安宅和人のレビュー一覧
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価値の源泉=「イシュー度 × 解の質」。いまこの局面で本当に決着をつけるべき問い(イシュー)を見極め、その答えの明瞭さを上げる以外に、生産性のある知的成果は生まれない。根性で量を積む“犬の道”は切り捨てろというのが論旨
1) イシュー(Issue)
・定義(本書の趣旨):①複数ステークホルダー間で未決着 ②根本的 or 白黒が要る
・この両条件を満たし、「誰の・どの意思決定をいつ変えるための問いか」が明確なもの。
・イシュー度:その問いに今まさに答える必要性。
・解の質:その問いにどこまで明確に答えを出せたか。
・この2軸で右上だけを狙う(バリューマトリクス)。
実務テスト(イシュー判定 -
Posted by ブクログ
まずは著書の分厚さにびっくりする。読み始めると今までにない規模で生活空間を検討しており、さらにびっくりする。地球、人の共存。便利さ、商業、と自然の豊かさの共存などあらゆる観点で分析がされている。今までこんな本があっただろうか。
風の谷が実現すれば、都市部、山間部、農村部の良さがミックスされた新しい居住空間が生まれることだろう。
日本の新しい姿を想像することができ、ワクワクすることができた。まだまだ希望がある。このプロジェクトを応援したい。
この本を馬鹿にする人はよっぽどの天才かよっぽどの愚か者であろう。
新しい日本の形を想像したいという方はぜひご一読いただきたい。 -
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2段組み984ページの大著を読み切った。著者も7年半もの時間と、その長期間に渡り膨大な量と質の思考を投入して完成された作品を一冊の本として読むことができる幸せに感謝したい。それだけの大作だけに論点は多岐に渡り、その全てにおいて深い問いの投げかけを感じたが、結局のメッセージは極めてシンプルで「私たちは未来に何を残すのか」ということに収斂される。プロローグに書かれた2130年の風景は未来は自分の目で確認することはできない未来だが、その見ることのない未来に何を残すか。その時にこの本を読んだ私たちが残した「風の谷」に生きる人は何を考え、どのような風景を見ているのか。
錚々たる識者の叡智の結晶であるこの -
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かれこれ10年以上前に上梓された作品。書店で見かけて来たのではあるが、なんだかその時流行りのhow to本みたいな印象でこれまで読まずにきた。
が、実際に読んでみたら、本質に迫る良書だと感じた。著者自身が、後書きで編集者からキャッチーなタイトルにするために書名を変えたというようなことが書かれていたが、僕の場合はそれが逆方向に働いてしまったというわけ。ベストセラーでもあり、多くの人に本書が届いたことを考えたら良かったのだろう。
仕事の場でも、報告の場でなぜそのように話すのか?なぜそのようにアプローチするのか?と思うような場面に遭遇するが、まさに本書で記載されている点が意識されていないからだと思っ -
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この本は壮大な「絵に描いた餅」である。恐らくは現在生きている世代が目にすることのない理想像を様々な視点から言語化しており、持続可能な暮らしを「風の谷」というエリアから実現していく動きをまとめている。
幕末期にイギリス人が日本を訪れた際に、この国は急峻かつ多様な国土や気候のなかに戦闘力の高い民族が各地に分散しているので、植民地には向かないと判断したという。むしろある程度の工業化を経て経済力を上げさせて自国の物産を購入してもらおうと薩長を後押しして開国維新を実現させた歴史的経緯がある。
このイギリス人から見た日本の印象からすると、東京をはじめとした大都市圏に人口が集中し、大衆消費に影響された画 -
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ネタバレ仕事をしていると、課題(=問い)はどうしても上長から与えられたものと捉えてしまいがちで、その与えられた問いに対する「解の質」を高めようという意識だったと自戒させられた。
組織である以上、課題は上から降りてくるもので一定仕方ないとしても、再度自分なりに、「何に対して解を出すべきなのか」を問い直して取り組むようにしたいと思った。
また、生産性=アウトプット/インプットである、しっかりアウトプットすることでしか成長できない、という話から、はじめは拙くてもアウトプットする癖をつけようと思った。ひいてはそれが結果を出すことにつながり、評価にも繋がる。
【印象に残った内容】
・悩む=答えを出すつもりでな -
Posted by ブクログ
以前より書籍のデザインが目を引くものであったため気になっていたものを購入。手にすることが遅くなった理由は、従来、乱造されてきた単純な思考フレームワーク本の一種かと思い避けていたためだ。
結論から言えば本書もフレームワークの一種であるとも言えるが、視点はもう一段階も二段階も高く、価値ある成果へと繋げるための知的活動のヒントが散りばめられている。なによりも、すぐに実践で活かして行こうと思える普遍的な思考方法や解析方法が、得心のいく解説と共に掲載されている点が大きい。これは絶え間ない実践により、フレームに収まりきらないステージへ思考法が昇華されている著者の識見に起因しているのだと感じる。
やや -
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【概要】
本書は、日本が再び持続的に成長し、真に豊かな社会を築くためには何が必要かを論じた未来戦略書である。著者・安宅和人氏は、日本の課題を「知の地力の低下」と「デジタル後進性」にあると指摘し、AI・データを中心とした社会構造の再設計を提言している。
【印象的なポイント】
•知の再構築の必要性:過去の成功体験に依存するのではなく、創造的で柔軟な思考を育てる教育・文化への転換が必要。
•デジタル基盤の再整備:行政、医療、教育といった公共領域からのAI・データ活用による構造改革が不可欠。
•構想力と行動の両輪:未来を構想し、それを実現するための具体的アクションが求められる。
【ビジネスへの示唆