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5.0資産家である八嶋家の一人娘である百合は、大学卒業後、かねてから婚約中だった宇津木雅人と結婚したものの、いつになっても雅人と本当の意味での夫婦になることができずにいた。妻となったのに夫が手を出してこないのは、自分が大事にされているからに違いない――百合はそう思っていた。しかし、実は雅人には美冬という愛人がいて、出産したばかりだという事実が発覚する。夫と別れることを決意した百合。そんな彼女に、雅人の弟である悠馬が信じられない言葉を口にする。「兄のことは諦めてもらって、俺が代わりに君の〝夫〟になるのはどうだろう」 抵抗も虚しく、悠馬に抱かれてしまう百合。しかも悠馬はそのまま、百合を宇津木家の屋敷に閉じ込めてしまう。夫である雅人にさえ抱かれたことがなかった百合は、処女を奪われて心に深い傷を負う。しかし、悠馬に成されるがまま意に染まぬ行為を繰り返すうち、彼の細やかさ、冷ややかな見た目に反した情熱的な部分に、次第に戸惑いをおぼえ……。
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-父と兄から独善的な溺愛を注がれ続けた結果、自分の意見や感情を言葉にすることを諦め「意思なき人形」として育った侯爵令嬢ユリア。彼女はある日、王命により先の戦争で功績を上げた軍人伯爵・レオのもとへ嫁ぐことが決まる。父と兄はレオのことを「傭兵上がりの品のない元平民」と蔑んだが、ユリアはひと目で彼のことが気に入った。大きな体躯をした豪快な彼の中に、優しく温かな心があることを感じたから。しかし二人は結婚してすぐに大きな問題にぶち当たった。夜の営みが上手くいかないのだ。ユリア自身は特に不満などなかったが、レオはどうしてもユリアを絶頂に導きたいらしい。レオはあの手この手でユリアを絶頂に導こうと試行錯誤。その中で二人は身体だけでなく心の距離も縮めていき、レオの不器用ながらも熱烈な愛情表現はユリアの固く閉ざされた心を解放する。やがてユリアは自分自身の意志を取り戻すとともに愛し愛される喜びを理解するが……。
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4.3王立美術館の学芸員として働くクローディア。念願だった仕事がようやく軌道に乗り、上機嫌で恋人の自宅へ向かった彼女はそこで、恋人の浮気を目撃してしまう。ショックと怒りで混乱した感情のまま町の酒場に飛び込みひとりで呑んだくれていると、見知らぬ男性から声をかけられる。舞台俳優のように美しいその男性は、クローディアの身に起きた最悪な出来事に耳を傾けてくれた。彼と言葉を交わしているうち落ち着きを取り戻したクローディアは、互いの名前も知らぬままに彼と一夜を共にしてしまう。その日を境に、彼とのセフレのような関係が始まった。しかしクローディアは彼に「ディア」としか名乗らなかった。彼の名乗った「エヴァン」という名もきっと、偽名なのだろう。そんな関係が続いたある日、クローディアはとうとう彼の正体を知ってしまう。エヴァンは第三王子だったのだ。身分の差に愕然としたクローディアはエヴァンの前から姿を消すが……。
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3.0両親が急逝し3年前に王位を継いだエデルガルト。有能な彼女は周囲には冷めた女性というイメージを与えるが、実際は人一倍乙女。元近衛騎士・ジークフリートへの初恋をいまだに胸に秘め続けていた。そんなエデルガルトに大臣たちから王配を迎えるべきだとの声が届き始め、どうしても初恋を捨て切れないエデルガルトは、戦地で功績を収めたジークフリートへ王配になってほしいと思いの丈を打ち明ける決意を固める。しかし、エデルガルトの切なる思いに対するジークフリートの答えは「お断りします」のたった一言だった。エデルガルトが王位を継ぐ以前の彼は、友人のようにエデルガルトに接してくれていた。けれど今の彼からは、忠誠心は感じられるが以前のような温かな親しみは消えてしまっていた。それを悲しく思いつつも、仕方のないことなのだと自身に言い聞かせるエルデガルト。そんな彼女に、とある大臣が王配候補として自身の息子を推しはじめ……。
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2.0「覚醒者」と呼ばれる超感覚や異能をもつ者を多く輩出してきた伯爵家の長女リュミエラ。通常は思春期に能力を開花させるにもかかわらず、18歳となった今も彼女は覚醒できていない。兄や妹はすでに優秀な覚醒者として頭角を現している一方、リュミエラは焦り、自信を喪失していた。そんな中、招かれたパーティでリュミエラは暴走状態に陥った覚醒者――王弟アルセリオに出会う。彼を介抱する過程で、リュミエラは彼の深層意識に潜りこんでしまう。するとアルセリオは、情熱的に口づけをしてきて……。リュミエラはそこで、自分が覚醒者ではなく、覚醒者と肌を触れ合わせることで彼らを癒す存在「調律者」であること知る。己の存在意義について戸惑いを覚えるリュミエラ。そんな彼女にアルセリオは、自分を調律できる者はリュミエラただ一人だけであると告げ、専属の調律師にと望んで……。
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3.5王女クローディアは宰相レナードのことが大好き。幼い頃から毎日、彼にプロポーズしているのに、レナードは相手にもしてくれない。それでもクローディアは彼のそばにいられるだけで幸せだった。王女である自分はいずれ、望まぬ相手と政略結婚をしなければならない。それを理解しているからこそ、彼と過ごす毎日がたまらなく愛おしかったのだ。そうして迎えたクローディアの18歳の誕生日。父王から宰相レナードが主体となってクローディアの結婚相手を探せと王命が下される。クローディアはレナードを選定役から外してほしいと懇願するが、レナードはこれをあっさりと快諾してしまう。レナードには選定役ではなく結婚相手候補でいて欲しかったクローディアの胸はズキズキと痛むけれど、そんなことはお構いなしにお見合い三昧の毎日が始まる。レナード以外と結婚したくないクローディアは見合いを断り続けるが、優秀なレナードは次々と見合い相手を見繕ってきて……。
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5.0モンドヴァン辺境伯・ガブリエルの妹であるセリーヌの侍女として働いているジュリエットは、主であるセリーヌから仮面舞踏会に潜入しようと誘いを受ける。じつはジュリエットはガブリエルに秘かに想いを寄せており、それを知っているセリーヌは彼女に協力しようとしてくれたのだ。こうして、セリーヌの提案に乗り素性を隠して仮面舞踏会に参加したジュリエット。会場の隅からガブリエルを眺めているだけで満足だったのに、なぜかガブリエルに誘われ一夜を共にしてしまう。一夜限りの関係と割り切り、正体を明かさぬまま彼と別れたジュリエットは翌日からメイドとしての日常に戻った。しかしガブリエルは納得していなかったようで、その夜以降、社交界ではこんな噂が広がっていく。「辺境伯が仮面舞踏会に現れた名乗らずの令嬢を捜している。いよいよ身を固めるつもりだ」と。自分が名乗らずの令嬢だと絶対に悟られるわけにはいかないジュリエットは……。
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-没落の一途を辿る伯爵家の令嬢・ディーナは第二王子・ルカと結婚した。しかし婚姻の儀が執り行われる聖堂にはディーナの姿しかなかった。じつは夫となるルカはすでに亡くなっており、ディーナは王子の死を嘆く王妃に望まれ、死者に嫁ぐ花嫁となったのだった。婚姻期間は半年。その後ディーナは離縁されることが決まっている。この婚姻でディーナが得るのは莫大な金銭。その金銭は傾いたアレゴリ伯爵家を立て直す資金となるのだ。婚姻期間を離宮で過ごした後、譲り受けた王太子領に居を移したディーナは狩りの最中、頭に怪我を負い倒れている男性を見つける。男性はヴィジリオという自身の名前以外の記憶を失っており、怪我が癒えるまでディーナの自宅で介抱することに。こうして、素性のしれぬ男性との奇妙な二人暮らしがはじまったが、ディーナにとってこの暮らしは悪いものではなかった。むしろディーナはヴィジリオに惹かれている自身に気がつき……。
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-美しい髪を見初められ、王子との婚約が決まったリア。しかし挙式が数日後に迫ったある日、リアと共に王太子妃候補だった令嬢により、リアの髪は無惨に切り落とされてしまう。王子は美しい髪を失ったリアへの興味を失い、婚約は破談。髪を失ったことで自らを醜い無価値な存在だと思い詰めたリアは、ひと目を避け屋敷に引きこもった生活を送るようになる。そんなリアに、とある侯爵から縁談が持ちかけられる。すっかり生きる気力を失っていたリアは相手も確認せぬまま「結婚式は挙げない・社交界には同伴しない・夫婦別室・夜伽は暗闇で」という条件付きで縁談を受け入れる。そうして迎えた初夜。初めて自身の夫と対面したリアは驚く。相手は「氷の侯爵」として有名なエルリック・レオニード侯爵だった。なぜ自分が見初められたのか? その理由がわからず困惑するリア。しかしエルリックはまるで大切な宝物に触れるかのようにやさしくリアを抱いてきて……。
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4.0貴族令嬢のロゼッタには5歳年上の婚約者がいる。相手は騎士のリーヴィス。10歳の頃に婚約を交わして以来、ロゼッタは彼だけを想い続けてきた。それから10年が経ちロゼッタは成人を迎え、誕生日当日には、リーヴィスのエスコートで夜会に行くことになっていた。そんなロゼッタに友人の令嬢が甘い囁きを落とす。「今度の夜会には恋人たちが2人きりの時間を過ごすための特別な部屋が用意されているの」 リーヴィスとの関係が大人なものに変化するかもしれない。そんな甘い期待を胸に夜会に向かったロゼッタだったが、忘れられない夜になるはずだった夜会は台無しに終わった。例の「恋人たちの特別な部屋」に入れたのに、リーヴィスはロゼッタに触れようともしなかったのだ。この夜から、ロゼッタの心に小さな不安が芽生えた。「リーヴィスはいまだに、私を妹として見ているのかもしれない」 思い詰めたロゼッタは大人の女性として見てもらうべく奮闘するが……。
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-村唯一の診療所の娘・シンシアは父を手伝い、怪我人や病人の世話をして過ごしていた。ある夜、怪我を負った隊商が診療所を訪れ、治療のため数日間滞在することとなる。その中のひとり、アイザックという美しい青年にシンシアは惹かれ、彼との交流を通して村の外の世界に興味を持ちはじめる。しかしアイザックは傷が癒えると村から去ってしまった。別れを淋しがるシンシアに「また来るから」と言い残して……。彼らが去ってから少しすると村には王都から官僚が訪れるようになった。村長に脱税の疑いがかかっているらしい。村長はその罪をシンシアの父になすりつけようと画策し、官僚の疑いはシンシアの父に向く。窮地に立たされたシンシアたちを救ってくれたのは、アイザックだった。別人のように立派な正装をして現れた彼は、威厳に満ちた言動で村長の罪を暴いていく。なんと彼は宰相の息子、貴族だったのだ。アイザックとの身分差を知ったシンシアは……。
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3.0伯爵令嬢のアリーシアは10歳の時に母親を病で亡くした。1年後、父は愛人である平民の女性・シャンタルと再婚。ふたりの間にはすでにアリーシアより2歳年上の娘・ドロテアもいた。ふたりはアリーシアのことを憎み虐げ、ドレスも部屋も奪われ、屋根裏部屋に寝起きする生活が3年も続いた。挙げ句、14歳になったアリーシアはドロテアの画策により、辺境の地にある荒れ果てた屋敷の門前に放置されてしまう。人食い人間が暮らしていると噂される屋敷の前で途方に暮れていると、一部始終を見ていた屋敷の主が救いの手を差し伸べてくれた。ルーディと名乗る屋敷の主は噂とは異なる若く美しい紳士だった。どうやら噂は悪意を持って広められたものらしく、その噂のせいで人間嫌いになってしまった彼は、ひと目を避けてひっそりと暮らしているのだという。実家に居場所のないアリーシアはルーディに提案されるまま、彼の屋敷で彼と共に暮らすことを選択するが……。
