安宅和人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ安宅氏による未来に向けた提言であり名著
さらっとまとめられた構造化や洞察一つに恐ろしいほどの本質的な話が詰まっていたりする。
自然法則との関係、、世にある失敗原因のほとんどはこれだなとこのテーマだけで本があってもいいほどの記述だった、。
メモ
•都市集中、人口集積ではなく、疎空間のまま持続性を実現するための取組。地方ではなく。
•スマートシティ実験の失敗理由主なもの
プライバシー、セキュリティ
インフラ的システムを連動して動かせない
十分な予算がない
関係者のビジョン共有ができず、組織的抵抗
ロードマップを作れない
長きにわたる運用を可能にするガバナンス構造
リーダーシップの不在
変化対応力ある堅牢なデジタルインフラ欠如
•地球との共存、人口調整局面のしのぎ方という2つのグローバル課題
•疎空間はレジリエンス研究所という意味合いを持つ
⭐︎自然法則を理解した取り組みとする必要がある
•解決すべき課題は以下四つ
エコノミクス
レジリエンス
求心力
文化と価値の創造力
•スケール則を超える四つの視点
都市スペックから谷スペックへ
インフラの場合分けを行う
脱グリッド
谷と近隣の都市をセットで考える
•レジリエンスの構成要素
受身力
対応力
復旧力
➕心のレジリエンス -
Posted by ブクログ
都市の問題の捉え方を、従来の「都市⇔地方」から、「密空間⇔疎空間」として再定義することから出発する。
自然と谷、食と農、空間、土木インフラ、エネルギー、情報通信、まち商業空間、生活空間、教育、ヘルスケア、の各ジャンルにおいて、エコノミクス、レジリエンス、求心力と三絶、文化・価値創造の切り口から風の谷実現への指針を提示していく。その際には、地球との共存と、人口調整局面の課題を念頭に置く必要がある_
「言われてみればその通りだが、いままで言葉で定義されてはこなかったものを定義すること」の重要性が再三唱えられていたし、その通りだと思う。
例えば、「ほぐす土木」という考え方。伝統的な多自然型の工法を積極的に活用しつつ、疎空間での既存施設を場合によっては少しづつ撤去(=ほぐす)ことも考える。治水事業(河川堤防や、護岸整備)ひとつをとっても、それにより影響を受ける自然や食と農、空間(や景観)と密接に関わっているが、基本的には他分野を無視した独立した検討がなされているのが現状である。
本書でも言及されているように、現状を変えるには複数の行政関係者との途方もない対話が必要であり、現実的には、パイロット的に特別行政区域を設けることやプロジェクト単位での実例を作っていくことが望ましい。普段主に国発注の土木事業に携わっているが、現状を変えるために必要な将来的な苦労を思うと頭が痛い。
上記に限らずどのトピックにおいても経済性の問題が付き纏っていくが、谷を作ることで、短期的な経済性をクリアできずとも50〜100年単位で面白い人材が育ってゆき、様々な分野での相乗効果が期待できるという構想、わくわくする。
風の谷自体が、何かのルールに基づいた完成されたものでなく、柔軟性を持つ動的なものだとする考え方も、言われてみればそうあるべきだけど、新しい。
上記のような分野の切り口で、旅行先の土地の歴史や食、地形をたどってみることから始める。 -
Posted by ブクログ
ネタバレどんな仕事もイシュー(解決すべき課題)があるから動き出す。
これは紛れもない事実です。
が、意外にその課題って見落として仕事を進める人がいます。(自分も含めて)
「これって何のためにやっているんだっけ?」「これやることでどんなことが起きるの?」「現場にどんなメリットがあるの?」っていうことに答えられない、答えても論理もクソもない回答が返ってくる。なんてことがよくあります。
課題のない単なる自己満足や恩着せがましい仕事は価値もない。
そう思わせてくれる著書でした。
(もっと前から出会っていたから、早く読んでおけばと後悔…)
★イシューから始める=一般常識を捨てる
> 問題を見極める
> イシューの質を上げる
