谷川浩司のレビュー一覧

  • 還暦から始まる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    良い。
    尊敬しているお二人の対談。同年代で参考になる、元気づけられる。
    多大な功績があるのに、非常に謙虚なのに好感が持てる。
    若い人に能力は劣る、AIの時代では特に。若い人の邪魔をしない。健康に留意して年相応の活動を続ける。

    0
    2024年10月05日
  • 藤井聡太論 将棋の未来

    Posted by ブクログ

    十七世名人 谷川浩司氏が、藤井聡太棋士の活躍など最近の将棋について語った本。プロ棋士は対局中、どんなことを考えているとか、普段どのようなことをしているのかなど、知らなかったことが多く、またデータもたくさん示されており、参考となった。将棋の奥深さを知った。

    「藤井さんと私には、いくつかの共通点がある。まず中学生でプロ棋士になった。(中学生棋士は史上5人)。ともに詰将棋を愛好し、創作もする。鉄道好きということも付け加えておこう」p6
    「(藤井棋士の高い完成度)私はこれまで多くのトップ棋士の四段時代に対局してきたが、いくら強い棋士でも、17歳、18歳のころまでの棋力は「突出して強いところもあるが、まだまだ完成途上」が常識だった(藤井にはこれといった弱点が見当たらない)」p14
    「持ち時間が少なく、向き合っている時間が2時間、3時間の短い対局では相手に関して得られる情報は限られる。持ち時間が1時間以内の「早指し戦」だと指し手がやや粗雑になって、持ち味がフルには発揮できない」p16
    「(藤井聡太)あれだけ長考が続いたら、せめて休憩の間は一息入れて頭を休めたいと思うのが自然だと思うが、ずっと盤の前で沈思黙考している。もちろん、若さもあるだろう。それにしてもケタ外れの「頭の体力」である」p17
    「(藤井聡太)「一番集中できている時は、集中しているという実感すらないような状態になり、1分が長く感じる」」p25
    「奨励会時代の持ち時間は90分。このため四段に昇段し、プロ棋士になった当初は長時間の対局における時間の使い方で苦労する場合が多い」p27
    「(角)「斜め四方」に進む角は、まず盤上で動けるマス目と動けないマス目、半分ずつに分かれる。最初に8八、2二にいる双方の角が1つ隣のマス目に動くことはない。その筋で角が動いている間は、棋士はとくに違和感を覚えない。ところが、角を交換した後、最初と違う筋に角を打つことになると、事情が変わってくる。初心者は斜めに動く角がどの場所を通り、どこに行き着くかという角筋をけっこう間違えるが、プロの棋士も本来ならその駒がいないほうの筋に1枚いるだけで。急に理屈を超えた直感が働きにくくなるのだ」p30
    「(藤井聡太)2021年3月末までの通算成績は213勝40敗、勝率8割4分2厘である。もちろん、2017~2020年度まで勝率ランキングは連続1位である。4勝1敗(勝率8割)は、言ってみれば成績のいい人がかなり長期間続けることのできる勝敗ペースである。しかし、5勝1敗(勝率8割3分3厘)、6勝1敗(勝率8割5分7厘)の成績を取り続けるという芸当は、単に能力のある棋士の好調によるだけでなく、それだけの地力が備わっていなければ絶対になし得ない」p36
    「8割4分前後の勝率を4年間も続けている藤井さんの世界は、残念ながら私の想像を超えている。その年度の勝率第1位は、通常ならば四段、五段の棋士が獲得する。一次予選で4連勝や5連勝して、勝ち数を稼いで勝率を上げるのだ。しかし、勝ち数を重ねるに従って対戦相手も強くなっていき、自然に勝率は下がっていく」p38
    「(これからの競技は現役期間が短くなっていく)これからの棋士は、十代、二十代はストイックに将棋だけに打ち込めたとしても、三十代以降、同じように続けられないのではないか」p60
