川添節子のレビュー一覧
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哲学者ルネ・ジラールによる「模倣の欲望」理論に基づくビジネス書です。人間の欲求に関する理論としてマズローの欲求階層が有名ですが、ジラールによれば、人は基本的な欲求が満たされれば明確な階層のない欲望の世界に進むとしている。欲望には、「薄い欲望」と「濃い欲望」があり、「薄い欲望」は他人が欲しがるものを欲しがることで際限がなく競争の世界になるのに対し、「濃い欲望」は自己の内面から湧き上がるもので、持続的な満足感がもたらされるとのことです。「濃い欲望」を見つけることが人生を豊かにするので、自分も見つけなくては。ビジネスにおいては、独自の価値からなるニッチ市場を開拓できれば、模倣されにくく競争が少ないた
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今なお世界経済をけん引するアメリカ。
自由市場で起業家精神にあふれ、日本のように停滞しておらず、
GAFAMを筆頭にどんどん新しい発明があり、発展する経済大国。
総サラリーマン化した日本とは違う、夢の国。
と思っていたらこのタイトル。
読み進めるにつれ、今やアメリカのネット料金はヨーロッパよりはるかに高い。
医療費に至っては最悪、、、
そしてその原因は競争がないから。
さらにそうなる原因はロビイスト。。。
日本も企業献金だの天下りだの補助金だのが問題と思っていたら、
アメリカはそのスケールも大きい。これに加えて選挙のための献金。
使う金額も比べ物にならない。
ダメじゃん、アメリカ。
途 -
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500頁超の大作ながら、何とかGW中に読み終えた。名著「マネー・ボール」に登場する野球データ分析アルゴリズムの開発者が、シグナルとノイズを見分けながら如何にしてより精度の高い予測を行うか、についての方法論と考え方を解くもの。
不確実性が高い世の中を生き抜く上でとても知的で楽しい内容だった。原著2012年、日本語版2013年発行、と年数は経っているものの、不朽の名作と言えるのではないだろうか。
本書全編を通じて、「ベイズの定理」に対する信頼が非常に高く、あらゆる可能性を検討した上で、新たな事象が起きるたびに見積情報を絶えず更新していくことで、真実に近付くことができる、という点が主張の骨子。
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ネタバレおもしろい〜
読み終わって、数字は嘘をつかないけど、嘘をつく人は数字を使うって言葉を思い出した。
意味のないパターンでも、何かの効果の根拠であると言われればすぐに意味があるものと受け止めてしまう。人間の弱点は、世界を理解したいという欲求から生じている。
認知ミス1.パターンとそれを説明する理屈の魅力にかんたんに屈してしまうこと。
認知ミス2.自分の考えを裏付けるデータにとびつき、矛盾する証拠を無視すること。
データ•グラビング
有意性を示すために、公表する結果を選別したり、データを強引に探し出したりするやり方
自己選択バイアス、たまごとにわとり。
生存者バイアス、データから理論を引き -
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邦訳されたすぐ後に買っていたのだが1/3くらい読んだところで放りだしていた。分厚いながらも別に読みにくい本ではないのに。このたび、家ですごす連休のお供として引っぱり出したのだが、これがまたコロナの時代にピッタリの内容であった。いま世界中が、きわめて不確実な状況に置かれながら少しずつ明らかになるウイルス/疾病の情報をもとに今後の見通しを更新していく、まさにベイズ的な過程のただなかにいる。私たちが「知っていること」と「知っていると思っていること」の違いを識別しなければならないと教えてくれる本だ。
ネイト・シルバーの文章には論理的な明晰さがあって読みやすい。少し斜に構えたユーモアとあわせて、なんと -
Posted by ブクログ
ネタバレLDA(潜在的ディリクレ配分法)でトピックモデリングを実施し、その本にどういうトピックが含まれているか、またその他機械学習で売れている本とそうでない本の違いを解析した結果が書かれている。
アルゴリズムが選んだベストセラーになる確率が一番高い本は「デイヴ エガーズ」の「ザ・サークル」だったそう。
ジョン・グリシャム、ダニエル・スティールは多くのベストセラーがあるが、アルゴリズムでも説明できたんだそう。
ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストから売れている小説を500冊ほど、それほど売れてない小説を4,500冊ほど選び、それを学習させモデルを作った。4年ぐらい掛けたらしい