花形怜のレビュー一覧
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『食戟のソーマ』や『すしいち』のような派手さこそないけど、読み手を惹き付け、腹を空かせる力は十分にある
基本、ハンバーガーは食べない私ですら、これを読んだ次の日は、ハンバーグを焼いて、食パンに挟んで食べてしまうのだから、ほんと、凄い漫画だ
このストーリーの面白さは、やはり、綿密かつ地道、堅実な取材に裏打ちされているんだろう
作中に登場しているハンバーガーの美味しさや特徴を、ちゃんと、自分の舌で把握しているから、味の素晴らしさをストーリーを引き立てる要素に出来ているんだろう、と思った
美味しいものの為なら、妥協はせず、努力は惜しまない神宮寺さんは、料理人の鑑だ。そのスタンスは、誰にでも理解され、好印象を抱かせる訳じゃない。けど、彼は不思議と、自分に妬みを抱いている敵すら、妙な熱意で味方っつーか、協力者にしちゃうんだから、とんでもない
料理人ってのは、調理の腕そのものも大事だが、人誑しってのも必須かも
しかし、神宮寺さんにゃ、女心に疎いって欠点がある
ハンバーガーの格を上げる事しか考えてないのは良いけど、もうちょい、周りにも目は向けるべきだろうに
そう言う意味じゃ、傍目からすれば、しょうもない理由で恋人との仲が拗れ、胸の内で苦しみ続けていた上杉さんの方が、人間臭さはあるかも?
現状で満足せず、自らの力で事態を良い方向に動かす事を決心し、フェス開催の為に動き出した神宮寺さん
果たして、彼らの前には、どんな障害が立ちはだかるのやら。また、どんなハンバーガーでお客さんの悩みをズバッと解決して見せるのか、楽しみだ
どの回も、お腹が空いてくると同時に、心が満たされる感覚がある。その中で、私がお勧めするのは、第40話「バレンタインにハンバーガーを!」だ。(5)からの受け取り方が上手かったし、安っぽい恋愛ドラマみたいに、都合よく行かなかった点もグッと来た。もし、実は両想いでした、みたいな展開になっていたら・・・・・・いや、止そう。心の整理に時間はまだかかるにしろ、決着が付いたんだから
この台詞を引用に選んだのは、上杉さんに対する印象が、私の中で良くなったので。カッコ悪い男ってのは、自分の非を認められず、謝るタイミングをむざむざと逃がす奴だ。だから、己の矮小さを反省し、大局を見て、謝罪した上で、真摯に頼んだ上杉さんの、男としての格は中々のもんだろう -
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ここ最近、ハンバーガーが食べたくて仕方ない。しかも、マクド〇ルドやモスバー〇ーではなく、ちゃんとした(?)お店で、一つ¥1000前後の、一品料理としてのハンバーガーを
実際、この『本日のバーガー』が流行ってきている事で、ハンバーガーの飲食物としての格が上がりつつある、そう、ファンとしちゃ思う
独創的なハンバーガーのアイディア、それ自体も良いんだけど、最も尊敬に値するのは、そのハンバーガーの魅力を引き出し、人間ドラマの一部として成立させているストーリーだろう
毎度、言っているけど、引きと受けが上手いんだよな、この『本日のバーガー』は。読み手が求めている物を知ってなきゃ、こうも巧い焦らしは出来まい
助け、助けられ、それが人間の強さ。仕事に就くと、しみじみ、周囲の人々のありがたみを感じられる
一人で仕事がちゃんと出来ているつもりになっていても、その実、先輩や同僚が、さりげなくサポートしてくれているから、すんなり仕事が進み、結果が良くなるんだよな
