谷川浩司のレビュー一覧
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藤井聡太七冠(2025/3現在)の話だけでなく、というよりもそれは一部で、多くは将棋界全体のこと、歴史、名人戦の重みや騎士の取り組みについて書かれていた。それはそれで大変に興味深い内容だった。
谷川浩司・永世名人も超一流であるのだけれど、それは控えめな筆致である。しかし、ときおり抑えきれずに見せる自負も面白い。
藤井七冠の異星人のような棋力を改めて感じられた。
また、本人の努力と才能の大きさはもちろんであるが、周りのサポートも助けとなっている。とくにトヨタのそれは、体力面だけでなく気力・棋力向上の麺でも大きい。移動はとかく時間が取られ、将棋の勉強の効率にも影響するだろう。
現在の将棋がトー -
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天才谷川の苦悩が見える本。史上最年少名人にして、羽生さんに心を乱され、ここまでスランプに陥ってしまうのかと、驚くばかりである。開き直って、いかに、自分のペースを守ることが大切か、よく分かった。自分を見失わずに、自分の一番いいところを出していけるようにしたいと思った。
しかし、近年の将棋の状況については、羽生さんの「決断力」とほとんど同じことが書いてある。これがトッププロの認識というものなのだろう。直感を大事に、新手は一局しか有効ではない。同じ時期の本だからか、取り上げているネタも似ている。升田先生の新手一生、森下卓先生の若手カーナビ論など。現場で空気を吸う大切さなども、羽生さんと谷川さんに共通 -
Posted by ブクログ
若くして将棋界のトップに立ち、50代になっても現役棋士を続けながら、将棋連盟の会長に就任した谷川浩司が語る将棋界の現在。
将棋の戦術は常に進化を続けるものであり、昨日の常識が今日の常識外になるらしい。とはいえ、それは常識を無視するのではなく、常識を十分に理解したうえで、わざと常識から外れて試行錯誤してみる。その結果、常識外の一手は、常識になる。そんな考えで常識外の一手を研究し続けた著者が、今度は将棋連盟のトップとして将棋界に新たな一手を考える。
と、この話の流れなら将棋連盟にさぞ革新的な風を吹かせているのだろうと期待するが、連盟の経営について、特に目新しい物はなし。棋士対コンピュータの電王