作品一覧

  • 性愛と暴力の神話学
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    1巻2,750円 (税込)
    生命エネルギーの奔流が激突するところ、 「性愛」と「暴力」が鮮やかに描かれる。 日本における神話研究の最前線を斬新な観点から 平易に伝える<シリーズ神話叢書>、待望の第一弾! 神話が人間の本質に関わる物語であるとしたら、 性愛と暴力ほど人間が人間である所以に深く関わるテーマはないのではないだろうか。 古今東西、性愛の喜びと悲しみの詩や暴力や死に立ち向かう英雄譚は人々を魅了し続けている。 暴力の神話については「メドゥーサ」から南米の「インカリ神話」まで 性愛の神話については「お菊」譚から「ドゴン神話」まで、 互いが重なりあって存在している情景を丹念な調査と研究から明らかにする。 【目次】 1:南郷晃子「花の名を持つ女:むごく殺されるお菊、お花をめぐって」(日本) 2:斧原孝守「暴虐の巨神と原初夫婦神:中国の古典神話と民間神話の世界から」(中国) 3:川村悠人「手足で待ちかまえる女根たちと征服する男根たち」(インド) 4:石川巌「ギムポ・ニャクチクの花嫁:古代チベット土着宗教儀礼説話への招待」(チベット) 5:内海敦子「インドネシアの神話:秘するべき男女の愛、愛すべきものへの暴力」(インドネシア) 6:深谷雅嗣「『ホルスとセトの争い』:同性愛と暴力」(エジプト) 7:松村一男「メドゥーサはなぜペルセウスに殺されねばならなかったのか?」(ギリシャ) 8:横道誠「グリム兄弟の仕事:ゲルマン神話とドイツの昔話の暴力と性愛に関して」(ゲルマン) 9:木村武史「双子の妹を求めるオゴの性愛の罪を贖う供犠と再生による世界創造:マリ、ドゴン神話より」(アフリカ) 10:谷口智子「ラテンアメリカにおけるエロスと暴力:征服のトラウマとしてのインカリ神話と民衆劇」(ラテンアメリカ) 11:木村武史「ヴァギナ・デンタータとココペリ:豊穣・幸福と恐怖・病・暴力」(北米)
  • あなたも狂信する 宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究
    4.0
    1巻2,530円 (税込)
    内側からの狂信論 宗教、スピリチュアル、自己啓発、マルチ商法、 陰謀論、自然派カルト、ネトウヨ言説… 「真理」を求める人たちを、どうして軽んじられるだろうか――。 宗教2世(エホバの証人2世)として過酷な幼少期を経験し、現在、宗教2世のために自助グループの運営にも尽力する文学研究者の著者が、宗教1世(自らカルト宗教などに入信した人)と宗教2世10名にインタビュー。その証言や、幻想文学、そして自身や自身の母親の経験をもとに、「他人」としてではなく、「当事者」として、また問題に深く関心を持つ味方「共事者」として、「狂信」の内側に迫る。 自己省察を踏まえ回心と逆回心(W.ジェイムズ)を読み解く。 宗教研究・文学研究・回復ケア論の新たなアプローチ。 ――島薗進(宗教学者) 自らがなぜ踏み越えたか、振り返る。 今なお癒えぬ傷をさすって。 当事者たちの渾身の独白集。 ――荻上チキ(評論家)
  • 我々の星のハルキ・ムラカミ文学
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    1巻2,530円 (税込)
    ハルキ・ムラカミの文章はいかにして日本から世界=惑星の隅々まで届くのか。 村上春樹は、日本を舞台に日本語で描かれた作品を、日本から世界へ向けて発信し続けている。その意味では「日本のローカルな」作家ではなく、かといって「米国発のグローバルな」作家でもない。この「惑星的思考」ともいうべき村上春樹の世界観を、国内外の村上春樹/ハルキ・ムラカミ研究者が共に検証する珠玉の論考の集成。 【目次】 はじめに「日本」の村上と「惑星」のムラカミ ◉翻訳◉ 第1章  ヨーロッパに浮かぶ二つの月 第2章  村上春樹『国境の南、太陽の西』の新旧ドイツ語訳 第3章  一九八五年の「相棒」とは誰だったのか ◉歴史/物語(hi/story)◉ 第4章 『海辺のカフカ』における時空 第5章  村上春樹作品にみる「神話的思考」と物語の構造 ◉海外作家◉ 第6章 『羊をめぐる冒険』をめぐるゴールド・ラッシュの点と線 第7章  ここは僕の場所でもない ◉紀行◉ 第8章  村上春樹の紀行文と小説における相互影響について 第9章 『ノルウェイの森』誕生の地 ローマ・トレコリレジデンス探訪記 第10章 『海辺のカフカ』を歩く ◉村上春樹関係年譜◉ おわりに 加藤典洋「的思考」と村上/ムラカミ批評の未来
  • 自閉スペクトラム症の私は、いかにこの世界を生きているか 当事者批評・脳の多様性・文学と哲学
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    1巻2,475円 (税込)
    精神疾患などの当事者が文学・芸術・娯楽作品を通して自身の体験世界を記述することで、健康な人にはない視点が立ち上がる。 編者は当事者批評概念の提出を念頭に、自他の研究を区分けして現在地点を明らかにしつつ、「当事者としての」さまざまな当事者性をテーマとした対話、「当事者としての」ハイデガー、カント批評といった試みへと探求を進める。 一風変わった発想のなかに、ケアに活かされる気づきや文芸解釈としての新たな可能性が光る。