ハンバーガーで、拗れた人間関係を修復するキッカケを生み出し、背中を押してやれる神宮寺さんは、人間力が本当に高い
ただ、誰かの助けになれる事に喜びを覚え、なおかつ、生粋のハンバーガーバカだからか、自分に向けられている、特別な感情を無自覚で、悪気も無く、蔑ろにしちゃってるってのは、ちょっとマズいよな
その届きそうで届けられないもどかしさが、ストーリーに奥行きを生んでいるのも確かだが、さすがに、そろそろ、男としてケジメは付けるべきなんじゃ、と思うほどの状況になりつつある
お客さんの恋愛問題に首を突っ込んで、骨を折っている場合じゃないだろう、とツッコミを入れたい。ただ、この人の場合、ヒロインらの「好き」を、ちゃんと真正面から受け止めた上で、丁寧に断り、自分の進みたい道を一人で邁進していくイメージは拭いきれない
実際に、神宮寺さんは、とあるお客さんにハンバーガーを絶賛された上で、これからの行く末、可能性を示唆された事で、意識にちょっと変化があった模様
自分の夢を叶えるには、今日と明日、店に来てくれるお客さんを笑顔にし続ければいい、と思っていた。けれど、それだけじゃ足りない。夢を目に見える形にするのならば、手元と足元だけではなく、少し遠くも視野に入れていなければならない、と気付かされた神宮司さん、これから、どんな行動を起こすのかな?
どの回もお腹が空き、同時に心は満たされる。その中でも、特に私がお勧めしたいのは、この(5)の表紙にも登場している、航介とナンシーの仲が前進する、第36話「精一杯の気持ちを!」だ。こんだけ美人の彼女がいるのに、男としての自信を持てずにいる航介のヘタレにイライラしないと言ったら、嘘になるが、神宮寺さんに尻を叩かれ、恋人との未来の為に漢気を振り絞った点は拍手に値する
この台詞を引用に選んだのは、ズシンと心に響いてきたので。正直なとこ、顔とのギャップも凄いな、と思ったのもある。イイ上司の条件は色々とあるだろうけど、あえて嫌われ者となり、部下のやる気を引き出す、これは確実に入っている。常に部下の成長を信じ、客に良い物を提供する、そんな信念を持っている、この社長さんには再登場を願いたい。彼本人の悩みを、神宮寺さんがハンバーガーで、どう解決するか、見てみたい -
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ほんと、私って人間はシンプルにできている
やっぱり、この(4)を読んだら、ハンバーガーが食べたくなってしまった
しかし、それでこそ、実力のある食漫画と言える
つくづく、ハンバーガーってのは奥が深い。パンに野菜とハンバーグを挟んだモノを、「ハンバーガー」と聞けば、想像する人が多いだろうけど、自分のイメージ力が、貧困かつ常識に囚われているか、をガツンと教えてくれる
一概には言えないけど、今後、ますます、進化する可能性がある料理の一つはハンバーガーかもな。ちなみに、肩を並べているのは、ラーメンと丼もの
外国の料理の良い所を、抵抗なく受け入れ、和風の域に技術で改良できる、それが日本人の凄さであり、そこを主人公の神宮寺は体現しているのではないか
彼もまた、頂の見えぬ山に挑んでいる。一つの山を登り切ったと思ったら、その頂上から見えるのは、更に高く険しい山。そこも、ボロボロになりながら制覇した、と達成感を覚えたのも束の間、まだまだ上がある、と思い知る
大抵の料理人は、途中で心が折れ、そこで足を止めてしまう、つまり、自分の限界を自分で決めてしまう訳だが、神宮寺のような、良い意味でバカな料理人は自分の前に示された無限の可能性に喜びを覚え、一歩ずつ登っていけるタイプだ