> 知りすぎるとバカになる
> 答えが出せるかにこだわる
⇒ バリューのある仕事を追求する
★バリューのある仕事はイシューの質からこだわり、解の質を上げるルートを辿る(犬の道を回避)問題かもしれない=やるべきでない問題を絞り込み核となる問題をしっかりつかむことから始める
・イシューと導き出された仮説はとにかく言葉にする(言語化)
【ポイント】
> 主語と動詞を入れる
> Where・What・How
> 比較表現を入れる
・イシューを特定する手がかりを集めるコツ
1. 位置情報に触れる(現場のリアル)
2. 基本情報をスキャン(世の中の常識・マーケット)「数字」「問題意識」「フレームワーク」
3. 集めすぎない、知りすぎない
・課題解決の2つの型
> ギャップフィル型:マイナスの現状→健常の状態(はっきりとした姿)
> ビジョン設定型:現状→あるべき姿(ぼんやりとした姿)
上記の見極めがスタート。
・イシュー分析とストーリーを組み立てる
1. イシューの分解(MECEによる仮説の明確化)
2. 事業コンセプトの分解(ニーズ視点でのセグメント分解/事業モデル分解)
・ストーリーラインの典型例
> 問題意識・前提となる知識の共有
> イシュー・サブイシューの明確化
> サブイシュー各々の検討結果
> 統合した意味合いの整理
ストーリーラインの検討が進むと新しい気づき・洞察が得られ、より大きな成果に進化する。
・絵コンテ(分析イメージ)は大胆に思い切って描く「どんな分析結果が欲しいのか?」を起点に分析イメージを作る。どんなデータが必要か?を導き出す。「軸の整理」「イメージの具体化」
★分析とは=「比較の軸」
1. 比較(共通軸の比較
2. 構成(全体と部分の比較)
3. 変化(時間上の比較)
原因と結果双方を比較して評価
・比較した結果の「意味合い」とははっきりさせることが必要。比べた結果「違いがあるかどうか」(点・パターン・変化)
★相手に理解を促すのであれば、情報が実際につながる「理解の経験」を繰り返す。常に一貫した情報と情報のつながりの視点を議論する。
★いきなり分析や検証は始めない。バリューあるサブイシューを見極め、そのための分析を行う。本当のイシューをまずは明確にすることが必要。
・分析を始めようとする際に発生するトラブルは予め想定しておく。
> ほしいデータがない⇒構造化して推定/直接見る(現場)/別のアプローチから推定
> 自分の知識ではわからない⇒人に聞きまくる。答えの出し方は固執せず、いくつもの手法を実践する。
・回転率とスピード重視の回答を意識。
★アウトプットは問題意識とビジョンの共有ができることをゴールとする。また関係者にはメッセージの理解と行動実行を促すようなアウトプットを展開する。*聞き手は無知だが、高度の知性を持つ者と考える。
「本当に面白い」「絶対に必要なこと」と思わせるようなストーリーラインを作る。
★自身のプロジェクトに関する説明は「エレベーターテスト」に対応できるくらい簡潔かつ的確な内容で説明できるようにするくらいの構造でストーリーをまとめる。すべてではなく相手の知りたいレベルの最低ラインを抑えておく。
・1チャート1メッセージの法則。意味のないチャートは不要。秒で見て理解できるシンプルかつ必要な情報があるチャートにすること。
★「問題解決」のためには論理だけでなくそれまでの背景等も踏まえ「見極めるべきこと」「ケリをつけるべきこと」を見つけることから始めることを徹底する(イシューの見極め)。とにかく本当のイシューは何か?を追求することから始める。
★何がイシューか?今何が起きているのかの共通認識が前提となる。起きていることを生々しく、構造的に伝えることがスタートとなる。未来に向けて仕事をする人は「ファクトと論理で考えを言う習慣をつける」「共通認識の醸成に情熱を注ぐ」を確実に実行する。⇒現場の状況と数字を定点的にウォッチ。 -
Posted by ブクログ
まずは著書の分厚さにびっくりする。読み始めると今までにない規模で生活空間を検討しており、さらにびっくりする。地球、人の共存。便利さ、商業、と自然の豊かさの共存などあらゆる観点で分析がされている。今までこんな本があっただろうか。