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2.0魔法は使えないが料理が大好きなリゼルは、食堂で働く明るく元気な看板娘。ある日、裏路地でひとりうずくまる身なりの良い少年に出会った。彼の名はデミアン。なんと、王国屈指の名家・アードレイン公爵家の若き当主だった。迎えに現れたのは、デミアンの叔父で後見人の王立魔術騎士団団長・ノクティス。ひょんなことからリゼルはそのままデミアンのお世話係として公爵邸に住み込むことに! 両親を亡くし、幼くして家門を背負うデミアンの寂しさに胸を痛めたリゼルは、ノクティスに一緒に屋敷に住むよう提案する。渋々受け入れた彼と共に過ごすうち、冷徹だと思われたノクティスの不器用な優しさや、ニンジン嫌いという意外な一面にも触れ、いつしかリゼルは恋してしまったことに気づく。お世話係が必要なくなったら、ここを去らねばならないのに――。そんななか、かつてデミアンの両親の命を奪った魔獣が再び現れ、ノクティスは討伐へと出向き……。
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4.5近衛騎士として姫に忠誠を誓うベルタは恋愛未経験。色恋への興味はあれど、機会がないまま24歳まで生きてきた彼女の愛読書は恋愛小説で、経験がないからこそ恋に恋する乙女思考をこじらせ続けているのだった。そんなベルタに姫から困った相談が……。「閨で殿方に気に入られるには、どうしたらいいの?」 当然、処女であるベルタは頭を抱え、考えあぐねた末に書物から知恵を授かることを思い立つ。図書館へ赴き司書のゲラルトに事情を説明すると、彼は納得いかない様子でこう言った。「あなたは書物から得た付け焼刃的な知識で姫をごまかすのですか?」 その言葉に衝撃を受けたベルタ。たしかに書物の内容をそのまま報告するのは不誠実。まずは自らが経験したうえで姫に進言すべきだろう。「そうと決まればまずは男娼を買おう!」と思いついたベルタに、ゲラルトが提案する。「それなら私がひと肌脱ぎましょうか」 こうしてベルタは姫のため、ゲラルト相手に閨の実践を試みるが……。
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3.0西アラヴィーツ王を父に持ちながら、妾の子であることを理由に虐げられて生きてきたソライア。以前より続いていた東アラヴィーツとの戦争が激化したことで、現国王である腹違いの兄・アレッシオから敵国将軍の暗殺を命令される。娼婦になりすましターゲットである将軍・エルドランと2人きりになることに成功したソライアだったが、彼の絶技に翻弄され間者であることがバレてしまう。命からがら逃げ帰ったソライアを待っていたのは、作戦の失敗に激高したアレッシオによる激しい折檻だった。頭から血を流したまま幽閉されたソライアは死を覚悟するが、そこへ思いもよらぬ人物が現れる。それは娼館でソライアに激しい快感を味わわせた東アラヴィーツの将軍・エルドランで……。
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3.7王女であるフィリーネは優秀な騎士である公爵、クライドに恋をしている。けれどフィリーネはこの恋を諦めていた。王家へ忠誠を誓うクライドが自身のことを恋愛対象として見ることなどあり得ないと……。そんなフィリーネも年頃となり、隣国の王子との間に縁談が持ち上がる。それを承諾したフィリーネに兄・ユリアスは惚れ薬をくれた。望まぬ結婚だとしても惚れ薬を使えば相手のことを好きになれるかもしれないと。惚れ薬の効果を見定めるため、フィリーネの20歳の誕生日パーティで、ユリアスとこっそり試飲する計画を立てる。しかし惚れ薬の入った酒を誤ってクライドが飲み干してしまったことで、事態は一変する。クライドはたちまち体調を崩し、慌てたフィリーネはクライドを休ませるためひと気のない部屋へ彼を運ぶが、その間も彼の呼吸は激しく乱れ、身体はますます熱を帯びていく。医者を呼ぶべきか……狼狽えるフィリーネにクライドは突然キスをしてきて……。
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4.2男爵令嬢のリディアーヌは、婚約者から婚約を解消されてしまう。理由は「他の男に色目を使った」から。波打つ金の髪に真っ赤な瞳。年齢より大人びた美しい顔立ち。そして女性らしい曲線美を誇る身体を持つリディア―ヌは、その見た目から身に覚えのない噂を立てられてばかりだった。婚約破棄だけでも辛いというのに、時を同じくして知人に騙された父が、膨大な借金を作ってしまったことが発覚。使用人の賃金も払えないほどに困窮してしまい、思い詰めたリディア―ヌは「もう身体を売るしかない」と考えるようになっていた。そんな時、リディアーヌは宰相から「王太子の閨教育係」を打診される。女嫌いで有名な王太子ジェラルドは、閨教育係を次々と首にしてしまい、困っているのだという。「経験豊富な君になら、閨教育を任せられる」と噂を信じきっている宰相に「実は処女です」と真実を告げることができないリディア―ヌは……。
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2.5アンリエットはすべての記憶を失った状態で目を覚ました。階段から足を踏み外した拍子に頭を強打し、3日間意識を失っていたらしい。そう説明してくれたのは美しい紳士・ディラン。彼はアンリエットの夫だという。しかしアンリエットはディランの態度に違和感を覚える。夫婦にしてはやけによそよそしいのだ。じつは両家の間には深い因縁があり、ふたりの結婚は関係修復を図った王命によるものだった。義母には歓迎されておらず、アンリエットは「3年たっても子ができなければ離縁する」と言い渡されていたようだ。けれど記憶を失ったアンリエットには、そんな過去の事情を簡単に受け入れることができなかった。「ディアンとの関係を修復し、結婚3年目までに身籠ってみせる!」 そう決意したものの、タイムリミットまではあと半年しかない。アンリエットは手始めに、ディランとの間にある壁を壊そうと動き出すが……。
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3.7アリア=メリーゼルは男爵家の一人娘。貴族でも自由恋愛が主流となってきたなかで、控えめで自分の容姿にも自信がないアリアは、華やかな女性たちを眺めては心を痛め、社交の場に出ても壁の花として一人でいることが多かった。家族はそんなアリアを温かく見守っていたが、いつまでも家族に甘えているわけにはいかないとアリアは自分を奮い立たせ、今日もまた夜会にやってきたのだった。そこへ、白い騎士服を着こなした美しい青年が声をかけてくる。多くの優秀な騎士を輩出するウェズリー侯爵家の嫡男、イグニス=ウェズリー。国中の令嬢が憧れるイグニスは、声をかけられ呆然とするアリアに「可憐だ、着ているドレスも似合っている」と告げ、ゆっくり話がしたいと屋敷に招待する。まさかの出来事に、動揺しつつも約束の当日を迎えたアリア。ところが、皆の憧れのイグニスには、とある秘密があって……。
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4.2伯爵令嬢のエセルには複雑な想いを寄せる相手がいる。それは兄の友人であるアイザック。騎士を務めている彼は美しく紳士的で、女性たちの憧れの的だった。エセルにとってアイザックは初恋の相手であり現在進行形の想い人だったが、アイザックはエセルのことを子ども扱いにしてばかりで、他の令嬢には紳士的なのに、エセルに対してだけは少し意地悪なのだ。だからエセルも素直になることができず、アイザックには反発してばかりだった。そんなある日、エセルは級友である伯爵子息のトマスから、「昔から好きだった」という告白とともに結婚を申し込まれる。アイザックを忘れる良い機会かもしれないと思ったエセルは、トマスとの婚約を前向きに考えることに。しかしアイザックはそんなエセルの決断に否定的な態度を示す。「トマスは財産が目当てでエセルのことを好きなわけじゃない」と決めつけられたエセルは深く傷つき、アイザックを突き放してしまい……。
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2.8王立図書館で司書をしているリズリーンは、チャラ騎士・ヘルムートに辟易としていた。彼は女性から注目を集める美青年だというのに、いたって平凡な女性でしかないリズリーンに、なぜかしつこく言い寄ってくるのだ。しかし戦争が起こり、ヘルムートも従軍。一年の後に戻ってきた彼は、顔に負った傷を隠すため仮面をつけ、別人のような陰キャに変貌していた。リズリーンはそんなヘルムートを憐れに思いつつもキュンとしてしまう。実はリズリーンは、陰のある美青年が大好きなのだ。人の不幸にトキメキを覚えるなんて、と罪悪感を覚えつつもヘルムートにどんどん惹かれていくリズリーン。けれどヘルムートは顔に残る傷跡を気にするあまり、リズリーンとは距離を置くようになる。そんな中、図書館内でリズリーンが何者かに襲われる事件が発生する。犯人は逃亡し、またいつ襲われるともわからないリズリーンには、護衛としてヘルムートがつくこととなり……。
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4.0アデライン帝国の第三王女でありながら、不吉の象徴とされる赤い瞳を持って生まれたリディア。母と共に城を追い出された後、母が病で亡くなり、今はひとりで平民として暮らしていた。そんなある日、リディアは城へ呼びだされ、王から「エルファランド王に嫁ぎ、その命を奪ってこい」と命令を受ける。アデライン帝国は隣国・エルファランド王国との戦いに敗れたばかりだった。王はリディアを刺客として利用しようと目論んだのだ。『伴侶を殺さなければ3カ月で死に至る呪い』をかけられたリディアは断ることもできず、毒の入った小瓶を隠し持ちエルファランドへ。しかしエルファランド王はすでに王妃を娶っており、リディアは宰相・アレクシスへと下賜されてしまった。リディアは『伴侶』となったアレクシスを誘惑しようとするが、不健康そのものの身体から王女として育てられた女ではないことを見破られてしまい……。
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4.4若くして傾きかけた伯爵家の家督を継いだゲラルトは、家を立て直すことに奔走し続けた結果、30歳にして未婚だった。結婚を決意したゲラルトに、友人であるモーリッツが縁談話を持ってきた。相手はモーリッツの妹である伯爵令嬢のフリーダ。彼女は25歳にして初婚だという。「良い家柄でありながら25歳まで未婚だなんて、きっと訳ありだ」と周囲から心配されつつもフリーダと顔合わせをしたゲラルトは、フリーダの聡明さに惹かれていく。女性慣れしていないゲラルトのエスコートはスマートではなかったが、フリーダは気にした素振りも見せず、ゲラルトとの縁談を前向きに受け入れてくれた。フリーダとの交際は順調だったが、ゲラルトには気がかりなことがあった。それはフリーダが25歳まで未婚だった理由と、彼女が時折見せる悲しげな表情の理由。そんなある日、ゲラルトはフリーダの秘密を知ってしまう。それは、過去に婚約者を寝取られたというもので……。
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4.49歳の頃、目の前で両親を殺害されたエフィローネ。天涯孤独となった彼女を引き取り育てたのは、父の友人であるイスファングだった。それから11年。20歳を迎えたエフィローネは社交界でも噂の美女に育っていた。エフィローネの実家、ヴィアス伯爵家を復活させたいイスファングは、エフィローネに良い婿を取らせようと試みる。が、縁談はなかなかまとまらない。美しいエフィローネを求める貴族子息はあとを絶たなかったが、なぜかどの縁談も子息側から破談にされてしまうのだ。予想外の事態にイスファングは首をひねるが、エフィローネは大満足。なぜなら、破談はすべて「結婚相手はイスファングだけ」と心に決めたエフィローネにより仕組まれたことだったのだ。しかしイスファングにとってエフィローネは娘同然。彼女の想いになど気づきもしない。それでも諦めないエフィローネは、まずはイスファングに女として意識してもらうべく作戦を立てるが……。
