五山作品一覧

  • 千二百年の古都 闇の金脈人脈
    3.0
    京を喰い尽くす影の支配者たち! 「京都五山」――バブル期の京都を支配したといわれる闇社会の五人のフィクサーのことだ。銀座をしのぐ地価高騰でバブル景気に沸いた京都にはカネ・人が群がった。地上げ・土地転がしが横行し町家を潰して「2億ション」が乱立、ゴルフ場の乱開発計画が世情を賑わした。著者はバブル真っ盛りの京都にいた元新聞記者。「京都五山」のうち3人に直接取材し、山段芳春や許永中らにしゃぶり尽くされた近畿放送(KBS京都)乗っ取り事件のはじまりもその目で見た。有名寺院が拝観停止闘争を展開した古都税紛争の主役「京都仏教会」とフィクサー。同和を名乗る団体とサラ金が組んだ京都駅前地上げ事件。伏魔殿「御池産業(京都市役所)」と共産党ネットワークが支える「釜座幕府(京都府庁)」。花街と信金王国――。すべてが「洛中」の掟で動く、底知れぬ古都の闇の事件簿!
  • 京都GUARD
    無料あり
    3.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 清水寺のある清水地区、嵐山の竹林、五山の送り火などをはじめ、多くの観光客が訪れる寺社仏閣やお祭りの警備を担当する、地元に根ざした警備会社・コトナで働く警備員たちのショートストーリー。 学生時代に訪れた京都に一目ぼれして、コトナで働くことを決めた三条 琴音(さんじょう・ことね)。先輩の清水 爽太(しみず・そうた)に教わりながら、仕事を覚えていく琴音。京都“ならでは”の外国人観光客にあたふたしたり、かつての自分を彷彿とさせる学生へのご案内したりしながら、警備の仕事を通して京都の魅力を伝えていく…… 転職組の八坂 真司(やさか・しんじ)は元システムエンジニア。警備の世界でもAIが活用され始めており、カメラの映像から混雑を早期発見することができる。紅葉の嵐山でAIにより渋滞予測を受けた八坂。とっさの判断で八坂がとった行動とは!?

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  • 梅 Ⅰ

    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 万葉集,源氏物語,五山文学などの古典や天神信仰に表れた梅の足跡を克明に辿りつつ,日本人の精神史に刻印された梅を浮彫にし,梅と日本人の2000年史を描く。
  • 大姥伝説と縄文文化 夷がくらした虫倉山の物語
    -
    1巻550円 (税込)
    中世に滅んだ虫倉山(長野市)の夷民族を探索し縄文文化を探る。 近年DNAの研究が進み、縄文時代の人々がアイヌ系の人々であったことが判明しました。本書は長野県の北部に中世まで暮らしていた夷(えびす)の人々に視点を当て、言葉(方言)、地名、郷土料理、伝承などを総合的にとらえ、大姥伝説や鬼女伝説との関わり、中世の修験道の影響などを整理し、今日に残る縄文時代の文化を浮かびあがらせたものである。アイヌ語をキーワードにしたことで、所在地が不明であった「赤生郷」が「小川郷」であることを解きあかすなど、隠れていた縄文文化が新たな光をもって描きだされている。 【目次】 はじめに=現代に続く縄文文化 第一章 虫倉山の縄文(夷)人 第二章 虫倉山南山麓の縄文遺跡と生活 第三章 地域文化の保存 第四章 小川村の三大古族 第五章 大姥伝説と縄文神社 第六章 虫倉山麓の難解地名 第七章 北信五山と虫倉山麓の縄文地名 あとがき 【著者】 神谷真 昭和18年、長野県小川村に生まれる。法政大学卒。元神奈川県立図書館長、アイヌ語による地名解読を通じて縄文文化を研究。現在、中世に滅んだ長野市中条の虫倉山麓の夷一族の痕跡を探索し、その民俗を研究している。著書『信州鎌倉一族千年の歩み』『お焼きとおぶっこみと「からかさ石」の里』『空蝉の旅立ち(「猫の寄り合い」)』『解き明かされた明された謎の縄文地名』。
  • 神奈川の教科書
    完結
    -
    神奈川県を深く知りたい人に贈る、大人のための教科書。歴史、地学、産業、交通、統計など、知らなかった神奈川が見えてくる。 ・巻頭特集 神奈川県ヘリテージ/国宝/国立公園/重要文化財の近代建築 ・空撮 空から見た横浜駅/桜木町駅/川崎駅/鎌倉駅 社会/歴史:日本武尊の東征と神奈川県/鶴岡八幡宮は2つあった?/鎌倉五山/五稜郭豊臣秀吉の一夜城石垣山/大山詣り       地理:大桟橋/中華街/葉山/湘南/箱根 産業:京浜工業地帯/国指定伝統工芸 交通:汽笛一声桜木町駅/京浜急行/江ノ電/鶴見線 理科/地学:神奈川最大の自然島城ヶ島/相模トラフと深海相模湾/海岸地形の博物館「江ノ島」 国語/金沢文庫/鎌倉幕府公式歴史書『吾妻鏡』 美術/北斎と広重の浮世絵に見る今昔 音楽/『赤いくつ』と『金太郎』『めだかの学校』のふるさと 体育/100年の伝統『箱根駅伝』 算数/統計:各市町村別人口・年齢構成 ◎豊富な地図や図版 ◎古地図や浮世絵などの資料も満載 ◎河合敦氏の歴史コラム掲載
