念ながら、手応えは今ひとつだ。
イシューという言葉自体はずいぶん浸透したが、日本社会で行われているのは、今もなおイシュードリブンではなく空気ドリブンだ。ひとつ断っておくと、僕は「空気を読む力」を否定しているわけではない。重要なのは、空気はあくまでファクトと論理の上にあるべきだということだ。
では、イシュードリブンな社会に移行するには何が必要なのか。かつて電気や化学が登場し今や当たり前になったように、データやAIがない世界に戻ることはないだろう。価値観の刷新と新しい行動は避けられない。一人ひとりの行動変容が不可欠だ。その一助になればと思い、本書ではあまり詳しく触れていなかったことをお伝えしたい。
■目次
はじめに 優れた知的生産に共通すること
序章 この本の考え方──脱「犬の道」
第1章 イシュードリブン──「解く」前に「見極める」
第2章 仮説ドリブン①──イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
第3章 仮説ドリブン②──ストーリーを絵コンテにする
第4章 アウトプットドリブン──実際の分析を進める
第5章 メッセージドリブン──「伝えるもの」をまとめる
おわりに──「毎日の小さな成功」からはじめよう
なぜ今『イシューからはじめよ』なのか
改訂版あとがき──旧版の裏話と今回の改訂にあたって
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
社会人が読むべきビジネス書の傑作。
まず、解の質を上げることと同じくらいイシューの質を上げることが大切。我々は前者を上げることに労力を費やしがちだが、よいイシューなしに良い解を得ることなし。また、イシューを立てられたら、ストーリー起点での仮説を構築。その際にMECEにイシューを分析する。そして、分析とは、比較、比べることである。言葉に信頼を与え、論理を成り立たせ、イシューに答えを出すことに不可欠である。その際の比較の軸が最も鍵となる。
仮説を立てる際には構造化して考える。また自分だけでは埒が開かない際には他力を最大限活用する。
Posted by ブクログ
「悩む」と「考える」は別物。前者には答えがなく、後者には答えがある——本書はこの一行から始まり、ビジネスにおける知的生産の本質を鋭く照射する。
本書が繰り返し強調するのは、「スタンスを取ること」の重要性。「新しい会計基準を調べておいて」では意味がない。「この変更により自社の利益が〇〇億円下がる」——そこまで踏み込んで初めて、イシューは答えを出しうる水準に達する。仮説なき調査は作業であり、思考ではない。スタンスを持つことで初めて、やるべきことが見え、アウトプットの解釈が可能になるという構造は、シンプルだが多くのビジネスパーソンが実践できていない急所。
逆説的に興味深いのが、「知識は集めすぎるな」という指摘。一定ラインを超えると知識獲得と成果の相関が失われ、やがて「自分の意見がなくなる」負の関係に転じる——これは情報過多の時代に刺さる警告。一次情報への直接接触にこだわりながら、知りすぎることへの節制を同時に求める。この緊張こそが、深い洞察を生む土壌となる。
分析の型は比較・構成・変化の三つのみ。where/what/whenを重視し、主語と動詞を意識的に入れ、比較軸を明示する——こうした思考の型は、スタンスを持つための技術的な裏付け。「問いの設定」から逆算し、最終系から現在をたどる思考法まで、本書全体が「どう考えるか」ではなく「何を問うか」の一点に向かって収束している。知的生産の本質を再定義する、骨太な一冊。
Posted by ブクログ
気になったフレーズ
悩むと考えるは違う。悩むには答えがないため悩まないようにする。
一つ一つの作業を早めるのではなく、やる作業を削る
一次情報を死守せよ
良いイシューとは、whyではなくwherewhathowである=疑問系ではなく仮説
イシューは言語化し答えが出せるもの
感想
イシューから始めるということは普段から意識していたが、より踏み込んだ内容については認識できていなかったので非常に勉強になったし、今後イシューを考える上で忘れないように実践したい。また答えが出せるものがイシューであり、答えが出せないものは早く諦めて違う手法で取り組むという点も新たな気づきだった。どうしてもイシューを一度定めたら物量や努力で精度をあげたりそれらしい答えを出そうと頑張ろうとしていたが、このやり方では再現性が低いし本質的ではないことを痛感した。努力は評価されない、あくまでイシュー度(今取り組むべき問題か)と解の質(答えられているか)が重要であり、そこに努力は介在しない。忘れた頃にまた読みたいと思う良い本だった。
