【本の内容】
貧窮の中に結ばれた夫婦の愛を高らかにうたって芥川賞受賞の表題作ほか「初夜」「帰郷」「団欒」「恥の譜」「幻燈画集」「驢馬」を収める。
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8月末、79歳で死去した作家の三浦哲郎さんには伝説がある。
30年ほど前、小説の原稿を編集者がなくしてしまい、再度書
...続きを読むいた。
間もなくして元の原稿が出てきて、編集者が照らし合わせたところ一字一句同じだった――。
真相は、書き直す直前、元の原稿は見つかっていた。
クビを切られることを覚悟して謝りにいった編集者に、「見つかったのは残念。句読点すら同じに復元する自信もあったのになあ」と語った三浦さんの言葉が誤伝されたらしい。
とはいえ、伝説には説得力があった。
「小説は文章」と思い定め、とことん推敲する短編の達人だったからだ。
妻との出会いから結婚までを描いた初期代表作「忍ぶ川」も文章が端正で、〈読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえた名作〉である。
1988年の「文芸春秋3月号」に発表された読者アンケート「思い出に残る芥川賞作品」では、「太陽の季節」に次ぐ第2位。
新潮文庫は86刷162万3000部のロングセラーになっている。
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