川添節子のレビュー一覧

  • データは騙る 改竄・捏造・不正を見抜く統計学

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    データドリブンを装う理論や研究成果も、十分に疑ってかかるべきということを、様々な類型と実例で示した書籍。
    ランダムサンプリングしたつもりでも自己選択バイアス(ある選択をした者に共通する傾向。A大学とB大学の卒業率を比較する時、入学時の学生の特性そのものが異なるため慎重に比較検証すべき)や生存者バイアス(帰還した戦闘機から被弾箇所の傾向をみようとしない。致命的な場所に被弾した戦闘機は帰還しない)でデータはすでに偏っているかもしれない。
    交絡因子(結果に影響する別の因子の偏り)が検証結果に影響を及ぼしているかも知れない(コーヒーを飲む者の癌になる確率は高いが、これは喫煙率が高いためで、コーヒーに発

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    2024年03月24日
  • 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア

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    自分の欲望が自己発生的なものではなく、他人の模倣より発生していること(薄い欲望)、本来の人生を実現するには自己充足的な模倣(濃い欲望)を選び取ることが必要と説かれている。

    なるほど納得できる話で、その濃い欲望を見つけるメソッドも書かれている。
    参考になるところも多々あるが、意外と哲学的な部分もあって理解しにくい部分もある(訳の影響も多分にあるかも)。
    スタートアップ系のオーナーなので、もっと実用的でスルスル読めるような内容化と思えば、思索的で広範な知識の持ち主で驚いた。

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    2024年01月04日
  • 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア

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    欲望は他者のマネ
    身近なモデルとなる人が欲するものが欲しくなる
    専門家が欲望を媒介する
    弾み車のように一つの行動が次の行動のきっかけとなり、勢いが加速していく
    例:運動する→食事に気をつける→禁酒→体力アップ

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    2023年12月22日
  • 給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く

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    給与はその人の能力によって決まる。と思っている人が多いが、そんなことないよという本
    環境や業界他社や景気や市場などさまざまな要因の与える影響の方が大きい。

    ゴミ清掃員は危険なのに給与が安いのは、前科者を雇っていて、彼らは他に仕事がないので交渉力がないから。
    社会のルールを作る側というか、パワーを持つ側になろうと思った

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    2023年12月13日
  • 給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く

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    どちらかと言うと「あなたの給料はなぜ安いのか」というタイトルの方がしっくりきます。賃金が決まる要素は、その労働者の生産性や市場価値だと思われがちですが、著者はそれを否定します。実際は、権力、慣性、模倣、公平性の四つの要素が大きく影響しているからです。そのほぼ全ての要素が、賃金格差を拡大する方向、貧しい人をより貧しくする方向に作用しています。本書はそのメカニズムと現状について、アメリカの多くの業界を実例として紹介しつつ解説してくれます。

    みんなが給料の額を共有してると交渉材料になって給料が上がるというのが面白いです。だから会社は秘匿する。でも他人と比べることで幸福度が下がりそうな気もします…

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    2023年12月09日
  • 給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く

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    アメリカの事例ではあるが、介護や小売、飲食、運輸などの業界が押し並べて給与が低いという現実は日本もあるのではないか。生活の基幹を担ってくれているのにも関わらず。

    給与は属人的なものではなく、単に政治や社会的な指標である。しかし、当事者にとっては生活の掛かっている死活問題である。労働者の団結と、政府による制度改革が打開策になるのだな。あまり踏み込めない領域ではある。

    給与について深く考えることがなかったしがないサラリーマンですが、公平性の原理は職場内でもろに感じている。でもやはり、労働者個人個人では昇給にはスキルや実績というものが反映されるのではないかと考える。マクロ的な論述だという理解で、

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    2023年03月12日
  • 給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く

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    この本の論点であり、私が興味を持った主題は大きく二点。社会格差と評価制度、この現状における妥当性。片方で使いきれぬ富を持て余しながら、もう片方で生活費を下回る賃金を許しておいて良い訳が無い。また、評価制度は殆ど不快で不満の源泉になっているのみであり、会社のグチとしては世界中で最もポピュラーなテーマだ。

    賃金決定の過程とは。権力闘争の果てに正当な権力が生まれ、やがて慣性が働くようになる。賃金制度において、慣性により不満を発生させないようにする事が重要。大抵、労働者の限界生産物を測定する事は難しいため、学歴や経歴といった人的資本の測定指標が利用される。

    測定し評価する側は優位だ。同時に、その権

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    2022年12月29日
  • 給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く

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    仕事の価値と、成果で賃金が決まると言うのは間違いだ。業界の横並びや、慣習で決まり、賃金は情報が開示されないから、労働者は選択肢が見えない不公平な状態だ。
    最低賃金の大幅な引き上げと、労組の組織率の向上や経営への参画が必要である。
    介護士や、保育士と言った規制職種であっても、レントがないどころか家族の維持すらできない社会は、成立不可能だ。自分が介護施設に入った時にどのような扱いを受けるのか、低賃金のままでは心許ない。
    政治家は票欲しさに雇用維持を名目に中小企業の保護策ばかり打ち出すが、最低賃金でしか雇用を維持できない経営者を保護する必要があるのか疑問だ。

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    2022年12月27日
  • カップは満たされてる?