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4.4侯爵令嬢マリエルは今日も憂鬱な気分で溜め息をついた。婚約者である王太子・デリックは、偶然出会った街娘のイーリカに心を奪われ、マリエルとの約束も何度も反故にして、足繁く彼女のもとへ通っている。限界が近づいていたマリエルは、ある時、優秀と名高い王立騎士団の副団長ライオネルからの視線に気づく。それ以降、互いの姿を見かけては視線を送りあう日々。ライオネルの視線には少しずつ熱がこもり、マリエルもまた秘密のやり取りに心を揺らしていた。そんなある日、舞踏会で気分が悪くなったマリエルはライオネルに介抱される。二人きりで言葉を交わすなかで、マリエルは彼に淡い期待を寄せていることに気づく。ライオネルもまた焦がれるように自分を見つめていることに気づいたマリエルは思ってしまった。「私が欲しいなら―――どうか奪って」
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4.7ザクセン帝国アバロフ侯爵家の嫡子であり、皇太子の側近であるエルヴィンは皇太子の命により妻を娶った。相手はつい先日ザクセン帝国に敗れたばかりの隣国・リンドール大公国の伯爵令嬢レティアナ。リンドール大公国を統治する地盤を固めるため、公女との婚姻を求めていた皇太子だったが、肝心の公女は戦時の混乱に乗じて行方不明。そんな最中に見つけ出されたのがレティアだった。レティアナの境遇を憐れに思ったエルヴィンは、仮初めの夫婦として過ごし、ほとぼりが冷めた頃に離婚しようと提案する。しかしレティアナはそれを拒絶。さらには処女を散らしてほしいと懇願してきた。その理由は「亡霊に襲われないため」。亡霊を恐れ、涙を流すレティアナの姿に目を奪われたエルヴィンは、求められるままに彼女を抱いてしまう。この時のエルヴィンはまだ知らなかった。レティシアの抱える大きな秘密、そして彼女が清らかな身体を差し出した本当の理由を……。
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3.9男爵令嬢のセルセラは母を早くに亡くし、父と二人で生きてきた。そんな父が再婚し、セルセラには義妹ができた。義妹の名はルムア。ルムアには夢見の能力があり、ルムアが言うには「セルセラは王子殿下と結婚する」運命にあるらしい。なんて大迷惑な話! 留学を夢見ているセルセラは、ルムアの予知夢を回避するため、ルムアを王子の婚約者にしようと画策する。努力の甲斐あり、ルムアと第一王子の間に良いムードができつつあることを確信したセルセラは、保険とばかりに自分も「適当な」婚約者を作ることに。セルセラが狙いを定めたのは近衛騎士・ジュアル。この近衛騎士はおそらく貴族ではない。男爵家からの求婚は断りにくいはず、と考えてのことだった。セルセラの思惑通りジュアルは婚約を受け入れてくれた。しかもセルセラの留学も快諾し、留学前に式を挙げてしまおうとまで言ってくれた。しかしそんなジュアルの態度に、セルセラは違和感を覚え……。
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4.8伯爵令嬢のアレクシアは、何者かに殺害された父の死の真相を探るため、男と偽り騎士団に所属している。優れた剣術の腕を持っているアレクシアは、男性にも劣らぬ長身と中性的な美貌も手伝い、仕官するや否や令嬢たちの人気者になっていた。それが災いし、夜会の警備にあたっていたアレクシアは見知らぬ令嬢から媚薬を盛られてしまう。なんとか逃げることに成功したアレクシアだったが、上官である騎士団長・ギルバートと合流したところで意識を失う。次に目を覚ました時、アレクシアはギルバートに女性であることを知られていた。媚薬に翻弄されるまま、関係を持ってしまったらしい。しかもアレクシアに盛られた媚薬は効果が持続するもので、体内から完全に抜けるまで不定期に発情してしまうという。それを知ったギルバートは、アレクシアを自身の秘書官に任命し、媚薬による発情が起こるたび自らの身体でアレクシアを慰めてくれるようになるが……。
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5.0深窓の令嬢、薄幸の美人と誉めそやされるフィオナ。しかしそれは見た目だけで、実際の彼女は乙女向け過激恋愛小説が大好きで、「いつか雄々しい男性に思い切り愛されたい……」と言葉にはできないような妄想を楽しむ健康的な女性だった。フィオナは勇猛果敢な騎士団長として誉高いウォーレンに恋をしていた。逞しい体躯と顔に残る大きな傷がため、令嬢たちからは野獣と呼ばれていたが、フィオナにとってはドストライク。いつも遠くから彼の姿を眺めていた。そんなフィオナに、ウォーレンから求婚があった。もちろんフィオナは快諾し、ふたりは晴れて婚約を結ぶ。ウォーレンはフィオナを紳士的にエスコートし、デートのたびに甘い言葉をくれたが、フィオナはなぜか彼の態度に違和感を覚えるようになる。そしてフィオナは気づいてしまった。ウォーレンの口にする甘い言葉、それらはすべて、フィオナの愛読書である乙女向け過激恋愛小説のセリフだということに……。
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4.4ファラーデ侯爵家の二女・クラリスは絶世の美女だった。その美しさは誰をも虜にし、それは姉の婚約者でさえも例外ではなかった。三回も妹に婚約者をとられた姉は、とうとうクラリスに怒りをぶつけ、両親はこの状況に疲れ果てていた。「もう、相手は誰でもいいから早く嫁いでくれ」とまで言われ、クラリスは絶望する。しかしそんな折、クラリスは恋をした。相手はニール・ケインズ伯爵。文官という花形とはいえない役職についているせいか、あまり目立たないが、彼は唯一クラリスを容姿で判断しなかった。「どうせ結婚するならニールがいい!」 狙いを定めたクラリスは行動を起こす。ニールが仕えている王太子・エイベルはクラリスにとっては兄にも等しい幼なじみだ。クラリスは王太子エイベルの協力のもと、ニールと偽装婚約を交わすことに成功する。偽装婚約の期限は姉の結婚式まで。それまでにクラリスは、ニールのハートを射止めることができるのか。
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3.9ある舞踏会の夜。ユスティーナは秘かに想いを寄せている相手、エルヴェスタム公爵と遭遇する。酒が過ぎたのか苦し気な彼を介抱するため近づくと、エルヴェスタム公爵は「貴女のことが好きだ」と愛の言葉を囁いてくる。好きな人から求められる喜びを知ったユスティーナは、そのまま彼と一夜を共にしてしまう。しかし翌朝、エルヴェスタム公爵が発した言葉はユスティーナを凍りつかせた。彼はユスティーナのことをマルティナと呼んだのだ。マルティナはユスティーナの双子の妹だった。彼の想い人はマルティナだった。自分はマルティナの代わりに抱かれたのだと知ったユスティーナは絶望する。けれどこの後、エルヴェスタム公爵がとった行動は、ユスティーナをさらに絶望させる。彼は責任を取るため、ユスティーナに結婚を申し込んだのだ。「妹のことを愛している想い人に、義務感から娶られた妻」という残酷な立場に立たされたユスティーナは……。
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2.6年頃の令嬢たちが戦争の英雄である「氷の騎士様」に夢中になるなか、子爵令嬢のメルは読書に勤しんでばかり。ある日、メイダンス公爵夫人の読書会に参加したメルは、書斎でひとりの青年と出会う。読書の途中で居眠りをしてしまったのだろう彼の手には読み止しの本があり、メルは彼を起こさぬようにそっと栞を挟んで、書斎をあとにした。メルにとって、それはとても些細なことだった。しかしメルのこの行動により、メイダンス公爵家では小さな事件が起きていた。書斎で居眠りをしていたのは、国中の令嬢が熱を上げている「氷の騎士様」ことカルディア・メイダンス。彼は数多の女性に言い寄られ続けたことで女性嫌いとなり、誰に対しても冷たい態度を取っていた。そのカルディアが、メルに好意を抱いたのだ。といってもカルディアはメルを知らない。「栞を挟んでくれた、小柄で薄金色の髪をした令嬢」 ただそれだけを手掛かりに、カルディアの令嬢探しが始まるが……。
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3.3フィデアリア国の第二王子・リヒトの側にはいつも、有能なメイドが控えている。彼女の名はシーナ。通常のメイド業務のほか、リヒトが出席する会議のセッティングに資料作成、国外からの書類の翻訳、鍛錬の相手など、ありとあらゆる王子のサポートをこなしている。周囲の人々は有能なシーナのことを「どこぞの没落令嬢だ」「先代国王の隠し子だ」と噂したが、シーナの素性を知る者は誰一人としていなかった。ある日、年頃になっても結婚しようとしないリヒトの妃選びのため、国中の美姫が城に集められた。結婚する気のないリヒトはシーナに泣きつくが、シーナは「妃候補の指名はお早めにしてください」と取り合わない。追い詰められたリヒトは行動に出る。妃候補を決めたのだ。「公私ともにパートナーになってくれ!」 リヒトが選んだのはシーナだった。しかし情熱的な告白を受けても、シーナの淡々とした態度は崩れない。果たしてリヒトの妃の座は……。
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4.4伯爵家に生まれながら、両親亡きあと、後見人の叔父から屋敷を追われた幼い兄妹のジーモンとベアトリーチェ。それから12年。逆境の中で商才を開花させた兄のジーモンは、新たな事業で起こした事故がもとで倒れてしまった。多額の負債を抱え、医療費の支払いにも困窮して途方に暮れるベアトリーチェに、見知らぬ赤毛の男が治療費と負債を全額負担する代わりにと、ある契約を持ちかけてきた。条件を聞くことすら許されないまま、兄を助けるためにベアトリーチェはその場で契約を受諾した。そして示された条件とは、国王の子を産み、その後は他言無用で立ち去ること……。やがて現れた「国王」とは……。
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4.0第二王子の筆頭婚約者候補だった侯爵令嬢のアイリーンはある日、第二王子から別の伯爵令嬢と婚約すると告げられる。アイリーンの縁談がダメになったと知るや否や、父は直ぐに別の婚約話を持ってきた。その相手は宰相の腹黒息子・リカルドだった。リカルドのことが苦手なアイリーンは「こんな縁談あり得ない!」と大憤慨。リカルドも同じ気持ちだろうと考え、破談にすべく手を組まないかと持ちかけるが、なぜかリカルドは縁談に乗り気の様子。そしてリカルドは一つの賭け事を持ち出してきた。「先に惚れたほうが負け。オレが負けたら婚約は白紙にしてあげるよ」 一体なんの意味があってそんな賭けをするのか? リカルドの真意を理解できず戸惑うアイリーンだったが、彼女にはもう後がない。賭けに乗らなければこのまま婚約させられてしまうのだ。こうしてアイリーンは婚約を破棄すべく、理解不能な「賭け」をスタートするが……。
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3.0愛ある結婚を夢見るシーラ。だが容姿に自信がないうえに、厳格すぎる母の管理下で流行のドレスを着ることもできず、自分は社交界で一番冴えないとさえ思っている。そんなシーラに縁談が持ち上がった。相手は次期公爵のルーファス。眉目秀麗で紳士的に振る舞う彼を、シーラは好きになってしまった。コンプレックスを拭いきれないシーラは、どんなにルーファスに優しくされても「彼の言動には裏があるのでは?」と勘ぐる癖が抜けきれない。ルーファスからの求婚を受けても「いつか婚約破棄されてしまうのでは」と怯えている。そんなある日、シーラは従兄に誘われた詩の朗読会で、ルーファスには身分違いの美しい恋人がいるという噂を耳にする。やはり愛のない貴族同士の結婚だったのだと諦めかけたシーラの心を動かしたのは、元は高級娼婦だったという詩人の美しさと彼女の紡ぐ官能的で奔放な詩だった。ルーファスに愛されたい、変わりたい――。その一心で自分を磨き、シーラは自らを解き放っていく。そしてそんなシーラを前に、ルーファスは……。
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4.1刺繍作家として仕事に励むジリエーのもとに、縁談が舞い込んできた。相手は代々王族の護衛官を務める名家・シャフラン家の長子リストヴァー。ジリエーには過ぎたる良縁だったが、ジリエーは素直に喜べない。その理由は、リストヴァーが無類の女好きであること。夜な夜な酒場に入り浸り女性を侍らせ派手に遊んでいるらしい。さらに仕事第一のジリエーは、まだ結婚をする気がない。しかし父の必死の説得を受け、ジリエーは渋々見合いをすることに……。初めてリストヴァーの姿を目にした時、ジリエーはその美しさに言葉を失った。彼は今まで見た誰よりも美しい容姿をしていたのだ。しかも彼の言動はとても紳士的で、女好きという噂が嘘のよう。そのギャップはジリエーにとって、好感が持てるものだった。だからジリエーはリストヴァーとの仮交際を受け入れてしまった。結婚なんてする気はなかったはずなのに……と戸惑いつつも、二人の距離は縮まっていき……。