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  • ケアする対話 この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ
    4.3
    1巻2,475円 (税込)
    ケアを主題とする、4つの珠玉の対話を収めた一冊。 オープンダイアローグや当事者研究、中井久夫をはじめケアと親和性の高い人物への考察など、テーマは多彩にちりばめられる。 医療や対人支援といった専門領域のみならず、ケアの倫理や文学研究など垣根を超えたさまざまな立場の声を巻き込み、対話はひらかれていく。 対話は、完成せず、余白があることに意味があるという。声は双方向から混ざり合いつつも一つに調和せず、ポリフォニック(多声的)に響き合い、新たな価値を生む。

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  • 唯が行く! 当事者研究とオープンダイアローグ奮闘記
    4.3
    1巻2,376円 (税込)
    双極性障害の家族を持ち自身も発症の疑いを持つ大学生、唯(ゆい)は大学のサークル活動を起点として自助グループの運営にかかわるようになり、当事者研究とオープンダイアローグ(OD)を学んでいく。発達障害、吃音、摂食障害、LGBT、鬱、ひきこもりの親など、自助グループに登場するさまざまな困りごとを抱えた当事者たちのケースを通して、この物語は、対人援助職、当事者向けの実践的ケーススタディとなる。 一方で、物語は成長して大学で教鞭をとる唯先生による講義編へと展開する。 講義編では、「ユーモア」「苦労の哲学」「ポリフォニー」「中動態」などのキーワードを並べつつ、当事者研究、ODを基礎から丁寧に解説。さらに、ハイデガー、アーレント、バフチンの思想が交差する深みへと進む。 本編のほか、ほがらかタッチのへたうまイラストや、付録には「唯のひらめきノート」、荒唐無稽なゲームブックなどが収録され、読者はユニークな世界観を味わいながら、当事者研究とODを楽しく学ぶことができる。

