アンデシュルースルンドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ(上巻より)
バウラを無事スェーデンに戻すため、仲の悪い検事にわざと大手柄をあげさせたのは
面白かったが、
検事が刑務所内の殺人を軽い刑にする理屈をひねり出したのは驚きだった。
それと、
麻薬が溶け込んでいるスーツケースをグレーンス警部に預けたのも面白かった。
一番印象的だったのは
バウラが潜入していたゲリラのボス。
誰をも信頼してはけない人生の中で、
信頼してしまい、裏切られる。
同情の余地は全くないが、
最後に爆弾で殺されるのはあまりにあっけなくて、
少し納得いかなかった。
もっと悲惨な、ある意味、劇的な最期を望んでいたのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
エーベルト・グレーンス警部シリーズ第六作。
だから、潜入捜査ものは好きじゃないと言ったはず。
カリブ海の浜辺でのんびりとモヒートを飲んでいる、とまではいかないが。
華麗なる脱獄をした「バウラ」には、家族と幸せな生活をしていてほしかった。
まさか、より危険な国でより危険な潜入捜査をしているとは。
しかもそこへ警備に止められたにも関わらず、
コロンビアに来たアメリカ下院議員長が麻薬犯罪ゲリラの人質になってしまい、
アメリカからのゲリラの一員として殺害ターゲットとされてしまう。
そこへ、ようやくこのシリーズの主人公(のはず)がグレーンス警部が登場し、
バウラを救い出すために協力することに。
パ -
購入済み
レオの脳内イメージはヨエル・キナマンです
でも私は完全にヨン派(脳内イメージ無し)なので、形勢が逆転する所では、思わずガッツポーズをしてしまいました
ヨン派ならきっとあそこですると思います -
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ネタバレエーベルト・グレーンス警部シリーズ第四作。
ルーマニアからバスで運ばれてきた少女たちと
ストックホルムの地下道に住む少女。
二つの国のストリートチルドレンたちの事件は、
驚くことに、全く交わらない。
スェーデンのミステリーは国際的だ。
国境をひらりと超えていく。
橋を渡れば、フェリーに乗れば、
すぐ隣の国に行ける。
EUとなった今では検問もない。
自分が思う「国際的」とは違う気がする。
国をまたいでおこる犯罪に警察は無力だ。
その無力感が、このシリーズの通奏低音なのだろうか。
エーヴェルト警部の恋人も亡くなってしまったし。
教会に少女がたたずむ場面が印象的だった。
クララ教会、行ってみた -
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兄弟が銀行強盗を次々に成功させると同時に、少しずつ明らかになってゆく、その目的。
レオは自身の中に存在する、いくらお金を奪っても決して癒されない深い孤独と、父親への想いに気づき始める。
他の誰よりも父親に認めてもらいたかったのだというレオの心の叫びが、過剰な暴力となって形を変えてゆく様が、何とも悲しい。
この作品では、親子、夫婦、兄弟、親友、恋人など、さまざまな関係性に基づく愛情と暴力の形が描かれている。
言葉では伝えられない感情が暴力となり、その想いが強ければ強いほど、彼らは本当に破壊しているものが何なのか、その実態が分からなくなっているようだ。
一番冷静だと思われたレオが少しずつ感情に飲 -
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怪物をめぐる人間の話、そして怪物となった人間と社会をめぐる話、とこの本は評せるかもしれません。
冒頭の描写からどきつい……。女児に性的暴行を加え殺害し捕まった男。その怪物の思考と、犯行の描写の残虐さに、自分はいきなり物語にぐいとつかまれました。
その怪物が移送中に逃亡。物語は様々な人物の視点を通し、重層的に描かれます。
途中まで読んだ段階では、逃亡犯を追いかけるサスペンスなんだな、と自分は思っていました。しかしこの小説は、徐々に社会派小説の様相を呈してきます。
事件が起こした波紋は、当事者たちの思惑や真意を超え、正義心となり、怒りや憎悪へ変化し、司法関係者や普通に暮らす前科犯にも及びま -
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ネタバレスウェーデンで酔客に暴行を加えて逮捕されたカナダ国籍の男は、米国で死んだはずの元死刑囚だった!?それはスウェーデン全土と米国を舞台にした前代未聞の事件の幕開けだった。
序盤でネタは想像がつくし、あーこれジョン助からないやつだわーってなるんですが。。
まさかこんな終わりとは!
フィニガンは共感しづらいけど不幸だなあ。しかしながら目には目を、がまさに自分に返って来てるのが皮肉・・・。
死刑の支持率が異様に高いことで知られる日本では、スウェーデンでの騒ぎの描写は理解されづらいかもなと思いました。が、死刑囚の拘留中の様子や執行時の描写など、あまり知られてないことがよく描かれていて、フィクションと -
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このシリーズの根底に流れるテーマは「復讐」なのだろう。
一作目は幼い娘を殺された親による復讐、二作目は国境を超えた人身売買の被害者による復讐、今作は社会的復讐装置とも言うべき死刑制度に対する復讐劇となっている。
「死刑囚」を物語の中心としながら最終的に制度全体に対する復讐に仕上げていく構成が素晴らしい。単なるミステリー・サスペンスではなく、社会派小説とも言うべき、人物だけでなく社会、民衆全体に波及するストーリーとなっている。
ただ単に「正義」をかざすのではなく、そこに人物一人ひとりの細かいまでの描写と人としての苦しみ、悲しみも合わせて描かれている。
特に今回は主人公であるグレースンの哀切も描 -
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ネタバレ(上巻より)
再び一獲千金を狙うレオ、
利用される父親、協力しない弟たち。
途中で少し客観的になれた。
多分、それはヨン警部が暴走しはじめたからだと思う。
ということは、私が肩入れしていたのは、
ヨン警部だったのだろうか。
こちらの作品は小説だそうだ。
そして、最初から二作書くことは決まっていた、とも。
しかし、もしこの「兄弟の血」を読まなければならないとしたら、
「熊と踊れ」を勧めるのを躊躇せざるをえない。
結末が気に入らないとか、
話がつまらないとか、そういうことではないのだが。
さらなる続編はあるのだろうか。
ヨン警部の不正に気が付いたエリサ警部補に
追及をさせてみたい気がする -
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