アンデシュルースルンドのレビュー一覧

  • 三日間の隔絶 下

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    ネタバレ

    う~ん。読ませるなあという読後感。
    ジリジリと迫るリミット。意表を突く展開。
    時系列のズレがやられた。冷静に考えればそうなんだけど読んでる時には気が付かない。
    大変な状況なんだけどホフマンとグレーンズ警部の協力体制が嬉しい。
    ホフマンの子供たちとグレーンズ警部の交流が微笑ましい。もうホフマンを平穏に過ごさせてあげたいところだが、シリーズの次回作があることがわかっているので気の毒にも思う。

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    2023年08月03日
  • 三年間の陥穽 上

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     グレーンス警部シリーズはついに終章を迎えつつあるのだろうか? そんな心配が胸を駆け巡る。それほど、しっかりと主人公の現在の日々、そして彼が過去に残した禍根から響いてくる痛みが、のっけから描かれてゆくからだ。亡き妻と、彼女が胎内に抱きかかえていた生まれなかった娘。グレーンス警部が毎夜、警察署の個室のコーデュロイのソファの上に身を横たえながら心に彷徨わせる孤独。帰って来ない家族への想い。

     本書では、傷つけられる子供たちというテーマが描かれる。聞いたこともないほど残酷な性被害を受ける、少年少女たちの存在が浮き彫りにされる。子供たちを犠牲にして自らの歓びや商売に結びつける鬼畜の如き親たち。彼らを

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    2023年07月16日
  • 三年間の陥穽 下

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     グレーンス警部シリーズはついに終章を迎えつつあるのだろうか? そんな心配が胸を駆け巡る。それほど、しっかりと主人公の現在の日々、そして彼が過去に残した禍根から響いてくる痛みが、のっけから描かれてゆくからだ。亡き妻と、彼女が胎内に抱きかかえていた生まれなかった娘。グレーンス警部が毎夜、警察署の個室のコーデュロイのソファの上に身を横たえながら心に彷徨わせる孤独。帰って来ない家族への想い。

     本書では、傷つけられる子供たちというテーマが描かれる。聞いたこともないほど残酷な性被害を受ける、少年少女たちの存在が浮き彫りにされる。子供たちを犠牲にして自らの歓びや商売に結びつける鬼畜の如き親たち。彼らを

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    2023年07月16日
  • 三年間の陥穽 上

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    「何やら面白そう…」という小説に出くわし、以前に愉しんでいたシリーズの最近作であることが判れば「是非!」と手にしてみたくなる。
    スウェーデンの小説の翻訳だ。ストックホルム警察のグレーンス警部が活躍するシリーズである。
    本作は、個人的な色々な事情を抱えながらも、過ぎる程に熱心に仕事に入り込んでいる頑固な老警部―本作では60歳代に入っていて、ストックホルム警察本部の最年長グループのようになっている…―のエーヴェルト・グレーンスが事件に向き合うのだが、グレーンスが頼みにしている、現場潜入要員のピート・ホフマンの活躍も痛快だ。物語は大まかに、グレーンスの視点で綴られる部分とホフマンの視点で綴られる部分

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    2023年07月13日
  • ボックス21

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    ネタバレ

    グレーンス刑事シリーズ第二弾。
    相変わらず重く、苦しく、辛い、だけどずっと読んでいたい。そんなザ・北欧小説という感じ。

    売春斡旋業者から大怪我を負いながらも逃げ出した女が、病院の死体安置所に人質を取って立て篭もる。要求はグレーンス刑事の親友と話をすること。なぜ人身売買により他国から売られた女が、立てこもり事件を起こすのか。一方、グレーンス刑事の恋人が脳に障害を持つきっかけとなった事故。その事故を誘引した犯罪者が刑期を終え出所することに。。。

    今作も2部構成。売春婦リディアが起こした立て篭もり事件の顛末と、そのことで明らかとなったある真相をめぐる二人の刑事の苦悩が描かれる。

    真相については

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    2023年06月08日
  • 三年間の陥穽 下

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    アンデシュ・ルースルンド『三年間の陥穽 下』ハヤカワ文庫。

