本兌有+杉ライカのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
噂のニンジャスレイヤー。予想以上に面白かったです。アメリカ人による勘違いニンジャ物語という見方も確かにできるし、ワッショイ・ゴウランガ!もサヨナラもドーモもユウジョウ!も非常に面白かったのですが笑、思った以上に確信犯だよなという感触を得ました。
日本のことを良く知っているというか、日本の「空気」をよく知っていると思います。その上で、それを、いうならば少年ジャンプ的に、あるいはアメコミ的に誇張エンタメ化しているのじゃないかな〜と。ストーリーや設定も、その点から言えばとても典型的というか、王道です。駄目な少年が素敵な少女に憧れてがんばるとか。落ちぶれた悪役が実は良いやつとか。主人公が復讐キャラとか。
少年漫画にしたらいいのにと思いました。その観点から、とても上手な作品だと感心しました。
逆に考えて、日本人が他の国を舞台にこういうものが作れるんだろうかな〜と。どうだろう。
ツイッターで皆で翻訳して、という現象がまた興味をそそるんだろうな!実はそんなに大したことではないんだろうけど、これこれ、これだよ最先端は、みたいな気持ちが確かにしますものね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレヤバイ、コイツはヤバイ。外国人視点のズレた日本観をそのまま体現したような世界観がタマラない。加えて「忍殺語」と呼ばれる独特のワード群などが織りなす、様式美ともいうべきセリフの応酬がまたクセになりそうで。
イクサの前の丁寧なアイサツ。技を繰り出す時の「イヤーッ!」。それを喰らった時の「グワーッ!」。気合を入れる時の「Wasshoi!」。そして、数々のヤクザ・スラング。
日常の中で口には出さずとも、頭の中でつい浮かんできてしまうほど、読中は影響されまくっていました。(いい歳のクセに…)
とはいえ、ストーリーよりもこの世界観を楽しむタイプのコンテンツなので、2冊目はしばらく時間をおいてから読みたいかな… -
Posted by ブクログ
全米を震撼させたサイバーパンク・ニンジャ小説ついに日本上陸!
未来都市、ネオ・サイタマを舞台に繰り広げられる、完全に間違った日本理解とニンジャたちの殺戮の嵐。
物語は、マルノウチ・スゴイタカイビルのセルフテンプラ店で始まる・・・。
"「ドーモスミマセン」四人のクローンヤクザは一斉にオジギした。「ドーモ」「ドーモ」黒人ヤクザ達もアイサツに応えた。今にも争いが始まり兼ねない空気であるが、礼儀作法は大事だ。"
"ハイスクール生徒ギンイチはゲームセンター「反射神経ストーム」でハイスコアを叩き出す事だけを楽しみに生きていた。ある日彼はムコウミズ・ストリートで似非パンクスにカツアゲされかかるが、同級生と思しきゲイシャパンク少女に助けられる。"
クローンヤクザ、野生化したバイオ・スモトリ、ゲイシャパンク少女、中流サラリマン・・・・次々に現れるキテレツな日本人たち・・・・・笑いすぎて酸欠になった。
あとちょっとで「ハイクを読め!」状態になるとこだった。
「事情がどうあれ、『急いだヒキャクがカロウシした』という言葉もあるぞ。」
「『しかし、貴様はワシのオフィスの床を汚したため、生かしてはおかん』ラオモトは不意にボタン押す!すると営業の足元が開き、人食いズワイガニの群がるプールへと真っ逆さまに転落した!」
「暗闇の中から、ぬうっと2メートル近い全裸の巨漢が姿を現す。それは野生化したバイオ・スモトリだった。・・・・スモトリに残った最後の羞恥心がそうさせているのか、首から上だけはコケシ・マートの茶色い紙袋ですっぽりと覆われていた。・・・」
この小説は、噂通りの、必殺のオモシロさだ。
さあキミも、今すぐ、ハイクを読め! -
Posted by ブクログ
ネタバレ書籍版2巻まで読んで我慢できずツイッターの最新まで追っかけた状態での感想。
時系列ばらばらのエピソードを羅列ってなんか辻褄の合う合わないからうまいこと逃げてるっぽくてちょっと狡いなあとか思ってたら、どうも計算ずくで並べられてるっぽいのでいいぞもっとやれ状態。
膨大な登場人物が複雑に入り乱れる群像劇なので書籍でまとめて読んだり読み返したりしたほうがわかりよい。
とりあえず翻訳者も、最近気付いたけど原作者もいろいろわかってやってるだろうと思う。「外国人の勘違いした日本」じゃないんだこれ。作りこまれたネオサイタマの世界観が小出しにされてだんだんつながっていくのは楽しい。サイバーパンク全然知らないけど興味出てきたくらい。
文体に脳が侵食されるのでいろいろ危ない。「キンカク・テンプル」とか「マルノウチ・スゴイタカイビル」とか「サッキョーライン・エクスプレス」とか地の文の「コワイ!」とかにいちいち慣れてきたせいで真面目に友人に勧めるときにいちいち噴かれる。
でも家族と友達を大事にする人たちの話でもあったり。それが裏切られたり奪われたりした人たち、自分の家族だけは守ろうとする人たちの話だったり。復讐の連鎖もきっちり。復讐終わったらどうするの、っていうところも。
運命とか呪いとか怨念とかそういうどろどろした話でもある。
いろんなものひとへの狂信者も多数で個人的に燃える。
何よりこう、侵食するものされるものが脳内会議してたり乗っ取りあったりしてる話は好きなんだ。協力したり殺しあったり。
最初は粛々と会うニンジャ会うニンジャ全員殺してたのに、「即殺すニンジャ」「殺す優先順位が低いニンジャ」「とりあえず殺さない(殺したくない)ニンジャ」って線引きを始めたように見えるニンジャスレイヤー=サンの状況判断は今後どうなっていくのか、復讐行は果たせるのか、どこまでいったら終わりになるのか、とか。
憑りついたあげく好き勝手やろうとするものに対して恨み骨髄に達した結果、自分をカタナから妖刀にクラスチェンジさせたあのお兄さんは、今後自分の憑物落とせるのか、落としたらあの人に何が残るのか、残らないってわかってるんじゃないのか、とか。
さまざまなストレスから、自分に憑りついて一体化しているものと進んで記憶を混濁させたがっているあの大将は、しかもその自覚のあるらしいあの人は、今後狂気を深めていったらどうなるんだろう、とか。
その辺が動き出す二部からが本番だと思う。書籍版はツイッターから大幅に改稿されているのでそういう意味でも楽しみ。