料理人としちゃ超一流であり、優れた人格者でもあるのだろうけど、鮮烈すぎる才能は時に多くの敵を生み、また、周りの人々との間にも溝を作ってしまう
今はまだ、仲間との絆が強いけど、何がきっかけでギスギスとした雰囲気になってしまうのか、は分からない。何せ、神宮寺は自分がモテている事に気づいておらず、恋愛に関しちゃ、料理としての才能がズバ抜けている反動か、と思ってしまうほど、ニブい
辛うじて、均衡を保っている女の友情は、バトルに発展してしまうのだろうか
不安なような、待ち遠しいような
また、この(4)でも引きの巧さを見せている。これは、次巻も読んでもらえる自信が、先生方にあるからだろう。悔しいが、その通りだ
どのハンバーガーも美味しそうで、再現してみたくなる。個人的に、特に味が気になったのは、第28話「羊を生かしたバーガー」で、神宮寺が梅原さんの夢を手助けするべく作った、ハギスバーガーだ。ハギス、それ自体は以前、『創竜伝』に単語が登場していたので知っていたが、それをハンバーガーのパティに使うって発想力、さすがだ
この台詞を引用に選んだのは、浅川の割には的を射た、いい事を言うな、と感心したので。時にはライバルに頭を下げねば、事態が好転させられぬ。矜持も大事だが、それで野望成就が遠ざかっては本末転倒だ。戦うためには安いプライドこそが大切だ、それが判っている男ならば、カッコいい頭の下げ方ができる。そんな男の薄っぺらくない姿勢を高く評価し、力を貸すのも、良い男にしかできない -
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普段、マクドナル〇や●スバーガーに足を運ばない私でも、この『本日のバーガー』を読むと、ハンバーガーを食べたくなる。しかも、上記のチェーン店ではなく、個人経営の店に
あくまで、私個人の印象だが、この作品の質は、小川悦司先生の『すしいち!』に匹敵している、と感じた。どちらも、鮨とハンバーガー、一点に集中した食系の漫画ながらも、読み手の凝り固まったイメージをブチ壊す、オリジナリティ溢れる、同時に基礎の大事さを真摯に伝えてくれる一品を私たちに提供してくれている
一漫画読みとして、こういうレベルが上の上の作品が切磋琢磨して、特上になってくれるのは嬉しい限りだ
また、この『本日のバーガー』は次巻への引きが巧い
ここで使う、引きが巧いってのは、受け止める(って表現で理解してもらえると助かる)話が良いからこそ成立する賛辞の言葉だ
引っ張ってくれるなぁ、と思わせる漫画は、それなりにあるも、新刊を読むと、「こういう展開かぁ」とガッカリする作品は、まぁ、あるっちゃある
だけど、この『本日のバーガー』は読み手の期待を裏切らないどころか、上回ってくれる
そんで、この(3)のラストの話も(4)の最初の話に対しての期待が否応にも強まるものだ
親しくない人間に思わせぶりな態度で答えを出すのを引き延ばされると手が出そうになるも、こういう、焦らしプレイは大歓迎だw
神宮寺さんが作るハンバーガーが、どれも美味しそうに感じてしまうのは、描写や食べた人間のリアクションが、読み手の五感に訴えてくるのもあるが、人間ドラマを、ハンバーガーが引き立てているからだろう。メインが脇役の魅力を光らせるってのは、そんな珍しい事じゃない。しかし、使いこなすのは相当に難しい。やはり、花形先生、腕がある
この(3)では、神宮寺さんの店に、新しい仲間が増えている。美味しいモノを出してくれる、と分かっている店に、可愛い娘がいる、そうなったら、より頻繁に足を運んでしまうのが男のバカなとこ
果たして、この作品の恋愛ドラマ面は、どんな展開になるのやら
