あらすじ
ヒューゴー賞受賞の傑作ダークファンタジイ
〔ヒューゴー賞受賞〕小国の王女マーラは、大国の王子に嫁いだ姉がいずれ殺されるだろうと知る。そして、次はマーラが狙われることも。身を守るには王子を殺すしかないが、彼は権力と妖精のゴッドマザーの魔法で護られていた。マーラはまじないを操る墓守女に助けを求め、イラクサのマントと骨の犬を作るが……
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Posted by ブクログ
マーラはちっぽけな王国の三番目の王女。十五の年から修道院でひっそりと暮らしていたが、あるとき、大国の王子に嫁いだ姉の苦境を知り、なんとか救いたい一心で手立てを探すうち、死者を操る墓守女のもとにたどりつく…
はい、来ました
わいの大大大大大好きーな、おとぎ話的ファンタジー!
誠実なだけが取り柄のマーラの仲間になってくれるのは、その墓守女と墓守女が使う魔物を宿した雌鶏
マーラが作った骨犬(ボーンドッグ)は忠実な友でもある
ゴブリン市で囚人となっていたフェンリスは屈強な元騎士で、マーラの大おばでもあるアグネスは妖精の血をひく教母(ゴッドマザー)
最後はアグネスによって発見家(ファインダー)と名付けられたひよこ
この強力な仲間たちを従えて、悪い王子をやっつけに行くのです!
そして、もちろん
もーちーろーんー
ハッピーエンドでございますよ!
そりゃそうよ!
そうでなかったらヒューゴー賞とか無理やもん!(ヒューゴー賞は別にそういう決まりはない)
もうベタ要素てんこ盛りで楽しい一冊でした!
Posted by ブクログ
仲間を集めて協力し、敵に立ち向かう。王道RPGゲームのよう。
主人公が少年少女じゃなくて、大人の女性。だからかファンタジーなのに婚姻や出産なんかの問題が絡んでいて新鮮だった。
「パン焼き魔法のモーナ」の著者。個人的にはこっちの方が面白かった。
Posted by ブクログ
3番目の王女マーラは、修道院で暮らしていたが、大国に嫁いだ姉は、夫である王子に暴力を受けていることを知り、なんとかして姉を救い出そうと考える。魔法をつかうという墓守女に助力を頼むと、実現不可能と思われる条件を示されるが‥。
主人公が試練を克服し、旅をしながら仲間を得て、目標に達するという王道のファンタジー。登場人物が魅力的(しかもほとんど女性)で、ストーリーも実にうまく、伏線が収斂していく。おばさま達がかっこいい。ちょっぴりロマンスもあり、飽きずに大団円まで連れて行ってくれる物語。
Posted by ブクログ
最初に魔法を使う主人公とおぞましい雰囲気の別世界が出てくるから、ファンタジーと思って少し油断したら、女性たちの過酷な人生が出てきて現実を見させられてる。おもしろいけれど。脇役たちが強くて一筋縄ではいかなくてカッコ良い。
Posted by ブクログ
北の小国の三番目の王女マーラは、15歳の時から修道院で暮らしている。彼女は大国に嫁いだ姉たちのスペアなのだ。それを忘れずに15年の時が過ぎて、マーラは2番目の姉カニアが、暴力に晒され、死に近い所にいることを知る。
彼女を助ける為に墓守女を訪ねるマーラ。彼女は墓守女に3つの試練を与えられるのだか。
お約束の御伽話のようでいて、全く違う方を向いているこの物語は面白かったです。
旅の仲間も癖が強いし、ゴッドマザーは祝福を与えているつもりで呪いをかけている。
優しい御伽話の中にある幸せは決して幸せではない。
そんな答えを私は出しましたが、他の人はどうだろうとも思う。
なかなか皮肉っぽいけれど、こうした物語にこそ、意味があるのかもしれないですね。
Posted by ブクログ
入り江の小国の三番目の姫マーラは、北方の大国に嫁いだ姉姫が窮地に陥っていると知り、姉の結婚相手である王子を殺すため墓守女を探す旅に出る。骨でできた犬、無愛想だが面倒見の良い墓守女、ゴブリンに囚われていた戦士、祝福が苦手なゴッドマザーを連れ、マーラは強固な魔法に守られた強大な北方王国へと向かう。ヒューゴー賞受賞ファンタジー。
てっきり児童文学かと思って読み進めたら、主人公のお姫様が30歳でびっくり。お姫様が若いとは限らないのは事実だけれど、30歳らしさも無かったので、修道院に居た年月をもっと短くして若い設定にしても良かったのではないかと思う。妊娠・出産についての話が生々しいので子ども向けにはならないのかなぁ。
伏線のようにたくさんの謎めいた材料が散りばめられているけれど、そのほとんどは詳細がわからないまま終わるのでモヤモヤしたものが残る。しかし、日本人にはあまり馴染みのないゴブリン市や墓守女などが出てきて、面白かった。
全体にマーラの感情の起伏に生き生きとした感じが薄く、淡々としているので、ロマンスはロマンスらしくドキドキさせて欲しいし、絶望は絶望らしくもう少ししっかり落ち込んで欲しいところ。