ベリエ・ヘルストレムのレビュー一覧

  • ボックス21

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    スウェーデンの作家アンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムの共著の長篇ミステリ作品『ボックス21(原題:Box 21)』を読みました。
    アンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムの共著は6年前に読んだ『三秒間の死角』以来なので久し振りですね。

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    暴行事件の「被害者」が取った不可解な行動。病院に立てこもった彼女の目的とは――?
    〈このミステリーがすごい! 第一位〉の『熊と踊れ』著者が、大反響の『制裁』に続けて放つ、北欧警察小説の真骨頂!

    リトアニア人娼婦のリディアは斡旋業者から激しい暴行を受け、病院へと搬送された。
    意識を取り戻した彼女

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    2025年02月09日
  • 死刑囚

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    ストックホルム市警のグレーンス警部シリーズ第3弾。
    傷害罪で逮捕された男性の身元を調べると、アメリカの元死刑囚で、なおかつ既に死亡したとされていた…というミステリ。
    今回もグレーンス警部はボヤキまくりの怒鳴りまくり…だが、さすがに前作のような不法行為はしないで済んだかな。
    「グレーンス警部シリーズ」とは言いながら、このシリーズはグレーンス警部たち警察側の登場人物は脇役っぽく、今回も死刑囚が主役で死刑制度について考えさせられる内容。
    特に第四部は非常にスリリングで、読んでいて胃がキリキリする。

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    2025年01月26日
  • ボックス21

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    スウェーデンの警察小説シリーズ第2弾。
    今作もグレーンス警部はボヤキまくりの怒鳴りまくりで、挙げ句の果てに証拠品を私情に駆られて破棄してしまうし、かなりのダメっぷり。
    人身売買屋に騙されてリトアニアからスウェーデンに連れてこられて売春をさせられている女性が、入院した病院で人質を取って立てこもるというストーリー。
    グレーンス警部をはじめストックホルム市警察所属の登場人物のダメっぷりは全く褒められたものではないということはともかく、小説としてはテンポ良い展開にグイグイ引き込まれて読み進められる。

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    2025年01月23日
  • 制裁

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    複数の少女を暴行・殺害した犯人が投獄された後に脱獄し、逃走中にさらに少女を殺害。
    ところが、その少女の父親が犯人を射殺してしまう。
    父親は殺人罪で逮捕されて裁判にかけられるが、その結末は…というクライムノベル。
    ストックホルム市警のグレーンス警部が主人公というシリーズの第1作目ということだが、「名推理で犯人を追い詰める」というミステリ小説的な人物ではなく、悪態をついてばかりの頑固者で感情移入はしがたい。
    むしろ本書の主人公は犯人を射殺した父親と服役囚たち。
    父親は有罪か無罪か、有罪なら量刑はどれくらいか…ということを考えさせられる内容であり、やるせない結末も含めて非常に印象深い読書体験だった。

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    2025年01月20日
  • 地下道の少女

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    スウェーデンの名前が最初よくわからなかったけど、4冊目ともなると慣れて、人物名を聞いてパッと人物像が浮かぶようになった。ハッピーエンドとか、まったく考えてないラストは、お前ならどうすると問いを投げられた気がして落ち着かない。というかさー、子供捨てる?お金の価値が人より高いんだろうねー
    そういう考えに染まらないように。グレーンス警部には幸せになってほしいと毎回思う。95

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    2024年10月24日
  • 死刑囚

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    テーマ、設定に強烈に引き込まれ、満員電車内での細切れ読書が恨めしくなるほど。最初から最後まで一気に、でも丁寧に、読み進めた。

    特に執行までのカウントダウン描写は、まるで自分が執行されるかのように手に汗握り、心臓が痛くなった。

    「死をもって死を償う」「死刑やむなし」が多数を占める日本。冤罪の可能性があるからとの理由で、死刑制度廃止へは傾かないのではないかと思う。

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    2024年03月16日
  • ボックス21

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    ネタバレ

    「制裁」以上に、夢中になって読んだ。
    満員電車に乗るのが全く苦にならないほど。
    なんだったら、この本が読めるから電車に乗るのが待ち遠しかったほど。