    グレーンス警部シリーズの第10作。グレーンス警部&ピート・ホフマン物の第5作。スウェーデンの社会派警察ミステリー小説。

    下巻も上巻に劣らずスピーディーな展開が続き、一気読みだった。小児性愛者グループが一網打尽にされ、これでこの悲惨な物語は終わりかと思ったら、まだまだ続きがあり、驚愕の事実が次々と明らかになる。

    久し振りの快作。

    サンフランシスコに到着したピート・ホフマンは小児性愛者の一人、カール・ハンセンに変装し、小児性愛者サークルの謎のリーダーとその仲間と接触する。

    しかし、リーダーに疑われたピートは薬を盛られ、身

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    2023年06月05日
  • 三年間の陥穽 上

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    アンデシュ・ルースルンド『三年間の陥穽 上』ハヤカワ文庫。

    グレーンス警部シリーズの第10作。グレーンス警部&ピート・ホフマン物の第5作。スウェーデンの社会派警察ミステリー小説。

    如何なる犯罪をも許さないグレーンス警部の献身的な捜査の描写と無駄の無いスピーディーな展開がリーダビリティを高めている。

    過去に家族もろとも幾多の危険な目に遭って来た憐れなピート・ホフマンはグレーンス警部の懇願により再び危険な潜入捜査を実行することに。

    ある日、10年前に亡くなった妻のアンニの墓を訪れたエーヴェルト・グレーンスは、墓地のベンチで1人の女性に話し掛けられる。女性は空の棺が埋められた娘の墓を

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    2023年06月05日
  • 三年間の陥穽 下

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    こういうテーマの方が本領発揮してると思う。めちゃ読みやすくなってきてるし。

    (分冊する必要性を全く感じない、改行と余白が鬼畜すぎる)

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    2023年05月31日
  • 三年間の陥穽 下

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    久々に超弩級の胸糞で、度々瞬間的に手を止めたくなりますが、それでもやはり読ませる筆致には流石という言葉しか出てきません。
    グレーンスとホフマンのブロマンスものとして読まないと心が持たない面も。そのくらい過去に例がないくらいの胸糞です。心して読んで下さい。

    でも電話の声を聞いただけで状態を察する感じ等、ブロマンスものとしても拍車がかかってきましたよ!
    本作は今までのレギュラーメンバーの登場が少ない分より一層な感じがしますね。
    いやはやこりゃあどちらかが死ぬまでシリーズ続いちゃうでしょうね。
    タイトルの三シリーズは邦訳で続いてるだけですが、ここは訳者の腕の見せ所ですね。そこも楽しみ!!

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    2023年05月30日
  • 三日間の隔絶 下

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    2023.05.23
    文句なしの傑作。
    海外ミステリに二の足を踏んでいる人にもオススメ。
    理由は読みやすいし、どんどん読み進めたくなる切迫感にあふれているから。

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    2023年05月23日
  • 三日間の隔絶 下

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    めちゃめちゃ面白かった。
    これを待ってたよ。三分間、三時間とパッとしなかったんだけど待ってた甲斐があったな。
    まったく読めない展開。あらゆるところに仕掛けられた謎。繰り返されるどんでん返し。いったい真犯人は誰なんだ。先生、もうページを繰る手を止められませんっ!!

    解説の人も前2作は無かったものの如く書いてたから気持ちは同じだったんだな。
    しかし次は一気に三年!!?
    どうなることやら。。。

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    2023年04月25日
  • 制裁

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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ベリエ・ヘルストレム」の共著の長篇ミステリ作品『制裁(原題:Odjuret)』を読みました。

    「ステファン・トゥンベリ」との共著『熊と踊れ』に続き「アンデシュ・ルースルンド」作品です… 北欧ミステリが続いています。

    -----story-------------
    北欧ミステリ最高の警察小説〈グレーンス警部〉シリーズ第一作

    凶悪な殺人犯が護送中に脱走した。
    市警のベテラン「グレーンス警部」は懸命にその行方を追う。
    一方テレビの報道を見た作家「フレドリック」は凄まじい衝撃を受けていた。
    見覚えがある。
    この犯人は今日、愛娘の通う保育園にいた。彼