どの話も面白い。先にも語った通り、(2)からの直球を見事にキャッチした、第16話「若き日の夢」は実に好い。石田常務の、会社員としても、人間としてもデカい器にはただただ、敬意が湧くばかり
ただ、個人的に推すとなると、第20話「正しいと思うこと」だ。飲食店をやっていれば、この手の美食家気取りがやってきても不思議じゃない。サービスで客を怒らせないってのも、有効な手ではあるが正解じゃない。料理人なら、薄っぺらいコトバしか出ない口を、本気の料理で黙らせてこそ、だ。と言うか、この野郎は生きたまま、店を出られたんだから良かったじゃないの
ハンバーガーで選ぶなら、これはこれで迷うが、腹の虫の直観に従うなら、神宮寺さんが上杉さんとの再戦(?)で作った、昔ながらのハンバーガーだ。見た目こそ変哲なくとも、素材の旨味を最大限まで引き出してこそプロ。そこを素直に認め、神宮寺さんへの評価を高めた上杉さんも中々の器
この台詞を引用に選んだのは、社会人として耳が痛いな、と思ったので。さすがに、畑中さんほどはワンマンじゃないが、私にも自分の道を邁進する事に気が傾き過ぎて、チームの和を乱してしまいそうになる時はある。個の力が突出しすぎては、望む成果は出せない。お互いを活かし合ってこその仲間だ -
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時代劇×料理+人情な、この『隠密包丁~本日も憂いなし~』
最後まで憂いなきまま、見事な終幕
終わっちゃって残念だなぁ、そう思える事は、良い漫画である証拠
今とは異なる感覚、けれど、根幹は同じだ、と感じさせるセンスで作られる料理がどれも美味しそうである事も、この『隠密包丁~本日も憂いなし~』の持ち味だが、その好さを引き出しているのが、やはり、宮村惣右衛門の主人公としてのキャラクターだったんだろう
男も女も関係なく、魅かれ、惚れ、敬える人間が宮村だ
甘い部分もあるが、他人に対して優しいだけでなく、厳しく接する事が出来る強さを持ち合わせている彼は、真の武士だ
すずとの恋路はしょっぱい形になってしまったが、ここにも、宮村の無骨な男らしさが現れているな、と感じた。彼女は大切と思える相手、だからこそ、時に危険な事態に飛び込まねばならぬ身である己の傍にいてはならない、と身を引く潔さ、泣けるぜ
自分の生き方を曲げぬ宮村は、新たな役職を得て、己の知らぬ世界を見る旅に出る
現時点で十分にカッコいい宮村が、旅の中で見聞を広め、未知なる味に感動していく中で、どれほど男を磨くのか、まだまだな私には想像もつかない
花形先生と本庄先生の次回作が楽しみだ
どの回も、宮村のカッコ良さが光っているものばかりだが、個人的に推しなのは、やはり、[最終話]新たな任務、だ。父と子の絆を回復させた見事さも推す理由だが、料理人としてあるべき姿勢を貫いた点も天晴。食べる相手が誰であろうと、リクエストを受けようと、相手の体調を見抜き、今、相手が何を食べるべきか、を考え、それに適する料理を作ってこそ、本物だ
この台詞を引用に選んだのは、くどいようだが、ホント、宮村のカッコ良さが滲み出ているからだ。自分に自信を持つのも、生きている国に誇りを持つのも大事だ。その一方で、己がまだ足りぬ者と思い知り、挫ける、その経験も男の人生には必要だ。男は、自分らしさを貫きつつ、新しいモノを恐れず、素晴らしいモノは素直に認め、受け入れる姿勢を取れてこそ、成長が始まる。この時、宮村は自分の殻に、己で亀裂を入れたのだろう -
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前々から、書店に並んでいる週刊漫画TIMESの表紙を見て、気になっていた食漫画