  • 鎌倉札所めぐり 御朱印を求めて歩く 巡礼ルートガイド 改訂版
    完結
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ★ 古寺社・名刹の歴史や由来を霊場ごとに詳しく紹介。 ★ 御朱印をいただきながら、心を癒す巡拝の道行きへ。 ◆◇◆ 本書について ◆◇◆ もともと「ご朱印」は、参拝した時にお経を 書き写してお寺に納めるといただけるものでした。 そのようなことから、ご朱印のことを 「納経印」ともいいます。 最近では納経しなくてもいただけるようになり、 お参りすることよりもご朱印を集めることに 楽しみを感じている方々も多くなりましたが、 気軽にご朱印を集めながらも、 そのお寺の歴史やご朱印の意味などをよく知り、 充実した札所めぐりができるように、 この本をまとめました。 同じお寺でも「三十三観音」「二十四地蔵」「十三仏」と ご朱印が異なります。 鎌倉はそれぞれのお寺への交通の便がよく、 近いところにあるため、観音めぐり、 地蔵めぐり、十三仏めぐりをすべて行っても、 短期間で結願することができます。 だからこそ、ご本尊に合掌し、正しく参拝しながら、 ご朱印を集めていただきたいと思います。 ◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆ * 鎌倉三十三観音について * 第1番 杉本寺 * 第2番 宝戒寺 * 第3番 安養院 …など全33番 * 鎌倉二十四地蔵について * 第1番 宝戒寺 * 第2番 来迎寺(西御門) * 第3番 覚園寺 ・・・など全24番 * 鎌倉三名鐘 * 鎌倉十三仏について * 第1番 明王院 * 第2番 浄妙寺 * 第3番 本覚寺 ・・・など全13番 * 鎌倉十井 * 鎌倉五山について * 第2位 円覚寺 * 鎌倉を代表する神社 鶴岡八幡宮 * 鎌倉江の島七福神について * 「浄智寺」「旗上弁財天社」「宝戒寺」 「妙隆寺」「本覚寺」「長谷寺」「御霊神社」 「江島神社」 ※ 本書は2016年発行の「鎌倉札所めぐり 御朱印を求めて歩く 巡礼ルートガイド」 を元に、加筆・修正を行った新版です。
  • 京都 銀閣寺の死線~18番ホームの夜行列車~
    -
    古都・京都。五山(ござん)送り火の翌夜、ウィークリーマンションの一室で男が刺殺された。数時間後、「哲学の道」では女の服毒死体。その近くから、男性刺殺の凶器の包丁が発見された。男と女は、それぞれ銀閣寺の写真と護符を所持。それは25年前のものだった。さらに護符には謎の言葉が……。2つの事件と銀閣寺の接点、ルポライター・浦上伸介の推理が冴える!
  • 京のとっとき お教えします
    完結
    4.0
    京都――。ごはんとおやつとまちめぐり。ひみつにしたい“とっておきの京都”教えます――。京都のフリーマガジン「京都ラパン」の編集部で働く若者たちの物語に、リアルな京都の情報をたっぷり盛り込んだガイドブック的なコミックス! POPでおしゃれなカラーページもたっぷりで、読みごたえ見ごたえたっぷりな一冊です。京都のまん中にある町家を改修した「京都ラパン」編集部。仕事きっちりクールなメガネ男子・羽山くん、プライベートでも京都散策が趣味のヒロイン・岡崎さん、酒を愛するちょっといい加減な鷺坂編集長、毎日元気なアルバイト京大生・鵜飼くんの4人が、京都の町を取材しながらその魅力をお届けします。各話の最後には、彼らが作った「誌面」がカラーで登場。地元の人でも意外と知らない、旅行者にも役に立つ「とっておきの京都」をおしゃれなイラストで描きます。●第1話「祇園祭とかき氷」――京の夏といえばやっぱりコレ!! ●第2話「古本まつりと五山送り火」――ちょっとホラー!?な真夏の出来事。 ●第3話「京野菜と商店街」――鵜飼くんが三条会商店街を歩く。 ●第4話「パン屋さんと京おんな」――京都は意外にもパンの町。 ●第5話「京の朝ごはん」――京の朝ごはん、なに食べよ? どこ行こ? ●第6話「京みやげと水族館」――いつも迷うおみやげの話。自分用にも。 ●第7話「春と節分」――京都の節分はアツいぞ!!
