田崎健太のレビュー一覧

  • 横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか
    読み応えがあった。「真説・長州力1951-2018」、「真説佐山サトル」でも思ったけど取材がすごいし説得力がある。

    Jリーグ発足当時をリアルタイムで知っていた身だけどフリューゲルスの消滅はなんとなくしか知らなくて、フリューゲルスと言えば真っ先ににレゲエの森くんを思い出す程度の思い入れだったけれども...続きを読む
  • 電通とFIFA~サッカーに群がる男たち~
    今回、五輪に関する贈収賄が事件として注目を集めていたので読み直しました。スポーツビジネスに興味を持つ人にはFIFAや電通がサッカーに限らず、スポーツビジネスの世界でどのような影響力をもち、どのような役割を果たしてたかを知ることはもしかしたら必修科目ではないかと思います。
  • 真説・長州力 1951‐2015
     世評に違わず、すっごく面白い。

     藤波との名勝負数え歌の時が一番熱くて、その後も海賊男のあたりは長州が見たくてもだえるほどだった。それから後はUWFが好きになって特にファンではなかったのだけど、プロレスを見ていた時には必ず長州がいた。長州をめぐるプロレス史解説でもある。トップアスリートはプロレス...続きを読む
  • ドラヨン なぜドラフト4位はプロで活躍するのか?
    ドラフト4位には好選手が多いという。本書では桧山(阪神)、渡辺俊介(千葉ロッテ)、和田一浩(西武)、武田久(日本ハム)、川相(巨人)、達川(広島)を収録。「ドライチ」「ドラガイ」に続く良作。

    ドラフト上位指名も素晴らしいが、一芸に秀でたりスカウトの眼力が問われる下位指名も面白い。本書では出てこない...続きを読む
  • 全身芸人――本物(レジェンド)たちの狂気、老い、そして芸のすべて
    もともとの雑誌連載では絶滅芸人というタイトルだったという。読み終えてみれば、まさに絶滅寸前の凄まじい人生を歩んできた芸人ばかりであった。ほとんどの芸人はリアルタイムで知らないしその凄さも今一つわからないが、とても濃密な取材のもとに構成されていて読みごたえがある。何ヵ所か読めない漢字があったがルビがな...続きを読む
  • 全身芸人――本物(レジェンド)たちの狂気、老い、そして芸のすべて
    登場するのは、“全身芸人”の名に恥じない、
    強烈な個性の持ち主ばかり。
    一般人と、かすかな差異しかない“芸能人”と
    覚悟や生き方が全然違う。

    浅香光代をリスペクトし、
    「沈みゆく西日の太陽」を少しでも長く
    輝かせることに人生をかける世志凡太とか
    凄すぎる。

    平成も終わろうとしている今、
    もはや異...続きを読む
  • 真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男
    佐山サトルという一人の天才がいて。
    その類稀なる運動能力に魅せらた人はプロレスを求め、先見性のある明晰な頭脳に触発された人々は本物の格闘技の創設を望み、礼儀正しく謙虚な人柄に惹かれた人たちがお金を出す。
    そうして様々な人が集まり去って行き、多くのものを生み出したはずなのに最後に残ったのは虎の布切れだ...続きを読む
  • 真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男
    「正当なノンフィクション作品は、取材対象を傷つける可能性を内部に孕んでいる。取材とは心の中へ踏み込んで、触れられたくない記憶を掘り起こす作業でもあるからだ」(プロローグ 佐山サトルへの挑戦状)

    昭和の新日本プロレス絶頂時のスーパーヒーロー タイガーマスク。

    第1次UWFの象徴 スーパータイガー...続きを読む
  • 真説・長州力 1951‐2015
    もちろん、昭和プロレスファンとしてメチャメチャ引き込まれる逸話の数々が語られているんだけど、それ以上に人間 長州力=吉田光雄 のドキュメンタリーとして読みごたえあり。