(1)を思い切って買い、読んでみて、すぐに(2)を買った。これほどまで、私を迅速に動かした漫画は久しぶりだ
今まで、『クッキングパパ』(うえやまとち)を初めとした、多くの食漫画でオリジナルもしくは現実にある名店のハンバーガーは作品内で紹介され、読み手の腹の虫を鳴かせ、足をハンバーガーショップへ向かわせていた
しかし、ハンバーガーオンリーで読み手に“勝負”を吹っ掛けてくる漫画は、少なくとも、私の記憶にある限りじゃ、確かに日本初であろう
日本は何だかんだで、外国の文化を取り入れる事に抵抗がない。あくまで、私の感覚ではあるが、日本人の凄いトコは、優れた国の単なる真似だけで終わらず、その素晴らしいモノを自分達のセンスで更に質を上げる発想力と、その行動を苦どころか楽と感じられる点だろう。そんな、自分からする努力が身に付いている日本人が、外国人の視線から見た際、優秀と讃えると同時に化け物に映るのも納得な気もする
少し話がズレてしまったが、ハンバーガーもまた、今や、カレーライスやラーメンに劣らぬ、日本食だろう。和食でなく、日本食と表現するのが大事だろう、と私が勝手に思っているだけだが、同意してくれる人がいたら嬉しい。とは言え、作中では「日本食」ではなく、「世界料理」と主人公の口から断言されており、こちらも正しい、と感じてしまう私はブレブレだ
主人公・神宮寺慧は、そんな進化の可能性が無限大であるハンバーガーに魅入られ、他者が羨むキャリアを躊躇いもなく、理想の為に放棄できる強さと怖さの持ち主である
ハンバーガーへの情熱だけでなく、一人一人の客と向き合う店主としての姿勢も食に関わる者として本物で、そんな真っ直ぐさが、淡い恋心を彼に抱く平沢さんを第一として、多くの人間を惹きつけていく
もっとも、そんな己の恥じない生き方をしている男なので、当然のように敵対視される事もある。そんな適度なドロドロが混じった人間ドラマが、ハンバーガーを主軸にした話を盛り上げており、さすが、花形先生、と感じ、その原作の魅力を柔らかさを感じつつも、歯ごたえのある絵で支えている才谷先生も凄い。バランスの取れた原作と作画のペアだろう
私は、食の好みと言うより、アレルギーが主な理由で、テレビCMで紹介されているハンバーガーの類は、ほぼ食べられないので、マクドナル〇等には、あまり足を運ばないのだが、客の要望に真摯に応えてくれる、神宮寺のような男が店主が営む個人店なら毎週でも行く。自分でハンバーグを作って、食パンに挟んで食べても美味いが、やっぱ、プロの作る本物には敵わない、と思いたいのだ
神宮寺が創意工夫で生み出す、かつ紹介してくれるハンバーガーは、どれも美味しそうで空腹に耐えるのがキツくなるほどだったが、もっとも、私が腹の中に飼っている、飢えた獣が吼えたのは(2)で、神宮寺がグルメバトル番組で作り、審査員の度肝を抜き、彼を貶めようとしていた器の小さい業界人を追い込んだ、大トロのライスバーガーだ。一瞬こそ、「一体、いくらだよ」と思ったが、審査員の食べっぷりを見ていたら、値段に対する躊躇なんて吹っ飛んでしまうわ。これ、どっかの名店、再現してくれないかなあ
お勧めの話を選ぶのであれば、食に関わらず、自分の仕事に対する本物の誇りを貫けば、その姿勢を正しく評価してくれる、器がデカい人間が力を惜しまずに貸してくれ、危機を脱すことが出来る、と感じた(1)の第4話「道は作れる!」だ
(2)は、やり方は卑劣であったにしろ、自分を認めてくれていた、尊敬できる人間の為に神宮寺が動きを見せたトコで終わっており、実に(3)の発売が待ち遠しい。彼は一体、どうやって、畑中部長を救う気なのか!?
