本書を読んでいる最中の9月13日に藤井聡太さん3冠となりました。
デビューから今日まで8割5分近い勝率(5勝1敗ペース)を維持しているので、8冠となるのも必然の強さです。
野球で言えば、野村克也さんや落合博満さんの解説で、素人にはわかり得ないプロの世界を感じることができますが、
将棋では谷川浩司さ
...続きを読むん程の実績を持っている現役棋士が解説してくれることで、藤井聡太さんと将棋棋士の凄さがビンビンと伝わってきます。
谷川さんは自身の「月下推敲」という詰将棋の本をプロになった藤井さんにサイン付きでプレゼントしたことがあるそうです。
藤井さんはもちろん大喜びでしたが、小学校4年の時に買って全部解いていたそうです。
私は将棋好きの友人から「月下推敲」と書かれた谷川浩司さんの扇子を貰って持っています。(本の題名だったのか)
いつか藤井聡太さんの扇子も手に入れたいと思っています。
藤井聡太さんは詰将棋でも第一人者であり詰将棋作家でもあるので詰将棋の話題にも多く触れられています。
攻め方にも玉がある双玉詰将棋は知りませんでした。
面白そうなので今度やってみようと思います。
詰将棋には100手超詰めはおろか1000手超詰めもあるようで、どうやって考えるのか想像もつきません。
藤井さんは40手超えの詰将棋を30秒で解いたこともあるそうです。
終盤の強さは詰将棋で磨かれた部分もあるのかも知れません。
終盤の攻めも強いが受けも強く、序盤中盤のミスもなくなってきた。
局面の認識能力・直観力、つまり実戦での局面で候補手10手から3手に絞る能力に長けており、終盤戦で1分将棋にならないような持ち時間の使い方もうまい。
付け入るスキがない状態ですね。
野球では落合博満さんは、「その投手の決め球・勝負球を狙って打つ」と言っていたことがあるが、羽生さんも相手の得意戦法で将棋の技術を磨いていたそうです。
藤井さんも対戦前に相手の研究をして弱点をつくといった将棋はしないそうです。
本書は、藤井聡太論というタイトルですが、現在~未来の将棋界を語る上で、どうしても羽生さんやライバル棋士たちの話題やAIによる盤面分析やその活用方法の話題にそれてしまいます。
でもそれが面白い部分でもあります。
例えば、対局中に羽生さんが思わず「あっ!」と発することがあり、その意味(何を考えていたか)など面白いエピソードも教えてくれたりします。
スポーツ選手が「ゾーン」に入るという表現を使うことがありますが、棋士も対局中に「ゾーン」に入ったという状態を感じることがあるそうです。
藤井さんも「ゾーン」に入ったときは、1分間がすごく長く感じたと言っています。
羽生さんが7冠を独占してから25年になります。
羽生さんを超える棋士は当面は現れないだろうと思っていましたが、藤井聡太さんが現れましたね。
これからの活躍に期待が膨らみます。