川添節子のレビュー一覧

  • バランスシートで読みとく世界経済史 ヴェニスの商人はいかにして資本主義を発明したのか?

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    歴史が好きなので面白く読めた。
    特に興味深いのが、最初期の帳簿には十字架が記されていたということ。これはクリスチャンである彼らからすると神に誓って不正はしないということである。つまり会計をするものにとって重要な要素は誠実であることだったのだ。
    僕も会計を生業とするものの1人として大事にしたい。

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    2018年02月18日
  • ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

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    500冊のNYタイムズベストセラーとその他のノンベストセラーを読み込んだ傾向と対策の分析。
    プロット(感情の上下で示す)に特定のパターンはないが、上下はリズミカルである。もっともそれが優れているのがダヴィンチコードである。多くのテーマはなく、2、3のテーマが物語の1/3までで出てくる。そのテーマは普遍的なもの特に人間関係が多く、複数のテーマ間で対立が描かれることになる。
    主人公は、能動的でシンプルな動詞を使う。最近のGIRLが主人公のブームは、女性という今でも制約が多いと思われる状況で、規範から外れた行動と意思を示すことで物語をドライブしていく。
    言葉は口語により近く、大仰な言葉遣いは避けられ

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    2017年08月26日
  • ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

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    購入。

    アメリカのベストセラーを分析して、その特徴を解説する。

    テキストマイニングと機械学習によりニューヨークタイムズ紙のベストセラーリスト掲載書籍とベストセラーにならなかった書籍の違いを分析している。
    分析の手法については概要を述べるに留まるので、専門知識がなくても理解できるように書かれている。手法について興味があれば、どのような用語を調べればいいかが解説で案内される。

    ジャンルとトピックのどちらを分析に使うべきか、という部分に気づきがあった。また分析には使われていないがBISACという書籍の内容を示すコードがある。この存在を初めて知った。

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    2017年06月26日
  • ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

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    ネタバレ

    印象的な箇所のまとめ

    ・作家にはその作家特融のトピックがあり、読者はそれを求めている。トレードマークのトピックで3分の1を埋めた後は、残りの3分の2を別のトピックでうめて変化をつければ、それまでの本とは違う印象になる。この方程式はずっと続けてていくことができるし、実際、見事に守られている。大切なのは割合だ。3分の1は同じトピック、3分の2は別のトピック。

    ・小説の語る内容でなく、小説が体験させてくれる内容に大半の読者は反応する。

    ・ベストセラーの登場人物は積極的に行動し、感情を表現する。そうでない小説の登場人物は受動的。

    ・ベストセラーのキャラクターは正しいこtこを正しい方法で行うだけ

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    2017年06月18日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    予測の難しさ、過去に基づく予測がいかに誤りであるかがよくわかる。個人的にはUSの民間天気予報サービスの降水確率の発表手法を取り上げた章はニュースの受け手を考えた工夫があり、興味深かった。

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    2017年01月26日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    予測の難しさや注意点を記述した著。人間が陥りやすい予測の罠を豊富な事例と供に記載している。かなりボリュームが多いが読みごたえがある。

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    2017年01月15日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    統計というシロモノは門外漢からすると、たいていいかがわしく見える。

    それは、本質的には確率論でしか語りえない予測が、あたかもそれが絶対的なことように提示されるからだ。統計に100%がないことは、素人でも皮膚感覚で十分にわかる。

    著名な統計家である著者ネイト・シルバーの会いに行く「優れた統計家」たちは、いずれも予測があくまで確率論であることを真摯に語り、フィードバックを用いしてモデルを修正し精度を高めることにこそ心血を注いでいる。

    著者自身も自信を「ベイジアンである」と語り、人間を完全に合理的なホモ・エコノミクスとして想定するフィッシャー学派と対置させ、不確実性の存在を隠そうとせず、むしろ

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    2015年12月29日
  • 取締役会の仕事 先頭に立つとき、協力するとき、沈黙すべきとき

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    一昔前の「取締役」と言えば終身雇用の「アガリ」的位置付けであった。いま取締役に求められるのはまさにDirectionである。とはいえ取締役の機能を定義することは難しい。業務が極めて非定型だからだ。

    本書はケーススタディを列挙しその役割と機能を問う。冒頭のアップル社の事例は取締役会が主導を握り復活と成長を成し遂げた最たるかつ稀有な事例と言えよう。

    多数の成功事例や失敗事例、チェックリストなど、取締役を極力科学しようと試みているが、やはり定性的になっており成功事例の反復性や再現性が低いのは今後の課題だろう。

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    2015年07月24日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    予測についてのデータサイエンティストの本。政治の選挙予測、経済から野球、テロの発生確率、天気予報、地震予知、オンラインポーカー、人工知能によるチェスのプログラム等、扱う範囲が広く、事例が多いので面白い。

    ◼︎予測には向いている分野とそうではない分野がある(現時点では)
    過去の観測から天気予報の精度は非常に向上しているといえるが、未だに天気予報士は予報が外れた時に怒りのメールを受け取る。
    地震は発生の間隔が天気の変化より長く(予測のためのデータが圧倒的に少ない)、かつ観察対象は地中で見えづらく、複雑なため予測することは非常に難しい。確率論で「何百年に何回、どれくらいの確率論でどれくらいの規模の

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    2015年04月18日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    『マネーボール』で有名になった野球データを分析し、選手の優秀さを予測するシステムを開発した著者。
    2008年の大統領選の結果も予測したらしい。それがどれほどすごいことなのか実感はないが。

