アンデシュルースルンドのレビュー一覧

  • 三日間の隔絶 上

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     グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズは当初三部作のはずだった、と思う。三秒間、三分間、三時間で終了するはずだったこのシリーズは、さらに三日間、三年間と続くようで、今回は四作目の「三日間」の物語だ。何はともあれ、作者も多くの読者同様、このダブル主人公シリーズを終えるに忍びない状況となっているに違いない。

     迷惑なのは、長年潜入捜査を強いられているピート・ホフマンとその家族だろう。これまでいくつもの死地を潜り抜け、その都度、肉体的・精神的な負担を異常にかけられてきたピートと、そのとばっちりを受けっぱなしの家族に、いい加減平和と幸福をもたらしてほしい気持ちは読者心理の中でも上昇を

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    2022年06月24日
  • 三日間の隔絶 下

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    〈グレーンス警部〉シリーズ。グレーンスが捜査した17年前の事件とピート・ホフマンに届いた脅迫。この2つを軸に進むのだけれどどちらも緊迫感がある。同僚を疑い始めるグレーンス、家族を何としても守ろうとするホフマン。グレーンスとホフマンが絡むと面白さが増し引っ張られていく。シリーズの中で重要な位置にある作品で面白さもトップクラスな出来だと思う。

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    2022年06月20日
  • 三日間の隔絶 下

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    自分を脅迫している人物を明らかにするため、ホフマンはグレーンス警部に警察への潜入捜査を依頼する。だが、その交換条件として彼は17年前に起きた事件の容疑者を次々と殺していく犯人を探し出すことを命じられる。背中を預けあうことになった彼らに残された時間は、17年前の最後の容疑者である男を拘留できる‟三日間"。しかし、事件は予想もつかない展開へ――。

    子どもの描写がうまい。だから、この結末はいつまでも心に響く。

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    2022年06月07日
  • 三日間の隔絶 上

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    一家惨殺事件の生き残りの少女はグレーンス警部の手により保護された。17年後、その事件の資料が警察署内から盗まれていることが判明する。さらに17年前と同じ手口で当時の容疑者が殺される事件が起こり……。一方、潜入捜査官を引退し家族とともに暮らしていたピート・ホフマンの元に、彼の正体を知る謎の人物から脅迫状が届く。ホフマンは警察の人間が裏切ったのだと考えるが――。

    シリーズ第9作。内なる敵とも闘いながらのグレーンス警部の必死の捜査。下巻に続く。

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    2022年06月05日
  • 三日間の隔絶 下

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    アンデシュ・ルースルンド『三日間の隔絶 下』ハヤカワ文庫。

    グレーンス警部シリーズの第9作。そして、シリーズ内シリーズのグレーンス警部&潜入捜査官ピート・ホフマン・シリーズの第4作。

    かつて、北欧ミステリーというと登場人物の名前を覚えるのに苦戦したのだが、本作はサクサクと読める。それは本作が非常に面白いからなのだと思う。

    いよいよグレーンス警部とホフマンは事件の核心へと向かう。鍵を握るのは17年前に一人だけ生き残った少女なのか。グレーンス警部の上司、信じていた同僚が事件に関与しているのか……

    余りにも悲しい結末。

    グレーンス警部とピート・ホフマンが各々が抱える事件と問題を解決

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    2022年06月02日
  • 三日間の隔絶 上

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    アンデシュ・ルースルンド『三日間の隔絶 上』ハヤカワ文庫。

    グレーンス警部シリーズの第9作。そして、シリーズ内シリーズのグレーンス警部&潜入捜査官ピート・ホフマン・シリーズ、『三秒間の死角』『三秒間の空隙』『三時間の導線』に続く第4作。2017年にコンビを組んでいたベリエ・ヘルストレムの急逝により、前作に続き、アンデシュ・ルースルンドの単独名義で書かれた作品。

