作品一覧

  • 地の果て、砂の祈り

    地の果て、砂の祈り

    小説・文芸

    3.5
    1巻2,090円 (税込)
    台湾出身で日本で暮らす思云(しうん)は、ひと月前に別れた恋人りさと共にエジプトを訪れる。手配がキャンセルできず、交際が終わった記念としての観光旅行だった。二人は、別れの原因となった事柄について言葉を交わすのだが・・・・・・(「地の果て、砂の祈り」)。 台湾に住む清猗(チンイー)と永真(ヨンジェン)は、小学生のとき一緒にRPGゲーム〈仙剣奇侠伝〉に熱中していた。大学生となった二人は、ミャンマー出身のツァイリーと三人でアパートを借りることに。卒業後、清猗と、ジーリーと名前を変えた永真は、それぞれに日本に向かった。そして、祖国に戻ったツァイリーと連絡が途切れたことをきっかけに再会し・・・・・・(「東京奇侠伝」)。 アイデンティティをめぐる思索と実践、恋愛と友情の多様なかたちを芥川賞作家が描く、連作中編小説。 【著者略歴】 李琴峰(り・ことみ) 1989年、台湾生まれ。作家・翻訳家。2013年来日。早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。2017年、『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。2021年、『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞を受賞。2026年、『日本語からの祝福、日本語への祝福』で第15回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。著書に『星月夜』『生を祝う』『言霊の幸う国で』『シドニーの虹に誘われて』『月を見に行こうよ』他。
  • 観音様の環

    観音様の環

    小説・文芸

    3.6
    1巻699円 (税込)
    芥川賞作家・李琴峰が「家族」について問い直す傑作中編。 田舎の狭い人間関係、排他的な空気、暴力的な父親、そして母親からの過度な期待と支配から逃れるように、瀬戸内の島から憧れの東京に出たマヤは、二丁目で出会った恋人・ジェシカとの結婚を機に、彼女の故郷であり、母の故郷でもある台湾へ渡る。旧暦の大晦日、ジェシカの親族が集まる年夜飯に誘われたマヤは、思いがけず母の生まれ育った町を訪れることになり、自分自身で封印していた記憶がどんどん蘇ってくる…。
  • 虹はいまだ旅の途上

    虹はいまだ旅の途上

    小説・文芸

    3.5
    1巻2,200円 (税込)
    「正史」や「正典」に刻まれない、小さな声を拾い集めて―― バンクーバー、ソウル、チューリッヒ、アムステルダム、パリ。台湾で生まれ、日本で生きる芥川賞作家が、五つの都市をクィアに旅した2024年の記録。 “台湾で生まれ、日本で生活し、日本語と中国語を主要言語とし、アジアからほとんど出たことがない私は、欧米発祥の「クィア」という言葉とそれにまつわる諸文脈から切り離され、長い間、断絶を余儀なくされてきた。しかしバックラッシュは文化や言語、国家の境界線をものともせず、世界規模の波となって襲ってきた。である以上、私も自身の文脈を、クィアの歴史という文脈にもう一度接続し直さない限り、バックラッシュの正体を見極めることができない。これから記すのは、いわば「文脈を繋ぎ直す」ための旅だ。”(プロローグより)

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  • 生を祝う

    生を祝う

    小説・文芸

    4.1
    1巻880円 (税込)
    生まれてくるか、こないかを自分で決められるならば、あなたは、この世界に生まれてきたいですか? 子どもを産むためには、その子からの出生同意が必要となる世界を舞台にした、芥川賞受賞作家による衝撃作。《解説・朝井リョウ》
  • 月を見に行こうよ

    月を見に行こうよ

    小説・文芸

    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    世界各国から詩人や小説家などの文筆家が招かれ、およそ二か月半にわたって滞在・交流する、アイオワ大学の国際創作プログラムIWP(International Writing Program)。 このプログラムに招かれた経験をもとに、背景の異なる個性的な創作者たちとの交流、各々の作品に対する姿勢や創作への覚悟を描いた、書く者たちの物語。 【著者略歴】 李琴峰(り・ことみ) 1989年、台湾生まれ。作家・翻訳家。2013年来日。早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。2017年、『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。2021年、『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞を受賞。著書に『星月夜』『生を祝う』『シドニーの虹に誘われて』『日本語からの祝福、日本語への祝福』他。
  • 日本語からの祝福、日本語への祝福

    日本語からの祝福、日本語への祝福

    小説・文芸

    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    台湾で生まれ、15歳までは「あいうえお」も知らなかった著者は、日本語の何に魅了されたのか。第二言語として日本語を学ぶことの面白さと困難さ──。日本語への新たな知見があふれる、芥川賞作家による珠玉のエッセイ集。
  • シドニーの虹に誘われて

