谷川浩司のレビュー一覧
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谷川九段による自伝。
日本将棋連盟前会長だけあって(米長九段の死去で会長就任→三浦九段の件で心身病んで辞職)、自身のこともさることながら、将棋連盟の話、コンピュータ将棋の話など色々面白かった。
面白かったのは、棋士には勝負師、研究家、芸術家と3種類あり、それをバランスよく極めたいととか。
ちなみに他の棋士の分析は下記の通り。
・大山康晴:勝負師(二枚腰)
・升田幸三:芸術家(新手一生)
・羽生善治:勝負師、研究家、芸術家
・森内俊之:勝負師、研究家
・佐藤康光:芸術家
・渡辺明:勝負師、研究家
・糸谷哲郎:勝負師(時間攻め)
・豊島将之:勝負師、研究家、芸術家 -
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僕自身は将棋は駒の動かし方を知っているだけで、定跡すら知らない初心者ですが、同郷・同世代の谷川が史上最年少名人になった頃から棋戦には興味を持ち、1980年代や90年代にはよく見ていました。でも羽生が出てきて谷川がタイトルを取れなくなってからは自然と見なくなってしまっていたのですが、本屋でこの本を見かけて、久々に昔の興味がよみがえりました。
生まれが関西で元々「アンチ東京」だったはずなのに、東京で大学を出て就職し、家も結局東京で買ってしまった僕ですが、やはり関西へのシンパシーは捨て切れません。
この本を読んで、とても懐かしい気持ちになりました。関西がんばれ。 -
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羽生さんをはじめ、棋士の著作を読むのが結構好きです。といって将棋は門外漢でほとんど分からないですが、明晰な頭脳を持つ棋士がどのように論理展開をして将棋を指していくのかとても興味があります。
本著は真剣に考えること、つまり集中について御自身の体験をちりばめて書かれています。
少年時代から天才棋士であった著者が天才の上にあぐらをかかず、集中して将棋に打ち込んだからこそ名人になれたというのがよく理解できました。
いみじくも「天才と呼ばれるのは本意ではない。それでは、費やした時間や努力がかさいそうというものだ」と著者が言うとおり、天才と呼ばれる人は、途中で飽きて投げ出してしまわずに集中を持続させ -
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ネタバレタイトル戦などには最近は縁がなくなったようだが、いまだ第一線で活躍し続ける50代、谷川浩司永世名人の著書。羽生善治名人のライバルとして活躍した棋士の半生とは?
中学生でプロ棋士になり、頂点への階段を一気に駆け上がった著者。後進の台頭によって挫折を味わいながらも復活を果たす。その中で得られた経験には何がしかの価値があると思います。
結局、好きだからこそ、将棋に対して打ち込むし、それだけ集中すれば上手くもなる。反省はするけれども後悔はしない。そして、支えてくれる周囲に感謝の気持ちを忘れない。厳しい勝負の世界に生きているからこそ、必要のない戦いは避けるべきなのでしょう。
本書はビジネス書と -
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まーちゃんの将棋歴はかれこれ25年ほどになるのだが、小学校・中学校に新聞に載る対局情報はほぼ谷川浩司だった。その後羽生さんが出てきてマスコミにも注目を浴びていたが、まーちゃんの中では将棋=谷川である。
将棋をやるということのメリット(とくに集中力が磨かれる)ということがよくわかったが、なるほどいえる部分が多々あった。
①勝負事の勝ち負けは終わった時点ですでに結果であり、それを変えることができないが、かっても自信過剰になり、努力を怠れば勝ったことがマイナスになる。負けたとしても、その敗因を冷静に判断し、次につなげるべく努力して行けば負けたことがプラスになる。
②30代で必要なことは、自分を -
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[ 内容 ]
ひとりの人間が大事を成し遂げるためにはいかに集中力が大切であるか、またその集中力をどのように身につけ磨いたらよいのか。
時間に追われつつも結果を求められる現代人必読の「谷川流集中力」!