    「負けず嫌い、負けん気の強さは、将棋を長く続けていくうえでも絶対的に必要なものである。スポーツや芸能などさまざまな分野の最前線で活躍する人たちも、いずれ劣らぬ負けず嫌いのはずである」p76
    「奨励会からプロ棋士になるのは、毎年わずか4人」p81
    「平均的な棋士の対局数は年間30局ほどである。私の経験で言うと、週1局で年間50局前後だと、対局の疲れはとれるし、普段の勉強や次の対戦に向けた研究もできてうまく回っていく。それ以上となるとハードになる」p84
    「中学生棋士で名人獲得経験者のうち、A級までストレートに昇級したのは、加藤先生だけだ。私はC2を2期、羽生さんはC2、B2をそれぞれ2期、渡辺さんはC2、C1、B1をそれぞれ3期ずつ経験している」p95
    「(運を大事にせよ)「谷川、おまえは運がいい。それをありがたいと思え。運がいいのは当たり前だと思うようになったら、その運は逃げてしまう」ずっと心にとどめている言葉だ」p114
    「藤井さんはプロ棋士になる前から、まず詰将棋の世界で名前を轟かせていた。詰将棋を解くスピードと正確性を競う「詰将棋解答選手権」では、並み居るプロ棋士とアマ競合を制して、小学校6年生の時から5連覇している。詰将棋創作の面でも十代とは思えない芸術性の高い作品もいくつか発表している」p125
    「奨励会に入ることができても、そのうち棋士になれるのはわずか2割ほどだ」p138
    「藤井さんは小学2年の時から創作を始め、「将棋世界」にも作品を投稿していた。9歳の時に投稿した作品は掲載されただけではなく、新人に与える賞として私の名前を冠した「谷川賞」を受賞した」p144
    「居飛車穴熊の藤井玉は9九にいて、8九に桂、8八に銀がいる。相手は8六に桂がいて、持ち駒は角と歩。玉の頭に「△9八歩」と打たれた瞬間、詰む局面だが、打ち歩詰めになるため相手は打てない。残りの角も前に進めない駒なので、打っても仕方がない。藤井さんは、この局面になる十手ぐらい前からこの形に誘導して、自分の玉は大丈夫と読み切って勝ちを制した。角と桂と歩以外の駒が1枚でもあれば、すぐに詰んでしまう形に自ら誘導するので、よほど自分の読み筋に自信がなければ指せない。詰将棋に精通した者でなければ浮かばない妙技だったため、印象に残っている」p153
    「子どものときに好きな世界や得意なことを見つけると、それだけ自分の世界が広がり、成長につながる」p155
    「藤井さんの強さは、最善手を求める探求心と集中力、詰将棋で培った終盤力とひらめき、局面の急所を捉える力、何事にも動じない平常心と勝負術など、極めてアナログ的なものだ。将棋ソフトを使い始めたのはプロデビューする直前であり、彼の本質的な強さとAIは関係がないと言っていい」p172
    「(年配者)読みを進めていく中で、若い頃のようにとことんまで突き詰めずに「これぐらいだろう」と打ち切ってしまうことが多くなる。要するに忍耐力、持久力が落ちてくるのだ」p191
    「1950年代から70年代までは、対戦相手の情報もあまりなく、定跡もさほど洗練されていなかったため、中終盤のねじり合いで勝負がついていた。棋士のレベルにも差があり、優勢になれば、その後そのまま押し切れることが多かった。いまは有利になっても、簡単に勝てなくなった。劣勢になっても、その後に最善を尽くせば、さほど簡単には負けない。リスクを冒さずに勝てる時代ではないということだ。これは以前とはずいぶん違う点である」p191

    0
    2022年08月07日
  • 藤井聡太論 将棋の未来

    Posted by ブクログ

    驚異的な頭の体力、時間配分のコントロール、局面の急所をとらえる、平均8割、負け数の少なさ、連勝ストップの反動がない、谷川・羽生の両面を持つ、読み切ったときに動きが止まる、負けん気と平常心の両立、初タイトルにも動じない、研究者の側面、記録ではなく強くなること、AIとの共存。