この台詞を引用に選んだのは、神宮寺が作るハンバーガーの美味さ同様に、理屈抜きで心を打たれたから。保持も挑戦も、自分を成長させる。けれど、どちらにしろ、自分で決断する勇気を持っていなければ、中途半端になるのは目に見えている。勇気があれば何でもできる、なんて青臭い事を言うつもりはないけど、少なくとも、いつでも勇気を胸に持って、新しい美味しさを追求している男の言葉が、自分に自信が持てず、料理にも恋愛にも臆病な青年の心に勇気の火を灯したのは確かだ -
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巻を増す毎に、旨味が凝縮され、読み手の舌、胃、そして、心を満たしてくれる
料理は、人と人を繋げる、そんな当たり前だけど、ふと忘れられてしまう、大切な事が、時代背景が江戸時代に設定されている事で、読み手に強く伝わってくる、そう、この(3)ではしみじみと感じられた
この(3)では、二つの料理“勝負”が描かれている。一つの勝負は、その才能ゆえに高くなってしまっている壁にぶつかっている若人に道を諭す為に、もう一つの勝負は、自分にとっても仲間にとっても大切な場所を卑劣な同業者に奪われるのを阻止する為に
どちらの勝負でも、宮村の料理人としての技が冴え、魂が煌めている
この巻では、宮村が今までにないピンチを迎え、思わず、ハラハラさせられた
その危機と言うのは、隠密としての正体が、すずにバレかけるというもの。タイトルがタイトルなので、この展開は予想の範疇内だったが、花形先生のストーリーが巧く、思っていた以上に緊張してしまった
利いた機転で何とか、すずに正体を知られてしまう事は避けられたが、以前から、宮村の気迫や動きは町人のそれでない、と疑っていた浪人・内山は真相を知ってしまう。だが、見た目はともかく、内には真っ直ぐな男気を秘めている彼は、それを知らぬふりをしてくれる模様
そんな内山に劣らぬ男気を魅せてくれたのが、宮村と店を賭けて鍋勝負を繰り広げ、彼の作った「らあめん」の美味さに脱帽し、素直に己の負けを認め、謀略から手を引いた森山
料理人として、自分の舌が「美味い」と認めたモノは否定できない。甘い、と言えば甘いが、私は嫌いじゃ無い
この辺りの、粋な人間性も、この作品の魅力と言える
また、この巻には、多少、幕末の知識がある読み手なら知っている、歴史上の英雄が登場しており、吃驚させられること間違いなし。誰かは、実際に読んで確認して欲しい
時に名を刻んだ猛者であっても、若い頃は自分が進むべき道に悩み、己を客観的に見る事が出来なかったのだ、と妙な安心感すら覚えてしまった
この台詞を引用に選んだのは、宮村惣右衛門と言う男のカッコ良さを引き出してくれているからだ。自身も実際に悩み、足掻き、模索した末に、自分の中に揺るがぬ強さを見出し、己が信じる道を邁進する者の言葉にこそ、本当の説得力は宿る。本物の男は、強くなる事でなく、強くなって何を成すか、を考えられるもんだ -
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ストーリーに、一巻よりも深みが増している、そう感じたのは私だけじゃないはずだ
花形先生も、本庄先生も、エンジンがかかってきたかな?