  • 経済で読み解く 織田信長 ~「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する~
    4.7
    中世を終わらせた、英雄・信長は何と戦ったのか? “お金の流れ”から室町・戦国時代の政治経済を解く! 織田信長の活躍が「日本」を救った! ! 信長の「経済政策」、その歴史的意味とは? 日明貿易から室町幕府の経済政策とその衰退、 応仁の乱、一向一揆、寺社勢力の金融ビジネスまで、 室町・戦国の世を“経済的視点”で描く―。 「経済」がわかれば、「歴史」がわかる! 信長の“本当の業績”を考察する、著者渾身の書下ろし! ! ● 「マネーストック」と景気の関係 ● 「出土備蓄銭」は現在の「タンス預金」 ● 巨大荘園主としての寺社勢力 ● 「恐ろしき山かな」―蓮如のつぶやき ● 室町幕府の将軍交代劇 ● 「応仁の乱」を経て確立した、細川京兆体制 ● 信長は本当に宗教を弾圧したのか ● 意図せざる経済の変革 etc. 【目次より】 序に代えて ~お金の流れで歴史を読み解く 第一部 中世の「金融政策」と「景気」  第1章 明の景気が日本経済を左右した時代  第2章 室町幕府の財政事情 第二部 寺社勢力とは何なのか?  第3章 老舗「比叡山」vs.新興「京都五山」  第4章 京都五山のビジネスと本願寺の苦難 第三部 武将と僧侶の仁義なき戦い  第5章 信長の先駆者たち  第6章 「一向一揆」とは何か 第四部 信長は何を変えたのか?  第7章 信長の本当の業績  第8章 信長の活躍が日本を救った!
  • 古典について
    3.5
    日本書紀の時代から、この国の基盤には大陸から摂取した文明の影響がありました。営々と築き上げられてきた日本の漢学文化は、中国古典の碩学、吉川幸次郎(1904-80年)の目にどのように映じていたのでしょうか。  ふとしたことで手にした本居宣長『うひの山ぶみ』によって、宣長の「信徒」となったと告白する著者は、江戸時代に日本の漢学の全盛を見ます。伊藤仁斎や荻生徂徠を生んだ元禄・享保期の儒学と、戴震や段玉裁、王念孫ら清朝の儒学に共通性を見出して、それを「近世の覚醒」と名付け、日本における覚醒が実は100年近くも大陸に先んじていたことを指摘します。  江戸時代に頂点を極めた漢学が、明治になって文化そのものが根本から変容していくことを万葉集の偏重に象徴的に見る第1部「古典について」、古代から江戸末期にいたる日本の漢学受容という類のない通史をコンパクトに描いた第2部「受容の歴史」、そして著者が愛してやまない儒者たちを素描した第3部「江戸の学者たち」。日本思想の基層をなす漢学という視座から、この国の学問的伝統を再発見する極上の教養書です! 【目次】 1 古典について 古典について――あるいは明治について 一 明治の記憶/二 明治への距離/三 明治の得失/四 万葉と古今/五 詩における理知/六 学術の文章/七 美と真の共存/八 注釈の学/九 辞典の学/一〇 日本書紀/一一 書紀学の変遷/一二 東洋史学/一三 太平 2 受容の歴史 受容の歴史――日本漢学小史 一 日本における外国文明の受容/二 そのインドその他との対比/三 文学および文学教育における受容/四 学問一般における受容/五 外国文明受容の心情/六 外国文明受容の歴史/七 受容の歴史のはじめ/八 空海その他/九 菅原道真/一〇 受容の中だるみ/一一 中国新文明の受容/一二 五山の禅僧/一三 江戸時代における受容の教育/一四 江戸時代における外国書の輸入と覆刻/一五 家康の政策/一六 藤原惺窩/一七 林羅山/一八 朱舜水その他/一九 伊藤仁斎 その一/二○ 伊藤仁斎 その二/二一 荻生徂徠 その一/二二 荻生徂徠 その二/二三 荻生徂徠 その三/二四 荻生徂徠その四/二五 江戸末期における受容/二六 むすびと希望 3 江戸の学者たち 仁斎と徂徠――論語古義と論語徴 伊藤仁斎 古義堂文庫 仁斎と小説 古義堂 二つの伊藤仁斎論――スパアとツアトロフスキ 伊藤東涯 安積澹泊 本居宣長――世界的日本人 一冊の本――本居宣長『うひ山ふみ』 学問のかたち 中京の二学者――河村秀根と岡田挺之と 息軒先生遺文続編の序 解 説(小島 毅)
