福島正実の作品一覧
「福島正実」の「幼年期の終り」「夏への扉〔新版〕」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「福島正実」の「幼年期の終り」「夏への扉〔新版〕」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
日本大学第四中学校卒(現在の日本大学高等学校)。著書に『新版SFの世界』、『おしいれタイムマシン』、『SFの夜』など、訳書に『夏への扉 』(ロバート・A. ハインライン)などがある。「S-Fマガジン」初代編集長
小説・文芸
Posted by ブクログ
冒頭で評判女優の人物模写が出来る寸劇女優なんてのが登場したら、ミステリ好きなら後に発生する現象はある程度読めてしまうわけで
いわゆる双子トリックを想像してしまう。しかし、本作の場合は想像できてしまうが故に後に起きる殺人事件や推理の経緯に混乱させられる
本作の特徴は他にもあるね
クリスティ作品と言えば舞台や事件関係者が富裕層で占められる構成は珍しくないわけだけど、今作では何人もの俳優が登場する
富裕層というだけでも華やかになるのに、俳優陣が加われば更に華やかになる。しかし、事件関係者に俳優が加わる事態は他の現象を呼び込む
名探偵に疑われる容疑者というものは何とかして自分へ向けられた容疑を晴らす為に試行錯誤するもの。それは言ってしまえば演技であり、通常はずぶの素人が無理に演技するから名探偵・ポアロが付け入る隙が生まれ出る。しかし、今巻の容疑者達は演技等に自信ある俳優ばかり。つまり名探偵の目を誤魔化すのも眩ませるのも勝手知ったるもの
そうした容疑者達を相手取った為か、今回はポアロの迷走が珍しく描かれる展開に
ミステリ作品の読者って、そりゃ読みながら犯人やトリックについて推理を巡らせるわけだけど、その際に知らずして探偵の調査や推理にはかなり依存してしまうもの
だから真実が見えないと探偵が迷走してしまうと、読者まで迷走してしまう。唯でさえ難解な事件はポアロの存在によって更に読者に真実を見通せなくさせてしまうわけだ
本作の特徴を他に挙げるなら、登場人物が非常に活き活きとしている点かな
ミステリというものは殺される被害者が居て、殺した真犯人が居て、そして犯人じゃないけど何だか疑わしい容疑者が複数人という構成が基本
最重要は真犯人がどう動いたかであるのは間違いないが、読者や探偵を騙す為には犯人でない容疑者達にどれだけ疑わしい行動をさせられるかも大切で。個人的にはこの点をしっかり描いているミステリは面白い印象がある
そして本作は容疑者達がとても活動的だし、誰も彼も少しの弾みで被害者たるエッジウェア卿を殺してしまいそうな何かを抱えている
だから読んでいる最中には何度も「もしかしてこの人が犯人か…?」となって、暫くしたら「いやいや、あっちの人の方が怪しいかもしれないぞ…」なんて矢鱈と疑い続けてしまう
そうした困惑の渦の中心には間違いなくジェーン・ウィルキンスンの存在があるね。被害者・エッジウェア卿の夫人でありながら他の男性と結婚しようとし、子供のように無邪気な言動で周囲を惑わす。しかし時には本質を突いたような不思議な発言もする
そう考えれば、ポアロが人々を惑わす彼女の依頼を受ける形で事件に関わった為に迷走が始まってしまったとも考えられるのかもしれない
最後にポアロが鮮やかな推理で真実を披露するのは毎度の事ながら、本作はそれだけでは足りず犯人の手記によって事件の更なる真相が語られる構成に
それはポアロの華麗なる推理でも暴けない真実がどれだけ存在したのか、犯人が語らねば詳らかにならない難解な事件だったかを示しているかのようですよ
Posted by ブクログ
一気読み。さすが名作、冒頭以降は古典を感じさせなかった。冷凍睡眠直前の「あれ?」の欠片たちが終盤で一気に回収されていくのが爽快。ミステリ畑とは別の読み心地の伏線回収。
ヘイルメアリーのグレースといい、SFの主人公は人間らしくて共感が持てるのに強烈に頭が良い。ここは頭脳と共に人間性もちょっと人と外れている探偵等とは違うと感じた。
ラスト女児を嫁にするのはちょっと倫理観どうかな、とは思ったが、まぁ婚約者と友人に裏切られて猫も失ってた(取り戻したが)状況で、心の拠り所はもうリッキーしかいない状況で半年頑張っていたからな…ちょっと仕方ないかな、という気持ちも。
あとピートがずっと格好いいにゃんこ。
「未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりつつあるのだ」