「負ければニュースになる」ほど強い藤井聡太五冠。果たして史上最年少名人記録は更新されるのか? 現記録保持者にして第十七代永世名人となった著者が、さらなる進化を続ける藤井将棋と過酷さを増す将棋界のいまに迫るとともに、棋士・将棋界にとっての「名人」とはなにかを自らの経験も含め明かす。
構成
第一章 最高峰を極める
既成概念を覆す強さ、偉大な記録が才能を育てる、名古屋将棋対局場という追い風 etc.
第二章 王道の将棋
番勝負での圧倒的強さ、読みの速さと深さで「二度負ける」、棋士のピークは二十五歳か etc.
第三章 過酷な戦い
長く活躍できるのが名人の条件、ネット中継が将棋を変える、クラスによって変わる戦い方 etc.
第四章 「打倒藤井」戦略
王道に勝つための戦い方、藤井さんが強いから勝てた、若手ホープの追い上げ etc.
第五章 史上最年少名人への道
弱かったら負けたらいいんや、中原先生との挑戦者決定戦、弱い名人から並の名人に etc.
第六章 巨星の軌跡
木村義雄名人宅への訪問、大山康晴という巨大山脈、羽生世代という大きな塊 etc.
第七章 最前線の攻防
将棋が面白くなっている、すべての駒が守り駒と攻め駒になる、終わりのないAI研究合戦 etc.
「天才は天才を知る」。レジェンドが迫る巨大な才能の秘密。
AIの登場以降、大きく変貌する将棋界。そこに現れた若き天才・藤井聡太。
14歳2ヵ月・史上最年少のプロデビュー後、衝撃の29連勝から始まり、史上最年少でのタイトル獲得など、次々と記録を塗り替えていく彼のすごさとは? 人間はどこまで強くなるのか?
その謎を、史上最年少名人位獲得の記録を持つレジェンドが、自らの経験を交えながら、さまざまな角度から解き明かすとともに、多士済々の頭脳集団が切磋琢磨し、進化しつづける将棋の魅力を伝える。
第一章 進化する藤井将棋
ケタ外れの「頭の体力」・棋士も経験する「ゾーン」状態・時間配分をコントロールする etc.
第二章 最強棋士の風景
谷川・羽生の両方を持っている・トップ棋士の研究量・シビアな勝負師に徹して etc.
第三章 不動のメンタル
負けん気と平常心の両立・記録ではなく、強くなること・最年少名人記録は破られるか etc.
第四章 「将棋の神様」の加護
羽生世代が起こした序盤革命・苦手意識をどう克服するか・恐ろしいほどの強運 etc.
第五章 「面白い将棋」の秘密
勝った相手に楽をさせない・将棋は学業にも役に立つ・盤面をイメージせず読む・強さの源泉は詰将棋にあり etc.
第六章 AI革命を生きる棋士
人間と異なる形勢判断・強さとAIは関係ない・自分で考えなければ強くなれない・一局で一手研究が進む時代・五十代の戦い方 etc.
第七章 混沌の令和将棋
堅さよりもバランス重視・トップ棋士に求められる受けの力・美学に反した手を見直す etc.