  • 五山文学研究 資料と論考
    -
    1巻8,580円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 倦まず弛まず書物と格闘し新たな文学作品を生み出した、禅僧たちの営みを明らかにする。また、その後の近世文学への接続、同時代の和歌や説話、公家社会の学問との関わりを探り、孤立しているように見えている五山文学を日本文学の中に組み込むべく、その存在を新たに捉える基礎作業を行う書。
  • 四季のしきたりマナー美人手帖
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「なぜお正月にはおせち料理を食べるの? お正月飾りの意味は? いつまでに飾ればいいの? 七草がゆは、いつ、なんのために食べるの?」 あらためて聞かれるとすぐには答えられないもの。しかし昔からの風習はすべて意味があります。 自然とともに生き、太陽と月を崇め、豊作に感謝する生活のなかで培われてきた古来先人の教え。こうした日本人のしきたりや習慣、また海外から入ってきた行事も含め、昔ながらの風習は現代に生きるわたしたちが忘れかけている大切なことを教えてくれます。本書では、あなたの毎日の予定と照らし合わせて、暮らしに活かすことができるように歳時をかわいいイラストとともに解説。自分で作れるカレンダー、レシピ、贈り物のマナー、手紙の書き方、食事のマナーも網羅、毎日バッグに入れて持ち歩ける便利な1冊です。 ●目次より 睦月 1月の行事 お正月、お飾り、おせち料理、雑煮、お屠蘇、お年賀、祝い箸、年始回り、初詣、参拝の仕方、事始め、書き初め、年賀状、お年玉、小寒、七草がゆ、正月飾りの片付け、大寒、鏡開き、成人の日、小正月 如月 2月の行事 節分、立春、初午、針供養、聖バレンタインデー、手作りチョコレートレシピ 弥生 3月の行事 ひな祭り、ひな膳とひな菓子の由来、ひな人形の飾り方・意味、ホワイトデー、確定申告、お彼岸 お墓参りのしかた、牡丹餅とおはぎのレシピ、春分 卯月 4月の行事 エイプリルフール、入学式、清明、お花見、花祭り、イースター、十三参り、穀雨 ◎手紙の書き方とマナー/ビジネス文書や手紙の書き方、年賀状、年賀欠礼、寒中見舞い、暑中見舞い、お悔やみ状 皐月 5月の行事 八十八夜、立夏、母の日、子どもの日、鯉のぼりの意味、立て方、葵祭、小満 水無月 6月の行事 芒種、時の記念日、入梅、和菓子の日、夏至、父の日 文月 7月の行事 山開き、小暑、七夕、お中元、祇園祭、暑中見舞い、海の日、土曜の丑、大暑 葉月 8月の行事 お盆、お盆の準備、立秋、処暑、五山の送り火 ◎贈り物のマナー/お中元・お歳暮、旅館でのマナー、チップ 長月 9月の行事 防災の日、二百十日、重陽の節句、敬老の日、お年寄りのお祝い行事、十五夜、お月見のお供え物、動物愛護週間、秋分 神無月 10月の行事 神無月と神在月、留守神様、赤い羽根共同募金、寒露、恵比寿講、ハロウィン、かぼちゃのプリンのレシピ 本タイトルは、レイアウト固定型の商品です。 ・フリースクロール(リフロー)型でないので、文字サイズの変更、フォントの変更ができません ・マーカーは付けられません ・テキスト検索はできません ・推奨端末はPCかタブレットです(スマートフォンは推奨いたしません) 以上ご確認のうえご購入ください。
  • 信濃夷が残した地名と神社
    -
    1巻550円 (税込)
    奥信濃には、中世まで夷が暮していました。その証が謎の地名や産土の神です。その謎に迫ります。 長野県の北部に暮らしていた夷は14世紀末に滅びました。(『小川郷昔記録』小川村誌)本書は、奥信濃の山や川、産土の神は夷の人々が名付けたものと考え、縄文語に近いとされるアイヌ語で、謎の多い北信5山の名前や川、湖の謂れを解いています。併せて、古い社の神々の来し方を探っています。例えば、“妙高”は、峰が多い山で、“千曲”は、我ら渡る所、“十二神社”は、先祖を祭る神様であることを解説しています。 