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    2023年03月11日
  • 熊と踊れ 下

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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ステファン・トゥンベリ」の共著の長篇ミステリ作品『熊と踊れ(原題:Bjorndansen、英題:The Father)』を読みました。
    「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」、「レイフ・GW・ペーション」の作品に続き、北欧ミステリです。

    -----story-------------
    ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品

    〈上〉
    凶暴な父によって崩壊した家庭で育った「レオ」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三人の兄弟。
    独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。
    その目的とは、史上例のない銀行強盗計画

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    2023年03月11日
  • 熊と踊れ 上

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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ステファン・トゥンベリ」の共著の長篇ミステリ作品『熊と踊れ(原題:Bjorndansen、英題:The Father)』を読みました。
    「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」、「レイフ・GW・ペーション」の作品に続き、北欧ミステリです。

    -----story-------------
    ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品

    〈上〉
    凶暴な父によって崩壊した家庭で育った「レオ」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三人の兄弟。
    独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。
    その目的とは、史上例のない銀行強盗計画

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    2023年03月11日
  • 熊と踊れ 下

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    あとがきに一番びっくりした。
    知らずに読めたのは、幸せ。
    未読の方は、あとがきと解説は最後まで取っときましょう(普通か。)。

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    2023年03月03日
  • 制裁

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    ネタバレ

    アンデシュ・ルースルンドのグレーンス警部シリーズ第1作。初読。

    冒頭の残酷描写から始まり、ただただ胸糞悪い展開が続く。読んでいて辛かった。。。鬱々としたストーリーではここ最近では一番かも。これぞ北欧小説だなぁと。

    冒頭に脱獄する犯罪者がとんでもない化け物(原題も「怪物」のようなニュアンスらしい)。あまりにも理解できない、意思の疎通もできない、どうしようもない怪物。その犯罪者に狙われた娘と、その父親の顛末が描かれる。。。と思いきや。中盤以降、全く予想もしていなかった展開に。憎しみの連鎖というか、悪い方向に転がり落ちていくってこういうことだよなと。読み終えて、邦題の「制裁」に納得。

    あまりの

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    2023年02月26日
  • 三日間の隔絶 下

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    潜入捜査官ホフマンが脅される。警察内部情報によってお前のことがわかったと。グレーンス警部には、17年前の未解決事件の容疑者が次々殺されてい件が。2つの件が合わさると途方も無い真相が・・・

    ヤバイほど面白かった。家族を殺すと脅されたホフマンがやらされることなどドキドキさせる伏線多数あり、

    ※自分用ネタバレ

    新人警官アメリアが黒幕だった。アルバニアの彼女の父親が武器商人だった。超高性能の銃を大量に仕入れて売る際に仲間割れして殺された。その復讐だった。

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    2022年08月07日
  • 三日間の隔絶 下

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    ピートホフマンのこのシリーズ、もちろん毎回面白いのだが、ホフマンと家族が危険にさらされ…という展開にやや飽きてきたなと思いながら読み始めた。
    しかし本作は真相の意外性といい、独特ながら魅力的なグレーンスの人柄といい、いつも以上に素晴らしかった。

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    2022年08月05日
  • 三日間の隔絶 下

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    息つく間も惜しんであっと言う間に読み終えた。グレーンス警部シリーズだが、私はホフマンファン。今作はグレーンス警部とホフマンが手を組んで事件の解決にあたる。両者とホフマンの家族が殺人者と相対する緊迫感半端ない3日間が素晴らしかった。

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    2022年07月09日
  • 三日間の隔絶 下

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     グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズは当初三部作のはずだった、と思う。三秒間、三分間、三時間で終了するはずだったこのシリーズは、さらに三日間、三年間と続くようで、今回は四作目の「三日間」の物語だ。何はともあれ、作者も多くの読者同様、このダブル主人公シリーズを終えるに忍びない状況となっているに違いない。

     迷惑なのは、長年潜入捜査を強いられているピート・ホフマンとその家族だろう。これまでいくつもの死地を潜り抜け、その都度、肉体的・精神的な負担を異常にかけられてきたピートと、そのとばっちりを受けっぱなしの家族に、いい加減平和と幸福をもたらしてほしい気持ちは読者心理の中でも上昇を

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    2022年06月24日