南木佳士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第100回芥川賞受賞作「ダイヤモンドダスト」を含む四編.
「冬への順応」浪人時代に好きだった人が末期の肺癌で自分の病院に入院してくる.
「長い影」カンボジア難民医療団のOBの同窓会でのできごと.
「ワカサギを釣る」カンボジアで知り合った男性と信州でワカサギ釣りをする.
そして「ダイヤモンドダスト」.
どれも,日常に死が寄り添うような話.センター試験に出題されたという「冬への順応」も心にしみるが,看護士の主人公と幼なじみの淡い恋愛(といっていいんだろうか)と,主人公の父親と末期癌の宣教師の心の交流とその死を描いた「ダイヤモンドダスト」が重層的で読み応えがある.
どれも重い主題を重くなりすぎ