南木佳士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どう感じたんだろう…と振り返っても、どこか他人事に、面白かった〜としか言えないんだけど、でもなんだかすごく好きな小説だった。
好きの理由を少しだけ掘り下げてみると…
・色々な設定にリアリティがある※自伝的だから
・キラキラしてない普通の登場人物達に親近感
・世の中って、働くって、ほんとそうだよね、という共感
・医学部ってこんな感じなのかと知ることができた
→医者の友達が多い割に、医学部のこと、なんとなくしか分かってなかったんだなぁ。
読書好きだなー、小説っていいなー、って思わせてくれた小説だった。
そりゃそうか。芥川賞受賞作家の小説なんだから。
ざっと4時間くらい、子育て中だが睡眠時 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画化もされた名作。わたしはこの作家の作品を読むのは3回目であるが、やはりこの静謐な世界は非常に好みである。作家である主人公とパニック障碍を患って田舎の診療所に赴任してきた女性医師の夫婦をメインに描いていて、これは完全なフィクションかとも思ったのだが、一部は実体験を取り入れた、半私小説なのかもしれない。著者が病気になったということは知っていたのだが(そのため後年登山に傾倒するようになり、近年の山岳小説につながる)、Wikipediaによれば著者の年齢はちょうど学園紛争激しい頃に受験を控えていたという作中の設定と合致するし、なにより著者の本名は「霜田(しもだ)」らしいので、まったく無関係に上田姓