南木佳士のレビュー一覧

  • 阿弥陀堂だより
    人生の折り返しに差し掛かり、故郷の集落に戻った夫婦の生活を描いた物語。

    おうめさんの飾らない、それでいて核心をつく言葉が深く心に染み入って、何度か涙を拭った。
    季節が巡り生命が芽吹きまた枯れていく、それをあるがままに受け入れることの美しさを感じた。
    心に柔らかな温もりが灯るような一冊。
  • ダイヤモンドダスト
    芥川賞受賞作映画で、私のベスト10に入る「阿弥陀堂だより」を書いた人。
    映画の中の美しい風景と、暖かい物語が何時までも忘れられない。br />
    それなのに、随分前に話題になったこの本を読んでなかった。
    100回記念の時の芥川賞受賞作。。
    メモが長くなってしまった。

    1989年の著者の近影があった、...続きを読む
  • 山行記
    2016/5/19 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2018/4/9〜4/11

    初めて読む作家さん。本屋で発見して購入。歳をとってからの登山。年甲斐もなく重いテントを背負っての長距離山行など、あなたは私か、っていうくらい重なった。機会があれば、小説も読んでみたい。
  • 阿弥陀堂だより
    新人賞だけは取れたがそれ以降鳴かず飛ばずの作家。将来を嘱望される女医。2人はいろいろありながらも寄り添い夫婦として生きて来た。40歳を超え、妻が心を病んだ事をきっかけに生まれ故郷の長野の寒村に移住を決めた。

    自分ではどうしようも出来ない心の病と対峙するのではなく、心休まる風景や人々の中で自分を取り...続きを読む
  • 阿弥陀堂だより
    読後感がとてもさわやかだった。
    救いのあるストーリーで、物語が見事にまとまっている。
    間違いなく名作、誰にでもお勧めできる。
    この作品に出会えたことに感謝。
  • 阿弥陀堂だより
    南木さんはダイヤモンドダストで芥川賞を受賞していますが、私は今回初めて彼の小説を読みました。 現役のお医者さんのようです。(10年前の古本なのでその時点で・・) 古本屋さんでこの本を手に取ったのは、この小説を原作とした映画 同名の”阿弥陀堂だより”の紹介を小冊子で読んだばかりだったからです。ロケ地は...続きを読む
  • 阿弥陀堂だより
    本を開いた時、なんだか堅い感じがしたので読むのを躊躇した。
    でも、読み進むうちにいい感じに。

    淡々とした日常生活を描く作品はやはり良い。
    無理なく作中に入っていけるので。

    病人って、病気に罹っている人ではなく、心を病んでいる人のことって納得です。

    著者は医者でもあるので、医者としての死の見つめ...続きを読む
  • 阿弥陀堂だより
    現代文の演習で一部分を読んで「おうめ婆さん」の人柄に惹かれたので。

    ワークの解説に載ってた、
    孝夫と美智子の過去が気になります...
  • ダイヤモンドダスト
    大学受験の模試で出題された。涙が止まらなかった。

    アメリカ人宣教師が病床で主人公に語る、自身のベトナム戦争での体験の話が素晴らしい。
    生と死を、感情的ではない、それでいて心揺さぶる文章で語っている。

    こういった素晴らしい作品が、もっともっと読まれるようになればいいと思う。
  • 阿弥陀堂だより
    私が南木さんを読み始めるきっかけとなった作品。SNS「やっぱり本を読む人々」の100冊文庫企画に推薦するために再読しました。

    特筆すべきは96歳の老婆・おうめが小百合に答える言葉の数々でしょう。それを語らせるために、この物語は書かれたのではないかと思います。
    『目先のことにとらわれるなと世間では言...続きを読む
  • ダイヤモンドダスト
    寄贈

    人の死をこれほど正面から受け止めて、逝く者と残される者の現実を淡々と描けるのは、作者が医者だからという理由だけではないと思う。

  • 阿弥陀堂だより
    小さな山奥の村、その山里の山の方の阿弥陀堂に暮らす老婆。祖先の霊を守ってくれる老婆にお礼として、老婆には食糧が運ばれる。
    40年、50年この閉ざされた風景から一歩も外に出ないで暮らしてきた老婆。
    都会で精神的に病んだ妻と売れない作家の自分。口の聞けない若い女性。圧倒的な大自然のなかで、生きるとは何か...続きを読む
  • 阿弥陀堂だより
    地に足がつく….というか、土地に根付いて身も心も健全に生きたくなるな。

    『器に合った分の、それもなるたけいい話を聞いていたい』
    このSNS時代にグッと来る言葉だ。
  • 阿弥陀堂だより
    六川集落出身の孝夫が結婚し妻を連れて移住してくる。そこで暮らしながら出会う人との触れ合いが描かれている。
    タイトルでもある阿弥陀堂は、山の中腹にあるお堂で、選ばれたお婆さんが守っていくしきたりになっている。
    96歳のおうめ婆さんはそこに住み、祖先の霊を守っていてくれるのでそのお布施として村人は食料や...続きを読む
  • ダイヤモンドダスト
    医療に携わる人々をテーマにした短編4本。

    重い内容で気が進まなかったが、読後は不思議と心を鷲掴みにされていた。
    何も対話だけが心を通わせる手段ではなく、また、それだけに価値があるわけでもない。皆あるがままに生きて死んでいくのだと腑に落ちるような感覚になる。
    物語の中に浮かび上がる生と死が、命の煌め...続きを読む
  • ダイヤモンドダスト
    東南アジアに難民医療のため一時派遣されたときの経験・出会った人についての短編が三つ。最後の一編はベトナム戦争で空軍パイロットだった牧師が死の床について語る言葉、「乗り物は早くなるほど罪深くなる」が印象的。
  • 山行記
    新穂高から笠ヶ岳と槍を通る周回や、北岳から農鳥までの大縦走が書かれていますが、声高になる事なく静かに淡々と時が流れて行きます。山行記ではありますが文学作品。良い本だと思います。
  • 小屋を燃す
    南木さん、これで筆を折る気なののか?読みながら思うほど、これまでの集大成という印象を受けました。

    過去と現在が交錯して描かれます。
    過去は、いつもの通りです。母を亡くし祖母に育てられた少年時代、医師となって末期癌患者を見送り続けて陥ったパニック障害、鬱。これまで多くの作品で語って来た南木さんの経験...続きを読む
  • 阿弥陀堂だより
    映画化もされた名作。わたしはこの作家の作品を読むのは3回目であるが、やはりこの静謐な世界は非常に好みである。作家である主人公とパニック障碍を患って田舎の診療所に赴任してきた女性医師の夫婦をメインに描いていて、これは完全なフィクションかとも思ったのだが、一部は実体験を取り入れた、半私小説なのかもしれな...続きを読む
  • ダイヤモンドダスト
    「地に踵のついた」(巻末 加賀乙彦との対談参照)短編集。このような静謐な話は、病気の経験がないと書けないかもしれない。