Posted by ブクログ
内田和成さんの著書『論点思考』とセットで職場の上司に勧めていただいたので読んだ。
端的に言うと非常に面白かった。解くべき問題を見極めるという点では『論点思考』と似ている部分はあるものの、『論点思考』は問題設定に特化している一方、本書は解の質にも言及している点で異なっているように感じた。
特に感銘を受けたのは以下の点。(原文ママでないので、私の解釈が含まれる。)
・「悩む」と「考える」は本質的に全く異なる。「考える」が答え出すためのものであるのに対し、「悩む」は答えが出ないという前提のもと、「考える」ふりをする行為である。
・結果が全てであり答えの出ない(解決可能性の低い)問題については対処する価値がない。解決できるか否か×その解決方法の簡単さという価値基準で解くべき問題を見極めるべきである。
・「人から褒められること」ではなく「生み出した結果」が自分を励ましてくれる。生み出した結果によって喜んでくれる人がいることが1番の報酬である。
上記の考え方に触れることができたのが本書をとった1番の収穫だったように思う。自分の仕事に当てはめた時に自分がどうすべきか、何に時間を割くのかということを考える際の指針にしたいと思う。
Posted by ブクログ
イシューが何かを考えることが、仕事の質を変えていくのだとわかった。
そして、それを言語化することで、チームで扱いやすくなり、解決方法を考えられるようになる。
私自身振り返ると、問題は、何もかも並列にしてしまい、順番を考えず、ただタスクとしてしまいがちだった。
今、何に答えを出すことが重要なのか、を吟味するため、課題があれば、よいイシューの条件(本質的か、深い仮説にできているか、答えが出るか)と照合していくところから始めようと思う
下記は備忘録
・バリューのある仕事(対価をもらえる仕事)をするために、これが何かを知る。
バリューのある仕事とは、イシュー度と解の質両方が高い基準の仕事。
イシューとは下記のような問題。
・2つ以上の集団間で決着がついてない問題
・根本に関わる問題
・白黒がはっきりしていない問題
この中で、今解決することに意味がある本質的な選択肢であり、深い仮説(スタンス)があり、答えを出せるイシューが、よいイシューである。
・イシューは、チームで考えるために言語化しないといけない。特にビジュアル思考型の人が、言語思考型の人につたえるとき、話すだけでは全く伝わらない。
・考えるということは、「答えが出る」という前提のもと建設的に考えを組み立てることであり、答えが出ない前提で考えるふりをするのは、悩んでいるだけ。
・イシューは大抵の場合大きいので、これの構造を明らかにするたサブイシューを洗い出し、それに沿った分析を行う
・分析結果は、イシューとともに適切なストーリーラインでまとめ、受け手が語り手と同じように問題意識をもち、同じように納得し、同じように興奮した状態にすることが理想。
Posted by ブクログ
さらっと一気に読んでしまったが、流石は話題になった本だけあって、とても共感できるものが多かった。論理的に考えること、理屈立てること、「フェアな姿勢」で物事と対面することの大切さを改めて認識させられた。またプレゼンの極意については特に納得できるものが多く、自分自身の仕事の進め方を反省するような面も多かった。総じて良書と断言できる一冊。
Posted by ブクログ
目的と手段を履き違えずに、目的を明確にして取り組みましょうという本。まずは本当に取り組むべき課題を明確にし、情報収集し(しすぎない)、イシューを分解し、プレゼンをイメージしたストーリーを作り上げる。 仕事は結果が全てであり、その結果がある程度のレベルに達していないと、価値がなく、マイナスとなる場合すらある。
Posted by ブクログ
「その仕事の目的は何か?」私が最もよく使う言葉の中の一つである。本書はそれに加えてもう一つの良いフレーズを教えてくれた。それは「その仕事の本当に解くべき問題は何か?」である。解を考えたくなるのをグッと堪え、そもそもの問題について考える癖をつけるように訓練したい。