    タイトルが三秒間、三時間、三日間と次第に時間軸が長くなっている。次は三年間かな。

    警察組織の何者かが、17年前にグレーンス警部が関わった事件を目覚めさせ、やはり警察組織の深部にいると思われる謎の人物が引退した潜入捜査官のピ

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    2022年06月01日
  • 三時間の導線 下

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    ネタバレ

    うーん。そうくるか。

    このシリーズは、最後の最後に驚きのどんでん返しが起きるような作品ではないので、予想外の事はあまり置きません。とはいえ、組織の頭目の最後はあっけなかったですね。途中で、「なんか、彼怪しいな。伏線?」と思っていたんですが、半分当たって、半分外れたという感じでしょうか。

    なにやら、シリーズは続くっぽいです。最初が“3秒”、次が“3分”、今回が“3時間”という事は、次は“3日”??長くね?

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    2021年08月20日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    読み応えありました。
    思えば「三秒間…」もすごい本を読んでしまったとしばらく興奮がおさまらなかったっけ。またパウラに逢えるなんて…。緊迫感や憤りや安堵や様々な感情に翻弄されながらも心地よい読書タイムでした。家を見ながら涙するシーンではもらい泣きしそうになりました。
    とてもハードな内容なのにすんなり頭に入ってくるし、ともすると美しささえ感じられる文章だと思います。作者さんの文章なのか訳者さんの文章なのか。好みです。
    今度は三時間ですか?楽しみです。

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    2021年05月29日
  • 三時間の導線 下

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    三時間は、三分や三秒と同じくらい長かった。

    いやぁ、これまた読むのを止められない小説だったことよ。グレーンスが走るところは胸がアツくなりますね。不自由な脚に、年老いた体に鞭を打って走る姿に。
    年々ガンコになるのかと思いきや、少しずつ丸くなっていく様で微笑ましさも。
    解剖技術者との展開気になるわ~~!!

    本筋事態は前作もそうだったんだけど組織犯罪の規模が大きくなると、犯罪者の狂気っぷりが小さくなるのが少し残念。

    そういや検事出てこなかったな。エリートは1人出せば充分なのかな笑

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    2021年05月24日
  • 三時間の導線 上

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    三秒、三分と続き今度は三時間!
    まだ上巻読んだだけですが、相変わらず読ませるな~。
    しかしグレーンス警部も年取ったなと思わざるを得ない感も、少なからずある。。。

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    2021年05月23日
  • 三時間の導線 下

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    グレーンス警部シリーズ第7弾。難民問題が事件へとつながっていく。大量の難民がコンテナで運ばれ亡くなっていく現実。そこにビジネスとして介入する組織。人を人とも思わないような環境に置くこと。それに対するグレーンスの怒り。いつも苛立ってばかりのグレーンスだけれど今作は信頼というのも一つのテーマにもなっていてある交流でこれまであまり見れなかったグレーンスの姿が見える。アクションシーンも冴えているけれど今作は特に感情の面で読み応えがある。ラストもなんとも言えない気持ちが残るし事件の大きさ、悲惨さが読み終えた後も残り続ける。

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    2021年05月16日
  • 三時間の導線 下

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     グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズ三部作も、いよいよ大団円を迎える。

     『三秒間の死角』が、作品の完成度やインパクトのわりに正当な評価を得ていなかったものの、アンデシュ・ルースルンドの名は、元囚人の肩書きステファン・トゥンベリとの共著『熊と踊れ』二部作により、一気にエース級作家として知れ渡り、それを受けてか、『三秒間の死角』も『THE INFORMER/三秒間の死角』のタイトルでNYを舞台にストーリーもシンプル化した形に差し替えられたものの、ともかく映画化された。

     以降、『三分間の空隙』、そして本作と、あっという間の三部作翻訳が完了し、ついに最終編とあいなる。ただし、

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    2021年05月16日
  • 三時間の導線 上

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     グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズ三部作も、いよいよ大団円を迎える。

