アンデシュルースルンドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
衝撃を持って迎えられた「熊と踊れ」の続篇。
前作は、9件の銀行強盗はじめ現金輸送車襲撃、軍の武器庫からの銃221挺の窃盗、ストックホルム中央駅での爆破事件…と、矢継ぎ早に重大事件が起きてめまいを覚えるほどでした。
今作は、前作と比べると派手さは後退したものの、その分、深度は深まっている印象を受けました。
タイトル通り、血を分けた「兄弟」が大きなテーマとなっています。
刑期を務め、刑務所を出たレオは再び犯罪を画策します(それも驚くような奇策。内容はもちろん、読んでのお楽しみ)。
前作で共に罪を犯した2人の弟は、既に社会生活に復帰しています。
再び、弟たちとともに犯行を遂行できるのか。
このあたり -
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Posted by ブクログ
北欧の新進作家として高い評価を得ているルースルンドとヘルストレム合作による2004年発表のクライムノベル。暴走する群衆心理の怖さを主題とし、息苦しく虚無的な展開で読後感は重い。
4年前に二人の少女を強姦/惨殺した凶悪犯が護送中に脱走、その足で幼児を拉致して殺す。子どもの父親は憤怒の念に駆られて復讐を決意。遂には殺人者を追いつめて、娘の仇を討つ。報復行為はマスコミによって大々的に喧伝される。刺激を受けた大衆は、画一的且つ曖昧な「正義」への使命感に昂揚/熱狂する。そこには、犯罪者の人権を優先し、新たな犠牲者を出す危険性を考慮しない国家体制/機能への不信と憤りがあった。警察を無視した性犯罪者狩りが -
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Posted by ブクログ
最後まで父親に引っ掻き回されることになるとは。そもそも強盗中毒症状に陥っているレオは捕まるまでその計画的行動を止めることは出来なかったと思う。弟達が仲間から外れることで、まさかあそこまで忌み嫌った父親を犯行に引き入れ、こんなにも早く失敗するとは皮肉なものだ。
警察を欺くような緻密な計画を立てられるようなら他の分野でその才能を活かして欲しいが、家庭環境から作られる血や心の繋がりによってがんじがらめになった自分の存在価値と過去からの脱却がこういった所業を起こさせ、最後は父親の呪縛から逃れられなかったのかもしれない。
ある意味暴力という連鎖をどう断ち切るのか、といった大きな問題を投げかけているよ -
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Posted by ブクログ
凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセント三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった―。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが…。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。
というわけで、ようやく一昨年の話題作に到達。警察側はおなじみの方々ではないが、似たようなメニューを食べていたり、同じようなソファーに座っていたりするので、登場人物名を確認してしまった。 -
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