    恋人(だったのか?本当に)に裏切られ、船内で殴られた瞬間に希望が粉々に打ち砕かれ、自分の身体が自分のものではないと思いながら、絶望の日々を過ごすリディアを思うと、胸が締め付けられる。
    リディアの命とプライドを賭けた立て篭もり、真実が白日の元に晒されて欲しかった。
    彼女の心が壊れることと引き換えに保持していた「ボックス21」、このタイトルにも胸打たれる。

    しかもこの売春斡旋はフィクションではない。
    こんなに辛すぎる思いをする女性は、この世にただの

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    2024年02月16日
  • 死刑囚

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    ネタバレ

    グレーンス警部シリーズ第三弾。
    今作も重く苦しく辛い。

    暴行で逮捕した男の身元を探ると、アメリカで6年前に死んだ死刑囚と同一人物の可能性が出てきた。大国との政治的な駆け引きの中、死んだと思われていた死刑囚と向き合うグレーンス警部。。。

    一作目、二作目と同じく、救いもなく、希望もなく。だけどこんなにも辛い話なのに読むのが止められない。今作ではグレーンス警部のプライベートな側面もちょっと見えてきて、いつもの取っ付きづらさは薄いか。政治的な要素もありつつ、この死刑囚が真実を語っているのかどうかを怪しませる構成となっている。

    刑事がスパッと事件を解決するわけではないのでカタルシスはないかもしれな

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    2024年01月26日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    スウェーデンの作品の翻訳である。本作はストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部が活躍するシリーズの一冊ということになる。シリーズの途中から、凄腕の潜入捜査員であるピート・ホフマンが登場している。作品はグレーンス警部が主要視点人物になる部分、ホフマンが主要視点人物になる部分、その他の作中人物達が主要視点人物になる部分が織り交じって展開する。本作もその形が踏襲されており、ホフマンの部分とグレーンス警部の部分とが織り交じるようになって行く。
    本作の上巻ではこのグレーンス警部の出番は少し少ない。
    物語はコロンビアの様子から起こる。ストリートに生きる少年の様子が描かれる序章の後に本編が始まる。エ

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    2023年09月04日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    グレーンス警部という人物は、ストックホルム警察の現役捜査員では最年長というような年代で、一緒に居て愉しいというタイプでもない偏屈な男であり、事故で植物状態になった妻が長く施設に在って、その妻が亡くなってという複雑な個人の事情も在るのだが、執念深く捜査に取組む非常に老練で辣腕の刑事である。少し不思議な人物という感じがしないでもない。現場に出る、私用で出るという以外は、自宅アパートか警察本部の自室に居ると言われているような変わり者なのだが、勘と“押し”で事件関係者に迫って、事件を解決に導く手腕はなかなかに見応えが在り、シリーズで描かれる「社会の闇」にも関わる、見た目以上に重大な真相に肉薄するのであ

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    2023年09月04日
  • ボックス21

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    ネタバレ

    グレーンス刑事シリーズ第二弾。
    相変わらず重く、苦しく、辛い、だけどずっと読んでいたい。そんなザ・北欧小説という感じ。

    売春斡旋業者から大怪我を負いながらも逃げ出した女が、病院の死体安置所に人質を取って立て篭もる。要求はグレーンス刑事の親友と話をすること。なぜ人身売買により他国から売られた女が、立てこもり事件を起こすのか。一方、グレーンス刑事の恋人が脳に障害を持つきっかけとなった事故。その事故を誘引した犯罪者が刑期を終え出所することに。。。

    今作も2部構成。売春婦リディアが起こした立て篭もり事件の顛末と、そのことで明らかとなったある真相をめぐる二人の刑事の苦悩が描かれる。

    真相については

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    2023年06月08日
  • 制裁

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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ベリエ・ヘルストレム」の共著の長篇ミステリ作品『制裁(原題:Odjuret)』を読みました。

    「ステファン・トゥンベリ」との共著『熊と踊れ』に続き「アンデシュ・ルースルンド」作品です… 北欧ミステリが続いています。

    -----story-------------
    北欧ミステリ最高の警察小説〈グレーンス警部〉シリーズ第一作

    凶悪な殺人犯が護送中に脱走した。
    市警のベテラン「グレーンス警部」は懸命にその行方を追う。
    一方テレビの報道を見た作家「フレドリック」は凄まじい衝撃を受けていた。
    見覚えがある。
    この犯人は今日、愛娘の通う保育園にいた。彼