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  • 「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか――自閉スペクトラム症者の生活史
    3.6
    1巻2,200円 (税込)
    〈「心がない」ってどういうこと?〉 ◉「自閉スペクトラム症の当事者はマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、音楽などから〝人の心〟を理解しようとしているのではないか?」 ◉その仮説をもとに、さまざまな生い立ちを抱える当事者7人に、自身も当事者である著者が共感を込めてインタビュー。かれらが夢中になったマンガ、小説、アニメ、映画、テレビドラマ、ポップミュージックは、どのようなものだったのか。 ◉インタビューから見えてくる「それぞれの生きづらさ」。そして〝心〟の不思議が浮かび上がる、当事者の生活史にして昭和平成令和サブカル絵巻。 **********  ▶ぼく自身の人生を振りかえってみると、創作物から学んだことが非常に多いと感じるんだ。それこそ人の心の秘密も、多くを本から学んだ。  ▷自閉スペクトラム症者は非言語的コミュニケーションが不得意だって、よく言われるよね。  ▶実際ぼくは日常生活で人の心がわからなくて困惑し、その秘密をひもとくために文学作品に親しむようになったんだ。それで、ほかの「発達仲間」の場合はどうかなって思ったんだ。 ********** 【目次】 はじめに 序章 第1章 HOTASさん 第2章 まるむしさん 第3章 ナナトエリさん 第4章 ヨシさん 第5章 ぽん子さん 第6章 八坂さん 第7章 リナさん 終章 終章 おわりに **********
  • 空気が読めない大学教員と自己嫌悪のYouTuberはみずからのコミュニケーション困難にどう向きあってきたか チームワークが苦手な人へ
    -
    1巻1,980円 (税込)
    チームで活動しているけど 実はコミュニケーションが苦手な人への処方箋 職場、家庭、サークル、近所づきあいで避けては通れないコミュニケーション。 「うまく意思疎通できない」「認識がすれ違っている」「話がかみ合わない」といった経験はないでしょうか。 この本では「コミュ障のかたまり」を自認する著者(大学教員の横道誠とYouTuberのだいまりこ)が、コミュニケーションの困難さを乗り越えるべくどのようにふるまってきたのかを実体験に即して語りあいます。 ふたりがもっているコミュニケーション困難を乗り越える技法として「言いっぱなし聞きっぱなし」「リフレクティング」「ホワイトボードに板書」などの5つを対話形式で実演しながら紹介します。 さらに「前向きに諦める」「弱さの情報公開」「自由の相互承認」といった、つらさを和らげるティップスも満載です。 コミュニケーションの困難さを自力で克服するのではなく、他者との関係性の中で共に解決していく「他力」の知恵を学べる新しいコミュニケーションスキル本です。 ・はじめてチームリーダーになった人 ・チームメンバーともう少し楽にコミュニケーションしたい人 ・話の輪に入れずに自分が少し浮いているように感じる人 ・コミュニケーションに悩むメンバーを助けたい人 ・ケア現場で活用されている技法に興味がある人 といったような方々にぜひ手にとっていただきたい一冊です。 【目次概要】 第1章 コミュニケーションって大変です――知られざる対話の技法を探る 第2章 相手がまるごとわかるようになる――「やわらかいインタビュー」の技法 第3章 悩みごとが開かれる――「言いっぱなし聞きっぱなし」の技法 第4章 課題と人を切り離す――「ホワイトボードに板書」の技法 第5章 仲間の思考が深まる――「リフレクティング」の技法 第6章 お互いがリスペクトしあえるようになる――「学術研究」の技法 ※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。 ※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。 ※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。 ※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    「ダメ、ゼッタイ」に代わる、有効な手立てはありうるのか? 依存は回復の始まり。 やめればいいってものじゃない!? 連載時から当事者、当事者家族、支援者・専門家を騒然とさせた 不良患者×不良医師による画期的な往復書簡がついに書籍化――。 現代人にとって最も身近な「病」である依存症――非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、その対象は多岐にわたる。 そんななか最も身近な依存物質であるアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する文学研究者・横道誠と、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦の、一筋縄ではいかない往復書簡が始まった。最小単位、たったふたりから始まる自助グループ。 依存症の裏側にある、さらにその深淵へ! 特別鼎談「ギャンブル依存症問題を考える(ゲスト:田中紀子)」も収録。