【目次】 はじめに 第一章 奥信濃の山々 1 北信五山 2 夷が名付けた奥信濃の山々 第2章 奥信濃の夷と河川 1 千曲川 2 犀川 3 裾花川 4 浅川 5 土尻川 6 夜間瀬川 7 百々(どど)川(がわ)と松川 8鳥居川 第3章 奥信濃の湖沼と滝・崖 1 野尻湖 2 大座法師池 3 大池、猫又池、蓑ケ谷池 4 苗名(ないの)滝(たき) 5 十三崖 第4章 夷が名付けた縄文地名 1 ア行 赤生と小川 他 2 カ行 柏原 他 3 サ行 信濃 他 4 タ行 高井 他 5 ナ行 次(なむ)木(き) 他 6 ハ行 飯米場(はんめいば) 他 7 マ行 水内(みのち) 他 8 ヤ行 夕日と夕立 9 ワ行 若槻(わかつき) 他 第5章 縄文語(アイヌ語)で語る夷神社 1 十二神社 2 宇木(うき)神社 3 妻科(つましな)神社 4 小川神社(武部(たけぶ)八幡宮) 5 守田神社 6 御射山神社 7 風間(かざま)神社 8 戸隠神社 9 仁(に)礼(れ)神社 10 小坂(こさか)神社 11天白(てんぱく)の神 12虫倉神社 あとがき 【著者】 神谷真 1943年長野県生まれ。法政大学卒、東京都、宮内庁を経て神奈川県勤務、元神奈川県立図書館長、著書『夷が暮らした虫倉山の物語』、『解き明かされた謎の縄文地名』、『空蝉の旅立(猫の寄り合い)』、『三浦半島と鎌倉の縄文地名』他
  • 戦国期の室町幕府
    4.0
    土一揆の勃発、足軽・町衆の台頭―― 戦乱の京都、民衆たちは歴史の表舞台に登場した 民衆が歴史の表舞台に登場し、日本文化の伝統が形成された戦国時代の京都。その実像とはどのようなものか。本書は山門と五山の争い、幕府財政、警察制度、徳政一揆等を素材に政治経済都市としての中世末期の京都を概観、応仁の乱後の自治都市成立までを精緻な論証に基づいて活写する。中世史研究に一石を投じ高い評価を得た幻の名著、待望の電子化。
  • 武田信玄と正室三条夫人 上
    -
    1~2巻440円 (税込)
    武田信玄とその正室三条夫人。 彼ら夫婦と言えば真っ先に彼らの息子武田義信の起こした「義信事件」ばかりが連想される。 そして彼ら夫婦の関係まで、まるでこの義信の起こした事件がその全てを物語るかのような扱いをされ、否定的に捉えられがちである。 そして改めて彼らの夫婦関係について注目される事もほとんどない。 だが実際には彼ら夫婦の結婚は「甲府五山」の存在を代表として、学問・文化・仏教、政治・軍事など信玄にとって多方面の収穫をもたらしたものであった。 また、三条夫人との結婚が武田信玄が戦国武将として大きく飛躍する強力な土台ともなった事も明らかである。 実際には信玄と三条夫人の結婚は多くの収穫があり、多くの注目すべき重要な意味が存在したのである。 現在の彼ら夫婦に対する一方的な否定的な見方に反論を試み、彼ら夫婦の関係及び信玄正室三条夫人に対する正当な評価を試みる内容である。
  • 大文字五山 殺しの送り火~新・京都殺人案内シリーズ~
    -
    京都の夏の伝統行事、大文字五山の送り火──。五つの山に点火されたその時刻、離れた場所で、五人の男女が殺された! 二十万人もの目撃証言から浮かんだ土井洸洋という男。彼は、すべて自分で殺(や)ったと自供した。だが、音なし警部補こと音川音次郎の苦悩は深かった。五カ所の同時殺人は実行不可能であり、それゆえ土井を起訴できないのだ!(表題作)和久峻三ミステリーの真骨頂。
  • カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 地形篇
    3.5
    東京の街は、意外と複雑な地形の上にできている。海に突き出した前方後円墳、谷底の渋谷駅、人工的に作られた御茶ノ水の渓谷、川を埋めて生まれた戸越銀座、消えた日暮里の坂など、山と坂、濠と川に彩られた東京の姿を古地図で紹介。さらに、「城南五山」をはじめ、麻布や高輪、本郷や目白など、あちこちの山の上に存在した華族や富豪の邸宅の移り変わりを解説する。一八〇以上の「都心の「山」のお屋敷」リストを収載。
