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  • 朱よりも赤く
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    朱よりも赤く

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    長野・小諸の高原をスピードにのって走る車では、都会のおしゃれな5人の男女の若者が大騒ぎしている……。それぞれの青春と恋愛を明るく描いた、恋愛小説の傑作長編。
  • わが愛と命の記録
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    わが愛と命の記録

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    将来の伴侶と決めた同僚の教師・中村謙一に伴われ、彼の実家をたずねた中川タミ子は、この結婚に反対する彼の両親から、ひどい侮辱を受けて席を立った。よく晴れた夜空にまたたく何千、何万の星、その孤独な光は人間の孤独に似てはいるが、人間には星にない愛情がある。家を捨ててきた中村とその夜タミ子は近くの温泉に一泊し、進んで契りを結ぶ。昔気質の人格者だが、女癖の悪い彼女の父、二号さんが公認されている中村の家、そんな生活だけは、と笑い合った二人だが……。一時代前の女の赤裸々な記録を通して、現代の若い男女に愛と結婚のモラルを訴える力作長編。
  • マギの恋
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    マギの恋

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    平吉は「夢見る男」だった。この人生に、小説と詩を書くこと以外に、真剣になることはない、と思い込んでいた。マギと呼ばれる小屋の2階で、彼は隣りの娘・トシ子と愛を誓い合った。トシ子は美人ではないが、純粋な心の持ち主だと、平吉は自分にいいきかせていた。しかし、結婚してやがて子供が生まれようとする頃、彼の描いていたトシ子の像が、風化された土人形のように崩れてしまう日がやってきた……。津軽地方の土の香りを漂わせつつ、人生への暖かい眼と鋭い諷刺を識り込んだ、巨匠の名作である。他に、若い愛をテーマにした好短篇11篇を収録。
  • 身がわりの夜
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    身がわりの夜

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    それは少女だけに許された、幻のような記憶かも知れない。下宿人だった画学生の杉浦が、正子の裸体を熱っぽくデッサンし、鮮紅色の乳房に、ふと触れた日の感傷は……。正子は、いま新宿・元青線のバー勤め。マダムの弥生は画家の未亡人で、かつて杉浦を愛した過去をもつ女だ。「杉浦はパリの安宿で病いに臥せている」と耳にした正子は、パリ行きを決意した。彼女は幻影を追って稼ぐ。ある夜、正子がとった男は甘美な肉体の香に酔いながら、奇妙な述懐を始めた……。女の感傷の傷跡を描く表題作ほか、全10篇。
  • 情事の配当
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    情事の配当

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    結婚7年め、子宝に恵まれぬのは、夫の体質が原因だと診断されたとき、絹子はむなしい虚脱感を味わった。頼りきっていた12歳年長の夫の姿が、ひどく老化してみえる。豊かな肉体をもてあましつつ、「ゴルフウィドウ」に甘んじなければならぬ絹子……情事への誘惑が心をゆさぶる。相手は、証券セールスの時岡という青年だ。夫の出張の夜、ついに彼女は甘美な悦楽にはしった――。「この情事の配当がほしいわ」絹子の胸に悪魔がささやく。彼女は夫に迫った「ね、私、人工授精をうけようかしら」。が、事態は一変した。時岡が事故死したのだ――という表題作ほか全10篇。
  • 女館
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    女館

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    生まれながらに霊感を与えられた美少女・妙子と、女ざかりの独身女、妙子に仕えて上品な物腰の、女の魅力を持ち続ける老女――「女館」に棲む3人の女と、影の如くつきまとう奇怪な風体の髭の男をめぐって、さまざまな事件が展開する。妙子の霊感で、動かなかった機械が動くようになり、新しい流行色のファッションが作られるようになり、政治家や実業家が、「女館」に日参するようになる頃、妙子は初めての恋に、女として目覚めてゆく。現代の愛と欲望のゆくえを、流麗な筆で捉えた異色長篇小説。
  • 純愛の砂
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    純愛の砂

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    考古学で名を知られた大学教授を父に持ち、母親がいない20歳過ぎの千也子と、やんちゃな妹で高校三年生のルミ子。二人の恋愛の行方はいかに?
  • 沙羅の門
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    沙羅の門

