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Posted by ブクログ
この小説はそれぞれ主人公が違うオムニバス短編ですが、その第一話のヒロインは四十歳、独身、一人暮らし、SNSでハッシュタグ「ていねいなくらし」を発信しているインフルエンサーの信奉者となり、いつしかその情報を追う中に、本当の自分自身の価値基準を見失っていました。
そして、マスター「そろり」さんがひっそりと営む森のカフェ「ドードー」で忘れかけていた「大切なもの」を取り戻し、日常生活に戻ってゆくというお話です。
このシリーズは基本はどれもそういった感じで、日常生活に倦んだ主人公がそれぞれ喪っていた、あるいは失いかけていたものを取り戻しまた元の世界に戻ってゆくのですね。
私としては、本当にこんなマスターがいるお店があれば良いなぁとひそかに憧れるわけですが。
しかし、たとえ現実の世界には存在しなくても、小説の中にはしっかりと存在するので、小さな文庫本を開き続きを読み始める度に、お話の中へ入り込み、喫茶「ドードー」へと脚を踏み入れることができるのです。
それが読書の醍醐味の一つですね。
「そろり」さんが淹れたコーヒーをじっくりと味わうように、続きを読み進めたいと思います。