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4.0公爵令嬢のルーナは、幼い頃から男にまぎれて騎士の真似事をして育ったせいか、19歳になった未だに恋を知らない。それどころか、男勝りなルーナは令嬢たちのあこがれの的だった。そんなルーナの結婚が決まった。相手は王女・エステルの兄であり、ルーナの幼なじみでもある「王国一ふしだらな王子」こと第三王子のヴァレリオだ。実はこの結婚には目的があった。それは、他国の王子との縁談を拒否し続けるエステルに「幸せな新婚生活」を見せつけ結婚に前向きにさせること。エステルのことを妹のように可愛く思っているからこそ、ルーナはこんな馬鹿げた婚姻を受け入れたが、本音を言えばヴァレリオと「仲睦まじい夫婦」を演じることは嫌だった。幼い頃のヴァレリオを知っているからこそ、現在のふしだらなヴァレリオを受け入れることができないのだ。しかし、そんなルーナの心境など知らぬヴァレリオは、演技とは思えないほどの甘い言動でルーナを翻弄してきて……。
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4.1人づきあいを避け、アロマオイルを作りながらひっそりと暮らしていた伯爵令嬢のユリアーナはある日、「王弟のディオンが不眠症で悩んでいるからアロマの力を借りたい」と王宮から依頼を受ける。しかしディオンはアロマテラピーに猜疑的で、ユリアーナのことも適当にあしらってばかり……だったが、あることに気がついた瞬間、ディオンの態度は一変する。「やはりお前だ。お前の香りが甘くて、ひどく、落ち着く……」 ユリアーナ自身の香りに心安らぐ、と気づいたディオンはなんと、アロマの代わりにユリアーナへ添い寝を求めてきたのだ。こうしてユリアーナは「ディオンの抱き枕」という大役を担うことに。ユリアーナのおかげでディオンの不眠は改善され、生来の穏やかさを取り戻したディオンにユリアーナは徐々に惹かれ始める。そんなある日、ユリアーナはディオンの妹であるヘンリエッテから、夫婦のセックスレスに効くアロマを依頼され……。
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4.4真っ白な髪に、真っ赤な瞳。透き通るように白い肌を持つセアラは薬屋を営んでいる。セアラには最近、悩みがあった。それは毎晩、店に現われる珍妙な客・姫君の護衛騎士リュディガーだ。彼は閉店間際に店にきては、眼鏡の奥で光る鋭い瞳でじぃっとセアラを見つめてくる。そうしてから解毒剤を買って帰っていく。こんな奇妙な行動が、もう何日も繰り返されていた。ある晩、いつものように現れたリュディガーは明らかに体調が悪かった。話しを聞けば、リュディガーは彼に想いを寄せる姫君から、連日惚れ薬を飲まされていたらしい。リュディガーは惚れ薬を飲まされる度にセアラの店へ訪れ、セアラの顔を眺めては「自分はまだセアラのことを好いている」と確かめていたのだという。思いもよらぬ真実。しかしリュディガーの告白はまだ続く。「今日の毒は体液を取り入れた相手に惚れる効果がある。しかも体液を取り入れるまで、催淫効果が続く――。この毒は貴女しか解毒できないのです」
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4.0王族の護衛騎士を務めている辺境伯令嬢のシェリーは、女性らしく美しい双子の妹・キャロルに対するコンプレックスもあり、誰よりも騎士らしくあろうとしている。そんなシェリーには最近、悩みがある。それは国中の女性のあこがれの的・宰相補佐のルイスのことだ。女性であれば誰彼かまわず甘い言葉を囁く色男として有名なルイスだが、なぜかシェリーだけは口説かれたことがない。なのに必要以上にシェリーに絡んでくるのだ。取り巻きの女性たちの目の前で馴れ馴れしく話しかけてくるものだから、シェリーは女性たちの嫉妬の的にされている。職務第一のシェリーにとってはいい迷惑でしかない。そんな二人がある日、共同任務に就くこととなる。任務は外遊に来た隣国の皇子の護衛。皇子は自由奔放な性格で、二人は皇子の言動に振り回される日々。しかも皇子はシェリーのことが気に入ったようで、シェリーを口説き始めて……。
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4.0癒しの力を失った聖女を待ち受けていたのは神の慈悲か、それとも熾天使の仮面を被った男の独占欲か――。黄金都市国家ソラーレの象徴として、清廉潔白に生きてきた聖王女ルチア。しかし、禁忌を犯し貧しき親子を救った代償に、彼女はその身に宿した「癒しの力」を失ってしまう。「堕落した王女」と蔑まれたルチアは、冷たい監獄の塔へ幽閉される。絶望に沈む彼女の前に現れたのは、美しき若き教皇セラフィーノだった。彼はルチアに救済の手を差し伸べ、自らの宮殿へと招き入れる。しかし、それは純潔なる聖女を自分だけの「鳥籠」に閉じ込めるための、甘い罠だった。「さぁ、聖王女から人間の女に戻る魂の救済を始めましょう」 セラフィーノから与えられる聖職者にあるまじき淫らな「救済」。閨事さえ知らなかったルチアの純潔は散らされ、淫らな愛撫と背徳的な囁きにより彼女の心と体は作り替えられていく。信仰と快楽の狭間、揺れる聖王女が選ぶのは――。
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-伯爵令嬢リーアは、美しい碧眼の修道士・スレヴィに密かに想いを寄せていた。しかし彼は神に仕える身。手の届かない存在だと諦めていたリーアのもとに、思いがけず彼のほうから婚約の申し入れが届く。失踪した兄に代わり侯爵家を継ぐために還俗するらしい。喜んで婚約を受け入れたリーアだったが、スレヴィの実家・アルヴォネン侯爵家でリーアを迎えたのは、氷のように冷たく彼女を拒絶する夫の姿だった。修道院での彼とは別人のような、よそよそしい態度に疑問を抱くリーアに対し、スレヴィは自身の深い苦悩を打ち明ける。幼い頃から過剰な情欲を持て余し、それを律するため修道士の道を選んだという過去を持つスレヴィは、自身の中に眠る「過剰な情欲」が最愛のリーアを傷つけることを恐れ、必死に自制していたのだという。彼の秘密を知ったリーアは自らその熱を受け止める覚悟を決め、晴れて真の夫婦となった。そんな折、失踪していた義理の兄が舞い戻り……。
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4.0幼い頃から婚約を交わしていた公爵令嬢のリーリエと皇太子であるシュテファン。互いに想い合う二人は幸せな夫婦となれるはずだった。しかし二人に待っていたのは、子宝に恵まれないという悲劇。いつしか二人の間には夜の営みもなくなり、シュテファンには側室が設けられた。そんなある日、リーリエは毒を盛られてしまう。死を覚悟したリーリエは、「愛していた」と本当の気持ちを伝えようともがく。しかしそこで目にしたのは、シュテファンの手による「妻を殺す方法」という走り書き。毒を盛ったのはシュテファンだと悟ったリーリエは、どうせ死ぬのならと彼の目の前で自ら窓下の湖へ身を投げた……が、リーリエは目を覚ます。そこは王家へ嫁ぐ以前、18歳まで過ごした実家の自室だった。そう、死んだはずのリーリエは6年前の世界で目を覚ましたのだ。人生をやり直すチャンスを得たリーリエは、シュテファンとの結婚を回避すべく行動を起こすが……。
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3.0エシャルは病人や子どもたちの世話をしながら地方神殿で暮らしている。誰にでも分け隔てなく接する彼女は、人々から「聖女」と呼ばれ親しまれていた。そんなある日、王都の騎士団がエシャルを訪ねてきた。「お前が聖女か」 エシャルを聖女と呼ぶ騎士たちは、それを否定するエシャルの言葉になど耳を貸さず、強引に彼女を王都へと連れ去ってしまう。そうしてわけも分からぬまま、聖女として王子との婚礼の儀に立たされてしまったエシャル。しかし儀式は失敗。エシャルは聖女ではないのだから当然のことだった。そして王子は儀式の失敗をエシャルの罪として「偽聖女を処罰せよ」と命令する。しかし王子から処罰を命じられた騎士はエシャルを助け、自身の屋敷で使用人として匿ってくれた。その日から、命の恩人である騎士・ザハートのためエシャルは懸命に働き、二人の距離は縮まりはじめる。そんなある日、エシャルはザハートが王子の腹違いの弟であることを知り……。
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-友人に騙され多額の借金を背負い込んだ両親を持つ、伯爵令嬢のジュエリー。デビュタントもせぬまま、家のために年の離れた裕福な伯爵との婚約を進めようとしていた。だが父から反対され、せめてデビュタントだけでも経験してほしいと、1シーズンの約束で親戚のタウンハウスで過ごすことに。嘘が大嫌いなうえ、嘘を見抜く能力を持つジュエリーは、デビュタントで『社交界の貴公子』と囁かれる公爵令息アレンが、とある母子に嵌められ結婚を迫られている場面を目にして、アレンの潔白を証言する。いかにも女性が喜びそうな言葉で礼を述べるアレン。そっけなく対応するジュエリーにアレンは興味を示して、ジュエリーをポーカーに誘う。それがジュエリーの嘘を見抜く力を、賭けポーカーに利用するためだったとわかって、ジュエリーは怒り心頭。アレンは罪滅ぼしにと舞踏会でのエスコートを申し出る。慣れないタウン暮らしを楽しませてくれるアレンにジュエリーは少しずつ心を開いていく……。
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-モニカは皇城勤めの魔法薬師。皇帝陛下の密命で新薬を開発中だ。そんなある日、モニカの実験室に被検体の美青年・フィンがやってきた。フィンはかつて敵国で暗殺者をしていた危険人物……のはずが、なぜか出会ったばかりのはずのモニカを溺愛してきて、「好きだよ。ずっと好きだった」と告白する。モニカを城内の嫌がらせから救い、働き過ぎれば体調を心配し、薬の実験にも協力的なフィン。だが突然キスをしてきたり、際どい触り方をしてきたりと、あらゆる意味で型破りな被検体に、モニカは翻弄されるばかり……。それでも意外な優しさや頼もしさに触れるたび、少しずつ心惹かれていき、媚薬の実験でついに一線を越えてしまう。「自分で作った魔法薬で、こんな目に遭っちゃうなんて……」 ひたすら甘く抱かれ、快感に溺れるモニカ。愛と薬の効能で、フィンとは身も心も結ばれる寸前。しかし皇城に渦巻く陰謀が、二人を引き裂こうとして……。
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4.0ブライア伯爵家は代々、王家の命による諜報活動を担っており、長女のルーンもまた18歳にしてスパイ家業を手伝っている。そんなルーンに大臣から与えられた新たな任務は、スパイ容疑のかかる青年との結婚だった。相手は他国から留学中の貴族子息・セリノス。彼は王太子とも懇意にしているため、決定的な証拠をつかんでからの糾弾が必須らしい。こうして、セリノスと結婚したルーン。婚姻の儀は滞りなく行われいざ初夜、という段階で問題が勃発した。セリノスが実は一目惚れだったと告白してきたのだ。スパイとしての心構えと技量は持ち合わせているし、処女ではあるがその手の知識もしっかり蓄えているルーン。しかし中身は年頃の少女でもある彼女にとって、やわらかく微笑み愛を囁くセリノスの破壊力は強すぎた。これは色仕掛け? それともまさか本音? スパイとしての理性と乙女としての本能がせめぎ合う中、ルーンは無事任務を全うできるのか……。
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-莫大な借金を背負ったテニファルト伯爵家の令嬢・ライラは、借金のかたに強欲な子爵の息子・オーギュストとの結婚を迫られるという窮地に立たされていた。起死回生の策を求め子爵も参列している夜会へ潜入したライラは、子爵が悪事に手を染めている事実を知り、追手に追われる身となってしまう。追っ手から逃げ惑う中、ライラは見知らぬ男性に激突。彼は機転を利かせてライラを助けてくれた。彼は王家直属騎士団の副団長を務める若き伯爵、エドガー・エスルティールだと名乗ったが、田舎者のライラは彼を知らない。不審者同然の自身の潔白を主張すべく事情を説明すると、エドガーはライラを助けたいと言ってくれた。聞けば彼も子爵とは因縁があるらしい。こうして二人は子爵の悪事を暴くという目的のため協力体制を取ることになるが、エドガーが提案した策はまさかの偽装婚約。しかしエドガーの献身的で甘やかな態度は、単なる協力者の枠を超えていて……。
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4.0社長秘書として働く水瀬悠は、仕事に没頭して生きてきたせいで25歳になったが、いまだに恋愛経験はゼロに等しく、もちろん処女。そんな悠を心配した同僚の万緒は、たびたび悠を合コンに誘ってくれる。気遣いはありがたいが合コンにまったく興味のない悠は、断る口実に勢いあまって「じつは婚約者がいる」ととんでもない嘘をついてしまう。しかも悠の嘘を信じた万緒は妄想を膨らませ、とうとう「悠の婚約者は上司である社長・津城唯史なのだ」というとんでもない勘違いに行きついてしまう。あとに引けなくなった悠が、唯史本人に事情を打ち明けると、彼は「それなら婚約者を演じてやろう」とノリノリだ。こうして、唯史の偽装婚約者になった悠だったが、唯史の悠に対する態度は「偽装」にしては過ぎるほどに甘く優しくて……。
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-空港のインフォメーションとして勤務している六花は、27歳にして恋愛経験なし。それは中学時代の初恋の人・兄の友人である柊への恋心を未だに引きずっているからだった。そんなある日、六花は思いがけず初恋の相手・柊との再会を果たす。柊は、クレーマー対応にてこずる六花を助けてくれたのだ。六花はすぐに柊だと気づいたが、柊は六花のことなど忘れてしまったのか、そのまま立ち去ってしまう。それから3日後。柊は再び空港に現れ、六花へと話しかけてきた。「六花のことにはもちろん気づいていた。六花のことは忘れたこともなかった」と告げられ、ときめく六花。それをきっかけに、ふたりの距離は急速に縮まっていくが、六花には柊の気持ちがわからない。彼の目に自分は女性として映っているのか? それとも、ただの「友人の妹」なのか? ところが、ひょんなことから六花と柊はふたりきりで旅行をすることになり……。
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4.0メノリア大公国は前大公亡き後、王座に居座り続ける前大公妃ブリジットと現大公モーガンの専横と浪費で傾いていた。前大公の忘れ形見、公女エリスと弟レイフは義母ブリジットに虐げられ、それに耐える日々を送っていた。大公国は、隣国アルス連合王国からの借款で財政をかろうじてもたせていたが、累積する赤字でそれも限界。何か別の手段で借款を棒引きさせるか支払いを猶予させねばならない。ブリジッドは、今はみすぼらしいが歴とした大公の娘であるエリスを、アルス連合王国の国王ウォルターに愛人として差し出そうと画策した。弟を人質に取られ、隣国への輿入れを承諾させられたエリス。古い馬車に乗せられ、国境の森を越える。襲いかかる黒ずくめの一団。しかもただの山賊ではない……絶体絶命のエリス。そこに大地を揺るがして軍馬の群れが。アルス軍の軍旗に算を乱す一団。黒い瞳、黒髪の騎士がエリスを救い出す。彼こそがアルス連合王国を統べる〝猛獣王〟の異名を持つ軍人王ウォルターであった――。
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4.0ラライア地方の領主であるヘザー伯爵家の嫡男ダン。その婚約者サラは、たび重なるダンの浮気に婚約解消を申し出る。無事に婚約解消できたと思ったのも束の間、サラにある問題が降りかかるのだった。町長である父親が横領をしたのだという。サラは父親を救うために、ギリスギヘト王国唯一の魔導伯であるイゴル・サイプレスに近づき弱点を探ることに……。だが夜会の日、イゴルに近づくものの作戦は失敗。サラはすべての事情をイゴルに話す。するとイゴルから真実を聞かされ、偽装結婚に誘われる。こうしてサラはイゴルの家で暮らすこととなるのだった。父親の疑いを晴らすための期間限定の偽装結婚生活だったが、次第に惹かれ合っていくサラとイゴル。しかしある日、ヘザー家に仕える男がやってくると、サラを無理矢理、ダンの屋敷へと連れ去ってしまう……。
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3.0妹たちと王都に住む、田舎出身の子爵令嬢ミカエラ。母を亡くしてからというもの、父は悲しみのあまり田舎の領地に閉じこもったまま。自分でなんとかすると決意したミカエラは、華やかな王都で質素に暮らしていた。幼馴染の公爵テオバルトは、いつも気にかけてくれ、夕食をともにする仲だ。ある夜、ミカエラはテオバルトに押し倒され、執拗な愛撫に感じて一線を越えてしまう。以来、テオバルトから与えられる快楽に溺れながらも、ミカエラは身分の違いに苛まれていた。そんななか、父の後妻を名乗るマリーアンヌが屋敷に押し入ってきた。ミカエラを屋敷に閉じ込めて働かせ、ついには金貸しに嫁がせるという。絶対絶命のピンチに陥ったミカエラの運命は……。
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-社長秘書として働く小春は、三年の付き合いになる恋人から突然、別れを告げられてしまう。「アラサーにして彼氏に振られるなんて。田舎の両親が帰ってこいとかうるさいだろうな……」と落ち込みつつも、小春は仕事のため、社長である泰雅のマンションへ向かう。泰雅との雑談の中で、小春は恋人と別れたこと、振られたショックよりも結婚の予定が流れてしまったショックが大きかったことを打ち明ける。「自分もすでに恋愛感情はなかったのかも……」とうなだれる小春に、泰雅は信じられない言葉を告げる。「だったら俺にしないか?」 聞けば、泰雅は周囲から結婚を急かされ困っているらしい。泰雅は周囲を、小春は両親を黙らせるために夫婦を演じようというのだ。思いもよらぬ提案に驚き「夫婦になるという意味が分かっているの?」と問う小春に、泰雅は「もちろんだ。妻として君を抱くことだってできる」と迫ってきて……。
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3.0玉木優菜は社長秘書として働く26歳。優菜のボスである社長は、大学時代の先輩だった西島啓吾。美しく優秀な彼は、優菜のよき理解者でもある。仕事もプライベートも順調だったある日、優菜は彼氏である克也から突然、別れを告げられる。克也の隣には優菜の大学の後輩・里緒がいた。「カップルクラッシャー」の異名を持つ里緒には昔から、たびたび恋人を奪われてきたのだ。今回も優菜への嫌がらせのつもりで克也を奪ったのだと理解した途端、優菜の恋心は急激に萎えてしまった。この顛末を知った啓吾は、優菜にこんな提案をしてくる。「あの二人に一泡吹かせたくないか?」 こうして優菜はカップルクラッシャー里緒に復讐をすべく、啓吾と偽装恋人を演じることになり……。
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3.2国家防衛担当エラス伯爵家の次女・アマリア。義姉・フリダに婚約者を寝取られ、身代わりにメリディウス辺境伯・オズワルドとの政略結婚を命じられた。隣国に寝返らないよう、目を光らせるのがアマリアの役目だという――。強面で粗暴な軍人と噂されるオズワルドだが、領地に暮らしはじめた新妻に、指一本触れてこず、そっと贈り物を置いていく。その不器用で優しい人柄に、アマリアは惹かれていった。しかし心を通わせはじめた矢先、フリダに意地悪く「あなたは騙されているのよ」と吹き込まれ……。「私は騙されているの?」 不安に陥るアマリア。「アマリアに笑顔になってほしい」 その一心のオズワルド。想いを口にできないまま、すれ違う二人の行方は……。
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4.3アルテアン王国の王は無能な暴君だった。王妃や王子、姫には浪費癖があり、重税を強いられている民の不満は高まり爆発寸前。しかし第三王女であるエステルだけは心優しく無垢な姫で、そんな国の行く末と無力な自分を憂いていた。エステルには、想う相手がいた。バルテルス王国の王太子であるゴットフリド。かつて、エステルの婚約者だった人だ。アルテアン王国の先は長くないと悟ったゴットフリドに「国を捨て今すぐ嫁にこい」と言われたとき、エステルは「私はこの国の王女です。この国と命運をともにします」とそれを拒んだ。そして二人の婚約は解消されたのだった。それから数年後、ゴットフリトのいう通り、アルテアン王国はクーデターにより滅んだ。王族がすべて処刑される中、なぜかエステルだけは王都のはずれにある屋敷に幽閉されてしまう。理由がわからずおびえるエステルの前に現れたのは……。
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-佐伯七海はある日、人数合わせで呼ばれた合コンで井上奏多という男性と出会う。「若きやり手起業家」としてメディアでも注目されているらしいが、彼はなぜか初対面の七海に対し、やたらと突っかかってくる。聞けば、実は彼は小学生の頃の七海のクラスメイトで、まったく気づいてくれない七海に腹を立てたのだという。謝罪する奏多の姿に、七海は当時のことを思い出す。なんと奏多は昔、強引に七海のファーストキスを奪った相手だったのだ。予期せぬ再会に驚く七海に、奏多はこう聞いてくる。「……で? 七海は、俺になにか言うことがあるんじゃない?」 どうやら昔、七海と奏多はなにか約束をしたらしい。それがなんなのか思い出せない七海に対し、奏多はこんな提案をしてくる。「思い出すまで、俺と付き合えよ」 強引な奏多に押し切られる形で、ふたりは交際をスタートさせるが……。
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3.3「真面目すぎて、お前と一緒にいても楽しくない」 そんな辛辣な一言で彼氏に振られてしまった高橋雪。突然のことに呆然とする雪だったが、そんな二人の様子は偶然にも、社長の長谷川航に目撃されてしまう。彼から向けられる同情の視線がいたたまれず、雪はその場を逃げ出す。翌日、沈んだ気持ちで出社した雪に対し、航は「真面目であることは、悪いことじゃない」と声をかけてくる。その後も、航は不自然なまでに雪に対して優しい言葉をかけてくる。そんな彼の態度を哀れみだと感じた雪は激怒し、「みじめになるからやめてほしい」と航に訴える。しかし、航の反応は意外なものだった。「俺は以前から高橋さんに好意がある。俺を利用して、苦しい現状を改善してほしい」 思いがけない航の申し出に、雪は航と付き合っているフリをして元カレを見返す作戦を思いつくが……。
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3.3ユストゥスは悩んでいた。そろそろ結婚をと周囲にうるさく言われたから仕方なく娶った妻・メルツェーデスが良妻すぎるのだ。愛のない形ばかりの結婚であり、今後子どもを持つつもりもないと結婚を申し込む際に伝えたはずなのに、メルツェーデスは求められた以上の「妻の働き」をしようとする。第三王子であるユストゥスは結婚を機に公爵の位を賜った。つまりメルツェーデスは公爵の妻であり、彼女の善行はユストゥスの仕事にも良い影響をもたらしてくれるのだが、だからこそ、ユストゥスは困惑する。メルツェーデスには何か、裏があるのでは……そんな疑心を抱きつつも、ただ無心に尽くしてくれる彼女に対し徐々に心を開き始めた頃、ユストゥスは兄から信じられない話を聞かされる。それは、メルツェーデスには以前から想い人がいるというものだった。自身の求婚が二人の仲を引き裂く形となった過去を知ったユストゥスは……。
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4.525歳の坂月真宙は、父の再婚相手である継母の沙希と暮らしている。といっても、女社長として精力的に仕事をこなす沙希は、真宙のことを娘というより家政婦のように扱っていた。沙希が突然、夜に部下を家に招くことはよくあることで、真宙はそのたびに来客対応に追われていた。とはいえ真宙にとって突然の来客は嬉しいことでもあった。真宙は沙希の部下の一人、涼成に秘かに心を寄せていたのだ。しかし若く美しく、そして優秀な涼成は沙希にとっても魅力的な男性だったようで、沙希が彼のことを狙っていると知った真宙は、涼成への思いを断ち切ろうと決意する。そんなある日、涼成が沙希の会社を辞め、実家の大手製薬会社を継ぐことになり、「どうせ最期なら」と真宙は匿名のラブレターを涼成へ送る。これでもう二度と会うことはない。そう思い涙する真宙だったが数日後、涼成が真宙の前に現れる。涼成はなぜか、ラブレターの贈り主が真宙だと理解しているようで、「自分も真宙のことが好きだった」と告白してきて……。
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3.5リンド王国の王女であるリディアは、幼いころから城に軟禁状態で暮らしている。リディアの母の家系は代々美しい姫ばかりに恵まれており、政略結婚で財を成した一族だった。リディアにだけはそんな人生を歩んでほしくないという思いで、生まれながらに群を抜いて美しかったリディアを人目から遠ざけたのだった。そんなある日、リディアはお忍びで出かけた森の中で、城が襲撃を受けていることに気づく。森から出ることもできなくなったリディアはそのまま眠り込んでしまい、気がつくと男性の腕に抱きかかえられていた。ランベールと名乗る男に連れられ城へ戻ったリディアは、侍女たちの機転により姫であることを隠すことに成功する。しかし、ランベールだけはリディアの正体に気がついていた。「リンドを侵略するつもりか」と問うリディアに、ランベールは「略奪も破壊も誇れることではないが、でも俺は、きみのことはほしい」と迫ってきて……。
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1.0結婚しよう――まだ5歳の子どものころ、結婚の約束をした奏多と梓。一緒にいるのが当たり前で、いつも二人ですごしていた。10年前のあの日も、そんな一日になるはずだった。だが、奏多のいきなりのキスに驚いて逃げ出してしまった梓は、それから彼を避けるようになり、いつのまにか二人には距離ができてしまったのだ。5年前に成人式で会った時は、もうすっかり他人だった。なのに、どうして? ある夕方、自宅を訪ねてきた奏多に、突然プロポーズをされて戸惑う梓。『あの時』からすれ違ってしまった二人。梓にだって、後悔がないわけじゃない。友だちからやり直そう。そう決めて……。
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4.0金曜の夜。普段なら縁のない高級ダイニングバーで、莉帆は大学時代の友人からドタキャンの連絡を受ける。せっかく来たのだからと一人で飲んでいると若い男性に声をかけられ、その強引さに困っているところを、華やかな容姿をした見知らぬ男性に助けられる。颯真と名乗る彼とはなんとなく気が合い、そのまま二人で飲むことに。別れ際には連絡先も交換したが、莉帆は、もう二度と彼と会うことはないだろうと感じていた。週明け、オフィスで新しい副社長による就任の挨拶映像を見ていた莉帆はがく然とする。そこに映し出されたのは、週末に出会った颯真だったのだ。莉帆は颯真に「新しい副社長はイケメンで、女性社員の注目の的らしい。そういう人は信用ならない」と話してしまっていた。「本人に向かってなんてことを言ったのだろう」と後悔する莉帆だったが、なぜか颯真は莉帆のことを「恋愛対象として気に入った」とアプローチをしてきて……。
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4.0社長秘書として働く本間広香は33歳にして処女。今までの人生、決して異性と縁がなかったわけではないが、父親の借金を返済することに追われ、それどころではなかったのだ。ようやく借金地獄から解放されたことをきっかけに、広香はこれからの人生はありのまま、自分の思うように生きようと決意する。手始めに広香は、自身の上司である浅田宗一郎と一夜を共にすることにした。何事においても完璧な宗一郎は処女をささげるに完璧な相手だと思ったのだ。ナルシストで女好きな宗一郎は当然のように広香を受け入れてくれ、晴れて処女を捨てることができた広香は次に、会社を辞めることにした。自分に見合った生涯の伴侶を見つけ、幸せになるために。しかし宗一郎は広香の退社を受け入れず、熱烈なプロポーズまでしてきて……。
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4.8男爵令嬢のアンリエットは「メイドのマリエル」としてデラージュ公爵家に潜入している。有力貴族であるデラージュ公爵家の嫡男・ユベールとアンリエットの姉との政略結婚を目論む父のため、なんとか姉がユベールとお近づきになるための情報を得ようとしているのだ。好奇心旺盛なおてんばであるアンリエットにとっては、ちょっとした冒険気分。持ち前の人懐こさで屋敷に溶け込み、ユベールとの距離も縮めていく。しかし、ユベールのことを知っていくうち、アンリエットの心には変化が生じていく。政略結婚のための情報収集だったはずが、いつしか純粋にユベールのことを知りたいと思うようになっていた。それはつまり、アンリエットの中にユベールへの好意が芽生え始めたということで……。
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4.2結婚なんてしなければよかった。そう後悔しながら生涯を閉じた若き伯爵夫人マデリン。眉目秀麗な伯爵令息だったディルは、多くの人から感謝され、尊敬されていたが、妻として迎えたはずのマデリンには冷たかった。病に伏せっていることすら知らぬ夫。誰にも看取られることもなく、マデリンは孤独なうちに最期の時を迎えた……が、目覚めると、そこは6年前、まだ独身だったころの自分のベッドの上。すべてが6年前のディルと婚約したあの日と同じように話が進んでいき、彼女は時間が巻き戻っていることに気づいていく。不幸な結婚を避けるために縁談を断ったものの、手違いで婚約書類が国王陛下に届いたことを知ったマデリンは、ディルに直談判しようと伯爵家に出向いていく……。
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4.0小泉紗季には忘れられない相手がいる。それは高校の同級生だった三上涼。大手化粧品メーカーの御曹司でありながら、飾らず誰にでも優しくて気さくな涼のことが、紗季は高校三年間ずっと好きだった。卒業式の日に告白し、きっぱり振られたにもかかわらず、22歳になった今でも涼のことが忘れられずにいる。彼を忘れるため大学では何度か恋愛も経験したが、失敗してばかり。今ではすっかり恋愛に対して臆病になってしまい、社会人になったことをきっかけに、「これからは仕事に生きよう」と決意する。しかし入社式の日、紗季は涼と再会してしまう。突然の再会に戸惑う紗季だったが、涼は高校の頃とまったく変わらぬ気安さで接してくる。どうやら彼は、卒業式の告白を忘れてしまっているらしい。そう確信した紗季は、いまだ捨てきれずにいる恋心を隠し、同僚として涼に接しようと覚悟する。なのにその日以来、涼は何かと紗季にかまってきて……。
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2.0男爵家のメイドをしているシャナは、強引な客に媚薬入りの酒を飲まされ酩酊してしまう。あわや貞操の危機を救ったのは、黒い衣装に銀の髪が映える美しい紳士ギルベルト・バーンロウだった。そのうえギルベルトは、媚薬により昂ったシャナの身体を沈めてくれた。あくまで「シャナの熱を発散する手助け」に徹するギルベルトは紳士的だったが、彼の手や言葉はとても優しくて、まるでシャナのことを知っているかのようだった。翌日、雇い主から呼び出されたシャナは、ギルベルトと再会する。なんとギルベルトはシャナをバーンロウ家に引き抜きたいというのだ。しかも「ギルベルトの専属メイド」として。突然の申し出に唖然とするシャナだったが、あれよあれよという間に話は進み……。
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3.5設計事務所でインテリアデザイナーとして働く日下千歳は29歳。何をやるにも、どこに行くにも、一人のほうが気楽だと感じる、いわゆるソロ活女子。今は仕事が楽しいこともあり、恋愛に対しても消極的だ。しかし、リフレッシュ目的に出かけた一人旅行の最中、見知らぬ土地の解放感からか、千歳は行きずりの男性・影雪と一夜を共にしてしまう。その夜は盛り上がったものの、翌朝、後悔に襲われた千歳は、影雪一人を残し、そそくさとその場を後にする。それから数日後、旅先でのハプニングなど忘れた千歳は、いつものように無謀な営業を試みていた。営業先は大手商社である成瀬商事。度々足を運んでいるが、いつも玉砕している相手だ。今回もまた契約には至らず、肩を落として帰ろうとした千歳の前に現れたのは、影雪だった。なんと影雪は、成瀬商事の社長だったのだ。あの夜のこともあり影雪とは二度と関わりたくない千歳だったが、影雪はそうは思っていないようで……。
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3.4子爵令嬢のリタと従妹のレオノーラ、そして騎士のディルクは幼馴染み。リタはディルクに想いを寄せていたが、ディルクが可愛くて社交界の人気者であるレオノーラに想いを寄せていることを知っていた。そんなある日、レオノーラは次期伯爵・ベルントとの婚約を発表する。ベルントと寄り添い幸せそうに微笑むレオノーラの姿を見つめながら、ディルクが小さく「いいな」と漏らすのをリタは耳にしてしまう。レオノーラとの婚約を羨むディルクの姿に胸を痛めるリタだったが、嫉妬深いベルントがディルクのことを警戒していると知り、ディルクに「ベルントを安心させるためにも私たち、付き合っていることにしましょうよ」と提案する。こうして、偽装とはいえ、ずっと想い続けてきたディルクの恋人となったリタ。しかし他の女性に想いを寄せているとわかっていながらディルクに寄り添うことはつらく、ディルクが優しければ優しいほど、リタの辛さは増していく……。
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4.0璃子は病弱な母へ仕送りをしつつ、昼はカフェ定員、夜はバーテンダーとして必死に働いている。いま住んでいる激安アパートの建て替えが決まり、転居先として同程度の安さのアパートを探しているが、なかなか見つからない。そんなある日、璃子は、バーの常連客・知彰が女性からしつこく言い寄られている現場に遭遇し、咄嗟に彼女のふりをして彼を助ける。お礼がしたいという知彰と飲みに行ったその夜、酔いの勢いもあり二人は一線を越えてしまう。翌朝、目覚めると彼の姿はなく、璃子はその夜のことを忘れることにした。しかしそれから数日後、璃子に会いにきた知彰は「もう一度、抱かせてほしい」と懇願してくる。セフレとしての誘いをかけられているのかとおもいきや、知彰の様子は真剣そのもの。聞けば知彰はもう長い間、EDで悩んでおり、璃子を抱いたあの夜は、数年ぶりに反応を示したのだという。「俺を助けると思って」と必死に頼んでくる知彰に璃子は……。
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-幼児向けの保育用品の販売営業をしている亜耶芽。仕事を愛するあまり、恋愛から遠ざかった毎日を送っていたが、ひょんなことから社長に気に入られ、その御曹司との交際を熱望されてしまう。しかし亜耶芽は、御曹司であり上司でもある颯真のことが苦手。愛想がなく冷たい印象で、当然仕事以外の接点はない。社長が勝手に盛り上がっているだけで、颯真本人はその気ではないだろうという亜耶芽の予想は外れ、颯真は意外にも乗り気の様子。「私では副社長とは釣り合わない」とやんわりと断るも、「もっと俺を知ってから決めてほしい」と聞く耳を持ってくれない。結局、亜耶芽は押し切られる形で、交際前の「互いのことを知る期間」を作ることを承諾してしまう。こうして二人は、社内の人間には悟られないよう、こっそりと二人の時間を作っていく。「絶対に颯真に惹かれることはない」と高を括っていた亜耶芽だったが、知らなかった颯真の一面に触れるたび、胸がときめきはじめ……。
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3.3受付嬢として勤務する広瀬雪乃は、人の目を見ることが苦手。以前、対応した来客から「大きくて丸い目が高圧的に見える」との反感を買ってからというもの、特に男性を相手にするときは身構えるようになってしまった。そんな雪乃が最近、特に苦手としているのが顧問弁護士の仁科遼二。洗練された雰囲気と整った容姿を持つ遼二は女性の視線を独り占めにしているが、無表情で何を考えているのかわからない淡々とした彼の態度が、雪乃は苦手だった。しかも彼の部下であるパラリーガルの下平渉からはあからさまな誘いをかけられていて、それも雪乃にとっては悩みの種だった。そんなある日、雪乃は昼休憩中に偶然、遼二と出くわしてしまう。身構える雪乃に対し、遼二は「渉の強引な誘いに困っているのではないか。何かあれば対応するから」とプライベートの連絡先を知らせてくる。思いがけない気遣いを示された雪乃はそれ以来、遼二のことが気になりはじめ……。