    シドニーの虹に誘われて

    小説・文芸

    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    2023年、世界最大規模のプライド・パレード「マルディ・グラ」に参加するため、7年ぶりに渡豪した著者。いたるところで11色のプログレス・プライド・フラッグがはためくシドニーの地で、何を見、何を思ったのか。一人の性的少数者として向き合ったこの国のLGBTの歴史とバックラッシュ、そして国会で成立・施行された「LGBT理解増進法」を巡る日本の状況を観照し、丹念に綴った長編紀行。 著者撮影による口絵写真2頁付き。 眠らない街を探訪したエッセイ「歌舞伎町の夜に抱かれて」も併録。
  • 彼岸花が咲く島

    彼岸花が咲く島

    小説・文芸

    3.8
    1巻790円 (税込)
    【第165回 芥川賞受賞作!】 彼岸花を採りに砂浜にやってきた島の少女・游娜(ヨナ)は、 白いワンピース姿で倒れていた少女を見つける。 記憶を失っていた少女は、海の向こうから来たので「宇実(ウミ)」と名付けられた。 この島では、〈ニホン語〉と〈女語(じょご)〉、二つの言語が話され、 白い服装のノロたちが指導者、歴史の担い手、司祭だった。 宇実は游娜 、その幼馴染の拓慈(タツ)という少年に〈ひのもとことば〉を教え、 〈女語〉を教わって仲良くなるが、やがて進路を選ぶ時期がくる。 「成人の儀」にのぞむ3人それぞれの決意とは――。 国籍・言葉・性別などの既存の境界線を問い直す世界を描いた問題作。 解説=倉本さおり ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 私の身体を生きる

    私の身体を生きる

    小説・文芸

    3.8
    1巻1,599円 (税込)
    17人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ 私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。17人の人気小説家・美術作家・コラムニスト・漫画家・発明家が自らの「身体」と向き合い、ときにユーモラスに、ときに激しく、そしてかつてない真摯さで文章をつむぐ。「文學界」人気連載がついに単行本化。 著者は島本理生、村田沙耶香、藤野可織、西加奈子、鈴木涼美、金原ひとみ、千早茜、朝吹真理子、エリイ、能町みね子、李琴峰、山下紘加、鳥飼茜、柴崎友香、宇佐見りん、藤原麻里菜、児玉雨子の17人。 自分と自分の身体の関係を見つめる言葉が、これまで読んだことのない衝撃と共感をもたらす。 【目次】 島本理生「Better late than never」 村田沙耶香「肉体が観た奇跡」 藤野可織「「妊娠」と過ごしてきた」 西加奈子「身体に関する宣言」 鈴木涼美「汚してみたくて仕方なかった」 金原ひとみ「胸を突き刺すピンクのクローン」 千早茜「私は小さくない」 朝吹真理子「てんでばらばら」 エリイ「両乳房を露出したまま過ごす」 能町みね子「敵としての身体」 李琴峰「愛おしき痛み」 山下紘加「肉体の尊厳」 鳥飼茜「ゲームプレーヤー、かく語りき」 柴崎友香「私と私の身体のだいたい五十年」 宇佐見りん「トイレとハムレット」 藤原麻里菜「捨てる部分がない」 児玉雨子「私の三分の一なる軛(くびき)」
  • 肉を脱ぐ

    肉を脱ぐ

    小説・文芸

    4.2
    1巻1,815円 (税込)
    売れない新人作家・柳佳夜は自作の感想を求めてエゴサに明け暮れるうち、同姓同名のVTuberを発見する。魔界への帰還を目指す吸血鬼という設定のVTuberはまたたく間に人気配信者となり、むしろ自分になりすまし疑惑がかけられ、柳はVTuberの正体を突き止めようと奔走するが――。
  • 星月夜

    星月夜

    小説・文芸

    4.5
    1巻506円 (税込)
    日本語教師として東京の大学で働く台湾人の柳凝月(りゅうぎょうげつ)と、新疆ウイグル自治区出身の留学生・玉麗吐孜(ユルトゥズ)。恋人同士の彼女たちだが、柳がともに日本で暮らす未来を思い描く一方で、玉麗吐孜の心は揺れ動いていた。家族、政治、セクシュアリティー。共通の言語を持ち、幾夜も語り合ったはずなのに、柳は彼女が背負うものの重さを知らずにいたことに気がつき……。「ここでなら、自由になれると思った」――新日本語文学の旗手が描く、異国の地で出会った二人の女性の静かな祈りの物語。
  • 透明な膜を隔てながら

    透明な膜を隔てながら

    小説・文芸

    4.2
    1巻2,420円 (税込)
    台湾出身で17年に作家デビューを果たし、21年に芥川賞受賞。第2言語である日本語で作品を発表する李琴峰は、何を思いながら小説を書き続けているのか。創作の源泉にあるものとは。言語、出生観、性、日本と台湾の歴史、読むことと書くこと。繊細な筆致で綴る
  • 向日性植物