    0
    2022年04月14日
  • 藤井聡太論 将棋の未来

    Posted by ブクログ

    題名のなっている「藤井聡太論」の、藤井聡太は2016年14歳の時にプロ棋士となり、いきなり29連勝をし大きな話題となった。その後も活躍は続き、現在は将棋界の8つのタイトルのうち、4つを保有し、トッププロと言っても良い活躍を続けている。2002年7月の生まれなので、まだ19歳。
    これまでの将棋の歴史の中で、中学生の間にプロ棋士となったのは、藤井を含めて5人だけである。そのうちの1人が、本書の筆者である谷川浩司である。谷川は1962年4月生まれなので、現在59歳であるが、現役のプロ棋士。十七世名人(名人位を5期保有した者に与えられる永世名人という称号の獲得者)であり、タイトル獲得は27期を数える、将棋の歴史の中に名を刻むトップ棋士である。
    そのようなトップ棋士が藤井聡太の強さの理由や、現代の将棋など、将棋に関する多くのことを語ったのが本書であり、将棋ファンにとっては、こんな本が読みたかったよね、と思えるような本であった。
    コンピュータ・AIの進化により、将棋ソフトが棋士の将棋研究に取り入れるようになり、将棋のあり方が大きく変わったと谷川は本書で述べている。変わった点をいくつか谷川はあげているが、印象的だったので、いったんこれまでの常識を捨てないといけないかもしれない、と語っているところである。将棋ソフトは、将棋のある局面の、あるいは、その局面からの指し手を数値評価してくれる。従って、この指し手が有力な手かどうかを棋士は数値で知ることが出来るようになった。谷川が本書で書いているのは、プロ棋士であれば、とても指す気になれないような手が実は良い手であったというケースに出くわすことがあるということである。すなわち、これまでの、その棋士の常識を疑ってかからないといけない局面を経験することもある、ということである。谷川自身もそのような手があったことを、本書の中で実例をあげて示している。
    将棋ソフトの実際の将棋、実際の棋士への影響を実例を交えてトップ棋士が語ってくれるというのは、すごいことである。いわば、イチローが自分の打撃術について実際に自分の打席のビデオを用いて解説してくれるようなものだ。
    ということで、かなり面白く読んだ。谷川先生には、是非、続編を書いて欲しいものである。

    0
    2021年11月18日
  • 藤井聡太論 将棋の未来

    Posted by ブクログ

    本書を読んでいる最中の9月13日に藤井聡太さん3冠となりました。
    デビューから今日まで8割5分近い勝率(5勝1敗ペース)を維持しているので、8冠となるのも必然の強さです。

    野球で言えば、野村克也さんや落合博満さんの解説で、素人にはわかり得ないプロの世界を感じることができますが、
    将棋では谷川浩司さん程の実績を持っている現役棋士が解説してくれることで、藤井聡太さんと将棋棋士の凄さがビンビンと伝わってきます。

    谷川さんは自身の「月下推敲」という詰将棋の本をプロになった藤井さんにサイン付きでプレゼントしたことがあるそうです。
    藤井さんはもちろん大喜びでしたが、小学校4年の時に買って全部解いていたそうです。
    私は将棋好きの友人から「月下推敲」と書かれた谷川浩司さんの扇子を貰って持っています。(本の題名だったのか)
    いつか藤井聡太さんの扇子も手に入れたいと思っています。

    藤井聡太さんは詰将棋でも第一人者であり詰将棋作家でもあるので詰将棋の話題にも多く触れられています。
    攻め方にも玉がある双玉詰将棋は知りませんでした。
    面白そうなので今度やってみようと思います。
    詰将棋には100手超詰めはおろか1000手超詰めもあるようで、どうやって考えるのか想像もつきません。