  • 中国詩文論藪(東洋学叢書35)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 古代中国文学を、散文と詩のはじまりから、読み解く。 【目次より】 I 散文論 一 尚書とその周辺 二 正始の文章 三 柳宗元の生活体験とその山水記 四 日本留下来的両種柳宗元集版本 五 柳宗元「河間伝」 六 杜牧と伝奇 七 北宋名人の姻戚関係 晏殊と欧陽脩をめぐる人々 II 詩論 一 楽府「行」の本義 二 「春」「秋」之詞性 三 杜甫「城春草木深」の「春」について 四 「白日」の解釈 五 詩語の構造 杜牧のばあい 六 杜牧今体詩の一つの技法 「江南春絶句」詩を中心に 七 〓鼎孳論 八 陳維〓の詞 九 陳其年集の編集出版 十 徐履忱の伝記と詩 附録 書評 前野直彬『唐代の詩人逹』 中国社会科学院文学研究所編『唐詩選』 吉川幸次郎 桑原武夫『新唐詩選続篇』・倪海曙『唐詩的翻訳』 夏承〓『唐宋詞人年譜』 『浦江清文録』 解題 王弘撰『山志』 『聖宋千家名賢表啓翰墨大全』 『聖宋千家名賢表啓翰墨大全』解題補 北京円書館蔵本について 謝枋得『文章軌範』(官板) 『増修箋註妙選群英草堂詩餘』 『欽定詞譜』 あとがき 清水 茂 1925~2008年。中国文学者。京都大学名誉教授。京都大学文学部卒業。同大学院で吉川幸次郎に師事。 著書に、『語りの文学』『中国詩文論藪』『中国目録学』など、 翻訳・注釈書に、『唐宋八家文〈中国古典選〉』『韓愈 中国詩人選集11巻(第一集)』『王安石 中国詩人選集4巻(第二集)』『水滸伝 』(吉川幸次郎共訳)伊藤仁斎『童子問』伊藤仁斎『語孟字義・古学先生文集』伊藤東涯『古今学変』『中国文明選7 顧炎武集』『中国詩文選3 書経・春秋』『韓愈 世界古典文学全集 第30巻A・B』『新日本古典文学大系65 日本詩史・五山堂詩話』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 中国文学と日本 十二講(中国学芸叢書)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 遥か古代、漢字に接し、初めて文字を知った、われわれの祖先――。日本人と中国の古典との深い因縁を、漢詩の確かな鑑賞眼をもって考察し、日本における知識人と漢字文化の系譜を、飛鳥・奈良時代に始まり江戸の漢籍出版に至るまで、生き生きと描き出す。『古事記』や『日本書紀』にみる初期の漢文、『万葉集』に記された山上憶良の漢詩文、『懐風藻』の大半を占めた藤原不比等一門の権力と漢詩、平安時代の『句題和歌』や『新撰万葉集』における漢詩と和歌の関係、室町時代に武家階層の信仰を得た禅宗五山寺院による漢籍の出版と学僧の講義録、そして江戸時代における唐詩の営業出版と読書の大衆化へと、時代を追って中国古典文学の摂取とわが国独自の発展の歴史を明快に辿る。本という形態が岐路に立つ現代に、書物文化の育んだ豊かな実りをも伝える好著。 【目次より】抜粋 第一講 漢字との出逢い 「倭」の人々と文字 古代の文字資料 中国の文献にみえる記載 大陸との交流 『懐風藻』と『日本書紀』 『古事記』と『万葉集』 第二講 万葉歌人の漢詩I 山上憶良の漢詩文 大伴旅人と憶良 大伴家持と池主の漢詩文 など 第三講 万葉歌人の漢詩II 『万葉集』と『懐風藻』 長屋王の詩 藤原不比等とその一門の人々 藤原宇合の詩 第四講 漢詩と和歌 「詩」と「うた」 嵯峨天皇の勅撰三集 『新撰万葉集』 大江千里の『句題和歌』 第五講 漢籍の伝来と普及 「倭」から「日本」へ 遣唐使と書籍 『日本国見在書目録』 五山の僧侶と漢籍 五山寺院の書籍出版 第六講 五山学僧の漢詩講義I 律令制下の講学 五山寺院における講義  「江南春」詩の抄 「帰雁」詩の抄 「湘妃廟」詩の抄 「湘妃廟」詩余話 第七講 五山学僧の漢詩講義II 『古文真宝』の抄(『笑雲和尚抄』) 『古文真宝前集抄』 読書階層の拡大 第八講 江戸時代における漢詩の翻訳・翻案 営業出版のはじまり 森川許六の『和訓三体詩』 『和訓三体詩』の俳文 『六朝詩選俗訓』と『訳注聯珠詩格』 第九講 江戸時代の漢籍出版I 本屋仲間と板株 写本と刊本 本屋仲間と板株 「類版」をめぐる訴訟 嵩山房と『唐詩選』  『唐詩選』の重版事件 第十講 江戸時代の漢籍出版II 江戸嵩山房対京文林軒 『唐詩選』が「売買停止」に 幻の『唐詩訓解素本』 『唐詩国字弁』をめぐる「出入」 第十一講 『唐詩選』の和語解・画本など 嵩山房『唐詩選』の各種 『唐詩選』和語解の各種 四代目小林新兵衛という人 第十二講 文人と書商 古文辞派批判の新風 江湖派の文人と書商たち 書商たちの積極的関与 万笈堂英平吉と館柳湾 鵬外『伊沢蘭軒』にみえる書商 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 村上 哲見 1930年生まれ。