風の谷が実現すれば、都市部、山間部、農村部の良さがミックスされた新しい居住空間が生まれることだろう。
日本の新しい姿を想像することができ、ワクワクすることができた。まだまだ希望がある。このプロジェクトを応援したい。
この本を馬鹿にする人はよっぽどの天才かよっぽどの愚か者であろう。
新しい日本の形を想像したいという方はぜひご一読いただきたい。 -
Posted by ブクログ
2段組み984ページの大著を読み切った。著者も7年半もの時間と、その長期間に渡り膨大な量と質の思考を投入して完成された作品を一冊の本として読むことができる幸せに感謝したい。それだけの大作だけに論点は多岐に渡り、その全てにおいて深い問いの投げかけを感じたが、結局のメッセージは極めてシンプルで「私たちは未来に何を残すのか」ということに収斂される。プロローグに書かれた2130年の風景は未来は自分の目で確認することはできない未来だが、その見ることのない未来に何を残すか。その時にこの本を読んだ私たちが残した「風の谷」に生きる人は何を考え、どのような風景を見ているのか。
錚々たる識者の叡智の結晶であるこの本を読んだ私たちの責任は重い。「未来に何を残すか」「残すに値する未来をつくる」これらのことを楽しく振り返りながら、誰かと、できることなら安宅さんご本人と語ってみたい。 -
Posted by ブクログ
この本は壮大な「絵に描いた餅」である。恐らくは現在生きている世代が目にすることのない理想像を様々な視点から言語化しており、持続可能な暮らしを「風の谷」というエリアから実現していく動きをまとめている。
幕末期にイギリス人が日本を訪れた際に、この国は急峻かつ多様な国土や気候のなかに戦闘力の高い民族が各地に分散しているので、植民地には向かないと判断したという。むしろある程度の工業化を経て経済力を上げさせて自国の物産を購入してもらおうと薩長を後押しして開国維新を実現させた歴史的経緯がある。
このイギリス人から見た日本の印象からすると、東京をはじめとした大都市圏に人口が集中し、大衆消費に影響された画一的な価値観の下で海外からの資源に依存して暮らす大多数の日本人の姿は奇異に映るだろう。この「過密」状態の現在に対して、「開疎」という概念を提唱して日本各地に風の谷と呼ばれる分散型の創造拠点を形成していく運動論をこの本では説明している。
日本の大多数の地方は“疎”であるが開かれてはいない。堅固な共同体意識によって外からの影響力を排除してきた歴史があり、この著者のような先進的な考え方を持つ都市住民は受け容れられない場面を私自身も数多く経験してきた。中央政府や大企業との接続から逃れ、自給自足かつ「絶景・絶快・絶生」が待つ風の谷に希望があるというのは、都市住民にこそ刺さる内容だと思う。
そして従来型の地方創生や自然回帰といった、主に政府主導の税収再分配を原資にした地域活性化の取組みの大半が上手くいかないのも、このようなビジョンが欠落しているところに、対症療法的に成功事例の横展開や都市化を望む住民の圧力といった陳腐化するプロセスを経ているためだろう。
イギリス人がどうして日本人を恐れたのか。たたら製鉄という砂鉄から錬成した日本刀のような工芸的にも優れた武器を創り上げ、それらが野鍛冶のような存在によって各村々に農具として普及し、集落が生産性を上げていくプロセスをそれぞれ持っていたからだろう。大半の日本人には、この百姓たちの創造的なDNAが埋め込まれている。風の谷を形成して地域としてのレジリエンスを高め、より良い景観を残しながら美味いものを食べて美しい生活を送ることは、子孫たちに対して残すべき未来なのだ。 -
Posted by ブクログ
【概要】
本書は、日本が再び持続的に成長し、真に豊かな社会を築くためには何が必要かを論じた未来戦略書である。著者・安宅和人氏は、日本の課題を「知の地力の低下」と「デジタル後進性」にあると指摘し、AI・データを中心とした社会構造の再設計を提言している。
【印象的なポイント】
•知の再構築の必要性:過去の成功体験に依存するのではなく、創造的で柔軟な思考を育てる教育・文化への転換が必要。