    藤井さんは40手超えの詰将棋を30秒で解いたこともあるそうです。
    終盤の強さは詰将棋で磨かれた部分もあるのかも知れません。

    終盤の攻めも強いが受けも強く、序盤中盤のミスもなくなってきた。
    局面の認識能力・直観力、つまり実戦での局面で候補手10手から3手に絞る能力に長けており、終盤戦で1分将棋にならないような持ち時間の使い方もうまい。
    付け入るスキがない状態ですね。

    野球では落合博満さんは、「その投手の決め球・勝負球を狙って打つ」と言っていたことがあるが、羽生さんも相手の得意戦法で将棋の技術を磨いていたそうです。
    藤井さんも対戦前に相手の研究をして弱点をつくといった将棋はしないそうです。

    本書は、藤井聡太論というタイトルですが、現在~未来の将棋界を語る上で、どうしても羽生さんやライバル棋士たちの話題やAIによる盤面分析やその活用方法の話題にそれてしまいます。
    でもそれが面白い部分でもあります。

    例えば、対局中に羽生さんが思わず「あっ!」と発することがあり、その意味(何を考えていたか)など面白いエピソードも教えてくれたりします。

    スポーツ選手が「ゾーン」に入るという表現を使うことがありますが、棋士も対局中に「ゾーン」に入ったという状態を感じることがあるそうです。
    藤井さんも「ゾーン」に入ったときは、1分間がすごく長く感じたと言っています。

    羽生さんが7冠を独占してから25年になります。
    羽生さんを超える棋士は当面は現れないだろうと思っていましたが、藤井聡太さんが現れましたね。
    これからの活躍に期待が膨らみます。

    0
    2021年09月19日
  • 光速の終盤術

    Posted by ブクログ

    とてもていねいな、解説。繰り返し、にたような道をいったり来たりしながら答えを求めているようにみえた。詰めろのがれの詰めろという特急券をえるためにすさまじい精神を集中しなければないかいのかと感じた。

    0
    2021年03月27日
  • 集中力

    Posted by ブクログ

    21才で将棋の名人に上り詰めた著者が、40才を迎える前に記した、それまでの回顧と将棋観・人生観。
    21歳という若さで頂点に到達し、20代、30代を歳を重ねていく中で、羽生善治という超人的な若手が台頭してくる焦り、スランプ、復調といった浮き沈みを通じた人生観が語られている。まさしく人生に喩えて語られることが多い将棋であるが、彼の語る言葉は同じ世代を生きる私のような人間にとって金言に満ち溢れている。決して、目から鱗のような目新しい言葉ではないが、将棋という厳しい勝負の世界で、浮き沈みを経験し、その酸いも甘いも知り尽くしている著者だからこその重みがある。われわれが生きる現実社会が、資本主義という競争を前提とした社会である以上、好むと好まざるとをかかわらず、自ずと将棋のような勝負事と同様の側面があるのは否定しようがない。この厳しい現実社会の中で、勝負に打ち勝ち、自分に打ち勝ち、己を高めていくにおいて必要なヒントが彼の言葉から得られるであろう。また、いつか再読したいと思う一冊である。

    0
    2018年10月08日
  • 中学生棋士

    Posted by ブクログ

    2017年、三浦事案で谷川会長から佐藤康光会長への移行や佐藤天彦名人のポナンザ2連敗があったものの、全体としては藤井聡太四段の大活躍と羽生善治永世七冠の誕生で明け暮れた感があります。谷川浩司 著「中学生棋士」、2017.9発行です。加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明、藤井聡太の5人の中学生プロの生い立ちと道筋を描きながら、将棋の才能と何かを探らんとした書です。著者は、将棋であれ何であれ、才能開花の鍵は、本人がいかに一つのことに情熱を傾け続けることができたかではないかと。この本の主役は藤井四段です!