Posted by ブクログ
入り口の問題設定誤ると、時間と労力を無駄にしまくることってあるよね。解決できる問題なのか、どの程度のインパクトある問題なのか、動き出す前に立ち止まって整理するの超大事。
Posted by ブクログ
再読。
世の中には、一生懸命に働いているのに、なぜか思うような成果が出ないという「停滞」の罠があちこちに潜んでいる。その最大の原因は、一心不乱に大量の仕事をこなすことでバリューを上げようとする「犬の道」に入り込んでしまうこと。
目指すべき「バリューのある仕事」とは、単に質の高い仕事のことではない。それは、「イシュー度(自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ)」と「解の質(そのイシューに対してどこまで明確な答えを出せているか)」の二つを兼ね備えたものだけを指す。
ステップとしては、まず、「解く」前に「見極める」。これが最も重要。どれだけ速く解いても、それが「今、答えを出すべき問題(イシュー)」でなければ、その仕事の価値はゼロに等しい。イシューを見極める際は、必ず「言葉」にして「スタンス(仮説)」を明確にすべし。言葉にすることで、初めて自分やチームが何を分析し、何を白黒つけようとしているのかが明確になる。
次いで、大きなイシューを「答えを出せるサイズ」のサブイシューに分解し、検証のための「ストーリーライン」と「絵コンテ」を組み立る。分析の本質は「比較」である。どのような「軸」で比較すればイシューに答えが出るのか、分析を始める前にその「答えのイメージ」を描き切る。
そして実際の分析においては、完璧主義を捨て、「回転数とスピード」を重視すべし。80%の完成度を目指して停滞するよりも、60%の完成度でいいから素早くサイクルを回す。この「回転数」こそが、最終的な「解の質」を飛躍的に高めるカギとなる。
Posted by ブクログ
「42歳からのリスキリング」というテーマと「データサイエンティストになる」という目標と夢を掲げた今だからこそ自分には深く刺さる一書となった。この本が出版され、ヒットしていることは知っていたけど当時はビジネス書や自己啓発書といった類はほぼ読んでおらず主に文芸を楽しむ日々だった。そんな自分が10年以上の時を経て手に取ることになっろうとは。人生何があるかわからない。人生の転換点を迎え、自身で突き進む道を決めた中での出会い。AI、データサイエンス、Pythonを勉強し、いかに実務に活かすか、現実とデータを反映させて課題を解決するかということに向き合うことに決めたことでより楽しむことができた。「課題を解く」のではなく「課題を考える」という一見当たり前だけど、改めて言われて確認してみるとハッとさせられることしきり。データサイエンティストを目指す自分が進む道をより詳しく、わかりやすく、さらには彩り豊かにしてくれた。目が覚めるような衝撃ではないけれど、着々と少しずつでもこの書籍に示されている考え方、見方を身につけていきたい。
Posted by ブクログ
■作品紹介・あらすじ
・「読者が選ぶビジネス書大賞2025」イノベーション部門賞受賞
・NewsPicks選「21世紀のビジネス名著」ベスト100[第2位]
・【時代が変わっても読者が増え続ける】累計60万部ロングセラー『イシューからはじめよ』改訂版が発売!
「課題解決の2つの型」「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」などを新たに収録
■『イシューからはじめよ』とは?
2010年の『イシューからはじめよ』(旧版)発売以来、知的生産のバイブルとしてビジネスパーソンを中心に研究者や大学生などから幅広く支持されてきました。14年間一貫して売れ続けて累計60万部に到達(紙と電子版、旧版と改訂版を合算)。ビジネススキルの本として異例のロングセラー、ベストセラーとなっています。
・そしてこのたび、「課題解決の2つの型」「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」など、読者の実践に助けとなる内容を追加した『イシューからはじめよ[改訂版]』を発行いたします。
■イシューとは?
