アンデシュルースルンドのレビュー一覧

  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    下院議長の誘拐事件によって“対麻薬最終戦争”の火蓋が切られ、激化するアメリカとPRCとの戦いの中で窮地に立たされた潜入捜査員。ホワイトハウス上層部は彼をゲリラの一員として作戦の殺害対象に定めているのだ。絶体絶命の状況で起死回生を図る捜査員がグレーンス警部の協力のもとに見出したのはわずか三分間の空隙。その驚くべき計画の全容とは―。

    久しぶりの一気読み。ピートはもちろんのこと、グレーンス警部の大活躍にも満足。未訳の6作目が気になるが、三時間の導線も楽しみ。

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    2020年09月08日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    コロンビア。子どもですら200ドルのために殺し屋になりたがる社会の暗部に、麻薬取締局に雇われた男が潜入していた。任務は麻薬犯罪ゲリラPRCの情報を米国に提供すること。しかし特殊部隊を率いる米国下院議長がPRCに拉致されたとき、事態は思いもよらぬ急変を遂げる。潜入捜査員の命運はストックホルム市警のグレーンス警部に託された!

    シリーズ第7作。翻訳としては6作目。
    これはまさしく冒険小説。
    下巻に続く。

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    2020年09月08日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    分厚い2冊の徹夜本だった。。。
    サスペンス・ミステリーとしての面白さもそうだけど、いつもに比べて圧倒的に読みやすい。それはいつも凄惨に描かれる犯罪被害者や貧困等の社会問題が出てこないから。
    少なくともグレーンス警部が劣悪な犯罪者やそこに至る背景に怒り憤りを感じる部分がないんだよね。。。
    そこがちょっと物足りなさを感じなくもない。。。
    まあ描かれてないわけじゃないんだけどちょいと弱いよね。
    まあこれ以上分厚くなっても困るか笑

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    2020年09月07日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『三分間の空隙 下』ハヤカワ文庫。

    最後の最後まで息詰まる展開が続く下巻。クレイグ・トーマスの『闇の奥へ』を彷彿させるような作品で、非常に面白い。パウラは家族と共に生き延びることが出来るのか。一難去ってまた一難。パウラが家族と共に普通の生活を取り戻すまでの長く険しい道程の結末は……

    麻薬犯罪組織が社会を支配する時代。快楽を求める麻薬中毒者と麻薬製造と売買により莫大な金を手にする犯罪者たち、彼らをを壊滅するために手を尽くす米国政府。

    家族と共に自ら生き延びるために米国下院議員の救出を選択したパウラ。

    下巻の冒頭でグレーンス警部と麻薬犯

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    2020年08月31日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『三分間の空隙 上』ハヤカワ文庫。

    角川文庫の『三秒間の死角』の改題作かと思ったら、まさかの姉妹作で全く新たな邦訳作品だった。しかも、グレーンス警部シリーズ。危うくスルーするところだった。

    上巻を読む限りではグレーンス警部の見せ場は無く、パウラが主人公と言って良いだろう。

    パウラの焦りが読み手にも伝わるかのように命の危機を感じる白熱の展開が続く。正義を全うするためにはそこまで悪に成りきる必要があるのか。

    メインの舞台はコロンビア。僅か9歳の子供がたった200ドルで殺し屋になる異常な社会。米国の麻薬取締局に雇われたスウェーデン人の犯罪

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    2020年08月30日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    ことこの連作に関してはかなり熟れてきてて一般受けしそう。
    制裁とかボックス21とかの粗さも好きねんけど。

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    2020年08月23日
  • 熊と踊れ 上

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    これは面白い!
    スウェーデンの小さな街で、軍の武器庫から大量の武器を盗み出す三兄弟。その目的は銀行強盗で、長兄の立てる隙の無い作戦により、警察は犯人の目星を全くつけられずにいるが、二人の警察官が、独自の捜査から少しずつ犯人像に迫って行く。

    過去を追いながら、其々のキャラクターの心情をしっかり描いている為、物語に入りこみやすい。翻訳も秀逸で、特に作戦を決行するシーンは映画を見ているようなスピード感である。上巻だけでもかなりのボリュームがあり、一つの作品として成り立ちそうだが、その分、下巻の展開が楽しみ。

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    2019年12月30日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下

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    ヨン兄弟がここまで脚光を浴びるとは…
    上巻と比べて回想シーンが少なく読みやすかったし、フィクションとも思えなかった。

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    2019年12月17日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 上