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3.8厳しい淑女教育を受けてきた侯爵令嬢のアデラ。本当は好奇心旺盛だけれど、猫をかぶって両親に従ってきた。王太子殿下の妃候補の一人に選ばれたが、アデラ以外は皆、公爵令嬢。宰相のジェフリーが大本命で推す妃候補もいる様子……。妃候補を一堂に集めたサロンで、『変わった趣味』を持つ紫眼の王太子トバイアスは実験装置を披露。王太子の「なにか質問は?」の問いかけに応じたアデラは、後日トバイアスから城に招待され、やがて秘密の実験室でトバイアスの手伝いまでするようになっていった。3年が経ち、トバイアスの国王即位の日。実験仲間にすぎないと思っていたアデラだが、なんとトバイアスから求婚されて夢心地。やっと二人きりになれた馴染みの実験室で、「きみの胸の揺れ方を、調べたい」と乞われ――。一方、城の中ではアデラを妃と認めないジェフリーの罠が散りばめられていて……。
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4.0総務課で働く生田真央は仕事に打ち込んでいるうち、気づけばもう29歳。田舎の母親から「結婚はいつになるんだ」と口うるさく言われるたび、「同僚と結婚を前提に付き合っている」と嘘をついてきた。そんなある日、業を煮やした母親が突然上京。「さあ、彼氏と合わせて頂戴!」と会社まで押しかけられ困っていると、「真央、おまたせ」と背後から声をかけられる。声の主は、見覚えのある顔をした男性だった。しかし真央の知り合いではない。呆気にとられる真央と、都合の良い勘違いをする母親。そして男性は母親の勘違いを肯定するようにこう言った。「真央さんとお付き合いさせていただいている、工藤といいます」 工藤は他部署のエンジニアで、彼のいうことには真央とは会議の場で顔を合わせたことがあるらしい。真央が困っているのを見かけたから、咄嗟に彼氏のふりをしてしまったという。そんな成り行きから、真央と工藤は母親が東京に滞在する一週間の間、恋人を演じることになって……。
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-念願のウェブデザイナーに転職した可憐だったが、現実は思い描いていた世界とはまるで違い、適当な上司とやる気のない後輩の間で板挟み。二人の尻拭いを押し付けられる日々に嫌気がさした可憐はいつしか、心のよりどころとして占いにハマっていく。しかも、同年代の男性占い師RYOに対しては恋愛感情まで抱いてしまい、客と占い師という関係ながら、可憐のことを特別に気にかけているようなそぶりを見せるRYOに、可憐の心は舞い上がる。しかしそんな日々は長くは続かなかった。RYOが突然占い師をやめ、可憐の前から姿を消してしまったのだ。それから二年後のある夜、相変わらずのヘビーワークで徹夜明けの可憐は、バイクとぶつかり緊急搬送される。病室で目を覚ますと、可憐の横にはなぜか占い師のRYOが! 聞けば、彼は救急医師が本業で、占いは趣味でやっていただけだという。偶然の再会に運命を期待する可憐。それは彼も同じようで、二人の距離は急速に縮まっていくが……。
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5.0営業として働く25歳の井上花梨。高校時代のトラウマのせいでいまだに処女の花梨は、ある日の飲み会の席で恋愛経験を聞かれ、本当のことも言えず適当にごまかしてしまう。そのことが原因となり「男好きのふしだらな女」と噂され、徐々に部署内で孤立していった花梨は、「チームワークが乱れる」という理由から営業部を追い出され、「榊登司社長の秘書」として、秘書課への異動を命じられてしまう。はじめのうちこそ思い描いていたキャリアプランが台無しになったと嘆いていた花梨だったが、あの噂が知られていない秘書課は居心地が良く、秘書としての業務にも前向きに取り組んでいく。たまに意地悪だが基本的には優しい社長・榊登司との距離も急激に縮まり、愛し、愛される喜びを知っていく花梨。しかし高校時代のトラウマと営業部で広められた噂により、花梨の心には大きな傷ができていて……。
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4.0伯爵令嬢のウルスラは、社交界の人気者。同じく社交界の人気者である侯爵家の嫡男・ジュードとだけは犬猿の仲で、顔を突き合わせるたびにいがみ合っていた。しかし、ウルスラがとある夜会で男に襲われ、部屋の中に連れ込まれそうになったところをジュードに助けられて以来、二人の関係には変化が起こる。ドレスも髪も乱されたウルスラを庇うため、ジュードが咄嗟に大胆な嘘をついたのだ。「実は自分たちは恋人同士だ。酔いに任せてハメを外しすぎてしまった」と。男に乱暴されそうになったという事実はごまかせたものの、ジュードの言葉を信じた社交界は大盛りあがり。両家では結婚の話まで進んでしまう。「ほとぼりが冷めたら離婚しよう」と提案するウルスラだったが、ジュードはそんなつもりはさらさらない様子。しかも「妻になったのだから当然のことだ」とウルスラをベッドに押し倒してきて……。
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4.3武井理央は、同僚看護師や医師たちから「氷の天使」と呼ばれるしっかり者の看護師。家族とは疎遠なため誰にも頼らず自分の力で生きていたが、ストーカーに目をつけられたことで最近、不安な日々を送っていた。そんなある日、それを知った外科医・水科櫂が「ストーカー除けに彼氏のふりをしてやる」と提案してくる。病院の跡取り息子でもあるイケメンドクターの櫂は当然、看護師の注目の的。「そんな人が彼氏だなんて」と遠慮する理央だったが、ストーカー行為がエスカレートしたため櫂の提案に乗り、しばらくの間、彼のマンションに居候させてもらうことに。過ぎるほど親切にしてくれる櫂の優しさに、家族とのトラブルが原因で人と深い関わりを持つことが苦手だった理央も、徐々に櫂に対して心を開き始める。しかしそんな理央に、櫂は衝撃の告白をする。「ずっと武井に近づきたいと思ってた。いま、チャンスだって思ってる」 櫂の真摯な思いを知った理央は……。
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3.0叔母が営む下町の小さなレース工房で働いているミシェルはある日、店に訪れた男性客に外に連れ出されそうになる。どうやら男性は、ミシェルを「アリス」という女性と見間違えたらしい。そんな奇妙なことがあった数日後、今度は顔を隠した身分の高そうな令嬢が工房を訪れ、ミシェルに屋敷まで商品を持ってきてほしいと頼んでくる。言われるままに屋敷を尋ねると、待っていたのは「アリス」と名乗るミシェルとそっくりな顔をした令嬢だった。アリスは強引にミシェルと自身のドレスを交換すると、ミシェルに「自分の身代わり」を頼み、屋敷から出ていってしまう。ひとり取り残され呆然とするミシェルを助けてくれたのは、数日前工房にきた男性客・ロバート。彼はお転婆令嬢・アリスの従者だったのだ。アリスによる入れ替わり計画を察知したロバートは、騒ぎになることは避けたいと、ミシェルにアリスを演じるよう求めてきて……。
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3.7真面目な優等生として生きてきた25歳の佐々岐千佳は、大学の頃から付き合っていた彼氏に振られたことで自分を変えようと一念発起。ひとりで音楽フェスへ参加するも、初めて経験する会場の熱気に負け、体調を崩したところを華やかな容姿をした見知らぬ男性に助けられる。彼の穏やかな物腰と見ず知らずの他人だという気安さに後押しされ、千佳は彼氏に振られたこと、真面目一辺倒な自分を変えるためここへ来たことなどを話してしまう。彼は千佳の話を興味深そうに聞いた後、「また新しいことに挑戦するときは連絡して」と一枚の名刺を残して立ち去る。そこには、代表取締役という肩書とともに、西条怜司と彼の名前が記されていた。怜司にもう一度会いたいと思いつつも、その肩書に気後れしてしまった千佳は、連絡をすることもできず悶々とした日々を過ごす。しかし、思いがけない偶然により千佳と怜司は再会して……。
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-安奈は窮地に陥っていた。高校卒業後からずっと働いてきた老夫婦が営む小さな不動産屋が店をたたむことになり、格安で借りていた老夫婦が管理する古アパートも取り壊しが決まってしまった。仕事と住む場所を同時に失うことが決まったというのに、転職活動もうまくいかない。そんなある日、安奈にとっては幼なじみであり初恋の人でもある大地が突然、安奈を訪ねてくる。8年前、大地が海外へ行ってしまって以来の思いがけない再会に胸ときめかせる安奈に、大地は信じられない提案をしてくる。「安奈ちゃん、僕の、婚約者になってくれないかな」 聞けば、危篤状態にある祖父が大地の結婚を望んでいるらしい。しかし今の大地には結婚願望がない。そこで、安奈に偽の婚約者となり祖父に会ってほしいというのだ。大好きな大地の役に立てるのならと、安奈は偽の婚約者を演じることを承諾するが……。
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3.4婚約者から一方的に婚約破棄を言い渡されたヴェラは、自領である北の辺境の地でひとり、人目を避けるようにして暮らしていた。そんな暮らしが一年ほど続いたある日、ヴェラは馬車が崖から転落する事故に遭ってしまう。目覚めると、そこは治療院だった。そしてヴェラの傍らには元婚約者・ジェラルドの姿。ヴェラのことを心配しているのか、取り乱した様子でヴェラの手を握り、ジェラルドは「俺がわかるか」とたずねてくる。しかしヴェラにとって、彼は忘れ去りたい苦い過去だった。ヴェラとの婚約解消後、さっさと別の女と婚約した憎い男の顔を見つめながら、ヴェラは答えた。「――どちら様ですか」 私に【不貞者】の知り合いなどいないのだという、皮肉を込めて。しかしジェラルドは、ヴェラの言葉をそのままの意味で受け取ってしまったらしい。ヴェラは事故で記憶を失ってしまったのだと。しかも勘違いしたジェラルドは、ヴェラの面倒は自分が見ると譲らず……。
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3.023歳の高田瑞穂は、インテリアが大好き。休日はあちこちのショールームに赴いては、自分好みのコーディネイトを妄想し楽しんでいた。それが高じて、念願だった国内大手インテリアメーカーに就職。派遣社員としてショールームで働くことになった瑞穂は、毎日楽しみながら熱のこもった接客をしていた。そんなある日、瑞穂はひとりで来店した若い男性の接客する。インテリアが好きなのか、やたら細かいこだわりを見せる彼と瑞穂は意気投合。長い時間接客をしたものの購入につなげることはできなかったが、和やかな雰囲気の中、さまざまなインテリアを紹介できたことに瑞穂は満足していた。しかし翌日、ショールームの隣りにある本社から呼び出しが……。「まさか、昨日の効率の悪い接客を咎められるのでは……」と不安な瑞穂だったが、瑞穂を待っていたのは昨日の若い男性だった。しかも彼は、会社のCEOである本橋瑛士であることが判明して……。
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4.0輸入食品会社の企画部に勤める美紀は、懸賞で当てた高級ホテルのディナー&宿泊券で友人とディナーを楽しんでいた。しかし、近くのテーブルに座っていたカップルが喧嘩を始め、美紀の履いていたお気に入りの白いパンプスが、ワインで赤く染まってしまう。ディナー後、謝罪のため美紀のもとへ訪れたのは、ハーフのような華やかな顔立ちをしたホテルのオーナー、考一朗。「後日正式に謝罪させてほしい」という彼の申し出を受け、ふたりは名刺交換をする。数日後、考一朗から「レストランでのディナーをやり直してほしい」と連絡がくるも、友人は都合がつかず、美紀は仕方なく一人でレストランへ。案内されたレストランの特等席では考一朗が待っていて、美紀は考一朗とふたり、まるで映画のワンシーンのような時間を堪能する。しかしその日以降、考一朗はなぜか口実を作っては、美紀をディナーに誘うようになり……。