    0
    2018年01月12日
  • 中学生棋士

    Posted by ブクログ

    藤井四段憧れの谷川九段が藤井四段を中心とした中学生棋士たちを書いた。自らも中学生棋士だった谷川九段が才能や進学などについてふれ、子育て世代にも向けた内容となっている。ライバルの羽生二冠への思いなども書かれており、ファンやこれから将棋を知ろうとする人にとってはてんこ盛りの一冊。しかも読みやすい。谷川九段の謙虚な姿勢も感じられて好感。

    0
    2017年09月12日
  • 構想力

    Posted by ブクログ

    棋士の谷川先生が書いた構想力についての本。
    なるほど、まさに先を見通し詰みまでの場面をデザインするという将棋のスタイルということで非常に参考になった。

    どんな世界でも知識や経験だけでなく、常識に捕らわれない柔軟な考えが必要なのだなと実感。
    羽生名人の大局観や決断力などもう一度読み直したくなった。
    これからも初心を忘れずに、自分としっかり向き合って自分らしさを築いていきたい。

    0
    2012年10月19日
  • 光速の終盤術

    Posted by ブクログ

    これは・・・ すごい。

    はっきり言って私には難しすぎて、盤駒なしではもちろん、しっかり並べながらでも、中々理解に苦しみます。

    難易度は高いのですが、ただそれでも逃げずにしっかり取り組むことで何かしら”感覚”が変わること請け合いです。

    プロの将棋は我々アマチュアにとっては理解できるような代物ではないのかもしれませんが、それでもどういったことを念頭に置いて読みをすすめているのか、そういったところに触れることが出来る貴重な本です。

     素晴らしい!!

    0
    2012年06月04日
  • 光速の寄せ 振り飛車編

    Posted by ブクログ

    今丁度読んでいる棋書です。
    終盤はかなり苦手だったのですが、この本に取り掛かる前に数冊終盤の本を仕上げていたせいか初見ですが、意外と正着をだしていけてます。

    少しは実力がついたせいなのか、それとも本書の問題が易しいのか(笑)

    各問題の後に掲載されている解説が理路整然としていつつ、確実なものなのが一番のウリだと思います。

    谷川九段の終盤の本は他にも読んだことがあるのですが、解説の部分がとても丁寧でわかりやすく素晴らしいと思います。

    それと谷川九段の終盤本では結構各囲いについての説明が載っていることが多いのですが、これもそれぞれの囲いの特徴をしっかりと説明されていてとても参考になります。


    私のような棋力のものがこれを一読しただけで直接棋力がぐーんと上がるとは思わないのですが、それでも囲いに関してイメージが湧きやすくとっつきやすいです。

    これが一番の利点ではないでしょうか。

    文句なく名著だと思います。


    棋書を読み進めるスピードはあまり早くない私ですが、この本は今日から読み始めてもう半分くらいは終了。

    まさに私が今欲している情報が吸収しやすい形で詰め込まれているという印象でしょうか。


    すばらしい!!

    -追記-
    読み終わりました。

    序盤の方の問題は手筋だったり次の一手だったりと割りと簡単に(知識があれば)解けたのですが、その後光速の即詰(詰将棋)の問題は対象棋力が~5段とかなり難しかったです。

    自分で頭を悩ませてどうしてもわからなければ一手ずつ解答を参考にしたりしながら取り組んでいったところ、二段くらいの詰将棋は頭だけで解くことができるようになったり、長手数の詰将棋も苦痛に感じなくなってきたり、自分にとって有難い変化がありました。

    この本に出会えてよかったと思います。 良書!!!!