     『三秒間の死角』が、作品の完成度やインパクトのわりに正当な評価を得ていなかったものの、アンデシュ・ルースルンドの名は、元囚人の肩書きステファン・トゥンベリとの共著『熊と踊れ』二部作により、一気にエース級作家として知れ渡り、それを受けてか、『三秒間の死角』も『THE INFORMER/三秒間の死角』のタイトルでNYを舞台にストーリーもシンプル化した形に差し替えられたものの、ともかく映画化された。

     以降、『三分間の空隙』、そして本作と、あっという間の三部作翻訳が完了し、ついに最終編とあいなる。ただし、

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    2021年05月16日
  • 三時間の導線 下

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    初期の頃のバリバリの社会派の影を薄めつつ、うまく路線変更してきてるかなと。
    なんにしろグレーンスの変貌ぶりに愛情を感じた。

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    2021年05月08日
  • 三時間の導線 下

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    アンデシュ・ルースルンド『三時間の導線 下』ハヤカワ文庫。

    グレーンス警部シリーズの第8作。シリーズ内シリーズ三部作の『三秒間の死角』『三秒間の空隙』に続く第3作。2017年にコンビを組んでいたベリエ・ヘルストレムが急逝したことにより、アンデシュ・ルースルンドの単独名義で書かれた最初の作品になる。

    本作は、西アフリカとスウェーデンを舞台にした北欧冒険ミステリー小説と言っても良いだろう。クレイグ・トーマスの傑作傑作小説『闇の奥へ』に優るとも劣らない非常に面白い作品である。ストーリーの面白さもさることながら、登場人物の関係も『闇の奥へ』の主人公、ケネス・オーブリーがグレーンス警部なら、パトリ

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    2021年05月07日
  • 三時間の導線 上

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    アンデシュ・ルースルンド『三時間の導線 上』ハヤカワ文庫。

    グレーンス警部シリーズの第8作。シリーズ内シリーズ三部作の『三秒間の死角』『三秒間の空隙』に続く第3作。つまりはグレーンス警部シリーズにして、ピート・ホフマン・シリーズでもあるのだ。

    64歳となったグレーンス警部の前に再び奇妙な事件が立ち塞がる。これまでのシリーズ同様、予想外の事件から幕を明け、スウェーデンはおろかヨーロッパを飛び出し、世界の暗部で起きる壮大な事件へと展開していく。

    ストックホルム南病院の遺体安置所で22体しか無いはずの遺体が1体増えるという事案が発生。増えた遺体はアフリカ出身の男性であること以外は素性は全く不明

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    2021年05月06日
  • 死刑囚

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    この人の、このシリーズは、結末が一癖ありますね。クセがつよい(笑)。それが、このシリーズの魅力でもあるんですけどね。

    そして、例によって、スッキリとする結末ではありません。それも、このシリーズの特徴。むしろ、なんか悲しいですね。それがまた、アメリカやイギリスのミステリーとは違うところですね。

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    2021年03月26日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    ☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。

     さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。

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    2020年09月18日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    ☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。

     さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。

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    2020年09月18日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    グレーンス警部シリーズ。前作からのつながり、さらに広がる物語。コロンビアの麻薬の蔓延と組織、アメリカの要人を拉致とたくさんの要素がある。上巻はグレーンスの登場は少ないけれどコロンビアでの動きはとても読み応えがある。コロンビアに潜入捜査に入ったある人物の顔。家族への思い、生き延びるためということ。さまざまな展開、感情がある。潜入捜査のなかで起こる葛藤、スパイとしての立ち振る舞いと、麻薬や殺人への対処。アメリカ政府の本音と建前。そこに立ち向かうグレーンスたち。今作から次作へとまた楽しみや興味が広がる展開だった。前作の『三秒間の死角』(角川文庫)を読んでからのほうが楽しめるのでぜひ先に読んでいただき

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    2020年09月13日