木爾チレンの作品一覧
「木爾チレン」の「あの子にしか行けない天国」「二人一組になってください」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
プルーフ本をいち早く読ませていただきました。
「自分にしか行けない天国」という言葉も、読み終わってから改めて考えるとすごく深い。
ひいばあが紗月に言った、
「紗月にはな、紗月にしか行けへん天国があるんやで。」
という言葉。
最初は死後の天国の話だと思っていたけれど、最後まで読むと、その人がその人として生ききった人生そのものが、その人にしか行けない天国なのかもしれないと思った。
Iを選んだ莉々依にも、Ⅱを選んだ紗月にも、それぞれの天国がある。
どっちが正解だったかなんて、最後まで決められない。
だからこそ、この作品は「どっちを選ぶ?」では終わらない。
「自分はどう生きたい?」
をずっと考えさせられる作品だった。
読後にすぐ答えが出るというより、読み終わったあとも、自分だったらどうするんだろうって考えてしまう。
かなり考えさせられる作品だったし、私はすごく好きな作品だった。
Posted by ブクログ
東山冴理と白川天音、二人の小説家を軸に紡がれる、嫉妬と憧れ、そして愛憎の物語。
この作品の特筆すべき点は、どちらかが光で、どちらかが闇といった単純な対比では語れない点にあります。彼女たちは互いの中に光と闇の属性を併せ持ち、鏡合わせのように映し出される。その複雑な心の機微を追ううちに、読み手は物語の深淵へと静かに引きずり込まれていきます。そして、最後に明かされる真相。それまでの視界が鮮やかに塗り替えられるような衝撃と、言葉を失うほどの静かな余韻が待っていました。
「あなたにとって神とは何なのか」という問いを突きつけられ、タイトルや各章が持つ意味を反芻せずにはいられません。
非常に洗練された文章で、久しぶりに時間を忘れて物語にのめり込みました。木爾チレンさんの持つ繊細かつ鋭利な筆致が遺憾なく発揮された、間違いなく作家の代表作と呼ぶにふさわしい一冊です。
物語の余韻を噛みしめるためにも、ぜひ本編だけでなく、あとがき、文庫版あとがき、そして町田その子さんによる解説まで、漏らさず読み込んでいただきたい。すべてを読み終えたとき、このタイトルが持つ真の意味が、より一層鮮明に浮かび上がってくるはずです。