田崎健太のレビュー一覧
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業界人=芸能界のイメージがある。
若かりし頃、芸能人ではなく業界人になりたいと思っていた。歳を重ね、縁遠かったが楽しませてもらう側で充分幸せだと感じている。
スポーツやエンタメは、無くても生きていけるのだろうけど、楽しさを知ってしまったらねー。
ここに出てくる首領(ドン)たちは、虚像に塗り固められながらも、自分が良いと思った芸能を皆に届けたい一心で生きてきた。なーんだ、そんなに恐くないじゃん、というお方ばかり。ただ曲者であることは間違いなし。書けないことも多々あったでしょう。
凄さがわかりませんが、著者も名だたるドンから話を聞いており、業界からは一目置かれているのかもしれません。 -
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日本の芸能プロダクションの首領たちへの取材を重ねながら描かれる芸能界の実情。
ただ、大手プロダクションの創業者たちが語る真実は、当然ながらきわめて退屈なものである。
たとえばバーニング周防は自分にまつわるきな臭いうわさについて答えているし、レプロ本間も能年玲奈の問題について応答しているが、それらはすべて穏当な回答である。
もし後ろめたい実情があったとしても答えるわけがない、と疑っているわけではない。本当の事情というのは、概してつまらないものということだ。だから、芸能界にまつわるうわさに対してのおもしろい真実があると思って本書を手に取ると肩透かしを喰らうと思う。
むしろ、ひとつの芸能史のように読むほうがおもしろいと思う。本書を読んで見えてくるのは、日本の芸能というのは敗戦とそこから流れてくるアメリカ文化、特に音楽の影響である。本書に出てくる各プロダクションの首領たちというのは戦中から戦後のベビーブーム世代が主だ。いちばん若い首領でレプロ本間(1960年生まれ)。そしてもともと音楽関係を生業にしていた人間が多いのである。いちおう、本書の末席に吉本興業大崎が現れるが、お笑いというのは芸能史全体を見ても、やはり色物に過ぎない。
ちなみに、本書でいちばんおもしろかったのは、沖縄アクターズスクールのマキノが、ライジングの平から「歌って踊れる4人のチームを作ってくれ」と要望を出されたときの話。
この4人はSPEEDとしてデビューするのだが、そのときのアクターズスクールには歌って踊れる女の子は2人しかいなかったらしい。それが今井と島袋。しかしまだ足りない。上原はダメだが美貌があるからいいだろう…とのことでなんとかSPEEDを成立させた、という。でも新垣だけはなにも言及されていなかった。いろいろと聞きづらいことも取材する著者もそこはなにも聞かなかったんだろうか。 -
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2025年J1昇格プレーオフでジェフユナイテッド千葉が勝利し17年ぶりのJ1復帰が決定、2026年に「オリジナル10」の現存9クラブが再びJ1に揃うことになった。この節目に、消滅した横浜フリューゲルスを知りたくなりこの本を読んだ。
「横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか」というタイトルだが、クラブ消滅の顛末を明らかにするというよりは、フリューゲルスの歴史をその前身クラブから振り返る内容。Jリーグ黎明期をリアルタイムで知らない自分にとって、当時の空気感やクラブの立ち位置を知ることができて興味深かった。サッカークラブ経営の特殊性、難しさが伝わってきた。 -
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勝新と云う宇宙…。
2024年10月読了。
春日太一著『天才・勝新太郎』を読んだ後で、この本をずっと読み忘れていたことに気付き、慌てて読んだ。でも、春日さんの本も《本書の参考文献》に入っていたから、刊行順としては合っていたのだ。
読後の感想については、解説の吉田豪さんが簡潔且つ的を射ており、正にその通りと云う感じ。正直、12章以降とそれ以前で全く別の本かと思うぐらい、著者の熱量が違う。
資料は駆使しているものの、基本的に『映画』や『時代劇』への思い入れ度が、春日さん等と違い過ぎて、11章までは《週刊誌の特集記事》の域を超えていない。着眼点も《如何にも週刊誌が喜びそうな》興味本位(や俗っぽい逸話)等のエピソードが多く、事実確認が不正確な部分も散見されたが、