•デジタル基盤の再整備:行政、医療、教育といった公共領域からのAI・データ活用による構造改革が不可欠。
•構想力と行動の両輪:未来を構想し、それを実現するための具体的アクションが求められる。
【ビジネスへの示唆】
本書は、企業や組織のDX推進に対し、単なるツール導入ではなく、思考法と構造の根本的転換が求められていることを再認識させる。特にリーダー層にとっては、「未来を構想し、行動する力」の重要性を再確認する契機となる。
【所感】
『シン・ニホン』は、単なる問題提起にとどまらず、「どう変えていくか」という実行視点が貫かれている点で非常に実践的な一冊である。変化の時代において、私たち一人ひとりが未来をつくる当事者であるという視点を持つことの大切さを強く感じた。
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Posted by ブクログ
データを用いて、現代の日本の現実を丸裸にするような内容だった。
研究開発におけるプレゼンスの低下など、悲しいが私にできることなんてあるのだろうか、、と無力感を感じる場面も多々あったが、こういった危機感を持って意思決定をすることで変わることがあると少しでも信じて、今後も目を背けず知り、行動したいと思う。
また個人においては、これからの時代は、適応力ではなく自分で気づく力や、未来を妄想して夢を描く力が必要ということがすごく腹落ちした。今の仕事においても与えられたことをやるのではなく、自ら実現したい理想を掲げ、新たな道を切り開いていくことを意識していきたい。 -
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ネタバレはじめに
1戦争、ニヒリズム、耐え難い不平等を超えて
エマニュエル・トッド
現代世界は「ローマ帝国」の崩壊後に似ている
・私たちの生活を変えるでしょう。存在しなかったら、私たちはより悪い状況におちいっていたでしょう。
・人類には「歴史」の感覚が必要。
・私たちは謙虚でなければいけません。
・長期的な視点で物事を考えなくなりました。「自分たちがどこから来たのか:「何を生き延びてきたのか」「何を成し遂げてきたのか」といったことを考えるのをやめてしまいました。
・ある種の健忘症のようなもので…ショックが容赦ないほど大きすぎたのでしょう。…ショックが大きすぎました。そのため、私たちはかっての自分との接点を失ってしまったのです。・先進国の出生率の低さは本当に恐ろしく、…気候変動よりも恐ろしく感じています。・・・人間の知性の低下にもつながるからです。
・人は知性の担い手です。
・歴史は続いていくからです。人間の歴史はすべて、崩壊と生き残りの連続です。
・「民主主義は存続するのか」という問いに集約するのは、私には一種のジョークに聞こえます。
・・・死亡率の上昇は本当に恐ろしいことですし、西ヨーロッパでは、生活水準が下がり始めています。たくさんのネガティブなことは指摘できます。知性の低下も問題です。
・人間は人間で、火の発明、農業、街の発明などの偉大なことを、成し遂げてきました。
フランシス・フクヤマ氏
「歴史の終わり」から35年後 デモクラシーの現在地
・リベラリズムは国によって捉え方が違います。
■全地球規模で起こり始めている「分断」
・今の世界には、新たな分断があります。
・われわれが目にするのは、多極的な世界です。
・米国の覇権国家としての役割が戻ることは決してありません
・力は分散されるでしょう。今後直面する課題ごとに、異なる同盟関係が形成されて行くことでしょう。
・歴史は単に繰り返したりはしません。
・生成AIの技術は、平等を促進するかもしれません。スキルや教育水準が低い人にとっては大きな力になるかもしれません。生成AIがどのようなインパクトをもたらすかについては、まだわからないことの方が多いのです。
・とても重要な人間の欲望とは「自己決定の欲望」です。
つまり、自分の意志で選択できる状態のことです。その意味では、創造性とか表現とも言えるでしょう。
2「テクノロジー」は、世界をいかに変革するか?