イシューとは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。
・世の中で問題だと思われていることのほとんどは、 イシュー(今この局面でケリをつけるべき問題)ではありません。 本当に価値のある仕事は、イシューの設定から始まります。
■なぜ今『イシューからはじめよ』」なのか
・この本は、知的生産の現場において空気、常識、権威で判断することや、努力すればなんとかなるという根性論を終わらせ、本当に向き合うべき課題に取り組む人が増えることを期待して書いた。
・日本はイシューからはじまる社会に近づいているのだろうか。残念ながら、手応えは今ひとつだ。
イシューという言葉自体はずいぶん浸透したが、日本社会で行われているのは、今もなおイシュードリブンではなく空気ドリブンだ。ひとつ断っておくと、僕は「空気を読む力」を否定しているわけではない。重要なのは、空気はあくまでファクトと論理の上にあるべきだということだ。
・では、イシュードリブンな社会に移行するには何が必要なのか。かつて電気や化学が登場し今や当たり前になったように、データやAIがない世界に戻ることはないだろう。価値観の刷新と新しい行動は避けられない。一人ひとりの行動変容が不可欠だ。その一助になればと思い、本書ではあまり詳しく触れていなかったことをお伝えしたい。
■おすすめポイント
・圧倒的に生産性の高い働き方とは、どのようなものだろうか。
・2001年東洋経済新報社より照屋華子氏、岡田恵子氏の『ロジカルシンキング――論理的な思考と構成のスキル』が出版されてから、既に20年以上が経過した。その後、「論理的思考力」に係る書籍が多くの著者から絶え間なく出版され、書店に並んできた。その結果として、「MECE(モレなくダブりない)」という概念や、多種多様なビジネスのフレームワークは、今ではプロフェッショナルファームのみの特殊な武器ではなく、多くのビジネスパーソンの中でコモディティ化した。
・そんななかでも、『イシューからはじめよ』には新しさがある。それは、これまでの書籍ではあまり着目されてこなかった「それは本当に解くべき課題なのか」という論点に対して、明確な解を示していることに理由がある。
・世の中で問題かもしれないと思われているもののなかで、今この瞬間に解を出すべき問題というのは100個のうち2、3個だと著者は語る。
・解くべき問題を見極め(イシュー度を高める)、そして解の質を上げていく(仮説ドリブン→アウトプットドリブン→メッセージドリブン)。
・著者が脳神経科学の研究とマッキンゼーにおけるビジネスの経験から共通して見出したこのアプローチは、まさしく「知的生産のシンプルな本質」に違いない。
■本書の要点
・問題を解く前に、本当にそれが解くべき問題であるか、イシューであるかを見極める必要がある。
・解の質を高めるために、初期の段階で「ストーリーライン」と「絵コンテ」を作成する必要がある。
・いきなり分析や検証の活動をはじめず、粗くてもよいから、肝となるサブイシューが本当に検証可能かどうかを見極める。
■【必読ポイント!】 イシュードリブン
・「なんちゃってイシュー」に惑わされるな。実は、世の中で問題だと言われているもの、調べてみようと思うことの大多数は、今、答えを出す必要がないものだ。そうした「なんちゃってイシュー」に惑わされないことが大切だ。
・ある飲料ブランドが長期的に低迷しており、全社で立て直しを検討しているとする。ここでよくあるイシューは「〈今のブランドで戦い続けるべきか〉もしくは〈新ブランドにリニューアルすべきか〉」というものだ。
・だが、この場合、まずはっきりさせるべきはブランドの低迷要因だろう。「〈市場・セグメントそのものが縮小している〉のか〈競合との競争に負けている〉のか」がわからないと、そもそも「〈ブランドの方向性の修正〉がイシューなのか」という判断がつかない。
■「スタンスをとる」ことが重要
・イシューの見極めについては、「こんな感じのことを決めないとね」といった「テーマの整理」程度で止めてしまう人が多いが、これではまったく不足している。
・強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心だ。「やってみないとわからないよね」といったことは決して言わない。理由は3つある。
・一つ目は、仮説が単なる設問をイシューにするということだ。例えば「○○の市場規模はどうか?」という単なる設問ではなく、「○○の市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?」と仮説を立てることで、答えを出し得るイシューとなる。