それでも《12章以降を読めただけで充分満足》な内容だった。勝新が某政治家の様に『半径○mの男』と呼ばれるに相応しい、愛すべき人物であったことが、文章から伝わってきた。それにしても《資金繰り》の一点だけで、まるで喜劇の様に何度も失敗を重ねる勝新は、笑ってしまう程《純粋》あり、そう云う人に限って「とびきり怪しい儲け話」に引っ掛かってしまうのも、哀しかった。
あと、付け加えるとしたら、やはり黒澤明との確執だ。こういう話はやはり《両方の言い分を聞かなくては、正確な事実は分からないものだな》と、つくづく可笑しく感じた。
アチラはアチラで同様に、資金繰りや製作プランで大きく躓いており、年の差は有っても『(相手に)素直になれない』要素があったのだろう(黒沢年雄のエピソードも可笑しかった)。
何にせよ、『日本の映画製作には、《資金調達》と云う点において、世界中のどの国よりも難しく、公的に援助するシステムが全く介在しないこと(=国によっては国家補助が出るところもある)』
『《ジャパニメーションがどうのと》口では何と言っても、わが国の政治家達は国家的な補助や予算を補助するシステム(例えばアメリカの金融融資方法等)を、何も考えていないこと』
『海外からも指摘される“アニメーション(実写も)の現場の超低賃金問題”について、《国の文化を守る》と云う観点を全く持ち合わせていない政府』…
こうした点からの“問題解決に向けた方策”が考えられなければ、日本の映画やアニメ業界はいずれ他国に取って奪われ、廃れていく一方であるのは昔も今も変わっていない。 -
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ネタバレFIFAへの賄賂で放映権獲得や大会誘致した各国。電通、高橋 治之氏の話。インタビューベースであるため、内容の正確性や、各インタビューイーのバイアスありという点は注意。
・2002年W杯日本誘致に向けた戦い
電通は子会社にFIFAとのW杯誘致に関するロビー活動を行うための資金を渡した。
具体的には、電通は10%の株を残してスポーツ子会社ISLを売却したものの、売却益のうち8億円はISLに渡した。この8億円は、2002W杯招致のためのFIFAへの“ロビー費用"。電通は手を汚したくないため、ISLに任せた。
のような記載がある。ロビー活動と賄賂の違いが調べても出てこない。グレーゾーンなのかな。
・興味深い点メモ
坂崎は、自分がスポーツビジネスから離れた理由をこう話した。 「個人が知恵を絞ってやるという世界ではなくなってきた。スポーツのビジネスが組織対組織、大金を払って権利を押さえるという仕事になってしまった。その権利を押さえる金額がどんどん大きくなっている。それで一体、誰が幸せになるの?」
・笑った
「マラドーナと当時のマネージャーの話は金と女のことばっかりだった。女いないかって。そんな手配はこちらではできないからね。ただ、ワールドユースの直後にマラドーナにコマーシャルをつけてあげたことはあった」
高橋治之氏は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の理事長。 -
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ドラフト4位で指名を受けてプロ野球で活躍した6選手の野球人生にスポットを当て当人と著者とのインタビューを通して書かれた一冊。
イチローや金本選手を筆頭にドラフト4位指名の選手はなぜ活躍するのかということを当人のインタビューを通して迫られており非常に読み応えがありました。
桧山進次郎氏、渡辺俊介氏、和田一浩氏、武田久氏、川相昌弘氏、達川光男氏とプロ野球界で輝かしい成績を残された名プレーヤーのドラフトで指名されるまでの物語とプロで栄光を掴むまでの苦悩を知ることができました。
和田氏が捕手で入団したことや投手ではなく野手として指名を受けた川相氏や甲子園での優勝経験もある達川氏が大学時代に評価を落としたことや武田氏がプロ野球の世界から退いていることなど現役時代の成績からは知らない部分も知ることもできました。
ちょっとした運からドラフトで指名されるまで辿り着いた者や名指導者との出会いで自身の能力が覚醒した者など輝かしい栄光の裏にあるストーリーはプロ野球の奥深さを存分に感じることができました。