中国文学者。東北大学名誉教授。専門は唐代から宋代の詩人研究。 京都大学文学部中国文学科卒業。 著書、訳書に、『李〓 中国詩人選集16』『三体詩 中国古典選』(全4巻)『宋詞の世界 中国近世の抒情歌曲』『宋詞研究 唐五代北宋篇』『科挙の話』『陸游-円熟詩人 中国の詩人12』『中国の名句・名言』『漢詩の名句・名吟』『中国文人論』『漢詩と日本人』『唐詩』『宋詞研究 南宋篇』『中国文学と日本 十二講』などがある。
  • 謎深き庭 龍安寺石庭 十五の石をめぐる五十五の推理
    3.0
    世界遺産、京都の龍安寺に枯山水の名園がある。その名は石庭。十五の石が何を基準にしてレイアウトされ、また何をテーマにしたのか分からないため、「謎の庭」「推理の庭」「ミステリアスな庭」とも呼ばれる。数百年もの間、多くの識者がいろいろな推理を提唱してきた。虎の子渡し、七五三、満月、星座カシオペヤ、朱山五陵、扇、心の字、京都五山、楽譜、豊臣秀吉石狩り、黄金比、遠近法……。このうち最も有名なのは「虎の子渡し」だが、十五の石と四匹の虎(親・彪・子・子)がどんな関係にあるのか誰も説明できないため、それ自体が「日本の謎」と見なされてきた。けれども、問題を次のように書き替えることで、この難問がついに解き明かされた──。「虎の子渡しと呼ばれるからには、四匹の虎(=四つの石)は実際に川(=白砂)を渡ったに違いない。そもそも、川を渡る以前、十五の石はどのように配置されていたのか?」。このように「虎の子渡し」を一種の暗号と仮定して推理を進めると、その背後から「龍と虎」が一対になった壮大な庭が姿を現したのである。それと同時に、長年にわたって庭園・建築・デザイン関係者を悩ませてきた、「秘密のレイアウト」もようやく解明された。謎解きの道具になったのは、清少納言の名と結びついた「智恵の板」と、当時使われていたL字型の曲尺である。十五の石は、八つの曲尺三角形でつくられる「龍安寺智恵の板」に従って、レイアウトされていた。本書は新旧「五十五の推理」を集大成して、石庭の核心に迫った。なぜ五十五なのか。それは、「十五の石」と「五十五の推理」を組み合わせることによって、宇宙全体を表現できるからである。石庭の作者の鋭く激しく熱い知性は、現代知識人の水準を遙かに抜いていた。
  • 日本印刷文化史
    5.0
    日本において「印刷」は、社会に、文化にどのような役割を果たしてきたのか。最古の現存印刷と言われる、『続日本紀』にも記された法隆寺の「百万塔陀羅尼」(770)から始まり、木版、金属による活版、写真植字機の誕生、現代のコンピューター組版まで、1200年を超えて発展し続ける印刷の歴史を、個人の趣味・鑑賞から出版業の誕生、マスコミへの発展、行政・教育・学術に果たした役割を通し、技術の変遷・発展とともに体系立てて振り返る。印刷博物館創設20周年記念出版。 序論――学としての印刷文化を目指して 1部 古代 1章 奈良時代に始まった日本の印刷 2章 平安時代の印刷――ミッシング・リンク、宋版輸入、仏教版画 2部 中世 3章 鎌倉時代の印刷――本格化する寺院の開版 4章 五山版と武士による印刷の広がり 3部 近世 5章 朝鮮出兵――朝鮮伝来活字はなにをもたらしたか 6章 徳川家康を中心とする印刷・出版合戦 7章 嵯峨本と近世木活字版 8章 京都・大坂・江戸 三都出版物語 9章 印刷が広げた江戸時代の行動文化――旅を助けた書物、版画、摺り物 10章 諸学の発展と教育の広がり 11章 学問の進展と印刷――本草学から植物学へ 12章 鎖国と行列――オランダ、朝鮮、琉球、アイヌ 13章 改暦と印刷 