    ①ノイズとシグナルを見極め、より最適な判断ができるようになるためには?
    ②ベイズの定理について


    知識としてノイズのパターンを知り、見分けられるようにする


    ベイズの定理で使うデータは、すべて事実に基づいた数字ではなく、推測や人の主観が入る。そこにこそ、優位性を見出している、のかな?
    ベースボールのスカウトはいなくならないし、データや計算だけに頼るのではなく、人の経験や判断、直感などがコンピューター

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    2015年03月22日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    映画「マネーボール」で一躍有名になってた著者による、よろす統計本。扱うテーマは、金融危機、政治、野球、天気、地震、インフルエンザ、ギャンブル、ポーカー、地球温暖化、テロ。統計データを読み取る人間のバイアスが判断を誤らせるという話には嘆息。著者自身がKPMGに勤務していた頃にオンラインポーカーに全ての余暇をつぎ込んでいた話も面白い。気温観測地点が都市部に偏在しているバイアスを排除したデータを使ってIPCCの調査結果を再検証したUCバークレーのチームが「温暖化は確認できる」と結論づけた話も面白かった。

    同僚Mさんから拝借した。

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    2014年11月12日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    ネタバレ

    現在、膨大な量のデータが手に入るけど予測精度が上がったものとそうでもないものがある。野球、天気、巨大地震、経済などの予測をネタにして、シグナルとノイズ、不確実性をもたらすもの、間違った予測に流れてしまうバイアスを説明している。データ分析と行動経済学を混ぜ合わせた感じの本。面白かった。
    世の中を二分論で見るのではなく確率的に見る、という考え方を意識的に身につけたい。

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    2014年07月22日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    ネタバレ

    2012年の大統領選において全米各州の結果をあてて日本でも話題になった538(five-thirty-eight)の主催者であるネイト・シルバーが語る「データを用いた予測」の方法論。

    こう書くと、なにやらすごい定理や発見が書いてあるのか、と思いきや本書はそういった類の本ではなく、考え方やそもそもどういったルートを経て今のような考え方にいたったのかということを丁寧に記している(きっかけはもはや古典になってしまったセイバーメトリクスなわけだが)。なので、最初に本書を開いた僕のように「アカデミックな」アプローチがこれでもか・・・と書いてあることを期待した層にはちょっと期待外れかもしれない。

    では

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    2014年07月21日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    データを使う場合のみならず、物事の見方を示唆する内容になっていると思う。決して読みやすい訳ではないけど、事例は面白い。予測ってそういう捉え方を前提でするもんだよね。というのが腹に落ちる。

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    2014年07月12日
  • 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア

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    ネタバレ

    『欲望の見つけ方』は、ルーク・バージスによる現代社会の「欲望」の成り立ちを深く掘り下げた一冊です。私たちが「欲しい」と感じるものの多くは、実は他者の欲望の模倣であり、社会的・文化的な影響の産物であるというルネ・ジラールの模倣的欲望理論を土台にしています。著者は自らの哲学的な学びと起業経験を織り交ぜながら、消費文化やSNSの中で生まれる「薄い欲望」に振り回される現代人が、自分の本当の「濃い欲望」を見つけることの重要性を説いています。

    本書の特徴は、単なる理論の羅列や一般論の提示に留まらず、著者の身体感覚や経験が色濃く反映されていることにあります。そのため、内容は動的で流動的、一問一答型のような

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    2025年09月06日
  • 給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く

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    現代(2025)において、資本主義を是とする世界の機軸となり国や経済、そして個人に至るまでその多大な恩恵と負債を与えられている。新自由主義的(「個人の自由」と「市場原理」を最優先とする思想)は世界的に1970年代以降に潮流し、個人が経済を回していく時代となり、その思想主義は改変されながらも現代まで生き続けている。
    さて、本著では、「賃金が高い=社会的に価値のある人」「賃金が低い=努力が足りない人」では無いと批判的主張をしている。その時の時代であり、経済であり、労使関係であり、運とも述べている。別に給与を他者に言う必要もないし、嫉妬やマウントをとっても仕方がない。時間の無駄である。賃金が低いには

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    2025年08月28日
  • 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア

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    何かの書評で知って読んでみた。模倣の欲望は、日本だと横並びと揶揄されるものかもしれないが、その違いなどを考えながら読んでみた。

    ボリュームが多く、前半のことを忘れそうになったりと、翻訳書なので仕方ないが、もっとコンパクトな方が読みやすかったと思う。

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    2025年05月20日
  • 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア

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    外国の方が書いた本という感じで言い回しが独特なため、理解が難しかった。
    とはいえ、欲は人がやっていることを模倣したい模倣理論である、ということはなんとなく伝わった。

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    2025年04月01日
  • 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア

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    ネタバレ

    欲望とは
    自身の内から湧き出るものと
    他人の模倣から生み出されるものがあり
    欲望のほとんどが後者である
    節約界隈では当たり前の事で
    今更感があるが
    学生の頃は模倣の日々だったなぁと思い出し笑い
    対策もしっかり書かれているので
    ラスト50ページくらいだけでも十分な一冊

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    2025年03月12日
  • 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア

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    ジラールの模倣の欲望理論を通じて、人間は自発的に欲望が湧き出るのではなく、他者のモデルを通じて約棒を模倣する。技術の発達と、資本主義の成熟によってノイズが多くなった現代において濃い欲望を人生に位置付ける自己啓発へと繋がった。

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    2024年08月24日