本兌有+杉ライカのレビュー一覧
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サイバーパンク・ニンジャ小説『ニンジャスレイヤー』第1部ネオサイタマ炎上の第3巻です。
8話が収録されています。
マルノウチ・スゴイタカイビルではカチグミたちがトクリを傾け合い、ビル街では「コケシコタツ」「魅力的な」「少し高いが」「アカチャン。ソダッテ。アカチャン。」などとショドーされた垂れ幕やネオンサインがサラリマンなどの購買意欲を駆り立てる街ネオサイタマ。
今回はワザマエハッカーのナンシー=サンを守りつつ戦うニンジャスレイヤー=サンが描かれています。
しかし、格好良いのはニンジャだけではありません。
デッカー(刑事)のシンゴやツチノコ・ストリートヤクザのヤマヒロなど、非ニンジャのイカす連中 -
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ネタバレニンジャスレイヤー第3部第8巻。
アマクダリ・セクトの陰謀を砕く連作エピソード「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」の終幕と、その後に続くアマクダリ幹部〈十二人〉のひとり、スパルタカスの撃破までを描く。
「ロンゲスト・デイ・オブアマクダリ」の最後のエピソードは「ネオサイタマ・プライド」だが、自らをひとりの復讐鬼であり、いわば“死人”であると規定していたニンジャスレイヤーが、「ネオサイタマに生きる一人の市民」としてアマクダリの圧政への怒りを持つことは許されるのか、と想うシーンは熱い。
エピソード名はそもそも、ネオサイタマ市民をコントロールするために作られたテレビ番組の欺瞞に満ちたタイトルだが、 -
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ネタバレ『ニンジャスレイヤー』第3部第7巻。アマクダリ・セクト中枢との直接対決が始まり、この部の終わりも見えてきた印象。
「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド後編」は、物語半ばでデリヴァラーが退場してしまったのは残念だったけれど、「ブルタル・ショウギ・サイボーグ・ヴァーサス・アングリー・タナカ・メイジン」の再結成と、そこで行われた父子初めてのセッションがリフレインされる展開はやはり熱かった。
ニンジャスレイヤーの侵攻により次々と〈12 人〉が欠けていく中、特にメフィストフェレスの最後の戦い(「デス・オブ・アキレス」)は、名前に恥じない心理戦を見せてくれて面白かった。 -
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ネタバレ『ニンジャスレイヤー』第3部第6巻。
ニンジャスレイヤーが新たな境地へと達する「リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ」、ジェノサイドとエルドリッチの因縁が明かされる「ウィアード・ワンダラー・アンド・ワイアード・ウィッチ」、アガメムノンの目的や背景、そして対抗勢力が描かれる「レガシーズ・オブ・メガトリイ」など、第3部終幕に向けて意義深いエピソードが続く巻だけれど、白眉は巻末の「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド 前編」だと思う。
社会の抑圧に対して音楽の力で対抗する、タニグチことDJゼン・ストームが、非力なモータルながら実にタフ。リスナーたちが体制側に逮捕拘束されないように -
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妻子を「ニンジャ」に殺された「サラリマン」が自らも「ニンジャ」となり、「ニンジャ」を全滅するための「ニンジャスレイヤー」(ニンジャを殺す者)として世に蔓延るニンジャたちを殲滅していく復讐譚。
本書はその各エピソードを時系列に関係なく、順不同で収録。なお、著者は米国人二人組。
サブタイトルにある「アマクダリ」や、しょっぱなのエピソードに出てくる「マルノウチ・スゴイタカイビル」、「セプク」(切腹)等の語や、殺しあう敵同士、ボスと部下の支配関係、あるいは親友同士であっても「サン」付けで呼び合う風習(?)、ニンジャ同士は闘いの前にお互いが「オジギ」をして「ドーモ、XX=サン、YYです。」と「アイサツ -
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ネタバレ『ニンジャスレイヤー』第3部第5巻。
エピソード「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」においても、また「ステイ・アライヴ・フォー・ユア・カラテ」においても、アマクダリ・セクトに目的を達せられてしまい、そして副題どおりに、ネオサイタマとキョート共和国との戦争が始まる。
シリアスな展開が目立つ中で、バランスを取るように挟まる爽やかな短編が良い。「ファスト・アズ・ライトニング、コールド・アズ・ウインター」のスシ対決はファニーながらも熱い。
「ステイ・アライヴ〜」にて、ブラックヘイズとフェイタルが久しぶりに参戦したのも読んでいて嬉しくなるところ。 -
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ネタバレ『ニンジャスレイヤー』シリーズ第3部第3巻。
遠くキョート・リパブリックでタカギ・ガンドーが活躍する「ザ・ブラック・ハイク・マーダー」、チーム・シマナガシがニンジャスレイヤーと邂逅する「ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード」、いまいち締まらない、けれど憎めないニンジャ、スカラムーシュが登場する「トゥー・レイト・フォー・インガオホー」など、バラエティ豊かなエピソードと多彩な顔ぶれが楽しい巻。
消費主義への批判や支配体制への反抗などがメタファーに包まれているけれど、それらはことさらに言い立てられず、相変わらず淡々とハードボイルドに語られる物語が心地良い。 -
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ネタバレサイバーパンクディストピアハードボイルドニンジャ活劇、第2部最終巻。
アクションも豊富だが、最終巻に相応しく、描写に技巧が凝らされている。メンタリスト戦での、本文を登場人物紹介や漫画、記事の中へ強引に埋め込む手法や、二色刷りの本だからできる、台詞が赤色で差し込まれるザ・ヴァーティゴの再登場シーンなど、見所が多い。
結末までが長かった第2部は、キャラクターたちの描写も濃密だったから、主要人物たちの多くが生き延びて迎えた大団円は、甘い展開ながらもやはり嬉しく感じる。
第3部はアマクダリを相手取り、ニンジャスレイヤーが再びネオサイタマで戦うよう。アマクダリの若き首魁ラオモト・チバが味のあるキャ -
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ネタバレシュールなディストピアの中で蠢く巨悪とそれに抗う人々を描く、ハードボイルドSFニンジャ活劇、第2部第6巻。
ニンジャスレイヤー陣営はガンドーに加えてナンシーも参戦、ザイバツ・シャドーギルドはマッポーカリプスへと向かう儀式を始めんとし、デスドレイン陣営はランペイジを失うもアズールがニンジャとして覚醒、また、単身キョート城に囚われたユカノは押し籠めてきた自身の記憶と幾らかの同一化を果たす。
それぞれの陣営が活発化し、また地歩を固め、次巻から始まる最終章「キョート・ヘル・オン・アース」で起こるであろう交錯への期待が高まる巻。
今巻のエピソード「オペレイション・レスキュー」で活躍したフォレスト・サ -
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ネタバレハードボイルドディストピア忍者活劇、第2部第5巻。
今巻は、表紙にも登場している私立探偵タカギ・ガンドーが主役を張るエピソード「リブート・レイヴン」の存在感が強く「探偵小説めいたアトモスフィア」も感じさせる。カラス・ニンジャのソウルに憑依され非人間に成り果てても、その名に「ディテクディヴ」を背負うガンドーの強さと弱さに痺れる。脇役が突如、劇的に力を得る展開は陳腐になりがちだけれど、物語が丁寧に描かれているからか、必然性と説得力をなお感じる。
フェイタル、ナンシー・リー、シキベ・タカコといった女性陣の見せ場も多く、特に「ビガー・ケイジズ、ロンガー・チェインズ」でのフェイタルはハードボイルドで