    両親が朝鮮半島出身、レスリングのミュンヘン五輪代表、渋々入ったプロレス界、でもプロレスという魔界のど真ん中を、最強レスラーとして、...続きを読む
  • 電通とFIFA~サッカーに群がる男たち~
    FIFAの腐敗の歴史、と言えば簡単なのだが、現実はそう簡単で単純ではない。それより話は大きく、五輪や国際陸上のマネーの話も出てくる。
    欧州中心主義と戦ったアベランジェ、マルチリンガルでバランサーのブラッター、その周りに企画と集金係としての電通(特に高橋治之)、スポーツをマネーにしようと企てた張本人の...続きを読む
  • 真説・長州力 1951‐2015
    昭和の新日本プロレスを少しでも好きだった人にはぜひ読んでほしい。ウソや適当な話ばかりのプロレス本とは明らかに取材の量も質も異なる。WJ以降の長州はリアルタイムではあまり追っかけてなくて初めて知るようなことも多かった。少年時代から新日入団までの話はほぼ初めて聞くエピソードが多くてとても興味深く読んだ。...続きを読む
  • 真説・長州力 1951‐2015
    よくぞ語ったと思ったが、引退後人気タレントになった現在を考えると、長州は昔からクレバーだったということ。
  • 球童 伊良部秀輝伝
    人はパズルのピースのように凸も凹もある。彼は、凸も凹も突出していて、それを受け取る凹も受け入れる凸も限られていた。まさに「球童」、野球界から離れ、童でもなくなったときに、残された道はあれしかなかったのかもしれない。
  • 電通とFIFA~サッカーに群がる男たち~
    東京五輪に関連して電通の存在がクローズアップされる中でタイトルを目にして面白そうだなと思い、本書を手に取った。
    本書には電通やFIFAの他にアディダスが重要な存在として登場する。アディダスは電通と共同出資でISLという会社を立ち上げスポーツビジネスに切り込んできた。電通が嫌う汚れ仕事(お金配り)の部...続きを読む
  • 真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男
    丹念な取材。
    今まで前田派だったので、
    佐山からの視点は新鮮でした。
    将来教科書になる人かもしれませんね。
  • 電通とFIFA~サッカーに群がる男たち~
    日本のスポーツの美談や美学とは全く違う世界なので、その時点でアレルギーを起こす人もいるかもしれません。
    事実としてそういう世界があるということが、長い取材の賜物として分かりやすく書かれている本だと思います。
  • スポーツ・アイデンティティ どのスポーツを選ぶかで人生は決まる
    スポーツと人格形成の関係について、独自の切り口で分析した本。著者は学者ではなくノンフィクション作家なので、インタビューを元にアスリートの性格を掘り下げていく様子は読みごたえがある。「あの選手が活躍できたのは、そういう性格の持ち主だったからなのか」という発見が沢山あった。
  • スポーツ・アイデンティティ どのスポーツを選ぶかで人生は決まる
    表紙に大きく「SID」と書いてあるが、もちろん本を開くまでなんのことか分からない。
    これはタイトルとして良いのだろうか、と思わざるを得ないが、それ故に手にとった自分もいるわけで、逆説的に成功なのかな。

    それぞれのスポーツで、成功するのに必要な性格・性向は異なっているということが種々のインタビューを...続きを読む
  • 球童 伊良部秀輝伝
    田崎さんの作品は、本当にどれもよく取材されていて、単に話を聞いた、関係者の話を集めた、というレベルを大きく超えています。

    一人の人の生き方、生き様が、重みと厚みを込めて読み手に伝わってきます。なかなか、こんな描き方ができる書き手はほかにいません。

    あまりにも特異な才能に、精神の強さがバランスでき...続きを読む
  • 全身芸人――本物(レジェンド)たちの狂気、老い、そして芸のすべて
    田崎健太が月亭可朝、松鶴家千とせ、毒蝮三太夫、世志凡太&浅香光代、こまどり姉妹の5組についてインタビューした本。

    どの芸人もコクがあって面白かったが、惜しむらくは自分が彼らの往年の姿を知らないこと。