  • ひとつにならない 発達障害者がセックスについて語ること
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    脳も、セックスもいろいろだ。 だから、ひとつになんかならないし、なれないのだ。 空気が読めない、身体がうまく動かない、発達障害者のわたしはどう愛しあう? ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如・多動症)の当事者が聞き書く、赤裸々な発達障害本。 「四〇歳で発達障害の診断を受け、過去のことを振りかえるにつれて、これまで謎だった、自分のさまざまな言動の謎が解けてきた。恋愛に発展しそうなコミュニケーションが発生しても「空気を読めない」し、性交渉の場面で、奇妙なことに「こだわり」を発揮してしまう。というのも、自閉スペクトラム症があると、標準的なコミュニケーションが困難になって、一般的には理解されにくい嗜好に支配されるからで、注意欠如・多動症があると、注意が拡散したり、衝動的に行動に出たり、過剰に動き過ぎてしまうからだ。 性交渉では、他者と出会い、生身の自分をさらけだして(どの程度かは、その人自身にも、そのつどの相手にもよる)、仲を深めていき、一緒に気持ち良くなるための擦りあわせが必要になる。それは発達障害者にとって、もっとも苦手なことの集合体といえるかもしれない、と私は考える。おまけに、発達障害者にはジェンダーやセクシュアリティの揺らぎを抱えている者が多くいて、それが状況を余計にややこしくする。 定型発達者(発達障害がない人たち)から見れば、私たちの挙動は奇行まみれに見えるだろう。実際、私はいまでも──性に関する場面に限ったことではないけれど──貴公子ならぬ奇行士だ。 しかし、思えばおかしなことではないだろうか。性の問題は非常に切実なはずなのに、しかも発達障害に関する本は世にあふれるほど出ているのに、「障害者と性」はタブー視されがちで、発達障害者の性行動について詳しく掘りさげた本はほとんど見当たらない。はたして、仲間のみんなはどうしているのだろうかという真剣な思いから、そして、もちろん多少あった単純な好奇心からも、この企画は始まった。」(「はじめに」より) 【目次】 【目 次】 はじめに 序 章 横道誠のヰタ・セクスアリス 第一章 パンセクシャルの白髪葱さん 第二章 元プレイボーイの青さん 第三章 ノンバイナリーのしぇるどんさん 第四章 愛の当事者研究に励む鷹村了一さん 第五章 元セックス依存症者の唯さん 第六章 リスセクシュアルのぷるもさん 第七章 シロウト童貞の数独さん  第八章 メンヘラな姫野桂さん おわりに
  • みんなの宗教2世問題
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    私たち2世の声を聞いてください! 虐待、金銭的搾取、家庭崩壊、性暴力、PTSD…。過酷な境遇を生きのびた当事者たちの証言と、識者たちの考察で、2世問題の解決に挑む。 安倍晋三銃撃事件で浮上した「宗教2世問題」。当事者たちの苦しみをどう伝え、どう救済するか? さまざまな2世当事者たちの証言、学術、ジャーナリズム、精神医療などの専門家による論考、海外の研究状況紹介、日本の創作物における宗教2世の描かれ方の総覧などから、2世問題の深層にせまり支援のあり方について考える一冊。「宗教2世問題」を一時の消費で終わらせないために。 〈宗教2世とは何か。本書では「宗教2世問題」を親が特定の宗教を信奉しており、その宗教儀式や宗教活動の影響によって、子どもの養育、発育、発達、成長に著しい障害が発生する問題と定義したい。(…)「宗教2世」は必ずしも「カルト」として非難される宗教団体の2世ばかりではない。一般的にカルト宗教と見なされない新宗教や、場合によっては伝統宗教の内部でも、「2世問題」は存在する。〉