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    「2017年このミステリーがすごい!」海外部門第1位『熊と踊れ』の続編
    前作に引き続き引き込まれる内容だったが、過去を振り返るシーンが多く、若干もどかしさを感じた。

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    2019年12月09日
  • 熊と踊れ 下

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    本当に読み応えがあった。
    実在の事件をモチーフにした圧倒的迫力のクライムノベルの下巻。
    あとがきを読んで、あらためてこの強盗事件を起こした3兄弟(実際の事件を起こしたのは4兄弟で、そのうちの犯行に加わらなかった一人が本書の著者・ステファン・トゥンベリ)の視点や心情がリアルに描かれていることに驚愕した。それほどまで、犯人グループの心情に寄り添ってこの事件が描かれているのだ。

    次々と成功する銀行強盗、犯人グループに翻弄されまくる警察。

    もはやこの『軍人ギャング』と名付けられた犯行グループの犯行を誰も止めることはできないのか。

    しかし、どんなに完璧な犯行も、回数を重ねていくごとに、不安が募り、

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    2019年11月06日
  • 熊と踊れ 上

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    スウェーデン・ストックホルム市を舞台にしたクライムノベル。実在の事件をモチーフにした小説ということで非常に期待して読んだ。

    さすが北欧ミステリーの傑作だ。面白い。

    超暴力的な父親から虐待を受けていた3人、レオ、フェリックス、ヴィンセントの兄弟が主人公。
    三兄弟とその幼なじみのヤスペルとの4人組がスウェーデン史上、類を見ない強盗事件を次々と起こしていく。

    彼らの用意周到な強盗に翻弄される警察。
    レオ達は首尾良く犯行を成し遂げ、警察を出し抜けるのか。
    それともストックホルム市警のブロンクス警部が彼らを追い詰めるのか。

    手に汗握る攻防が繰り広げられる。
    そして下巻へ。

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    2019年10月30日
  • ボックス21

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    ネタバレ

    【ネタバレ】
    不愉快な結末、予想を覆す…と煽っているものの、想定の範疇のラスト、主人公たちの不実…、こう書くと駄作極まりない作品のようだが、小説としてはオモロいのである。

    主人公だから、有能な警察官だから、過去の不幸と戦い正義を貫こうとする人物だから…といってその人物の行動すべてが正しいわけではないのである。
    その人物が義や仁や情に基づいて行動したとしても、それが万人にとっての義や仁や情に当てはまらないこともままあるのである。

    「不愉快な話」=「面白くない作品」
    多くの場合この指標は成り立つのだが、この作品はイコールではないと証明している。不愉快だがオモロい。憤りはすごく感じるが読ませる。

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    2019年06月01日
  • 制裁

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    ネタバレ

    「3秒間の死角」が面白かったので、グレーンス警部シリーズを追いかけてみようと手に取った1作目。

    オモロい、サスペンス描写も良く展開も読めずハラハラドキドキできて、何よりテーマも良いぞ。

    (以下ネタバレ)
    死刑制度のないスウェーデンでは、児童虐待レイプの連続犯であっても、刑期を勤め上げれば(あるいは精神鑑定を受ければ)刑務所を出所できるらしい。そんな極悪犯を私的に処刑する事の是非。その処刑を世論が支持し私的リンチが流行する怖さ…

    でも、俺も娘を作中のような残酷な目に会わせた犯人がいたら、法律関係なくブチ殺そうとするだろうな。人間は社会があって初めて人間たるんであろうけど、作中のお父さんのよ

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    2019年05月01日
  • 熊と踊れ 上

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    ネタバレ

    過去と現在から語られる家族の物語
    本筋は現代編の犯罪計画よりも過去編の親子の確執?葛藤?にぐいぐい。圧倒的に迷惑でしかない親父と三兄弟。しかしどうしようもなく親子なわけで。主人公は息子なのにどうしても迷惑な親父にシンパシー。セリフがかっちょいーから抜き出してPOPに。圧倒的な厚さのゲラの上に「頭の打ちどころが悪かった熊の話」の熊が。主人公レオも父親もそれぞれの「レディベア」を探していたのかもしれません。
    犯罪計画を追う刑事が捜査の過程で父親の下へ行った際の描写「拳の関節のうち、人差し指と中指の付け根が陥没して平らになっている。頻繁に人を殴る人間の手だ。」に震えた
    圧倒的ボリューム
    抑圧的父権支