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    琵琶湖畔の古刹・昌福寺の一人娘・千賀子は、父・承海が、後妻として八千代を迎え入れたあくる日に、初潮を見た。正式な妻帯が許されない寺の中での、父と継母のなまぐさい営みが、女として目覚めた千賀子の心と体を、かなしい渦巻きに突き落とす。やがて京都の大学に進んだ千賀子は、ボーイフレンドと愛の過ちをおかし、そのことを八千代に告白するが、姉妹のような継母と娘の間に、父の承海もたちいることのできない、ふしぎな愛情が育っていた。……偽りと煩悩にいろどられた寺の生活を背景に、せつない女の愛と宿命を、美しい叙情で描きつくした、香り高い名作。
  • 紅い水着の女
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    紅い水着の女

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    剛直で声が大きいけれど、めっぽう正義感と腕っ節が強い天川剛太郎は、都心の紡績会社で頑張る若手。湘南の海で出会った深紅の水着の女・涼子にひとめで心を奪われ、急速に距離が縮まるものの、さっぱり行動が読めない涼子嬢との一進一退の関係にほんろうされる。そんな二人の前に、腹にイチモツ抱えた面々が現れて、剛太郎は熱情とトラブルの渦に巻き込まれていく。長く波高い日々と純情がつむぐ、一途な恋の物語。
  • 温暖前線
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    温暖前線

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    九州の南西海上から本土にむけて放たれた無数の風船。それは化粧品会社が、東京への招待客をきめる「幸運の風船」だった。その中の2つ、赤と青の風船が、四国土佐と新潟の山中に落ちた。小松大五郎と柳田千穂は、この奇抜な宣伝アイデアによって出あったカップルだが、小松は新婚旅行の夜、室戸岬の宿で花嫁に逃げられた心の痛手をもち、また千穂も雪溪のみえる谷間で遭難、同行していた二人のボーイフレンドに置き去りにされた悲しい経験をもっていた。著者独自の素材で幻想的にくりひろげる、現代若人の恋と真実。
  • ある告白
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    ある告白

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    夫の父である人との結婚を決意した野口ふじ子は、少女時代からの自分の性の歴史をふりかえった。小学校の男の子との幼いペッティング、女学校のクラスメートとの同性愛……。彼女のまわりには、母を犯した孝行息子もいたし、純朴な青年に肉の果実を饗して死んでいった女教師もいた。体験や見聞を通して、ふじ子は、セックスがさまざまな人間たちの中に、原始の祭典のように生きていることを知った。明るく悲しいことだった……。現実に目をそむけることなくセックスを描くことで、作者は観照の深い人間論を展開する。石坂文学のエキスをすべてとかしこんだ長編!
  • 那智滝情死考
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    那智滝情死考

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    15歳で、京都五条の遊廓に身を売ったまきは、結核をかくしながら、男たちの相手をしていた。なじみを重ねた政市は、伏見の輜重隊で、けもののようにいじめぬかれていた。……ある日、廓を抜け出したまきと、兵営を脱走した政市の、からだをくくりあった心中死体が、熊野三山の聖域の那智滝で発見された。相擁して飛瀑の底に身を投じた男女の悲運な道に思いをはせて、美しくも哀しい愛の姿を描いた傑作。ほかに「蜘蛛飼い」「赤い毒の花」「真福寺の階段」「雪の下」を収録。
  • 青い颱風圏
    値引きあり

    青い颱風圏

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    カミソリ奥さんと悪名高い女医の息子・孫六くんと、カミナリ親爺を父に持つ江利子が、若さと機智で、犬猿の仲にある両家をさばく、ユーモア小説――伊豆・天城の山中で偶然の出会いを重ねて惹かれ合った江利子と孫六。その縁結びの神がいたずら好きだったためか、二人は、互いの家族や友の因縁が招く暴風雨のような日々に巻き込まれていく。素直に好意を寄せ合うこともままならないなか、突如襲来したホンモノの台風が解決の糸口となりそうになるが……。『きんぴら先生』シリーズで大衆小説をけん引した著者の、軽妙爽快な青春群像。
  • 体の中を風が吹く
    値引きあり

    体の中を風が吹く

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    章子は、ぐうたらな夫と別れ、2人の子供をかかえて働く、婦人記者である。わが子の成長を楽しみに生きる章子にも、女としての心のひもじさに耐えきれぬ夜もあった。彼女には、年下の恋人・省吾がいた。誠実な彼は結婚を迫るが、章子は自分の境遇を負い目として応じられない。愛しあい、逢瀬を重ねながら、章子の心は、かたくなに閉されてしまう。そして、上役の世話で、省吾に若い笹子との縁談が起こるのだが……。年上の女の情熱と哀しみを主題に、定年を迎えた隣りの山崎家、そこに同居する共稼ぎの安川夫妻など、善意をもって生きる人々の生活の哀歓を描く、長編傑作。
  • 青い失速
    値引きあり