    0
    2012年01月21日
  • 集中力

    Posted by ブクログ

    21才で将棋の名人に上り詰めた著者が、40才を迎える前に記した、それまでの回顧と将棋観・人生観。21歳という若さで頂点に到達し、20代、30代を歳を重ねていく中で、羽生善治という超人的な若手が台頭してくる焦り、スランプ、復調といった浮き沈みを通じた人生観が語られている。まさしく人生に喩えて語られることが多い将棋であるが、彼の語る言葉は同じ世代を生きる私のような人間にとって金言に満ち溢れている。決して、目から鱗のような目新しい言葉ではないが、将棋という厳しい勝負の世界で、浮き沈みを経験し、その酸いも甘いも知り尽くしている著者だからこその重みがある。われわれが生きる現実社会が、資本主義という競争を前提とした社会である以上、好むと好まざるとをかかわらず、自ずと将棋のような勝負事と同様の側面があるのは否定しようがない。この厳しい現実社会の中で、勝負に打ち勝ち、自分に打ち勝ち、己を高めていくにおいて必要なヒントが彼の言葉から得られるであろう。また、いつか再読したいと思う一冊である。

    0
    2011年03月16日
  • 集中力

    Posted by ブクログ

    谷川浩司の大切にしているひとつの「集中力」。
    本当にオーソドックスな捉え方であり、これをキチンと実行するから結果が生まれると感じる。

    羽生善治の自在さも面白いが、谷川の人間味のある地道な勝負哲学が面白い!

    0
    2009年10月04日
  • 集中力

    Posted by ブクログ

    【スランプとの付き合い方】

    苦しい時こそ諦めない。

    ■スランプ時の状況打破に大変役立つ。
    ■一つ一つをやり遂げたという自信が、次の段階の集中力の下地になって積み重なっているからである。

    羽生さん(の本)との共通点、相違点、対比して読むと面白い。

    0
    2009年10月04日
  • 還暦から始まる

    Posted by ブクログ

    同じ1962年生まれの山中教授と谷川名人が、還暦を過ぎての人生を語り合った1冊。おふたりともまだまだ現役で社会に貢献し続けていらっしゃる。特に山中さんは、先日のマラソン大会で62歳で自己ベストを更新された。同じくランニングを趣味とする身からすると、目標にしたいレジェンドです。還暦を過ぎても社会と関わり続け、できるチャレンジをしつつ、次の世代に伝えるべきことは伝える努力をすること。何よりも大切なのは、なるべく長く健康でいること。そういう還暦以降を過ごせるように、今から精進しなければならないと感じました。

    0
    2025年02月10日
  • 還暦から始まる

    Posted by ブクログ

    好きな2人の対談。
    老いについて、老後について、死に方について。

    今が全ての最高地点。過去の積み重ねによって今がある。
    って言うのがあたり前なんだけど、凄く良かった。

    0
    2024年06月26日
  • 藤井聡太論 将棋の未来

    Posted by ブクログ

    藤井聡太強いよねー。
    まだ2冠の時の、谷川浩司先生の著。
    決してAIだけで強くなったんでは無いんだよね。
    圧倒的な終盤力。詰将棋の作成で磨かれたんかなあ。
    谷川浩司、羽生善治、藤井聡太が同世代だったらどうなっていたんかなあ。
    早いこと今の小中学生くらいのとんでもない棋士が出ることを期待しています。
    続編の「藤井聡太はどこまで強くなるのか」も読んでみます。

    0
    2023年06月11日
  • 藤井聡太はどこまで強くなるのか 名人への道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    谷川浩司十七世名人による2冊目の藤井聡太論。現在行われている名人戦を制すれば、7冠と史上最年少名人になるというベストなタイミングでの刊行となった。執筆当初はまだ、名人戦の挑戦者になる可能性は高かったかもしれないが、まだはっきりしていない状況だったことを思えば、出版社の戦略眼だろう。藤井聡太を攻略するには、という論考が興味深く、過去と現在の将棋の違いに触れているところも面白かった。

    0
    2023年05月04日
  • 藤井聡太はどこまで強くなるのか 名人への道

    Posted by ブクログ

    谷川浩司による藤井聡太論の2冊目。

    中学生棋士で一世を風靡した天才棋士による分析は、藤井評以外も含め面白かった。

    0
    2023年03月06日