・二つ目は、仮説を立てて、はじめて本当に必要な情報や必要な分析がわかるということだ。
・三つ目は、答えを出すべきイシューを仮説を含めて明確にすることで、分析結果の解釈が明確になり、無駄な作業が大きく減ることだ。
・ちなみに、良い仮説というのは答えを出す必要があること、つまり本質的な選択肢であり、深い仮説があること。また答えを出すことができることである。ありふれた問題に見えても、それを解く方法がいまだにはっきりしない、手を付けないほうがよい問題が大量にある、ということを忘れてはならない。
■「考えるための材料」を入手する
・「よいイシューとは何か」と「(強引にでも)仮説を立てることの重要性」がわかったところで、次にそれを発見するための「材料」をどのように仕入れるか、情報収集のコツのようなものはあるのだろうか。
・第一のコツは、「一次情報」に触れることだ。一次情報というのは、誰のフィルターも通っていない情報のことで、具体的には、モノづくりの場合は生産ライン、商品開発の場合は商品が使われている現場に出向く、データの場合は加工されていない生データに触れるということだ。
・現場で何が起こっているのかを見て、肌で感じない限り理解できないことは多い。よって、数日間は集中的に一次情報に触れることをお薦めしたい。
・第二のコツは、一次情報から得た感覚をもちつつ、世の中の常識・基本的なことをある程度の固まりとしてダブりもモレもなく、そして素早くスキャンする(調べる)ことだ。
・通常、ビジネスでの事業環境を検討する場合であれば、①業界内部における競争関係、②新規参入者、③代替品、④事業の下流(顧客・買い手)、⑤事業の上流(サプライヤー・供給企業)、⑥技術・イノベーション、⑦法制・規制の7つのひろがりについて、それぞれの数字、問題意識、考え方のフレームワークをスキャンすればよいだろう。
・第三のコツは、意図的にざっくりとやる、つまり「やり過ぎない」ということだ。情報収集にかけた努力・手間とその結果得られる情報量にはあるところまでは正の相関があるが、そこを過ぎると途端に新しい取り込みのスピードが鈍ってくる。これが「集め過ぎ」だ。「知り過ぎ」はもっと深刻な問題だ。ある量を超すと急速に生み出される知恵が減り、もっとも大切な「自分ならではの観点」がゼロに近づいていくのだ。
■仮説ドリブン
・イシューを分解する
・多くの場合、イシューは大きな問いなので、いきなり答えを出すことは難しい。そのため、おおもとのイシューを「答えの出せるサイズ」まで分解していく。分解したイシューを「サブイシュー」という。
・イシューを分解するときは「ダブりもモレもなく」砕くこと、そして「本質的に意味のある固まりで」砕くことが大切だ。例えば、「新規事業コンセプトの有望なアイデアを検討する」というプロジェクトの場合、「事業コンセプト」自体が非常に大きな概念なので、このまま仮説を出してイシューを磨こうとしてもあいまいな仮説しかたてられない。
・「事業コンセプトとは何か」と言うと、さまざまな考え方があると思うが、ひとつの考え方として、狙うべき市場ニーズ、事業モデルに分解することができるだろう。前者はどのような市場の固まり・ニーズを狙うのか、後者はどのような事業の仕組みで価値提供を行い、事業を継続的に成り立たせるのかといったことがサブイシューとなる。
・「ダブりもモレもなく」という考えのことをMECEという。そして、この考え方を生かした汎用性の高い「考え方の枠組み」のことをフレームワークと呼んでいる。フレームワークは、イシュー見極めの場面では網羅的な情報収集に役立ち、イシュー分解の場面では汎用性をもった「イシューを砕く型」としてつかうことができる。
・ただし、危険なのは、目の前のイシューを無理やりそのフレームにはめ込んで本質的なポイントを見失ってしまう、あるいは自分なりの洞察や視点を生かせなくなってしまうことだ。「カナヅチをもっていればすべてのものがクギに見える」という状況になってしまっては本末転倒であり、このような状態になるくらいならフレームワークなど知らないほうがよい。
■ストーリーラインを組み立てる
・イシューを分解し、そのサブイシューに仮説が見えれば、自分が最終的に何を言わんとするのかが明確になる。ここまでくればあと一歩だ。
