作品一覧

ユーザーレビュー

  • 自然のものはただ育つ

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    『ヴィンセントが死んだ後、私は『グリーフ・レッスンズ』というアン・カーソン翻訳によるエウリピデスの戯曲集、それからシェイクスピアの『ジョン王』で玉座に続き人生も奪われた年若い息子アーサーを失ったコンスタンスの独白をくりかえし読んだ。古代ギリシャの人々は悲しみをこれ以上ないほど高らかにうたい上げる。カーソンが指摘するように、それは激しい怒りである。大きな悲しみや怒りの翻訳は不可能に近い。まるで極みに至った感情は肉体的な感覚でしかありえないかのように――その言葉はやけっぱちの手荒な勢いで読者に襲いかかる』―『2 事実関係』

    イーユン・リーの手記「自然のものはただ育つ」を読む。この手記には息子を二

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    2026年04月16日
  • 水曜生まれの子

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    『何年も前、友達になった年上の作家が執筆中の本のことを手紙で尋ねてきた。「小説はいかがでしょうか。人は病人のことを訊くようにそう訊きますが、まだ書き終えていない小説とはそんなものです。終わったら、それは死んでいるか、ずっと具合がよくなっているかのどちらか。死者をわずらわせてはいけません」』―『水曜生まれの子』

    久しぶりに読む、イーユン・リー。もう、この作家を「千年の祈り」を読んだ時のようには読めないことを改めて意識してしまう。其処彼処に散らばる孤独、そして他者の死によってもたらされる喪失感。そこに作家の私生活における影を見ずにはいられない。

    「理由のない場所」を読んだ時に、そこに長男の自死

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    2026年02月21日
  • 自然のものはただ育つ

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    ネタバレ

    2人の息子を自死により亡くした女性のエッセイ。著者自身も自殺未遂をしたことがあるようだ。「私たち(著者とその夫)はジェームズ(著者の息子)が何を考えていたかよくわかっていないけれど、このことだけは確信が持てる。彼は命を絶つ決断を私たちが尊重するのを知っていたこと。」(p.41)という一節が非常に苦しく、けれども親と子供の間にある信頼関係は美しいと思った。子供が自殺する決断を尊重する親だと子供が理解している…究極の信頼関係…。

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    2026年02月01日
  • 理由のない場所

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    小説家にならずにはいられなかった著者ではないか?
    一文を書くのにどれだけの苦悩や思考があったのだろう?

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    2025年08月08日
  • 水曜生まれの子

    Posted by ブクログ

    様々な年代の、様々な仕事を持つ人々の人生を、こんなにも物語れるなんてー。すべてのエピソードが本当にあったことのように息づいていて、なぜだか泣きそうになる。「列車の前に歩み出てきた」と言う鉄道職員。三十六個の植木鉢から流れ出る水。母親になるなんて、なんて向こうみずだったのだろう。こんにちは靴さん。さようなら靴さん。「くたばれ」。

    イーユン・リーの作品を読むと、目の前が淡い寒色系のマーブル模様に染まっていくような気持ちになる。うっすらほのあかるい諦観。
    登場する子どもの多くが、賢く繊細で生きづらそうにしているところに、筆者の長男の影を色濃く感じ、どうしようもなく悲しくなる。

    あとがきで紹介され

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    2025年07月04日

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