杉山春のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
引きこもりにはあまり関心がなかった。
心のどこかで、親に甘え、自尊心が高く、周囲を見下している人だと思っていたからかも知れない。
確かにそういう人もいるだろう。
しかしそれが全てではない。
狭く、密室である、家族という中で苦しむ人は一定程度いる。
その苦しみに想いを馳せなければ、思い込みで語ってしまう危険性がある。
「存在の肯定」が引きこもりからの回復に欠かせないと著者は言う。
それは口で言うほど簡単なことではない。
近すぎる関係がもたらしたこの問題は、本人だけでも、家族だけを支援するのも、不十分だからだ。
双方に適切な方向転換を求めて、助けをもたらさなければ、事態は動かない。
親の苦悩も -
Posted by ブクログ
両親の育児放棄により餓死に至った「真奈ちゃん事件」。自身も親との関係を上手く築けず、経済的破綻に加え、頼るべき周りの人に恵まれず、次第に我が子への関心を失くす親たち。
子育てに正解はない、とはよく言われるがやはり一番身近なお手本は自分の親だろう。親やその親までもお手本とは言い難い村田夫妻は、自分の気持ちすら表面に出せず子とも向き合えず、ゲームやネット通販に逃げることしか出来なかった。
ぞっとする反面、自分もいつか母になり夫や周りに頼れない状況で経済的にも余裕がなく、子の発育についても悩んでいたら、、、子に苛立ちを向けてしまわないとは限らない。
改めて親になることの責任について思わせられた -
Posted by ブクログ
ネタバレあまりにもむごい。むごすぎる。
閉め切った部屋で、気温がおそらく40度を超える日もあったろう、もちろん食事も与えず三歳と一歳の乳幼児は、汗もなめ、尿も飲み、便も食べていた形跡があったらしい。(本書には書かれていないが)そして寄り添うようにして変わり果てた姿で発見される…。
本書はなぜ、このような状況に陥っていったのかを、
この被告の立場が紐解いていくのである、けれども、
いくら、生育歴がとか、解離性人格障害だとか、一因はあるかもしれないけど、でも、犬や猫にも自分が産んだ小さくて弱いものを守る保護本能があるのに、
それ以下としか思えない。
結婚を機に立ち直るチャンスはあったのに、そのつかの間の幸