スティーブ・ロー
技術という「暴走列車」の終着駅はどこか?
Q.(聞き手:五十嵐大介)一般の人たちが普通に利用することについて、人々の生活や教育、仕事の向上に役立つのでしょうか?
・二つの立場があります。
一つは、「AIはインテリジェント・アシスタントとして役に立つ」という肯定的な立場。もう一つは、「自動化された技術は、人の仕事を奪ってしまう」という否定的な立場。
・人間の業務とは、技能の束なのです。
・人と接するような立場では、いろいろな技能を組み合わせることも求められます。
・長い年月をかけて行われてきた仕事が自動化されていくのは、今後さらに進んでいくでしょう。
・農業を例に挙げれば、世界中で―とりわけ先進国ではー20世紀初頭の農業従事者数のわずか数%の人たちによって、当時よりもより多くの農産物を生産しています。製造業でも同様です。
・雇用数は減っていますが、生産量は増えています。
・AIツールを使ううえで、注意すべきことは、「信用しすぎるな」「みちびかれても、支配されるな」と言うことです。
・生産性を高め、自動化をさらにすすめる必要がある、労働力不足は世界共通の深刻な問題です。
・「孤独の問題」「高齢者の孤立」の問題全てがすべて片付くわけではありません。しかし、サービスにより少なくとも一つは解決するでしょう。
この分野には大きな可能性があり、様々な取り組みがなされています。
■AIが影響を与えるのは「カスタマーサービス(コールセンター)」「マーケティングと営業」「ソフトウェア・エンジニアリング」「研究開発」の四つの分野の雇用の影響の範囲。
・コールセンターの仕事はきつくて離職率が高い。自動化が進むのは必ずしも悪いことではない。有効な手段と言えるでしょう。
・ソフトウェア・エンジニアリングの分野では、自明の理ですが、テクノロジー労働者はハイテク業界に集中しているわけではなく、あらゆる業界に広がっているからです。
AIが研究者に取って代わることはできなくても、生産性や革新性の向上に寄与することはできます。
・マーケティングや営業部門でも同様です。
AIの利用は、ターゲット広告やおすすめ商品など、売り込みが成功する確率を上げることに焦点が置かれてきました。
なので、生成AIがマーケティング分野でより大きな成果をあげているのは、当然のことです。その分野の効率化は収益に直結します。
このように見ていけば、AIは有能なアシスタントにはなっても、仕事自体を奪われることはないでしょう。
・研究開発の分野では、弁護士と同じで、膨大な法律文献や科学文献を読み込んで検索することも自動化できます。また見落としも防げます。いわば顕微鏡のようなものです。これまで見えなかったものが突如はっきり見えるようになり、生物の仕組みの解明の手掛かりが与えられた。
ディープラーニング(深層学習)の、画像認識や単語認識、パターン識別によって、どこを見ればいいのかというところまで予測できるようになりました。
生成AIの、分子設計や製薬において、試験管やペトリ皿で行われていた実験がコンピュータ・シュミレーションとしてできるようになりました。
これにより、数千のリストから数個の標的薬物を絞り込み、本当に良いものを作れるようになります。そして、開発にかかる時間も大幅に短縮されました。こういったワクワクすることがもたらされたのも、生成AIのおかげでした。
・「AIが未熟練労働者の技術レベルを上げる」というのは、テクノロジーの最近の歴史をみると、労働者によってそれほど勇気づけられる状況ではありません。
・私が危惧しているのは、技術レベルの高い人と低い人の二極化が進み、中間層が空洞化する可能性です。
・中間賃金の仕事を行って生活を営む中間層の人々に適した仕事をどのように創造するかは、かっては、製造業が中間層の受け皿になっていました。しかし、今はそうではない。
・「新しいテクノロジーが是正の手段になり得る」というのは、歴史の教訓から言うと、私は少し懐疑的に思っています。
■AI時代に必要になってくる教育
・仕事で役立つ、目に見える技術的スキルとコミュニケーション能力
・対人関係を円滑に進められる幅広い能力は、社会にとって不可欠なものです。画面越しであっても、言葉によって意志を伝えあうことの大切さ
