田崎健太のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
東京五輪に関連して電通の存在がクローズアップされる中でタイトルを目にして面白そうだなと思い、本書を手に取った。
本書には電通やFIFAの他にアディダスが重要な存在として登場する。アディダスは電通と共同出資でISLという会社を立ち上げスポーツビジネスに切り込んできた。電通が嫌う汚れ仕事(お金配り)の部分を担ってきたのがアディダスである。このアディダスおよびISLの体質がIOCやFIFAの腐敗体質および放映権の高騰を助長してきたものといえる。本書ではこれらの組織における腐敗を描いてはいるものの、やはり取材が難しいのだろう、表層的な一面を描くのみで、その裏で本当に何が行われていたのかというジャーナリ -
-
Posted by ブクログ
表紙に大きく「SID」と書いてあるが、もちろん本を開くまでなんのことか分からない。
これはタイトルとして良いのだろうか、と思わざるを得ないが、それ故に手にとった自分もいるわけで、逆説的に成功なのかな。
それぞれのスポーツで、成功するのに必要な性格・性向は異なっているということが種々のインタビューを通じて積み上げられていくが、話はスポーツに留まらず、政治や子育て・教育論まで。
著者のいうSID(スポーツ・アイデンティティ)は、学術として高めるというよりは、人を見る上で、その人が若い頃に取り組んだスポーツ、ポジションを予め知っておき、ある程度の傾向を掴むために利用する、みたいなのが良いのかな、と -
Posted by ブクログ
田崎さんの作品は、本当にどれもよく取材されていて、単に話を聞いた、関係者の話を集めた、というレベルを大きく超えています。
一人の人の生き方、生き様が、重みと厚みを込めて読み手に伝わってきます。なかなか、こんな描き方ができる書き手はほかにいません。
あまりにも特異な才能に、精神の強さがバランスできていないとどんなことがおきるのかがこれでもか、と描かれています。
読んでいて苦しくなりました。
もうちょっと気楽に、
もうちょっとほどほどに、
気持ちを落ち着けることができたら。
好きな野球、好きなピッチングを続けてくれたら、どんな名勝負がもっとみられただろう、と思わずにはいられません。
伊良 -
Posted by ブクログ
「最強」というビジョンを誘蛾灯に人を集める職業が「プロレス」なのだとしたら、それは観客だけでなくレスラーになりたい若者の心も吸い寄せることになります。その光が最高のルクスを放っていたのが70年代後半の「新日本プロレス」で、アントニオ猪木というリアルな肉体と挑戦的言語が眩いファンタジーを発散していたのでありました。その「最強」という夢まっしぐらに突っ込んでいったのが佐山聡少年です。大概は「最強」はプロレスというビジネスのための営業ツールだ、と知ることがレスラーとしての「大人の階段」なのですが佐山はその階段を拒否、ずっと少年としての人生を歩むことになりました。その記録が本書になります。新日の隆盛と
-
Posted by ブクログ
初代タイガーマスクとして日本全体を熱狂の渦に巻き込んだ佐山サトルさんが、人生を通じて何をしたかったのか、を膨大なインタビューを元にひもといたドキュメンタリー本。読み終わって「なるほど、佐山サトルは求道者であったのか」と悟ったと同時に、「何でも簡単にできてしまう天才は、どこに行っても異端者になるんだよな」と非常に切ない気持ちになった。ある意味、吉田松陰と似たような純粋さと狂気を感じたし、こういう人だからこそ時代を切り開く事が出来たんだな、とある意味納得出来た。
佐山さん以外の部分では、アントンハイセルに端を発した新日の混乱の件が割と詳しく書いてあり、そちらも興味深く読めた。正直、読後感はあまり良 -
Posted by ブクログ
うわー。悪人ばっかり。
とも言えますし、
歴史って必然なんだなぁ、、、。
とも言えます。
スポーツには、明るい面と暗黒面が両方ある、とよく言われます。中でもサッカーは、中田選手が移籍するときの本などからも、その「半端ない」感が強いスポーツです。
こんな題名で今、出版して大丈夫なの?と思いますが、中身は至って中立的です。誰が悪いとも決めつけず、当事者への取材と、事実を元にかかれています。
なのに、まるでよくできた物語のように、登場人物がみな「エッジのたった」ひとたちなので、歴史小説を読むかのような感覚になれます。
思惑はどうあれ、マラドーナが世界ユースのアルゼンチン代表として日本で -
Posted by ブクログ
ネタバレ初代タイガーマスクとして一世を風靡した
佐山サトルの評伝。著者の田崎健太とは、あの「真説・長
州力」を書いたノンフィクション作家。あの本の好き・嫌
いはともかく、取材力に関しては確実に信用出来る仕事人
であることは間違い無い。
・・・いやぁ、凄かった。
まずハードカバーの単行本で500ページを超える物量だけ
でも凄い。これに加え、佐山本人や周辺の人々に丁寧に取
材がなされており、いい加減な記述・断定的な記述の類い
が一切無い。内容に関しては、これまでいろいろなところ
で書かれてきた初代タイガーや佐山のエピソードとほぼ相
違なく、誤解を恐れずに言うのなら、壮大な「まとめ」を
読んでいる気分。だ -
-
Posted by ブクログ
現在、日経新聞に連載中の釜本邦茂さんの「私の履歴書」が日本とサッカーの出会いの陽のあたる歴史だとしたら、本書は本来だったら陽の射し込まない歴史なのかもしれません。まだまだ書かれていないこともあるのでしょうが、著者はよくぞインタビューを重ねたものだ、と思いました。たまたまこの前に読んだ小林至「スポーツの経済学」でIOCとFIFAの巨大ビジネス化にISLと電通の関与したことが指摘されていて、日本の広告会社が巨大スポーツビジネスに「入った」のではなく「作った」ことに不思議な感覚を覚えていたのですが今回の読書によって、なるほど!がいっぱい得られました。
-
Posted by ブクログ
勝新太郎の映画と私生活のエピソードを書けば面白くないわけがない、と思われるのは著者にとって損なことだろう。そんな予断を持って読み始めたが、やっぱり面白い。日本映画ファンを自称する自分としては、勝新太郎映画をあまり見ていないのはお恥ずかしいのだが、それに加えて、テレビをほとんど見ていないので、晩年のテレビ映画の傑作と言われるものを何とか見なくてはと反省している。
映画俳優の伝記としては、著者と勝新太郎との私的な関係のこともあってか、少し思い入れ過剰だと思われるのが残念である
と言いつつも次は山城新伍の「おこりんぼ さびしんぼ」(積ん読状態だった)を読んでみようと思っている。 -
Posted by ブクログ
まず取材力が違う。多くの関係者から取材を行い、協力者の過去の発言と今回の取材での矛盾点を突いて1つずつ真実を裏付ける確認作業が丁寧である。
自分は三銃士世代の為、デビューから移籍や出戻りの経緯を詳しく知れたのは良かった。
ただページ半分でやっとジャパンプロレスとややテンポに遅さを感じ、新日現場監督時代の話はスッポリと抜けてある。長州が売り出したかった選手やそのギミックや、逆に選手から提案されて却下した案など聞きたかった。
現在もトレーニングに新日道場を使ってる手前その辺はNGなのか、代わりにWJの話が解禁になったのは新鮮だった。今回で最後との事だが次があるように感じた。