原島文世の作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
あなたは、珈琲はお好きだろうか?
お気に入りのカフェは?
あったとして、そのカフェの店主がオークで、もと傭兵。さらに、闊達で聡明な女性だったら?
このお話は、そんなカフェのおはなし。
店主の名はヴィヴ。腕が立って、格好良くて。
闊達で、優しい。シャイで、ね。
珈琲、私たちの世界でもおいしいけれど。
ヴィヴの世界では、まだ珍しいようで。
カフェラテは、受け入れられるのか?
正直に言うと、久しぶりの翻訳もの。久しぶりの創元。
ついでに言うと、久しぶりに夢中になって読んだ本。
洋物のファンタジー、私はあまり得意でなかったのだけど、これは……。
この本を珈琲の香りに包まれて読むために、わざわざスタバ行ってカフェミスト飲みながら読んだ。
うっかりソーセージパイなんて食べて、後悔したり。
だってね、ヴィヴの店には、シナモンロールが似合うと思って読んでいたら……。
いや。
夢中になりすぎて、一時間過ぎても居座りそうになったのは、ここだけの話。
ヴィヴがどう自分の店を軌道に乗せていくのか。
どんな人達と知り合うのか。
じっくり読んで頂きたい。
読み終わった頃には、すっかり私たちも常連になっている、と思うので。
ああ、本当に楽しかった。
Posted by ブクログ
出版社のXでの紹介を見て読みたくなって手に取った。
主人公のエミリーはケンブリッジ大学の教授で、樹木妖精学研究者。
フィールドワークで各地の伝承や妖精を調査する、ごくごく平凡な見た目の女性。
少し人付き合いが苦手で、話すことも苦手。
そんな性質が災いし、北極圏に近いリョースランド島での妖精フィールドワークは村人たちの協力を得られず前途多難。
後からひょっこり現れて、図々しくエミリーの研究に合流した同僚のライバル、バンブルビーはその美貌と人当たりの良さと軽やかな口であっという間に村人に溶け込み、図らずもエミリーの研究が進めやすくなる。
相容れない2人の対立と協力体制を軸に、リョースランド島フラヴンズヴィク村の人たちとの交流と、妖精フィールドワークの物語が、エミリーの日記として綴られていく。
全く正反対のエミリーとバンブルビーなのに、同僚やライバルという関係を超えた関係性。
物語はエミリーの日記と時々挿入される注釈で書かれていて、最初注釈で引用される学術文献や本、伝承が本当にあるのかと信じ込んでしまった。
研究者の日記という形態のせいか、客観的に世界や自分を分析し、淡々と綴られていて読みやすかった。
物語の世界線では、妖精は一般に認知され、希少生物として研究対象にされている。
読んでいると、自分が認識している妖精よりもグロテスクで、「隣人」呼ばれるように身近な存在なのだと理解した。
物語は予想を超える展開で、でもファンタジーというよりも現実的だった。
結末までたどり着いた時、さらにエミリーの物語が読みたくなった。
全三部作との事なので、これからの翻訳が楽しみだ。