(「はじめに」より) 【目次】 ■1章 当事者たちのさまざまな声 被害者をもう出さないために反セクト法を 小川さゆり スクールカウンセラーとして、いまは2世たちの苦しみに寄りそいたい マリコ マインドコントロールは残っていて、いまでも人が怖い もふもふうさぎ 「正統派」と呼ばれるところでも、カルト化することは普通にある あやめ 家族を大事にするための組織が、家族を犠牲にしている サキ 教義や信仰心を利用した性暴力にも焦点があたってほしい 朱莉 宗教2世とマルチ商法2世の類似する苦悩 ライオ 安住の地で暗部を見ても、外の世界の生き方がわからなかった 大沢 信仰優先で家族が崩壊するのは、オウムも他のカルトも同じ 中山尚 たまたま人を殺さなかった、とある宗教2世の話 紫藤春香 ■2章 宗教2世・海外での最新研究状況 横道誠 ──宗教的虐待、毒宗教、健全な宗教団体、宗教的トラウマ症候群、宗教的児童マルトリートメント ■3章 識者たちによる宗教2世論 宗教2世問題の歴史的宗教文化的展望 島薗進 宗教2世とカウンセラーの責任 信田さよ子 宗教・社会・家族のダイナミズム 釈徹宗 普遍的問題としての宗教2世問題 中田考 目の前で苦しむ他者に耳を傾ける 沼田和也 社会全体で2世の生きづらさを軽減する努力を 江川紹子 ■4章 精神医療/カルト問題報道の観点から 信仰の自由はR20にしたほうが良い? 斎藤環×横道誠 宗教2世問題をコンテンツ消費で終わらせないために 鈴木エイトインタビュー ■5章 宗教2世はいかに描かれてきたか 横道誠 ──関連する日本の創作物について思うこと ■6章 改めて宗教2世問題を展望する 横道誠
  • なぜスナフキンは旅をし、ミイは他人を気にせず、ムーミン一家は水辺を好むのか
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    発達障害の観点から小説版ムーミン・シリーズを読み解いた、全く新しいムーミン評論! 登場するキャラクターはみな自分勝手で、てんでバラバラなのに、ムーミン谷ではみんなが仲よく暮らしているのはなぜなのか。はみだしている人たちのために書かれたというムーミン・シリーズの新たな魅力を見いだし、ムーミン谷のように、誰もが住みよい世界をつくるヒントに満ちた1冊。作品の奥深さ、トーベ・ヤンソンの才能の素晴らしさがより多面的にわかる。
  • アダルトチルドレンの教科書
    3.6
    1巻1,870円 (税込)
    親による虐待、発達障害、宗教2世、PTSD……多重当事者だからこそ書けた、物語形式によるアダルトチルドレンの回復メソッド。当事者研究、オープンダイアローグ的対話実践で、自分なりのメソッドを発見してください。 依存症、精神疾患、貧困、DVなど、さまざまな事情による機能不全家庭で育った人のために書かれた、回復メソッドの教科書。アダルトチルドレン(AC)の困り事は多様で、一般的な処方箋だけでは対応しきれない。多様な出方をするACの事例にあわせて、当事者自身が回復メソッドを発見する必要がある。それがメタメソッドの考え方。当事者研究とオープンダイアローグ的手法により、数多くの対話型自助グループを主宰する著者の経験知が詰まった、物語形式で語る、アダルトチルドレンの回復指南書。アダルトチルドレン関連の文学・マンガ・映画作品についてのコラムも収録。 【「はじめに」より】 「本書はアダルトチルドレン(機能不全の家庭で育った人)のために書かれています。アダルトチルドレンの困り事は多様ですから、本書では処方箋を並べていくことに合わせて、そのような処方箋を当事者の側から新たに発見する場として「対話型自助グループ」を推奨しています。その意味で本書は「メソッド」の本であると同時に、メソッドを開発するための「メタメソッド」の本でもあります。」 【目次より】 1 アダルトチルドレンに関する基本事項 入口として──ダイキの物語/1−1 心理学的観点から/1−2 医療的観点から/1−3 ふたたび心理学的観点から/出口として──ダイキの物語 2 さまざまな回復モデル 入口として──アヤカの物語/2−1 傷ついた子どもの回復/2−2 トラウマケアの観点から/2−3 対話型自助グループのすすめ/出口として──アヤカの物語 3 当事者研究とオープンダイアローグの実践 入り口として──リョウの物語/3−1 前もって理解しておくこと/3−2 自助グループでの当事者研究/3−3 自助グループでのオープンダイアローグ/出口として──リョウの物語 ☆COLUMN『くるまの娘』(宇佐見りん著)/『イグアナの娘』(萩尾望都作)/『ブラック・スワン』(ダーレン・アロノフスキー監督)/『新世紀エヴァンゲリオン』(庵野秀明監督)/『血の轍』(押見修造作)/『人間失格』(太宰治著)/
  • 当事者対決! 心と体でケンカする
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    生きづらさの往復インタビュー。発達障害の当事者と、潰瘍性大腸炎の当事者が、互いを取材して考えた、それぞれが抱える苦悩と、それぞれにしか見えない世界。心と体はどっちがどうつらい? ふたりの当事者が、議論をたたかわせてケンカする!
  • ある大学教員の日常と非日常
    4.0
    ASD/ADHDの大学教員、コロナ禍を生き、ウクライナ侵攻下のウィーン、アウシュビッツを行く。日常と非日常が交差する、はてなきインナートリップの記録。 10年ぶりにウィーンへ研究旅行に行くべく、羽田空港に赴いた著者を待っていたのは、出国許可がおりないというまさかの措置だった……。発達障害特性を持つ著者が、コロナ禍、ウクライナ侵攻の最中に、数々の苦難を乗り越え日本を出国し、ウィーンの研究者たちと交流し、ダヴォス、ベルリン、そしてアウシュヴィッツを訪問するまでの、めくるめく迷宮めぐりの記録。発達障害者には、日常もまた、非日常的な迷宮である。装丁・川名潤、装画・榎本マリコ。 「障害があるということは、ふだんから被災しながら生きているようなものだ。著名人の誰かがそのような発言をしたと思うのだが、(…)僕はこの言葉に大いに首肯できる。僕たちの日常は、災難だらけなのだから。障害者とは日常的な被災者なのだ。もとから被災していて、それだけでも大変なのに、疫病が流行し、コロナ禍の時代が出現した。(…)精神疾患の当事者がコロナ禍を生き、戦争を身近で感じた日々のちょっとだけ稀有な記録。それが本書の内容だ。」(「はじめに」より) 【目次】 はじめに──大学教員と精神疾患 第一章 コロナ禍時代の日常──京都にて 自助グループを主宰する発達障害者 基本、失敗の人生を生きている 好評を博した『みんな水の中』 「当事者研究」から「当事者批評」へ 研究の快楽 授業について 食べもののこと 「推し」に支えられて生きる 第二章 出国できませんでした──羽田空港での洗礼 いま海外って行けるんだ! 夢見心地の朝 大使館の窓口と格闘する 書類は揃ったぞ! 楽勝コースのはずだった 出国失敗 栗isうまい 第三章 中途半端な時期──ふたたび京都にて 立ちあがれ、オレよ 頭木弘樹讃 続・頭木弘樹讃 まさかの鼻血大出血、出発日前日の不眠 第四章 ウィーンとの合一──かつて帝都だった街で ウィーンを体になじませる 中心街 住居とマスク着用義務 食と障害者モード グリーンパス狂想曲 第五章 学ぶことを通じてのみ──教養体験、研究、外国語 美術とガラクタ 伝統音楽との戯れ 研究生活 「なろう系」としてのオーストリア語学習? 第六章 旅行と戦争──戦時下のアウシュヴィッツ訪問 各地への旅行(一) グラーツ、リンツ、ザルツブルク、インスブルック、クラーゲンフルト、ハルシュタット、メルク 各地への旅行(二) ダヴォスとベルリン 各地への旅行(三) ブラウナウ・アム・イン 各地への旅行(四) アウシュヴィッツ/ビルケナウ 帰国 参考文献
  • 多様性を受けとめる 清明高校の謎を解く!――生徒をリスペクトする学校文化はどのように生まれ、受け継がれているのか
    -
    1巻1,760円 (税込)
    【推薦】 今すぐ行って、見て、学びたい! 教育にユートピアはない。でも、その精髄に触れられる学校は存在する。 ──苫野一徳さん(哲学者、教育学者/『「学校」をつくり直す』著者) 「学校は変われる」 このシンプルな事実を伝えるのに本書以上のものがあるだろうか。 ──村中直人さん(臨床心理士/『〈叱る依存〉がとまらない』著者) 開学10周年を迎えた京都の公立高校には、全国から視察が相次ぐ――。 不登校や発達障害のある生徒を受けとめ、自分のペースで安心して学べる「学びアンダンテ」を掲げる清明高校。公立校の枠を超えた革新的な取り組みと理念の全貌に迫り、未来の教育の可能性を描く。
  • もしもこの世に対話がなかったら。 オープンダイアローグ的対話実践を求めて
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    フィンランド生まれの精神療法、オープンダイアローグの対話を 病院でもカウンセリング室でもなく家で続ける。 安心して話せる場所、聞いてもらえる場所を探している人へ 著者が運営するオープンダイアローグ的対話実践の自助グループ「ゆくゆく!」で 行っていることをモデルにしながら、フィクションを交えた物語に仕上げました。 本書でオープンダイアローグ的対話実践をご体感ください。 はじめに 対話にはルールが必要 「ゆくゆく!」と波打つ対話 第一夜 仕事の悩み 転職に失敗したかもれない 第二夜 人間関係の悩み 発達障害グレーゾーン 第三夜 孤独という悩み トラウマの扱い方 第四夜 子どもの悩み 夫婦ふたりからの相談 第五夜 長年抱えていた悩みとは 「ゆくゆく!」スタッフによる体験者の声も掲載!
  • 発達障害の子の勉強・学校・心のケア~当事者の私がいま伝えたいこと
    4.3
    1巻1,650円 (税込)
    ◆本書の内容 困りごとも特性はほんとうにさまざまなので、ほかの子に役立つメソッドがわが子に合うとは限りません。 それならば、その子にぴったり合うメソッドを独自に開発すればいいのではないか―― 本書では、子どもの内面世界を想像するたくさんの手がかりとともに、親子でいっしょにメソッドを開発することを提案します。 40歳で発達障害の診断を受けた大学の先生である著者が、 どのようにして勉強メソッドを確立し、進路を選択したのかも「叩き台」として書かれています。