・人々の政府に対する関心を高めた
・この先どうなってゆくのか、インターネットを見れば、すこし想像がつきます。良いことも、革新的なことも、一方で、悪いこともたくさんありました。
・つまり、良いことも悪いこともたくさんあります。
・AIには、データの収集と蓄積が必要不可欠であり、膨大な計算能力が求められる
・鉄道時代と似ています。大手IT企業数社による、独占というより、「寡占」なのです。
・頑なに知ろうとしないのは、良い選択とは言えないでしょう。
・無暗に怖がるのではなく、慎重であること。大切なのはこれです。
メレディス・ウィテカー✖安宅和人✖手塚眞 鼎談
進化し続けるAIは、人類の「福音」か「黙示録」か
・AIという技術そのものが悪いわけではない。
■AIの進歩の裏にある「権力集中」という問題
・この業界における資本力や技術力などの、あらゆる集中を理解しなければなりません
■たった数年間で、AIはこれほどまでに改良された
■人間の肉体的な労働が、人工的な知能を支えている
・実際にかなりの人間の労働力を必要としている
・何千人、何万人、何百万人もの人々の労働とデータなしに勝手に出来上がるシステムなど何一つないのです
・学習の仕方や時間は、人間にとってかなり大切なものになってきます。
・「創造性」、人間の創造とは「0から1」を生みだすことではありません。
・過去から存在している作品から学習していますよね。
・自分自身の体験から得た知識や情報、これを自分の中で編集しています。
・創造の、「編集する技術」、「組み合わせの技術」「情報を学習し、組み合わせることで創造している」、これはAIができることです。
■人類は「AI」とともに生きていくしかない
「もうわれわれはこの技術と一緒に生きているんだ」と考えるしかない
・一般の人は、とりあえず使い倒すことから始めたほうがよいでしょう。従来型のデータサイエンスは、訓練なしには使用することができませんでした。しかし、生成AIなら使うことができます。
・AIと人間は「パートナー」のような関係
・未来はどこにも書かれていないので、私たち自身が未来を有益な形にする責任がある。
そのためには、現在地を明確に示す地図が必要。現在地を正しく示した公平なデータがなければ、適切な意思決定ができないからです。
・20世紀に自動化技術と工業技術の分野でリードしてきた日本
・アメリカと中国に挟まれた日本。地政学的な意味合い。
・「人間の尊厳」とは何かについて、われわれは深く考える必要に迫られるでしょう。そうした時代をわれわれは生きています。
・「免疫力」が、社会全体、全世界的に必要になるでしょう。
・日本のみなさん、現実から目を背けないでください。実際に起きていることからあなたの目をそらし、惑わせようとする言説に注意してください。
3支配者はだれか?私たちはどう生きるか?
マルクス・ガブリエル
戦争とテクノロジーの彼岸「人間性」の哲学
■「人間である」という共通点から始まる道徳
・哲学者スキャンロンの言葉、「私たちは人間性を共有しているという事実から、お互いに何かを負っている」。カント、「わたし達はお互いに何かを負っていて、それは相手の人間性への敬意なのだ」
岩間陽子×中島隆博 対談
・今から日本が核兵器を保有するということは、アメリカのシステムに正面から盾突くことになるわけです。そのコストが相当なものになることはわかりますよね。
・日本には二つの側面が重要になってくると思います。「自分で力をつける」という面と、「チャンスを見つけて対話の場を作っていく」という面。
・日本はもはや大国ではないが、相対的にはまだまだアジアのリーダー格の国であると同時に、多くの中小国とも友好的な関係を維持しています。その多義的な立ち位置を、外交上十分に活かしていくことが必要です。
・二つの側面の両方をやりながらチャンスをうかがっていくべき。戦争を望んでいるわけではないでしょう。
・ポイントは見失わずに、安定的な国際的コミュニティをどこに見出すか。そのチャンスを必死で探していく時代が、これからも続いていくのだろうと考えています。
おわりに