14章 江戸の三大改革と印刷――為政者と庶民の関係から 4部 近代 15章 開国から明治維新へ――新時代のイメージを広げた図版印刷 16章 戊辰戦争、そして明治政府による改革へ――幕末明治の活字文化 17章 「描く技術」を伝える 18章 資本主義社会と大衆文化の成立――大正時代の印刷 19章 戦時における印刷の功罪 5部 現代 20章 高度経済成長と素材のバリエーション 21章 大量消費社会と印刷――効率化と標準化の時代 22章 日本の図書館の歴史 コラム「天正少年使節は木製印刷機をはこぶ」「和装本から洋装本へ」ほか 印刷のワザとモノ――日本印刷史の基礎知識――
  • 分県登山ガイド3 宮城県の山
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ふるさとの山々を網羅した、大好評の分県登山ガイドシリーズ『宮城県の山』。 20年ぶりにパワーアップして完全リニューアル! シリーズ累計200万部突破の大人気「山」ガイド。 地元や郷里、馴染みの深いエリアや現在お住まいの都道府県の山々を楽しむことができます。 地図が大きくなり、情報もより充実。 コースタイムは往路、復路の二通りを記載。 体力度は共通のグレーディング算出方法で全国を統一しましたので、よりわかり易く、より参照しやすくなりました。 倍増した「チェックポイント」では、登下山口、分岐点などの重要ポイントを写真でご紹介。 主要山岳については一筆書きでの1コースだけでなく、複数の登山道も網羅しています。 魅力的な山頂展望写真も掲載しています。 【主な紹介山岳・コース】 栗駒山(東栗駒コース、御沢コース、裏掛コース) 須金岳、荒雄岳、禿岳、大柴・花渕山、翁山(翁峠)、最上街道軽井沢越、 船形山(前船形~船形山~蛇ヶ岳、升沢小屋~船形山~蛇ケ岳~三峰)、 北泉ヶ岳、泉ヶ岳、寒風山・白髪山、小東岳、大東岳、神室岳、三方倉山、 雁戸山、熊野岳、屏風岳、後烏帽子岳、水引入道、不忘山・南屏風岳、蛤山、龍ヶ岳、 御駒山、大土ヶ森、薬來山、達居森、七ツ森、笹倉山(大森山)、 鎌倉山、権現森、蕃山、白沢五山、太白山、戸神山、大倉山、オボコンベ、 傾城森、青麻山、萬歳楽山、徳仙丈山、翁倉山、硯上山、石投山、金華山、 深山、鹿狼山、岩岳、鎌倉山、など全52コース。
  • 五山火のうつりて熱き唇を
    NEW
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    1巻1,485円 (税込)
    大正浪漫の前夜とも呼べる頃、貧しくも心の美しい青年が就職のために古都大津へやってくる。歌会で知り合った利発な女性と淡い恋を育みつつ、理不尽な仕事もこなしていく。しかし、体に異変が生じてくる。献身的な彼女の支えは、二人の絆を強固なものにするのだが……。著者の実家の蔵に残存していた百年前の手紙をもとに、琵琶湖のほとり近江地方の伝説にも重なる恋物語を誕生させた。
  • 愚道一休
    6/5入荷
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    「立派なお坊さんになるのですよ」 母の願いを受けて、安国寺で修行する幼い千菊丸だが、禅寺は腐敗しきっていた。怠惰、折檻、嫉妬、暴力。ひたすら四書五経を学び、よい漢詩を作らんとすることをよすがとする彼の前に将軍寵臣の赤松越後守が現れ、その威光により、一気に周囲の扱いが変わっていく。しかし、赤松は帝の血をひく千菊丸を利用せんとしていることは明らかだった。 建仁寺で周建と名を改め、詩僧として五山の頂点が見えたのにも拘わらず、檄文を残して五山から飛び出して民衆の中に身を投げる。本当の救いとは、人間とは、無とは何なのか。腐敗しきった禅を憎み、己と同じく禅を究めんとする養叟と出会い、その姿に憧れと反発を同時に抱えながら、修行の道なき道をゆくのだった。己の中に流れる南朝と北朝の血、母の野望、数多の死、飢餓……風狂一休の生そのものが、愚かでひたすら美しい歴史小説の傑作。

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