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3.0志倉澄玲には、忘れられない人がいる。彼とは小学校1年生の頃に出会った。ほんの僅かな時間だったけれど、二人の間には温かな友情があった。しかし二人の友情は、「大嫌いだ」と言う彼の一言で終わった。言葉と共にガラス窓に突き飛ばされた澄玲は、背中に大きな傷を負ってしまう。醜い傷が原因で内向的な性格になってしまった澄玲は、24歳になった今なお人付き合いが苦手で、恋愛さえしたことがない。ある日、澄玲は聞き覚えのある名前を耳にする。――浅海優人。それは澄玲に消えない傷を負わせた彼の名前だった。本社から視察にきた副社長として現れた優人は、初対面を装い穏やかに澄玲に笑いかけてきたが、二人きりになった途端、態度を豹変させる。「死ぬほど憎らしかった。俺をいじめた志倉澄玲という人間が」 子供の頃、澄玲からひどいいじめを受けていたと言う優人。身に覚えのない澄玲は必死に否定するが、優人は構わず、澄玲を乱暴にベッドに組み敷いて……。
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5.0桐ケ谷花壇のウェディング事業部でブーケデザイナーとして働いている萌々は、結婚式を挙げる恋人たちを笑顔にできるこの仕事に誇りを持っていた。そんな萌々にも、職場に対して不満がひとつ。それは、花にも結婚にも興味のない冷酷な男だと噂される御曹司、龍志がウェディング事業部に配属されたこと。ところがある日の就業時間後、萌々は龍志がブーケ作りの練習をしている姿を目撃する。話を聞いてみれば、噂は全くのデマらしい。跡取りとしてずっと花の勉強をしてきたし、見合い話を断り続けてはいるが、結婚に興味がないわけでもないという。数日後、萌々は上司から、上層部から萌々を名指ししたお見合いの話がきていると聞かされる。「出席するだけでいいから」という上司の言葉を鵜呑みにして、相手も知らぬままお見合いの場へ出向いた萌々だったが、なんとそこに現れたのは龍志で……。
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2.5借金まみれのミレッカー男爵家の長女であるエーファは、まだ10歳の弟・アルノを貴族学校へ通わせるため、病気で寝込んでいる父に代わり、少ない使用人と共に何とか家を切り盛りしていた。そんなエーファに縁談が決まった。相手はエーファより16歳年上のハイデマン伯爵。たとえどんな相手であろうと、自分が嫁ぐことで経済的な援助が得られるのなら、とエーファは覚悟を決めるが、顔合わせの日に屋敷に訪れたのは、伯爵の従者・フィルだけだった。「エーファ嬢、あなたがどのような方なのかを見定めにきました」 聞けば、フィルはミレッカー男爵家の困窮の原因を探るとともに、エーファがハイデマン伯爵の援助を得るに値する人物なのかを見定めにきたという。偉そうに命令ばかりするフィルを毛嫌いしていたエーファだったが、彼の指導のもと懸命に家の立て直しを続けていくうち、エーファの胸には、フィルへの想いが芽生え始め……。
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4.3昔から、内気な性格がため人付き合いが苦手だったりんこは、今の職場ではなぜか「恋愛の神様」として後輩たちから慕われている。しかし実際は、恋愛経験ゼロ。恋愛どころか男性とまともに会話をしたことさえないというのに、後輩から頼られるたび「役に立ちたい」その一心で、一生懸命アドバイスを返していた。そんなある日、りんこは3つ年下の新人男性社員の教育係に抜擢される。華やかな見た目をした彼・理は有名なゲームクリエイターで、しかも大手総合商社の御曹司。女性社員が目の色を変えて彼を狙い始める中、理はなぜかりんこに興味津々。しかも彼は、りんこに信じられない相談事を持ちかけてくる。「実は俺、勃たないんです……」 なんと彼は2年前から女性を抱くことができなくて困っているという。あまりに生々しい相談に逃げ腰になるりんこだったが、困っていると懇願する理にほだされて……。
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4.7いつか憧れの化粧品ブランドのパッケージデザインを担当したい。そんな夢を懐きデザイナーとして働く真澄は、2歳年下の営業部社員・祐太郎からアプローチを受けている。しかし祐太郎はハイパーイケメンで、社内でも人気者。だから真澄は、冗談として聞き流し続けていた。そんなある日、真澄の誕生日当日。早々に仕事を切り上げ、憧れのコスメブランドの新作を買って、ちょっとおしゃれな店でワインを飲んで、一人誕生日を祝う予定でいた真澄。しかし、急な仕事で残業が確定。時間を忘れて仕事に没頭していると、一息ついたタイミングで祐太郎が訪ねてくる。彼は真澄の誕生日を知っていて、プレゼントを用意してくれていたのだ。しかもプレンゼントは、真澄が憧れているコスメブランドのリップ。「こんな高級なものはもらえない」と驚く真澄に、祐太郎は「いま塗ってみてほしい」と懇願してくる。根負けして塗って見せた瞬間、祐太郎の唇が真澄の唇に触れて……。
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3.0看護学校を卒業後上京し、数年間を看護士として多忙に過ごした結果、心身ともに疲れ切り地元へ戻ってきた愛美は、ちょうど従業員を募集していた、地元では有名な老舗旅館・翠玲閣で仲居として働くことに。初出勤日、先輩について仕事を覚えていると見覚えのある男性が……。それは小・中学校の頃の同級生、廣幸だった。なんと、廣幸は翠玲閣の跡取り息子だったのだ。廣幸は昔と変わらぬ態度で接してくれるけれど、愛美は身構えてうまく接することができない。それは、中学生の頃のとある事故のせいだった。事故のせいで、廣幸の額のあたりには未だに傷が残っている。傷への罪悪感から廣幸への接し方に悩む愛美だったが、愛美の気持ちなど知らない廣幸は事あるごとに愛美にちょっかいをかけてきて……。
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5.026歳の神谷日葵には同棲中の恋人がいるが、どうやら彼は浮気をしているらしい。浮気の現場を押さえるべく、出かけるふりをして浮気相手を待ち構えていると、なんとやってきたのは日葵の親友! ショックを受けつつも問いただすと、親友はまさかの逆ギレ。実は昔から日葵ことが嫌いで、嫌がらせのために彼氏を奪ったのだと激昂する親友の剣幕に気圧され、マンションから追い出されてしまった。恋人と親友、そして住む場所を同時に失い途方に暮れる日葵。今後の金銭面も不安でホテルにも入れず、取り敢えず会社の仮眠室で一夜を明かそうとしたところを、運悪く警備員に見つかりまたしても追い出されそうになる。すると、騒ぎを聞いていた社長の柚木浩介が、「それなら今夜は、僕の家に泊まるといい」と救いの手を差し伸べてくれて……。
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2.3何があっても何を言われても、笑顔で受け答える「いい子」として振る舞う癖がある遥。ある夜、同僚のミスを肩代わりして一人で残業をしていると、営業部に所属する彼氏が現れ、「他に好きな子ができたから別れてくれ」と告げてくる。突然の理不尽な扱いに腹を立てた遥だったが、つい癖で笑みを浮かべて「わかった」とうなずいてしまう。こんなときまでいい子を演じる自分に嫌気が差し、一人きりのオフィスでため息を付いていると、背後から「怒ることもしないのか」と声が聞こえてくる。驚き振り返ると、そこには社長である大貫尊人が立っていた。振られる場面を見られたことに対する羞恥と気まずさを押し隠し笑顔で接する遥だったが、尊人の「笑顔が胡散臭いな」という鋭い一言に、号泣してしまう。突然泣き出した遥に動揺しつつも、慰めるように抱きしめ背中を擦ってくれる尊人。彼の優しさに、ようやく落ち着きを取り戻し始めた遥だったが、深夜のオフィスで社長と抱きしめ合っている姿を、同僚に目撃されてしまい……。
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3.0理不尽なパワハラにより自主退職に追い込まれた山崎蛍。しかも悪いことは続くもので、同棲をしていた恋人にも振られ、マンションを追い出されてしまう。新居探しも職探しもうまく行かず、途方に暮れていたある夜。行きつけのバーで酔っていると、顔は見知っていたけれど言葉をかわしたことはなかった、マスターの友人である常連客の男性から、声をかけられる。酒の勢いもあり、初対面の彼・昴に涙ながらに不幸な現状を説明すると、彼は蛍に同情し「部屋が余っているから、今夜はうちに泊まればいい」と提案してくる。蛍はそこでようやく昴の素性を知るのだが、実は彼は国内外に多くのグループ会社を持つ電機メーカーの代表取締役専務を務める御曹司だった! 入ったこともないような高級マンションの最上階に通され、住む世界の違いに萎縮する蛍。そんな蛍に昴は「今夜に限らず、状況が好転するまでいていただいても構いませんから」と、どこまでも紳士的に接してきて……。
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3.0総合化学メーカー「ミズシナ」の営業二課で営業アシスタントをしている成瀬詩織には、想いを寄せている相手がいる。詩織の大学時代の先輩であり、今は隣の営業一課に所属している中延浩也。彼は王子様のように甘い顔立ちと温かな人柄で、学生時代から人気者だった。学生時代の片思いを忘れることができず、就職先まで浩也と同じ会社を選んでしまった詩織だったが、誰にでも優しい人気者の浩也にとって、自分は気楽に接することのできる後輩の一人でしかないことは理解していた。月に一、二回誘われる食事もマメに届く連絡も、誰にでも同じようにしていることだとわかっているのに、浩也から連絡がくるたびに、詩織の中には少しの期待が膨らんでいた。そんなある日、普段どおりの浩也との食事の後、詩織は酔った勢いで抑えきれない思いを伝えてしまう。しかし浩也の答えはNO。「詩織のことは好きだけど、恋愛感情ではない」とはっきり告げられ、詩織の片思いはあっけなく幕を閉じた。その日以来、少しでも早く浩也のことを忘れたい詩織は、浩也と距離を置くようになる。浩也からの連絡にはそっけなく返し、誘いは理由をつけて断り続けた。すると浩也はそれが気に入らなかったようで、「以前の関係に戻りたい」と言ってきて……。
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3.8クリスティーンとローラントは、幼い頃から同じ家で兄弟のようにして育った仲。そんな二人の関係に、変化が訪れたのはクリスティーンが18歳になった年の秋祭りの数日前。秋祭りでは18歳以上の男女はダンスに参加し、そこでプロポーズを行うことが通例となっていた。ローラントが、秋祭りでクリスティーンにプロポーズしたいと言い出したのだ。クリスティーンは驚くも、彼の真摯な気持ちに動かされ、結婚を承諾する。そして迎えた秋祭りの夜。クリスティーンがローラントからのプロポーズを受けたまさにその時、王都から近衛兵の一団がおしかけてくる。突然のことに慌てふためく村人たちを無視して、近衛兵はローラントの前にひざまずき、言った。「この方は、国王バルタザール様の正式な、そして今や唯一の息子である」 なんと、ローラントは国王陛下の愛妾の子だったのだ。現国王の後を継ぐはずだった第一王子が亡くなったことで、ローラントが城に呼び戻されることになったのだという。ローラントはクリスティーンに「一緒に城に来てほしい」と懇願してきて……。
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4.3シルベスタント公爵家のクロエは、社交界でも絶世の美女と評される容姿を持ちながら、乗馬をしたり拳闘を習ったりと、淑女らしからぬ快活な令嬢。今日も幼馴染のホーイエと軽口を叩きながら拳を振っていた。その様子に乱暴されていると勘違いした紳士が割って入ってきた。クロエの拳がきれいに決まってしまったせいで、失神した紳士。慌てて病院に連れていったクロエは、紳士が一時的に記憶喪失になったことを告げられ、紳士の面倒をみることに。名前も思い出せない紳士のハンカチに『D』のイニシャルが刺繍されていたことから、クロエは紳士を「ディー」を呼ぶことにした。惹かれ合う二人だったが……。