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    2023年03月11日
  • 制裁

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    ネタバレ

    アンデシュ・ルースルンドのグレーンス警部シリーズ第1作。初読。

    冒頭の残酷描写から始まり、ただただ胸糞悪い展開が続く。読んでいて辛かった。。。鬱々としたストーリーではここ最近では一番かも。これぞ北欧小説だなぁと。

    冒頭に脱獄する犯罪者がとんでもない化け物(原題も「怪物」のようなニュアンスらしい)。あまりにも理解できない、意思の疎通もできない、どうしようもない怪物。その犯罪者に狙われた娘と、その父親の顛末が描かれる。。。と思いきや。中盤以降、全く予想もしていなかった展開に。憎しみの連鎖というか、悪い方向に転がり落ちていくってこういうことだよなと。読み終えて、邦題の「制裁」に納得。

    あまりの

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    2023年02月26日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    読み応えありました。
    思えば「三秒間…」もすごい本を読んでしまったとしばらく興奮がおさまらなかったっけ。またパウラに逢えるなんて…。緊迫感や憤りや安堵や様々な感情に翻弄されながらも心地よい読書タイムでした。家を見ながら涙するシーンではもらい泣きしそうになりました。
    とてもハードな内容なのにすんなり頭に入ってくるし、ともすると美しささえ感じられる文章だと思います。作者さんの文章なのか訳者さんの文章なのか。好みです。
    今度は三時間ですか?楽しみです。

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    2021年05月29日
  • 死刑囚

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    この人の、このシリーズは、結末が一癖ありますね。クセがつよい(笑)。それが、このシリーズの魅力でもあるんですけどね。

    そして、例によって、スッキリとする結末ではありません。それも、このシリーズの特徴。むしろ、なんか悲しいですね。それがまた、アメリカやイギリスのミステリーとは違うところですね。

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    2021年03月26日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    ☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。

     さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。

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    2020年09月18日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    ☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。

     さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。

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    2020年09月18日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    グレーンス警部シリーズ。前作からのつながり、さらに広がる物語。コロンビアの麻薬の蔓延と組織、アメリカの要人を拉致とたくさんの要素がある。上巻はグレーンスの登場は少ないけれどコロンビアでの動きはとても読み応えがある。コロンビアに潜入捜査に入ったある人物の顔。家族への思い、生き延びるためということ。さまざまな展開、感情がある。潜入捜査のなかで起こる葛藤、スパイとしての立ち振る舞いと、麻薬や殺人への対処。アメリカ政府の本音と建前。そこに立ち向かうグレーンスたち。今作から次作へとまた楽しみや興味が広がる展開だった。前作の『三秒間の死角』(角川文庫)を読んでからのほうが楽しめるのでぜひ先に読んでいただき

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    2020年09月13日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    下院議長の誘拐事件によって“対麻薬最終戦争”の火蓋が切られ、激化するアメリカとPRCとの戦いの中で窮地に立たされた潜入捜査員。ホワイトハウス上層部は彼をゲリラの一員として作戦の殺害対象に定めているのだ。絶体絶命の状況で起死回生を図る捜査員がグレーンス警部の協力のもとに見出したのはわずか三分間の空隙。その驚くべき計画の全容とは―。

    久しぶりの一気読み。ピートはもちろんのこと、グレーンス警部の大活躍にも満足。未訳の6作目が気になるが、三時間の導線も楽しみ。

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    2020年09月08日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    コロンビア。子どもですら200ドルのために殺し屋になりたがる社会の暗部に、麻薬取締局に雇われた男が潜入していた。任務は麻薬犯罪ゲリラPRCの情報を米国に提供すること。しかし特殊部隊を率いる米国下院議長がPRCに拉致されたとき、事態は思いもよらぬ急変を遂げる。潜入捜査員の命運はストックホルム市警のグレーンス警部に託された!

    シリーズ第7作。翻訳としては6作目。
    これはまさしく冒険小説。
    下巻に続く。

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    2020年09月08日