アンデシュルースルンドのレビュー一覧

  • 兄弟の血―熊と踊れII 下

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    衝撃を持って迎えられた「熊と踊れ」の続篇。
    前作は、9件の銀行強盗はじめ現金輸送車襲撃、軍の武器庫からの銃221挺の窃盗、ストックホルム中央駅での爆破事件…と、矢継ぎ早に重大事件が起きてめまいを覚えるほどでした。
    今作は、前作と比べると派手さは後退したものの、その分、深度は深まっている印象を受けました。
    タイトル通り、血を分けた「兄弟」が大きなテーマとなっています。
    刑期を務め、刑務所を出たレオは再び犯罪を画策します(それも驚くような奇策。内容はもちろん、読んでのお楽しみ)。
    前作で共に罪を犯した2人の弟は、既に社会生活に復帰しています。
    再び、弟たちとともに犯行を遂行できるのか。
    このあたり

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    2019年02月04日
  • 熊と踊れ 下

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    どうしてそこまで、銀行強盗に執着し続けたのか。兄弟の結束をそんな形でしか表現できなかった。悲しい家族。捕まっても、なお揺るぎない結束精神。

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    2019年01月28日
  • ボックス21

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    ネタバレ

    東欧における女性の人身売買問題は西欧だけでなく、日本も大きなマーケットの一つのようだ。
    騙して借金させ、異国の地でその返済のために毎日十数人との売春を行う。

    その重いテーマを単なる犯罪ミステリーとして描くのではなく、「恥」として登場人物たちの気持ちの中に深い自責の念を呼び起こす。ラストも秀逸。

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    2018年12月29日
  • 制裁

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    ネタバレ

    原書のタイトルは獣(ODJURET)。
    日本語のタイトルは「制裁」

    犯人、刑務所の人々を「獣」として捉え、普通の人間社会でその「獣」たちが荒れ狂う姿を著者はタイトルに込めたのかもしれない。
    しかし、日本語のタイトルの方がより明確なメッセージとして本書のテーマを表している。「制裁」の前に無力となった「法」に、人の中に巣食う暴力と差別意識が暴れ出す。
    何が正義で、正しい制裁はあるのか?を考えさせられる良質の警察小説。

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    2018年10月07日
  • 制裁

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    北欧の新進作家として高い評価を得ているルースルンドとヘルストレム合作による2004年発表のクライムノベル。暴走する群衆心理の怖さを主題とし、息苦しく虚無的な展開で読後感は重い。

    4年前に二人の少女を強姦/惨殺した凶悪犯が護送中に脱走、その足で幼児を拉致して殺す。子どもの父親は憤怒の念に駆られて復讐を決意。遂には殺人者を追いつめて、娘の仇を討つ。報復行為はマスコミによって大々的に喧伝される。刺激を受けた大衆は、画一的且つ曖昧な「正義」への使命感に昂揚/熱狂する。そこには、犯罪者の人権を優先し、新たな犠牲者を出す危険性を考慮しない国家体制/機能への不信と憤りがあった。警察を無視した性犯罪者狩りが

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    2018年10月06日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下

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    アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ『兄弟の血―熊と踊れII 下』ハヤカワ文庫。

    下巻。過去の忌まわしき暴力の呪縛から逃れられない2つの家族、兄弟の物語。レオ、フェリックス、ヴィンセント…の三兄弟とサム、ブロンクスの兄弟の確執は次第に真っ赤な血のうねりへと変貌していく。

    完結編という割にはスッキリしない結末。こういう結末ならば続編を描く必要はなかったのではないか……

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    2018年10月04日
  • 熊と踊れ 下

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    最後まで父親に引っ掻き回されることになるとは。そもそも強盗中毒症状に陥っているレオは捕まるまでその計画的行動を止めることは出来なかったと思う。弟達が仲間から外れることで、まさかあそこまで忌み嫌った父親を犯行に引き入れ、こんなにも早く失敗するとは皮肉なものだ。

    警察を欺くような緻密な計画を立てられるようなら他の分野でその才能を活かして欲しいが、家庭環境から作られる血や心の繋がりによってがんじがらめになった自分の存在価値と過去からの脱却がこういった所業を起こさせ、最後は父親の呪縛から逃れられなかったのかもしれない。

    ある意味暴力という連鎖をどう断ち切るのか、といった大きな問題を投げかけているよ

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    2018年09月23日
  • 死刑囚

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    ネタバレ

    シリーズ第3弾。死刑制度のないスウェーデンで死刑がテーマ。このシリーズはいつも内容が重いけれどそれは今作も同じ。そして死刑制度のある日本で読むことの意味も考えさせられる。死刑への是非。当然という立場、必要ないという立場と様々な立場から死刑というものの影響を見せてくれる。そのどれもに完全に否定できるものはなく、立場が変われば考えは変わる。正しい答えはあるのか、救われる方法は。シリーズの面白さとはまた別で問いかけられている。

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    2018年07月12日
  • 熊と踊れ 下

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    評価を聞いて期待して読みましたが、割とあっけない印象。実話ベースのため色付けをしなくてはならないから、必要以上に掘り下げているのではないか、と思ってしまいました。もう少しコンパクトになったのでは。そして、レオが何だか気の毒に思えてしまいました。

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    2018年07月10日
  • 制裁

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    北欧の警察小説って、やっぱり、どこか独特。って言うか、ハッピーエンディングじゃないよね?