・次のステップは分解したイシューに基づいて、ストーリーラインを組み立てることだ。人に何かを理解してもらおうとすれば、必ずストーリーが必要となる。それが研究であれば論文の流れであり、ビジネスであればプレゼンの流れだ。
・できる限り前倒しでストーリーラインをつくると言うと、「決め打ちですか、ここでたいしたアイデアが浮かばなければ終わりということですね」という人がいる。だがこれは大きな誤解だ。ストーリーラインは検討が進み、サブイシューに答えが出るたびに、あるいは新しい気づき・洞察が得られるたびに、書き換えて磨き上げるものだ。問題を検討するすべての過程に伴走する最大の友人、それがストーリーラインなのだ。
・ストーリーラインには2つの型がある。一つ目は「WHYの並び立て」、二つ目は「空・雨・傘」というものだ。前者に関してはシンプルな方法だ。最終的に言いたいメッセージについて、理由や具体的なやり方を「並列的に立てる」ことでメッセージをサポートする。「第一に、第二に、第三に、というタイプの説明」と言えば理解しやすいかもしれない。
・ここでも「あの論点はどうなっているんだ」と意思決定者や評価者から攻撃されることを防ぐために、重要な要素を「ダブりもモレもなく」選ぶようにする。
・後者の考えは多くの人にとって馴染みやすいのではないかと思う。「西の空が良く晴れているな(空)。今の空の様子では、当面雨は降ることはなさそうだ(雨)。だとすると、今日傘を持っていく必要はない(傘)。」という流れだ。多くは、「雨」の部分で見えてきた課題の深掘りがどこまでできるかが勝負どころとなる。
■ストーリーを絵コンテにする
・イシューが見え、それを検証するためのストーリーラインもできれば、次は分析イメージ(個々のグラフや図表のイメージ)をデザインしていく。ここでも「分析結果が出ないと考えようがない」とは言わない。
・基本はいつでも、「最終的に伝えるべきメッセージ(=イシューの仮説が証明されたもの)」を考えたとき、自分ならどういう分析結果があれば納得するか、そして相手を納得させられるかと考えることだ。そこから想定されるものをストーリーラインに沿って前倒しでつくる。
・著者はこの分析イメージづくりの作業を「絵コンテ」づくりと呼んでいる。絵コンテづくりで大切な心構えは「大胆に思い切って描く」ということだ。「どんなデータが取れそうか」ではなく、「どんな結果がほしいのか」を起点に分析イメージをつくる。ここでも「イシューからはじめる」思想で分析の設計を行うことが大切だ。「これなら取れそうだ」と思われるデータから分析を設計するのは本末転倒であり、これをやってしまうと、ここまでやってきたイシューの見極めもストーリーラインづくりもムダになってしまう。
・「どんなデータがあれば、ストーリーラインの個々の仮説=サブイシューを検証できるのか」という視点で大胆にデザインする。もちろん、現実にそのデータが取れなければ意味はないが、そのデータを取ろうと思ったらどのような仕込みがいるのか、そこまでを考えることが絵コンテづくりの意味でもある。場合によっては既存の手法ではやりようがないこともあるだろうし、大胆な工夫をする必要も出るだろう。
・このようにイシューの視点からデータの取り方や分析手法にストレッチ(背伸び)が生まれるのはよいサインだ。正しくイシューをベースに絵コンテづくりをしている証拠でもある。
■アウトプットドリブン
・いきなり飛び込まない
・イシューが見え、ストーリーラインができ、それに合わせて絵コンテができれば、あとはその絵コンテを本物の分析に変えていく。
・そこで大切なことは「いきなり分析や検証の活動をはじめない」ことだ。最終的に同じイシューを検証するための分析であっても、それぞれには軽重がある。もっともバリューのあるサブイシューを見極め、そのための分析を行う。ストーリーラインと絵コンテに沿って並ぶサブイシューのなかには、必ず最終的な結論や話の骨格に大きな影響力を持つ部分がある。そこから手を付け、粗くてもよいから、本当にそれが検証できるのかについての答えを出してしまうわけだ。
・重要な部分をはじめに検証しておかないと、描いていたストーリーが根底から崩れた場合に手が付けられなくなる。ここはストーリーラインのなかで絶対に崩れてはいけない部分、あるいは崩れた瞬間にストーリーの組み換えが必要となる部分であり、具体的にはカギとなる「前提」と「洞察」の部分になるだろう。その他のバリューが同じくらいのサブイシューは早く終わるものから手を付けるのが、アウトプットを出す段階における正しい注力だ。
■メッセージドリブン
・あいまいなものはすべて排除する