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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<感想>
将棋棋士の方の2冊目の本書。
将棋は一定レベルを超えると、理論の世界から感覚の世界へと変わる。
感覚の世界とはまさにスポーツの世界であり、そこに興味がある。
だからこそ、脳科学的にも研究対象になるんだろう。
本書の中で結果は周りの期待にも影響されるという点に興味を持った。つまり、周りに期待されるとうな人でないと良い結果は生まれにくい。
<要点>
■才能という言葉が必要になるのは、ある高さまでいってからで、努力によって自分の力を最大限まで高め、その限界を乗り越えようとするときに、初めて才能というものが必要になってくるのではないだろうか。
■勝負に限らず、自分のペースを守り、集中力 -
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著者は、史上最年少の21歳で名人位についた人。その棋風は「光速流」と称される。谷川氏が名人位に就いたとき、私は当時12歳と言うことになるが、当時はけっこう話題なったニュースで、「凄い人が現れてたんだな~」という印象を漠然と持ったことを覚えている。当時学校では将棋が流行っていたこともあり、そのニュースも印象的だったのだろう。
当時颯爽と登場した谷川氏も40を越え、キャリアから言えばベテランの部類に入っていくのだろう。そんな師が、どのようにトップ棋士としての気概を維持してきたのかをこの本で述べている。集中力をつけるための具体的な方法論ではないが、とても参考になる一冊である。人の運、不運には波があ -
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一流棋士と優秀な経営者には共通点が多い、と僕は思っています。
なぜなら共に「真の意味での頭の良さ」が問われるからです。
ここで言う「真の意味での頭の良さ」とは、「未来に対しての頭の良さ」であり、「過去に対する頭の良さ」よりも数段上であると僕は考えています。というのも、過去について優秀であるためには過去だけを学べば良いのに対し、未来に対して頭が良いためには、過去と現在と未来の全てを学ばなくてはいけないためです。
一流棋士と優秀な経営者は、それぞれ自分のフィールドで未来について頭を使っています。構想を練っています。
将棋では対戦相手一人を予測すれば良いのに対し、経営では競合だけでなく消費者や社 -
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将棋はまったくダメである。しかし、いい本であった。
何かに真に打ち込み、成功した人の言葉には学ぶべきものが多い。
なにせあとがきがいい。
「変化の中で不安を感じつつも、希望を持って新しいチャレンジを
続けていきたい。
本書がそんな方のための生きるヒントとなれば幸いである。」
☆もっとも大事な才能は、
「最初の気持ちをずっと持ち続けられること」
「ひとつのことを努力し続けることを苦にしないこと」
☆プロ意識を持つことが仕事の中身を濃くする。
☆目標に向かってやりぬく気力が焦りに勝つ。
とりあえず、気に入った言葉を抜いたが、全編通して
前向きに考えて取り組むことの大事さが説かれ -
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ネタバレ谷川浩司十七世名人は11歳で奨励会、13歳で初段、14歳四段、21歳で史上最年少名人となる。この最年少名人記録は、藤井聡太が破るまで不可能と言われていた。
本書は、神戸に居を構える筆者が、関西将棋の歴史を語る。
内容は坂田三吉から始まり、升田と大山時代、タイトル保持者のみならず関西のA級棋士が一人もいなかった停滞時期、谷川浩司の活躍、その後に続く関西将棋界の進撃、という流れ。
以下は個人的備忘録。
・「受けの大山、攻めの升田」が定説だが、同じ木見一門の兄弟弟子で大山入門当初は棋風が逆だった
・王将戦が新設され、升田の念願だった「差し込み制(駒落ち)」が導入されようとした時、猛反対したのは升田 -
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ネタバレ天才は天才を知る。
では、規格外の超天才が現れたら?
その超天才の一人が、藤井聡太である。
戦後の新聞将棋掲載普及によって、棋士たちのキャラ立ちも明確になり、読者を二分する様な好敵手が出現した。古くは、大山康晴と升田幸三、中原誠と米長邦雄、谷川浩司と羽生善治など…
そして、タイトル全冠制覇者は、時代によってタイトル数も違うが、升田幸三(全三冠)、大山康晴(全三冠、全四冠、全五冠は4回)、羽生善治(全七冠)、藤井聡太(全八冠)のみ。この4人は、規格外の超天才と言っていいでしょう。
もちろん著者の「光速の寄せ」谷川浩司も中原時代に終止符を打った天才棋士です。
本書は、天才が超天才を論じたもの。
以