華々しい世界でスターとして入団する者もいれば夢を叶え努力し栄光を掴む者もいることを改めて感じ、そのサクセスストーリーからプロ野球の醍醐味を味わうことのできた一冊でした。 -
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プロ野球ドラフト会議、4位指名でプロに入った選手の軌跡を辿っていく。
桧山進次郎、渡辺俊介、和田一浩、武田久、川相昌弘、達川光男の6人である。
著者によるとドラヨン(ドラフト4位)の選手は、プロ入り後活躍するパターンが多いという。
確かにそのように感じるかもしれないが、多くのプロ野球選手の中では指名順位に関わらず活躍する選手が出てくることは不思議ではない。
ただ、やはり上位指名の選手とは違った共通点もあるのだろう。
本書を読む限りにおいては、小さなころから野球が上手かったわけではないということが共通項のように思う。
けれど、続けていくことで良い指導者に巡り合い、方向性を変えたりすることで新たな道が開けるのだ。
地道に続けることの大切さを感じた。
また逆に、ドライチ(ドラフト1位)でもプロでは全く活躍できない選手もいる。
本書で、渡辺俊介が「(上位指名というのは)みんないじりたがる。俺が良くしてやったと言いたがる。特に高卒ドラフト一位っていうのは色んな人が色んなことを言うので混乱してしまう」(p90)と言っているように、注目される選手は皆が寄ってたかってアドバイスしたがるが、下位指名などそれ以外の選手は、比較的周りの雑音に惑わされることが少ないというのも、伸び伸びと実力を伸ばすことに繋がるのだろう。
いずれにせよ、メンタルがものをいうことは間違いない。
ドラフト会議の時点では、4位(それでも充分凄いが)でも、その立ち位置と挫折を感じながらも地道にやってきたメンタルが後の活躍に繋がるのであろう。 -
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佐山はいい人。自説のコア部分は頑固。細かい部分は鷹揚。他人に頼み事できないタイプ。誤解を招く。格闘技への先見性はすごい。
佐山は修斗などではボトムアップ型の普及を目指したが、それでは時間がかかるし、第一世代の選手にはライトが当たらない。その辺で頓挫、追放となった感じ。
UFC、プライドなどはトップダウン型でテレビなどをうまく活用して隆盛になっていったんだと思う。プライドはプロレスを消費し尽くしたら消えた感じだが。総合格闘技としてはUFCなどが根づいた。技術面ではとりあえず総合格闘技は完成されたので、佐山は精神面を重視した格闘技へ向かったということだろうと思う。 -
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軽い気持ちで読んだ、スポーツビジネスの楽屋噺みたいな本です。
サッカーを観るのは割と好きだし、スキャンダル的なことも含めて、ネット記事を拾い読みするのも徒然に愉しんでいるので。
確かに、好きな人には面白いんです。
戦後から1990年代、いや、2000年代、というか現在にいたるまで。
サッカービジネス、ワールドカップというビジネス、放映権商売。
オリンピックも含めて、「衛星中継ビジネス」とでも言いますか。
コレは、ほんとにビッグバンというか、ほぼゼロから始まって、巨大な娯楽になり、当然、巨大なビジネスになって、巨額のカネが動いています。
当然そこにはどろどろした人間ドラマもあるわけでしょう。
つまりは、正論から言うと、コネとカネと情実と賄賂が飛び交う、ぐっちゃぐちゃの不正だらけの「アウトレイジ」な世界なわけです。
そこに「日本」という視点を持ち込んで、電通という会社の「イケイケ時代」に、いかにワイルドで力強くてワルな「志士」たちが個人の力でビジネスを作って行ったか、というおはなし。
取材元が電通なり電通OBを含みますから、批判という訳でもなくて、微妙な温度の低空飛行を続けるあたりが、妙味と言えば妙味。
ただ、英雄譚、冒険物語、というエンターテイメントで言うと。
結局は高度成長からバブルという時代に乗った人々の群像という感じで、そこに「理想」や「思想」と言った起爆剤が無い物語、という感もありました。
もうちょっと、ビジネスというゲームに魅せられた人間模様、という切り口で書いてくれると面白かったのか。
ただまあ、ほんと、どれだけ不正があっても「スポーツ」という筋書きの無いドラマの生中継っていうのは、テレビと言う装置の至高のソフトであるんだよなあ、と、改めて思いました。