それは、一ファンとして大歓迎だが、あまり、力を入れ過ぎて疲れられると困るので、全力は出しても、無理はしないでほしいもんだ。まぁ、この辺りは、どちらも漫画を描くプロ、釈迦に説法か
何にしても、この歴史×料理×人情のバランスがいい
小川悦司先生の『すしいち』の味が好みの人は、確実に、この『隠密包丁~本日も憂いなし~』にハマり、心を満たせるだろうな
正直なトコ、料理の描写を含んだ絵柄や、食べた際のリアクション、私は小川先生を推すのだが、話の起承転結は甲乙つけがたいのも事実だ
主人公・宮村惣右衛門が二つの顔を持っているって、設定がよく活かされているストーリーは、確実に読ませる
また、タイトルも私にはグッと来る
人間、誰だって、生きてりゃ、悩みや憂いの一つや二つ、抱え込んでいるもんだ
心のモヤモヤを晴らす方法は色々あり、人それぞれだろうが、やっぱり、美味しい物を食べる、それのパワーは大きいと思う。お腹がいっぱいになり、幸せな気持ちになれば、不安で錆びた頭も回るようになり、今の自分がどうすべきかを、客観的にも考えられるようになるものだ
食事ってのは、食べさせる側と食べる側があってこそ、成立するもの
自分の未熟さを憂いつつも、それに不貞腐れず、苦しんでいる人のために真っ向からぶつかっていき、問題解決に動ける惣右衛門はイイ男だ。だからこそ、女にもモテ、新たな問題が勃発しちゃった訳だが、この辺りは、自力で解決してもらうしかあるまい
この2巻もグッと来る話ばかりだが、やはり、私が推すのは涙腺を崩壊させられ、危うく、ページを色んな体液でグシャグシャにしちゃうトコであった、一つの家族の別れと再会を描いた、[第18話]小さなおはぎ、[第19話]父の人柄、そして、[第20話]父の好物、子の好物、だ。人が人である以上、大切な人との死別は避けられぬ。だからこそ、その悼みを共有できる人も大切にせねばならないんだろう
この台詞を引用に選んだのは、己の身を省みたくなったから。どんな仕事に就いているか、そこまでは、さすがに言えないが、どんな仕事であろうと、基本の工程を一つ一つこなしてこそ、最良の結果を出せるモノ。仕事に慣れてきて、己の力を過信し、基本動作を一つでも怠れば、途端に失敗する。一つの仕事を長く続け、達人と言われる人ほど、派手な技よりも、地味な基礎を大事にしているものだ。私も、基本を着実にこなすプロになりたいものだ -
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『ハルの肴』に次ぐ、この『隠密包丁~本日も憂いなし~』も料理系
どうやら、本庄先生は食漫画で真価を発揮できるタイプの漫画家のご様子
しかし、得意なのは、何も料理の描写だけではないようだ
前作『ハルの肴』は、料理人としての成長、様々な事情を抱えている客とのコミュニケーション、親子の愛情など人間の内面が温かいストーリーの中で描かれていたが、こちらも、料理によって繋がれる人との絆が全面に押し出されている
また、単に料理人が優れた調理の腕で問題を解決するのでなく、主役の宮村惣右衛門が、タイトルからも察せる通り、隠密の顔を持っているとこが斬新だ。これで彼が料理人としてでだけでなく、隠密としても超一流であれば、展開がベタすぎて面白さも半減だったが、要所要所で今イチカッコがつかず、読み手の笑いを誘ってくれるので、惣右衛門の人柄に好感が持てる
昨今では聞く機会も減り、使う場も少なくなったが、鯔背って表現は彼のような男に使うのだろう
剣と料理、どちらも楽ではない道を同時に極めようとしているだけあり、惣右衛門の心は強く、しなやかで、真っ直ぐだ。当然、その好さに惹かれる女性も多く、これから、色々と大変だろうが、自慢の料理で円満に収めて欲しいものだ
どの話も面白く、読ませてくれるものばかりだが、個人的な味の好みで選ばせていただけるなら、やはり、[第6話]遠山裁きと牛の味噌漬けを推薦したい。牛肉を漬けこむ味噌に甘麹を加えるってアイディアは斬新だ。これまで多くの料理漫画を描き、多くのプロを取材し、多くの美味しい物に舌鼓を打ってきたであろう、本庄先生だからこそ、その美味しさを読み手に絵で伝えられるんだろう。加えて、罪を犯した以上、ハッピーエンドにするのは難しい。けれど、未来に希望がある事を感じさせてくれるラストにもグッと来た
この台詞を引用に選んだのは、宮村惣右衛門と言う名の男の、料理人としての矜持だけでなく、自分の信じ、歩みたい道をしっかりと着実に歩んでいきたい、そんな人間としての思いも感じ取る事が出来たので。料理に限らず、単純な作業ほど、結果の善し悪しを決める。基本を疎かにしてはいけない、そう言う事だ