    向日性植物

    小説・文芸

    4.7
    1巻1,980円 (税込)
    台北の女子高に入学した「私」は、先輩の小游と惹かれ合い付き合うが、小游には元恋人・小莫がいた。台湾大学に合格した小游と小莫はアパートで同居を始め、一年後、「私」も台湾大学に合格するが、二人とは距離を取る。卒業後、小游と小莫は渡米し大学院へ。数年後、小莫から「心臓の手術をするため帰国する」と台北で働く「私」に連絡が……今を生きる少女たちの揺れ動く青春の日々を、繊細かつ誠実に描き出した傑作。
  • 独り舞

    独り舞

    小説・文芸

    4.3
    1巻704円 (税込)
    小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅(インメー)は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか――。第60回群像新人文学賞優秀作にして、芥川龍之介賞受賞作家・李琴峰のデビュー作。
  • ポラリスが降り注ぐ夜

    ポラリスが降り注ぐ夜

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    多様な性的アイデンティティを持つ女たちが集う二丁目のバー「ポラリス」。気鋭の台湾人作家が送る、国も歴史も超えて思い合う気持ちが繋がる7つの恋の物語。
  • 五つ数えれば三日月が

    五つ数えれば三日月が

    小説・文芸

    3.3
    1巻1,223円 (税込)
    日本で働く台湾人の私。 台湾人と結婚し、台湾に移り住んだ友人の実桜。 平成最後の夏、二人は5年ぶりに東京で再会する。 話す言葉、住む国――選び取ってきたその先に、 今だから伝えたい思いがある。 第161回芥川賞候補作。

ユーザーレビュー

  • 日本語からの祝福、日本語への祝福

    Posted by ブクログ

    作者は台湾出身の30代後半の女性。
    作者が日本語を学ぶ段階を通じて、日本語の語学としての特色を共に体験できる。
    日本語を新たな視点で見ることができる。興味深い読書だった。

    0
    2026年10月15日
  • 生を祝う

    Posted by ブクログ


    この作品の舞台は
    子供を産むためには
    その子供の本人からの同意が必要になる
    「合意出生制度」が浸透した近未来の世界。

    子供自身が
    「生まれる意思」を持って生まれたからこそ
    自分の生を恨むことなく
    後悔せずに力強く生きることができる。
    だからそれは正しい制度だと
    多くの人々は信じて疑わない。

    子供が「生まれたい」と同意した時は
    それでいいだろう。
    「生まれたくない」と結果が出た時

    胎内に子を宿してから
    胎動を感じ 愛情を注ぎ続けた
    母親の気持ちは
    激しく踏みにじられてしまう。

    「合意出生制度」の検査が
    本当に正しいものだと
    誰も確実には言えないのに。

    従わなければ
    法を犯すことになってしまうなんて…。

    人間はより良い社会にするために
    日々努力をしているけれど
    その努力した先に
    このような法律ができてほしくないと
    強く感じた。

    母である彩華は
    「人生の初っ端から自分の意思が
    無視されたという事実が、この子にとって
    一生解けない呪いになるかもしれないって
    そんな気がするの。
    私は自分の子供の出生に、呪いじゃなくて
    祝いを捧げたい、
    それが合意出生制度がもたらした
    最大の恩恵でもあるでしょ?」

    そして自分の身勝手な願望の産意で
    産んではいけないと決断した。

    それはその社会で生きているからこそ
    そういう考えに至ったのかもしれない。

    私はその社会に生きていなくて
    本当に良かったと思った。

    人生は幸せばかりではない。
    辛いこともたくさんある。
    それでも そんな人生でも
    私はこの世に生まれてきて良かったと

    何十年も生きてきて
    やっと 今
    心から感じられるようになったのだから。


    そう思える自由がある
    現代社会に生まれてよかったと
    この作品を読みながら感じました。

    0
    2026年10月12日
  • 生を祝う

    Posted by ブクログ

    なかなか現実では起こらない事をこの小説だからこそよりリアルに考えられた。時代の考え方は移り変わっていき、これからもいろんな考え方が出てくるのかなと思った。

    0
    2026年09月29日
  • 独り舞

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    美しい。
    李さんは本当に日本語が好きなんだな。
    美しくって、でもずっと死の匂いが傍でしてて、情景はどんよりした曇り空、降り頻る矢のような雨、ほんのちょっとの雨上がりの晴れ間、といった感じだった。

    0
    2026年08月04日
  • 生を祝う

    Posted by ブクログ

    第一印象は『今の日本の問題を全部鍋に入れて煮詰めて料理完成!みたいな話』と思ったんですが、実はそれが正解かどうかなんて誰にもわからない大博打であるという、当然なはずなのに忘れていた事実を突きつけられたような気持ちになる作品。
    好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、私は好きです。

    0
    2026年07月14日

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