    そもそも、この作品の事件自体が陰惨な訳だけど、実はそれは想像上の産物と言う訳では無く、実際に起きた出来事と言うのも衝撃的。

    それとこの作品で興味深かったのが、スウェーデンの刑務所事情。服役した経験のある人物が、作者の一人なので、詳しいのは当たり前なのだろうけど、ものすごく開放的。刑罰と言うより、教育と言う感じの刑務所。そう言う日本とは異なる制度の描写も、見どころかも。

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    2018年07月04日
  • 熊と踊れ 上

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    お父さんの説得力、ある意味すごい。守るためには必要なことかもしれません。それを刻み込んだレオがリーダーになり、圧倒的な結束を築いていくのには深く頷けました。

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    2018年07月02日
  • 熊と踊れ 上

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    実際にあった銀行強盗の話をモデルにした小説。心凍る冷めた現実と生活。淡々と紡がれていくストーリー。今回、熊と踊れのタイトルはどういうことなのか、この話のキーワードの意味が下巻で更に明らかになっていくと思う。これぞ北欧サスペンス!読み応えのある長編作品。

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    2018年06月30日
  • 熊と踊れ 上

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    長い。
    読み終わるまでにかなり時間がかかりましたが、スリリングで面白いです。
    終始、ギリギリの精神状態な男たち。
    少しずつ明らかになる登場人物の背景。
    海外テレビドラマが好きな人はわかってくれると思います。

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    2018年04月21日
  • 熊と踊れ 下

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    ネタバレ

    イヴァン最悪。最低。冒頭から人間のクズだが、最後の最後で最低な本性を現す。これほど愚劣なキャラクターに会ったことがない。ゲスの極み。物語は全編にわたりスピード感とスリルがあって引き込まれた。

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    2018年11月28日
  • 熊と踊れ 上

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    凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセント三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった―。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが…。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。

    というわけで、ようやく一昨年の話題作に到達。警察側はおなじみの方々ではないが、似たようなメニューを食べていたり、同じようなソファーに座っていたりするので、登場人物名を確認してしまった。

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    2018年02月06日
  • 熊と踊れ 上

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     スウェーデンで実際に起きた事件をモデルとした、連続銀行強盗事件。
     主軸は強盗側の兄弟と、それを追う側の刑事。

     実際に起きたと言うことから予測されるように、非常に危ういところを兄弟たちは駆け抜けていく。いつ足を踏み外して転げ落ちてもおかしくない。ロードムービーのような。

     最初はなかなか読み進めることが出来なかったが、中盤からぐっと読みやすくなる。そして下巻どうなるのかはらはらしつつ、2017年最後に読んだ本になるのだろう。

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    2017年12月31日
  • 制裁

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    さらわれた娘救出劇なのかと思って読み始めたら、なるほどそうきたか。
    さすが北欧ミステリー、容赦ない。
    答えの出ない重いテーマにこれでもかってぐらいダークな展開で読み応えあり。
    小細工なしでここまで衝撃のラストにできるのはすごい。
    視点がころころ変わるしスウェーデンの人名地名が聞きなれない響きで難しいから丁寧に読まないと置いてかれそう。

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    2017年08月26日
  • 制裁

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    作中何度か突きつけられるような
    テーマと描写があり
    そしてラスト
    さらにはあとがきすら
    問題を突きつけてくる。

    この本を読んでから、子供を連れて
    女の子用のおもちゃの人形コーナーに行く都度
    置いてあるバラバラに荒らされた
    おもちゃの家と女の子の人形を見て
    この本のことを思い出してしまう。

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    2017年08月12日
  • 制裁

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    鬱度がハンパない北欧ミステリ小説。
    登場人物が多くて名前も覚えにくいのが難だが、バラバラに進んでいたお話が終盤どんどんつながり収束していく。これぞ小説の醍醐味。
    タイトルの「制裁」には何重もの意味がある。
    グロいだけでなく、いろいろ考えさせられる話だった。

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    2017年07月09日
  • 熊と踊れ 上

    購入済み

    北欧ミス

    久々の小説。流行りの北欧ミステリーは十分楽しめた。少々訳が難解か。
    しかし久々のドキドキ感を味わえた。

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    2021年07月04日