三浦哲郎のレビュー一覧
-
落とし穴にストンと落とされるような、うすら恐ろしくもの悲しい話が多かった。子供の無邪気さが不幸を招く。けれど子供は遊びの延長なのでその重大さに気づいていない。『人釣り』という一編。人間の好奇心と浅ましさを餌に「人」を「釣る」。釣られた老婆とその背中の赤ん坊。おそらく結末は…。最後まで書ききらない。読...続きを読む
-
読んでいて、なんだか泣けてしまう。どうしてだろう。
人と物をつないで、残る感情を思うと泣けてしまう。
最後の「なみだつぼ」などは、言葉にならなかった。Posted by ブクログ -
ふなうたと同様、読んでいて笑えたり、泣けたり、市井の人々の生活、人生、それは自分のことなんだけれど、これを読むと、いちいちイライラしても仕方ないかなって思える。
…ちょっとめだかが怖かった…。Posted by ブクログ -
なんて恐ろしい作家だろう・・・ここまで人間の孤独や悲しみの淵を巧みに描ける人に出会ったのは初めてかもしれない。
時に東北の農村、また時には繁華街の街角を舞台に織り成されるどこか後味の悪い人間模様。
深深とした沈黙の中で読みたくなる短編たち。
中でも特に最後の『みのむし』はわずか10ページにも関わらず...続きを読むPosted by ブクログ -
もとはケース入りハードカバーの初版本を父が持っていて、小2の頃読んでその後何度も読み返した。今年の1月には劇団四季のミュージカルを観て、主役たちと握手もしてもらった。
座敷わらしとの友情、飢饉と間引きを繰り返した農村の歴史、都会っ子の少年が田舎に引っ越して成長してゆくさま、・・・人生の早い時期に出会...続きを読むPosted by ブクログ -
「人間、なんでも、気の持ちようだぜ。」と座敷わらしたちが読む者に語りかける。どんな者の中にも,自分が思っている以上の可能性と勇気があるのだと思う。それを私たち自身が引き出そうとせず、諦めモードで過ごしてはいないだろうか? そのようにも問いかけてくる。
「あなたの中に、可能性が眠っているよ。」って、背...続きを読むPosted by ブクログ