川添節子のレビュー一覧
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前半の複式簿記の発祥と歴史に関するところは面白く読ませてもらったが、後半のGDPや会計不祥事、グリーン経済のくだりはいかにもちょっと調べて書きましたといった感じで牽強付会にも見えてしまい蛇足気味。しかし原著刊行が2011年で、アカウンタントがグリーン経済への転換において中心的な役割を果たすことができると言っているのは、2023年現在の状況と照らし合わせると時代の流れを正しく読んでいた。
いまやすっかり電子化された複式簿記だが、もともと紙の帳簿に手で記帳する技術として開発されたことに改めて思いを馳せた。また、アカウンティングとはすなわちアカウンタビリティとも。もともとは神様というか教会・世間向 -
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評判がいい本だけど...内容がとっ散らかって整理しにくい本でした。
大まかな内容としては、欲望とは模倣であり常にモデルを真似しているということになる。モデルは近い存在(一年生)と遠い存在(セレブ)とあり、近い存在になるほど競争や衝突が起きる。自分の欲望をメタ認知することが大事。
著者のメッセージとしては、モデルに翻弄されるような「薄い欲望」を超越した「濃い欲望」を追い求めるべしと言っている。
「濃い欲望」は「生きがい」のようなものと解釈しました。
ザッポスやスケープゴート、モンテッソーリの事例などが興味深かったです。
ザッポスのトニー・シェイがダウンタウン・プロジェクトを立ち上げる際に役 -
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夢が科学の対象になり、睡眠や精神疾患の治療に役立つ研究が進んでいるということについては朗報だろう。
とはいえ、明晰夢を見る、ということについては半信半疑になるのを拭いきれない。明晰夢をみるトレーニングで著者がハワイに行く話でも、地を足に付けずに生活してるような参加者の話は私も著者と一緒に辟易した気持ちがあった。
人の夢は否定したくないし、見た夢を聞きたいとすら思う。ただ、夢に夢を持ちすぎなのではないかと思う人々もいることは事実だ。
生きるのは現実だ。夢が、現実を生きるのに役立てればいいのではないかと思ってしまった。
あと、睡眠がいかに必要かがよく分かった。ギネスから不眠の項目が消えたのも納得 -
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ネタバレ給料の額はどのようにして決まっているのか。
大きな要素として、権力(上司や力のあるものが給料を決める)・慣性(この仕事だとこの金額だろうと金額が固定化される)・模倣(業界内の相場で賃金を払う)・公平性(自社内もしくは業界内で公平な金額か)としている。
また、多くの人は給与が個人の成果が給与に反映されている・反映するべきだと思っているが、果たして成果は給与に反映されているのか。
人事評価制度の導入が昨今では盛んに行われているが、成果を正確に測定するのは不可能だと理解した上で、それでも最低限の指針が必要だから導入していると使用者側も労働者側も考えるべきである。
邦題では「給与はあなたの価値なの -
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ネタバレ歩合給の設計によっては、顧客に不利な商品を売り込む傾向ができる。
ウォールマートの賃金は最低賃金の象徴だった。
労働組合の減少が賃金の上昇を妨げている。テスラの工場にはGMのような労働組合はない。
トラックの運転には技能がいるが、賃金は大きく下がった。生産性は落ちていない。
格差は、平均的な労働者の賃金が停滞している、エリート層の賃金がけた外れになっている、同じ技能同じ職種間で格差が拡大している、の3点ある。
事前分配とマーケットデザイン。最低賃金を上げる。最低賃金が雇用を減らすという考え方は古い。
低所得者のための勤労所得税額控除。これによって低所得者の賃金がさらに下がった。前提が間違っ -
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格付け会社は、透明系を高めるという理由で、格付けソフトウエアを発行者に渡した。
ひとつひとつのデフォルト確率が5%でも、前提条件によって統合されたデフォルト率は違ってくる。
恐怖と欲望のバランスが崩れた時、バブルが起き、崩壊する。
ハリネズミとキツネはどちらが予測できるか。
ハリネズミは基本原則を信じている。キツネは、原則を持たない。キツネのほうが当たるが、テレビにはハリネズミのほうがよく出る。
「ベースボールプロスペクタス」を使って、統計的に勝負を予測できるか。
打率はホームランより不安定。勝ち星は安定しない。
相関関係と因果関係は別物。
経済モデルが前提とする過去のデータは、当時の -