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    2019年03月10日
  • 地下道の少女

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    ネタバレ

    表向きにはいないということになっているスウェーデンのストリートチルドレン。だけど現実に地下にたくさん存在している。誰からも探してもらえない人がいるということ。子どももいるということ。ひとつの殺人と43人の子どもが路上に置き去りにされる事件。このふたつの事件の捜査から地下へと続き、スウェーデンや近隣でのストリートチルドレンの問題が表面化していく。グレーンスの癇癪や独断で動く捜査や一匹狼なところは相変わらずで、でもシリーズのなかで重要な位置になりそうな今作。大きな社会問題とグレーンス個人の問題を抱え苛立ちが募る。このシリーズは重い問題を扱っていて読み心地がいいとは言えないけれど読むことをやめれない

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    2019年03月06日
  • 地下道の少女

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     現実に即して書こうと意図した作品には、すっきりした終わりはない。小説題材となる現実を、普遍的な形として世界の記憶に留めようと意図する作家は、読者が求める単純化に応えることは容易にはできない。何故なら現実が抱える問題は、今もなお解決を見ることなく、ずっとそこにあり続けるものであるからだ。だからこそ、この種の作品はどこかで必要とされ、そして誰かに読まれる時を待つ。

     これは子供たちの物語だ。家族に捨てられたり、家族から逃げ出したり。ストリート・チルドレン。北欧では冬を越すためにシェルターや施設に逃げ込む者、連れ戻される者もいる。しかし帰りたくない、逃げ続けたい子供たちの一部は、何と地下道に居住

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    2019年03月02日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 上

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     2016年海外小説部門圧勝の大作『熊と踊れ』に続編が用意されているとは全然知らなかった。あれほどの作品に続編を繋げる馬力をあるとは、この共著コンビ恐るべし。実は本作は二つの作品でセットした二部作との構想を初めから作者らは持っていたらしい。しかも一部は実際にあった事件を元にし、二部は完全なるフィクションで。そのフィクションの第二部は、実際には起こっていないが、起こったとしてもおかしくないくらい自然な筆力で描かれてゆく。

     前作を受けて兄弟も夫婦も親子もばらばらになったところから始まる本書。家族たちの不本意な再会。焼け跡の亡霊のように復活する長兄。彼の犯罪へのさらなる意志が周囲を揺り動かす。兄

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    2019年02月28日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下

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     2016年海外小説部門圧勝の大作『熊と踊れ』に続編が用意されているとは全然知らなかった。あれほどの作品に続編を繋げる馬力をあるとは、この共著コンビ恐るべし。実は本作は二つの作品でセットした二部作との構想を初めから作者らは持っていたらしい。しかも一部は実際にあった事件を元にし、二部は完全なるフィクションで。そのフィクションの第二部は、実際には起こっていないが、起こったとしてもおかしくないくらい自然な筆力で描かれてゆく。

     前作を受けて兄弟も夫婦も親子もばらばらになったところから始まる本書。家族たちの不本意な再会。焼け跡の亡霊のように復活する長兄。彼の犯罪へのさらなる意志が周囲を揺り動かす。兄

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    2019年02月28日
  • 熊と踊れ 上

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    題名:熊と踊れ (上・下)
    原題:Bjorndansen (2014)
    著者:アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ Anders Roslund & Stefan Thunberg
    訳者:ヘレンハルメ美穂・羽根由
    発行:ハヤカワ文庫HM 2016.9.15 初版 2016.11.26 4刷
    価格:各¥1,800

     『このミステリーが凄い』2016年の圧倒的一位を獲得した年、ぼくはこの作品を不覚にも未読で、翌年、これを読んで歯噛みしたものだった。どうみてもこれは圧倒的な作品だったからだ。分厚いだけではなく、スリルとアクションが親子・兄弟の人間ドラマと表裏一体となって驀進する

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    2019年02月28日
  • 熊と踊れ 下

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    題名:熊と踊れ (上・下)
    原題:Bjorndansen (2014)
    著者:アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ Anders Roslund & Stefan Thunberg
    訳者:ヘレンハルメ美穂・羽根由
    発行:ハヤカワ文庫HM 2016.9.15 初版 2016.11.26 4刷
    価格:各¥1,800

     『このミステリーが凄い』2016年の圧倒的一位を獲得した年、ぼくはこの作品を不覚にも未読で、翌年、これを読んで歯噛みしたものだった。どうみてもこれは圧倒的な作品だったからだ。分厚いだけではなく、スリルとアクションが親子・兄弟の人間ドラマと表裏一体となって驀進する

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    2019年02月28日