  • 信仰から解放されない子どもたち――#宗教2世に信教の自由を
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    宗教2世の当事者たちはどういう世界を生きて、今なお生きづらさをかかえているのか。 本書は自ら声をあげはじめた当事者と、宗教問題・子どもの権利問題に第一線で関わってきた専門家が「宗教2世問題」の争点と必要な支援のあり方について考える。
  • 発達障害者は〈擬態〉する――抑圧と生存戦略のカモフラージュ
    3.5
    1巻1,584円 (税込)
    自らも発達障害の当事者であり、自助グループを運営する著者が、当事者間では一般的ながら、支援現場ではまだ浸透していない発達障害者の〈擬態〉について11名にインタビュー。当事者の「生きた声」と「発達障害者の内側から見た体験世界」をリアルに伝える。
  • 「ほどよく」なんて生きられない――宗教2世、発達障害、愛着障害、依存症、セックス、創作活動をめぐる対話
    3.3
    1巻1,584円 (税込)
    「どうして自分を好きになれないのか?」機能不全家庭で育った文学研究者、漫画家、AV監督──異なるフィールドで創作活動を行う3人が、「裸になれない」もどかしさを抱えながら、対話の舞台へと挑む。生きづらさの正体を探り、心の奥深くに切り込む、新たな視点がここに!
  • 〈逆上がり〉ができない人々――発達性協調運動症(DCD)のディストピア
    3.7
    1巻1,584円 (税込)
    二足歩行すらぎこちない――体を思い通りに使えない世界。極端な不器用が「発達性協調運動症(DCD)」であれば、日常のあらゆる場面が壁となる。本書は「知られざる発達障害」であるDCD当事者の生きづらさを共有し、「できて当然」という社会の圧力を問いなおす。
  • 創作者の体感世界~南方熊楠から米津玄師まで~
    4.3
    1巻1,100円 (税込)
    文学や芸術作品には、およそ一般的な身体感覚から遊離した表現が多く見られる。それらを読み解く鍵は、発達障害につうじる特性が握っていた? 「天才」とされる創作者の仕事に触発されて、発達障害を診断された著者の経験するさまざまな「感」が立ち現れていく。かつてなく「当事者」が増えたこの時代に、「わからない」「理解できない」と否定されるものを捉え直す。「障害」の意味を肯定的に読み替える「当事者批評」実践の書。
  • 発達障害者が旅をすると世界はどう見えるのか イスタンブールで青に溺れる
    3.5
    1巻950円 (税込)
    稀代の文学研究者がゆくワンダーランド! 単なる旅行記ではありません。 この豊潤すぎる言葉とイメージの 洪水に打たれて震えろ! ――ブレイディみかこ(作家) 横道さんの知性と“間違う力”に 度肝を抜かれた! ――高野秀行(ノンフィクション作家) 各誌書評で大絶賛された異色の「当事者紀行」がついに文庫化。 とにかく凸凹(でこぼこ)な文学研究者がゆく圧巻のワンダーランド! ・ウィーンの夜道を“反復”徘徊し、月面世界と接続する ・グラナダの“フロー体験”とヴァージニア・ウルフの『波』 ・美しきソニアと村上春樹をめぐるマインドワンダリング ・カサブランカ――“砂塵の水中世界”とムーミン谷…etc. 奇跡の“ハイパートラベル当事者研究”がここに。 単行本 2022年4月 文藝春秋刊『イスタンブールで青に溺れる 発達障害者の世界周航記』 文庫版 2025年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 京都の人ってなんであんな感じなんですか?
    3.5
    1巻924円 (税込)
    京都に25年以上暮らしながらも「自分の街」と感じられないわだかまりを抱えた著者が、 京都の地理・歴史・文化とそこに暮らす人たちの気質を読み解くガイド的エッセイ。 京都の人の「都」への思い、京都中心主義、周辺の府県との関係、 観光大国日本の中での立ち位置などを鋭い視点で浮かび上がらせながら、 平安時代~幕末までの歴史的事件や重要人物に関する場所、 難読地名、食文化や言葉なども解説し、京都の魅力と近寄りがたさを多角的に描いています。 32回のフィールドワークで撮影した写真も多数掲載!
  • 宗教の居場所、死生観のゆくえ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●〔鼎談〕日本人は何を宗教に求めているのか グリーフケア・科学・スピリチュアル 島薗 進×大谷栄一×岡本亮輔 ●宗教2世問題とは何か 当事者の立場と、研究者としての立場から 横道 誠 ●仏教・キリスト教・イスラム教 三大宗教の死生観 現代の「疎外」と古典世界への「郷愁」 中村圭志 ●御先祖様と日本人 近現代史から見た墓と弔い 問芝志保