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    人が中心でできてる組織なんだって改めて気づくきっかけになった。
    組織を導くリーダーの在り方を改めて考えられるそんな一作でした

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    2022年01月28日
  • 夢の正体 夜の旅を科学する

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    夢日記はつけてみようと思った
    本文中にもあるが、どんな夢を見たか・明晰夢だったかが夢を見た人の主張に依存してるので科学とは相性が悪い
    一応、日本の研究で、夢で出てきたものとそのときの脳の反応を測定して紐づけることで、夢に何が出たかを判定することはできているらしい
    結局は脳の処理がもたらす産物なのだから、脳の研究が進めばもっとメカニズムの解明が進むだろうか

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    2021年12月12日
  • 取締役会の仕事 先頭に立つとき、協力するとき、沈黙すべきとき

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    事例が盛りだくさん。それも、殆どが著者達自ら当事者らにインタビューした内容で構成されているだけあって、よくあるちょこちょこっと調べたような上部だけの浅い紹介でなく、現場の空気感まで伝わってくるような、リアルなストーリーを感じられるしっかりとした記述が良かった。
    さらに、これら膨大な事例から、取締役会のあるべき姿、リーダーシップのあり方を、チェックリストという形に落とし込むことで上手く纏めている。忙しい人は取り敢えずこの部分だけ読むというのも良いかも。

    日本のプライム市場の一般的な水準が本書のレベルに到達するのはまだまだ遠い未来だろうから、正直、いち実務担当者である自分には、本書から得た知見を

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    2021年01月31日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    「ベイズの定理を実践する一番の近道は、たくさん予想をすること」

    ベイズの定理を実践しなくても、たくさん予想することはものすごく大事。
    機会だけでなくパターンも多く。

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    2021年01月13日
  • 夢の正体 夜の旅を科学する

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    夢と睡眠について科学的・文化的両面からその秘密に迫った一冊。夢と睡眠の研究の歴史から、明晰夢(夢の内容を自覚して見る夢)の見方、PTSD等を治療する夢のセラピー効果までさまざまな分析がされていて面白い。睡眠の構造について解説されている本は多々あったが、ここまで「夢」について深く分析した書籍は初めて読んだので非常に勉強になった。寝る前に夢を見ることを意識し、アプリ等で毎日の睡眠を分析し、夢日記をつけるようにすると明晰夢を見やすくなるということだったので、実際にためしてみようと思った。

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    2020年03月27日
  • データは騙る 改竄・捏造・不正を見抜く統計学

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    ビールの販売量が上がると結婚する人が増える。この手のとんでもない理論が巷をにぎわせていますが、それはただその街の人口が増えただけという。こんな例を使いながらデータの見方、騙されないための知識が解説してあります。後半はちょっと同じことの繰り返しになっていたかも。

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    2019年12月26日
  • バランスシートで読みとく世界経済史 ヴェニスの商人はいかにして資本主義を発明したのか?

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    ややタイトル詐欺、バランシートそのものはあまり出てこないし歴史と言われるとちょっと。
    会計から考える資本主義のこれからといった内容。

    構成としては簿記(会計)が発生した発端ともいえる人物の活動に焦点を当てる前半と、会計では解決しない現代経済の問題提起の二つに大きく分かれていて、
    前半部分は会計制度の根本部分は大昔から変わらずに今でも使用できている凄いモノだって話の補強でしかないのだけれど、後半部分は会計史が書かれたモノの中でより経済(学)について軸足が置かれてるのがこの本の特徴だと思う。

    経済指標などと言ったものは会計の知識が強く影響して生まれ利用されるようになったと思われる としながらも

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    2019年08月23日
  • データは騙る 改竄・捏造・不正を見抜く統計学

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    様々な例がある。特に心理学ではあまり使われない経済の例があるので、株に興味がある人は読んだほうがいいかもしれない。
     学部生がこの本を読んで自分の研究に使うか、ということは考えにくいが、一般の人が教養として読むのはいいであろう。原題はStandard Deviationsであり、日本で標準偏差、という言葉が本のタイトルとした場合には売れなかったであろう。

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    2019年05月11日
  • データは騙る 改竄・捏造・不正を見抜く統計学

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    株価やアメリカ選挙、被弾された戦闘機などの統計をもとに、数字に盛られた、あるいは不足した観点を指摘する。数字にとって大切なのはその根拠にあり、説明の付かない事象には、説得力がない。
    面白いと思ったのが、被弾を受けて生き残った戦闘機よりも、墜落した戦闘機の統計を採ることの意味が面白かったです。何となく上手くいっているからよりも、根拠に基づいて行動することの方が良い気もします。

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    2019年04月12日
  • シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」

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    予測情報とベイズ定理について。確かにメディアで大胆な予測をする人は言い切る分目立つが多面的な予測力に欠ける。

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    2019年02月03日
  • ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

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    小説を統計処理するとそれでベストセラーになるのかどうか判断できるか?ってもので、具体的には使われている単語によるセンチメント分析でそのセンチメントのゆらぎがどのように流れるものがよいのか?ってところとか。タイトルとかテーマとかの部分はどこまで?って感じがするけどセンチメントとか、!の用法とか、しゃべるってのの言い方をいくつも使ったほうがよいのかよくないのか?ってところとかがデータを用いて明確にわかるってのはすごい。解説の人はこの本はあまり好きじゃないみたい。ぎりぎりの上手いバランスのところに着地している面白い本

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    2018年10月13日
  • ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

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    最新の自然言語処理技術と機械学習を用いて、「ニューヨーク・ベストセラーズ」にランキングされるために必要な小説の要素を分析した一冊。使われている技術は(基礎研究としては)特にこれといって新奇性のあるものではないし、分析の結果判った「ベストセラーになる要素」も特にこれと言って奇妙なものはない。しかし、基礎研究成果の丹念かつ有意義な応用という意味では非常に興味深い。著者たちはコンピューターが小説を書くことに関してはまだまだ懐疑的だが、良い小説を判定できるのであれば、良い小説を書くところまではもうあと 1ステップだという気がする。

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    2018年06月14日