・イシューに沿ったメッセージを人に力強く伝わるかたちでまとめる。これが、「メッセージドリブン」だ。仮説ドリブン、アウトプットドリブンに続く、イシューに対する解の質をグッと高める「三段ロケット」の最後にあたる。ここの踏ん張りで、同じネタでも見違えるほど力強いアウトプットになる。
・検討報告の最終アウトプットは、ビジネスではプレゼンテーション、研究では論文というかたちをとることが多いだろう。これを聞き終わったとき、あるいは読み終わったとき、受け手が語り手と同じように問題意識をもち、同じように納得し、同じように興奮してくれるのが理想だ。
・「イシューからはじめる」という当初から貫いてきたポリシーそのままに、「何に答えを出すのか」という意識をプレゼンの前面に満たす。シンプルに無駄をなくすことで、受け手の問題意識は高まり、理解度は大きく向上する。「本当にこれは面白い」「本当にこれは大切だ」というイシューだけがあればよい。まずは「ストーリーラインを磨き」そして「チャートを磨きこむ」必要がある。
■一読のすすめ
・本書ではイシューベースの各アプローチに対するさらに深い思考方法や、それに基づくビジネスケースが多く提示されている。上記の紹介の中では、コンセプトを中心にまとめており、具体例の多くはカバーしきれていない。すべてのビジネスパーソン、そしてこれから社会に出ようとする内定者に、本書を一読することを強く薦めたい。
Posted by ブクログ
課題解決の手法ばかり世に出回り重要視される中で、そもそもの課題設定の重要さを説いた一冊。どれだけ優れた手法で課題を解決しても、その課題のイシュー度(インパクト・実現性・深い仮説がある・解決による効果の大きさ※決着の着いていない課題や根本的な課題)が低ければバリューのある仕事とは言えない。だからまずは「イシューからはじめよ」と謳われている。私の会社ではイシュー度の低いことにこだわっていると気づいた。それは程々にし、イシュー度の高いことに集中すべきと感じた。じゃあどのようにイシュー度の高い課題を設定するのか。
・1次情報を収集する(情報を集め過ぎても効果の高まりは薄いため70-80%)
・物事の共通点を知る(物事を抽象的に捉えられることで、比較や推論が高度化する)
・グルーピングする(何らかの軸でグループを分けることで相関関係を知ることができより深い洞察を得ることができる)
・図解で視覚化する(頭で考えたり、パソコンで文字入力した場合、物事の繋がりが分かりづらく課題が見つけにくい。やはりここは手書きで視覚化するのが良い)
ここまでこれば既存のフレームワーク(MECEやなぜなぜ分析など)を組み合わせて解決へと導く。
Posted by ブクログ
オーディブル7冊目、イシューからはじめよ(安宅和人)。古い本だが改訂版では能登地震に触れるトピックスがあったり、内容としても令和の今でも学びがあり読んで良かった。社内で勧められて、オーディブルだと5時間ぐらいだったのでさくっと聴いてみた。短時間で読める聴ける割に本質を学べて効率高い。
Posted by ブクログ
問題が何か?というアプローチから構造化して、仮説を検証する。そしてストーリーラインを作る。
というコンサルで働いていると断片的に当たり前のようにいつも言われていることも改めて読むと勉強になった。
特に自分の都合のいいように進めていないか、本当に自分の考えに漏れがないのか、は永遠の課題だと思うが現場で常に意識しながら実践したい。
また時間をおいて読みたい一冊。
Posted by ブクログ
【目的】無駄なことをせず、本質的なことに取り組んで短い時間で大きな成果を出す
【内容】悩まず考える、答えるべき問いに高い質の解答を出す、犬の道を避ける、根性に逃げるな、仮説でスタンスをとる
良いイシュー①本質的②深い仮説③答えが出る
イシューの材料①1次情報②基本情報③集めすぎない知りすぎない
イシュー特定法①変数を削る②視覚化する③最終形から辿る④so whatを考える⑤極端事例を考える
課題解決の前に整理すべきこと①基本課題②課題の背景③成功要件④解の検討範囲⑤制約条件⑥意思決定者
定量分析の型→比較構成変化
【感想】
犬の道はとにかく気をつけなければならない。根性に逃げず、やるべき事を見極めて高い質の回答を出すことを意識したい。後半は実際に働いてから読み直した方が学びになりそうだ。
Posted by ブクログ
全く想像もしなかった内容でした。
論理的に説明されていたので、そういうことかと納得したものが多々あり!
