アンデシュルースルンドのレビュー一覧

  • 地下道の少女
    グレーンス警部シリーズ4作目。真冬のストックホルムに43人の子供が置き去りにされる。同時に地下道で起きた殺人事件。チームはそれぞれの事件を追いながら、世の中の理不尽と向かい合う。
    北欧ミステリーらしい、重く深いテーマ。普段は気難しく身勝手なグレーンス警部の、弱者に優しさしまなざしも垣間見られる。読後...続きを読む
  • 死刑囚
    暴力事件で逮捕されたカナダ国籍の男。グレーンス警部たちは、彼が米国の死刑囚であることを突き止める。死刑制度に対する国家間の考え方の隔たりなど、忌憚なく問いかけられる。読後感は良いとは言えないが、珍しい形の骨太ミステリーである。
  • 制裁
    ガラスの鍵賞受賞とのことだったので、本格推理ものかと思い読み始めたが、想定外のストーリーだった。

    日本は世界でも数少ない死刑制度存置国なので、フレドリックへの反応はスウェーデン以上になるのかなと思った。

    それにしてもスウェーデンの刑務所の自由さ、驚かされる。
  • 熊と踊れ 下
    長男レオを中心に次男、三男の3兄弟と、友人のヤスペル、レオの彼女のチームで銀行強盗を繰り広げる物語。
    現在の物語の中に、レオの幼少期が描かれている。

    次男と三男がチームを抜けることとなり、親父をチームに引き込むこととなりそれが最後の仕事となって捕まったところで終わる。


    物語としては銀行強盗の...続きを読む
  • 地下道の少女
    前半は面白そうだけど読み終えた瞬間は面白くなかったな、と思った。雰囲気は好きだったんだけどミステリや物語としては内容が薄い。
    子供のホームレス問題やルーマニアの孤児問題など、そういう事実があることを伝えたかったのかも。
  • 三日間の隔絶 上
    あまりにホフマン家族への脅迫の度が過ぎる。キレない妻のソフィアにさえ苛立ちを覚えるのは、私が女性目線で読んでいるからか。実情を知らされないまま子供達を守る心細さに同情する。
  • 地下道の少女
    シリーズものと知らずここから読んでしまい後悔。訳の問題なのか、元々の文体なのか、さくさく読み進められるという感じではないけど、シリーズの頭から読んだらもっとしっくり来たのだと思う。現実に起きている問題を率直に忌憚なく描いた、北欧ミステリーらしい、終始重くて暗い内容。好きか嫌いかでいうと、少し苦手なか...続きを読む
  • 熊と踊れ 下
    暴力に支配された兄弟が成長し、銀行強盗団となる。犯罪自体は許されないものであるが、彼らの精一杯の生き様に、悲しく切ない気持ちになる。スェーデン社会の闇も垣間見られる重厚な作品。
  • 三時間の導線 下
    CL 2022.1.30-2022.1.31
    グレーンス警部のシリーズを、そうと知らずに何冊か読んでいるらしい。
    三秒間の死角も読んだけどほとんど覚えていない。
    それくらいわたしには合わなかったみたい。

    ホフマンを家に帰れないようにしたのは自分なのに
    息子のことで説教垂れるとは。
  • 熊と踊れ 下

    読み切った

    途中が少しダレたが、最後までたのしんだ
    ハヤカワ・ミステリ、すごいねえ。たまには手を出してみよう!
    みなさんもぜひ寝不足に!
  • 三時間の導線 下
    グレーンス警部シリーズは、登場人物それぞれが異なる正義を持っていて、単純な善悪で語ることのできない複雑さ、リアリティを持っていて、だからこそ物語に入り込め、アクションシーンで手に汗を握れるのだと考える。今作もそうで、冒頭で記述された事件には、登場人物の悪意だけではなく善意も絡んでいた。そして、主人公...続きを読む
  • 三時間の導線 上
    コンテナに詰まった大量の死体!
    という衝撃的なオープニングから
    とりあえず大きな出来事は起きないまま
    上巻終了。
    下巻に向けての伏線を張っているところなのかな。
    潜入捜査のところがちょっとドキドキする。
    このまま無事に済んでくれるといいんだけど。

    主人公の老年の刑事が
    なんだかいまいちパッとしない...続きを読む
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下
    こういう終わり方なんだ。

    もっと、ちゃんと決着が付くのかと思ったんですが、読者にその後を考えさせるような結末でしたね。うーん。

    重いな。
  • 三分間の空隙【くうげき】 上
    コロンビアマフィアの潜入捜査員で、スウェーデン人の元囚人が自らの命と家族を守るために必死の抵抗を行う。三秒間の・・・に続くシリーズ2作目です。海外作品にありがちな、カタカナ登場人物の多さや難解な言い回し等が無く軽快に読み進めます。翻訳も素晴らしく微に入り細に入り解りやすい。
  • 制裁
    私刑の連鎖が生む悲劇。
    どこかで間違いか勘違いが起こりそうな予感はしていたがそこか。。。誰と間違えた??
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下
    エリサは何処へ行った?サムは❓なんか中途半端で終わってしまった。兄弟はむずかしい。ましてや、犯罪者と警官では。
  • 地下道の少女
    暗く重い…
    真実が土台のなっているがそれ以外は小説なので当然でっち上げだ…と著者は書いているが、その真実の部分が、なんと哀しくても辛くやるせないモヤモヤした気持ちが残り、読後感は悪い…。
    しかし私はこういう小説は決して嫌いでは無く、むしろ好物である。
  • 死刑囚
    エーベルト・グレーンス警部シリーズ第三作。

    自分の中の何かが麻痺したのだろうか。
    エーベルト警部が、これは大事件と騒ぐのが
    全く響いてこない。
    作者の「やり口」に慣れてきたということか。
    自分が望んでいないにもかかわらず、
    意外性の無い、悲劇的な結末へと向かって、
    話が進んでしまうことに。

    アメ...続きを読む
  • ボックス21
    エーベルト・グレーンス警部シリーズ第二作。

    もはや苦行だ。
    相変わらず苛烈な暴力の描写に、
    正義の無力さ、人生の虚しさの熱帯雨林をかき分けて前進するような苦行。
    その行程の果てにあるものは、
    心洗われる大瀑布でもなければ、
    失われた古代遺跡でもない。

    前作で登場した囚人が刑務所から出所して話はは...続きを読む
  • 死刑囚
    シリーズ物は一作目から読まないと気が済まない性分だが、前二作の前評判に気圧され、第三作となる今作から手に取ってみた。現行の死刑制度が孕む矛盾点を問い質す重苦しいテーマで、ラストの一頁まで全く情け容赦ない展開が続いていく。形式上、シリーズものという体裁を取ってはいるものの、各巻で取り上げるテーマそのも...続きを読む