ユーザーレビュー

  • なぜスナフキンは旅をし、ミイは他人を気にせず、ムーミン一家は水辺を好むのか

    Posted by ブクログ

     「〜これまでよりじぶんらしくあることができるようになった、つまり安心して「自閉」し、思うぞんぶんじぶんの世界を楽しんでいられるようになったということではないでしょうか。」という一文が印象に残った。つまり、『自閉症は津軽弁を話さない』の時に違和感とともに感じた、“自閉的すなわち生きづらい”という前提が、ムーミン谷にはない。
     ニューロマイノリティとニューロマジョリティ、ニューロダイバーシティという言葉を初めて知った。「他者にシンクロしづらい」「自分に対する関心の集中」などの「自閉」的な特徴を、ネガティブなものとして語っていない。だってそのように自分が存在してるなら、しかたないものね?
     ムーミ

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    2025年10月20日
  • もしもこの世に対話がなかったら。 オープンダイアローグ的対話実践を求めて

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    対話の中で、相談者の抱える悩みがリフレーミングされる。問題に別の所から光が当てられ、相談者に届く。オープンダイアローグ的対話実践、面白い。

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    2025年08月23日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

    Posted by ブクログ

    依存がどうして起こるのか、どのように抜け出せるのか。大変勉強になった。

    ⚪︎イギリスのアルコール依存の人に、アルコールを少しと健康的な食事を提供することで、少しずつ健康にさせていく。
    ⚪︎やってはいけないのは、薬物依存などの人を村八分にしてしまうこと。
    ⚪︎何かに依存することでなんとか今の苦しさから耐えている、ということ。
    ⚪︎有効なのは、同じ経験を持つ人たちとの緩やかなつながり。

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    2025年08月10日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

    Posted by ブクログ

    タイトルの二人による往復書簡。
    松本俊彦さんの依存症に関する専門家としての知見は自分には新鮮で、依存症に対する「本人の意思の弱さ」的なステレオタイプを覆されて目から鱗の連続だった。

    ・人は皆何かしらに依存している弱い生き物
    ・依存性薬物使用経験者のうち依存症の診断基準に該当するのは1割程度。人間は飽きっぽい動物。どんな気持ちがいいものでもすぐに飽きてしまう。「一度やったら人生終わり」は大げさ。
    ・薬物、ゲーム、ギャンブルに執着する人たちは快感からではなく苦痛の緩和からそうしている。快感は飽きるが苦痛の緩和は飽きない。
    ・「最大の悲劇はひどい目に遭うことではなく、ひとりで苦しむこと」。自助グル

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    2025年06月16日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

    Posted by ブクログ

    お酒を飲まないと笑顔で過ごせないがゆえにお酒をやめら…れなくはないけど(飲まなくても過ごせる)私と、煙草で借金をしてしまうくらい依存してる私の大好きな人。私たちを思って買ってみた本は奥が深かった。何かに依存をしないと生きれない自身や、大好きな人の心の深奥を掘り下げてみたい。

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    2025年04月12日

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