論理的すぎてちょっと読みにくい点だけが難点ですが、何度も読み直したい!
Posted by ブクログ
筆者は、悩むと考えるは違う、という。
・悩むとは
答えが出ない前提、考えるふり
・考えるとは
答えがでる前提、建設的に考え組み立てる
この言葉を聞くと、いかに仕事で悩むことで、時間を空費していたか、考えさせられてしまう。
本書は、頭脳労働と言われる、ホワイトカラーの必読の書といえる。
といっても、本書にはわかりやすいものから、難解な内容まで含まれており、一読で理解するのは難しいと感じた。
筆者は先回りして、
・本は全部読まなくていい
・読んですぐに理解できるものでもない
と言っている。
主な主張として、、
・何に答えを出すべきか、ブレることなく活動に取り組むこと
・イシューを見極める
・相談する相手をもつ
・仮説を立てる
・言葉にする
・一次情報に触れる
いわゆる、誰のフィルターにも通っていない
情報
・情報を集めすぎない、知りすぎない
一定を過ぎると取り込みスピード落ちる
知りすぎると、自分なりの視点がゼロに近づく
以上の点を述べている。
ビジネスの基本書に上げられる本といえる。
Posted by ブクログ
知的生産力を高める内容がシンプルにまとめられている。だがとても奥が深く、特にイシューを見つけ出す部分については数回読み返した。「イシュー」からはじめる以前に、「イシュー」とは何なのか、私たちが普段目にする課題や問題は、本質的な「イシュー」と呼べるのか考えることができる。何度も立ち返ることになると思う。
Posted by ブクログ
最初の一歩を踏み出す前に、踏み出す先をどこにしたらいいか見極めてから歩き始めましょう。という感じの内容。
仕事をしていたらどう段取りをつけるかというのは誰だって考えることのはずだし、すでにそう動いてるなと思う個所も多かったが、こういう本はそれが明文化されている所に価値があるんだろうなと思った。
巷で言われる生産性という意味がイマイチ理解できてなかったのだが、必要なところに注力して、無駄なことをしないことで結果的に自分の総行動コストが下がって色々できるというのが分かったのが良かった。
ただなんというか、これは生産性が上がらない仕事を他人に押し付けて自分の価値を上げるという話にもなりそうなので、世知辛いなとも思った。
Audibleで聴いたがどうも図が多かったようなので、オーディオブック的には不向きだと思った。
Posted by ブクログ
問題解決力、ロジカルシンキングのためと
名著と言われるくらい評判が高かったので
購入しました。
一読したらなんとなく分かるのだか
この考え方は再読と訓練が無いと本当に
分かったとは言えない。
今担当している仕事において、この作業は
本当に意味があるのか?を問い、それは
本当にイシューなのかを日々考えて
訓練、また再読していきたい。
Posted by ブクログ
一読しただけだと、馴染みない感じで頭に入らないことも多かった。
それって今やらないといけないことですか?
白黒付くと何か良いことあるんですか?
と煽るような視点で取り組み課題を精査していこうと思った
Posted by ブクログ
自分にとってはまだ早かったかも
でも学べるところはあり
人に聞きまくる。他人を活用。前倒しで行う。不安なことはヘッジを大きくかける。分析して小さく分けて考える。など
Posted by ブクログ
気になって、読んでみましたが、分かりづらく読むのがしんどかったので流し読みしました。
悩むと考えるの違いはハッとさせられ、悩んでばっかりだなーという気づきはありました。
Posted by ブクログ
コンサルの言うところのバリューを出すにはイシューが鍵を握る。犬の道に入って時間を浪費することなく、本質となる課題設定を最初に行うことが重要。分析は比較であることを意識したい。