    青い失速

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    冬の菅平へ、木塚哲男と稲山洋子は、新婚スキー旅行にやって来た。襖1枚の隣室のスキー客の含み笑いに、洋子は初めての夜をこばんでしまう。翌朝、木塚は偶然逢った友人とともに、洋子を残して根子岳に出発、そして吹雪の山で道を失う。救出された木塚の枕元で、洋子はうわごとに「美津子」と呼ぶのを聞いた。……濃霧の高原、寒冷前線の乱流の中に展開する、青春画像を描いた長編力作。
  • 女の椅子
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    女の椅子

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    夫が若い商業デザイナーを愛し、間もなく子供さえ生まれようとしていることを知ったとき、由紀子は、小さな息子の洋を連れて、家を出た。家政婦として働き始めた彼女は、いままで知らなかったさまざまな家庭と、その中に息苦しく耐えている夫婦の姿を見た。それぞれの業を背負った男と女が、お互いに傷つけあっている姿に愕然とするが、それでも彼女は、安らかな「女の椅子」が欲しいと願いつづけた。その間に、夫との溝は、ますます深くなって行くのだった。……新鋭女流が、動揺しやすい夫婦愛の機微を、きめこまかな筆づかいで捉えた、味わい深い佳篇である。
  • 嫉妬やつれ
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    嫉妬やつれ

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    夫がポケットにしのばせていた、女文字の手紙。《夫を愛している女性がいる》……三千代はとまどった。40歳をこして、冬眠した動物のように、枯れきっていた夫に、そんな情熱が、どうして甦ったのだろう……。相手は若い女なのだろうか? 三千代は、夫の後をつけた。そして見た、夫の情熱を呼びさました冴子という女を。突然、三千代は乾きを覚えた。忘れていた性の乾き。雑踏の中で、稲妻のように体を突き抜けた思いに、三千代は戦慄する。《私も夫を裏切ってみたい!》……中年夫婦の愛情の危機を繊細な筆でえがく、『嫉妬やつれ』はじめ、全10篇。
  • 海流
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    海流

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    遭難した紅洋丸の通信長・豊野道彦を救った密輸船の秘密。沖縄と海の生活を舞台に展開される、波瀾万丈のメロドラマ。海難事故から始まる出だしで、壮大な海洋物の長編と思いきや、ぐいぐい恋愛に引き込まれていく傑作。
  • 薔薇の木にバラの花咲く
    値引きあり

    薔薇の木にバラの花咲く

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    潔癖で清純な心の持主の黎子は、アルバイトをしながら大学で学んでいた。戦災で両親を失い、肉親は姉ひとり。人の負担になるまいと肩を張って生きている彼女の前に、名門の建築設計士の叶が現われる。叶は黎子を愛し、若い直情から、彼女の肉体に愛の烙印を押した。黎子に静かな愛を寄せていた誠実な鳴海は、事情を知ったとき、男らしく耐えて、黎子と叶が結ばれることを願った。が、それは、黎子を蟻地獄のような苦しみと迷いに追いやるのだった。純粋な処女の心理と、愛情の哀しみと美しさを追究した、清爽な抒情あふれる青春ロマン。
  • 夜と昼と
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    夜と昼と

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    静子は過去に一度結婚したが、夫に女ができると自ら身を引いて別れるような、内気なやさしい性質であった。姉の愛子の家に、妹の珠子とともに身を寄せているが、姉たち夫妻のいまだに新婚気分の漂う幸福そうな様子、バレエに打ち込む珠子に較べ、女としての自分の幸福を夢みることもあった。静子は姉の夫の弟の和夫に親しみを感じていたが、和夫の方も共かせぎを続ける妻のさばさばした性格とは違って、いつも「女」を意識させる静子にひかれてゆき、やがて二人は周囲の人々の目を忍ぶ暗い情熱に結ばれてしまう。現代社会における愛のあり方を追求した力作。
  • 告白・女心遍歴
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    告白・女心遍歴

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    幾度も職業を変え、貧に悩み、さまざまな傷心を、人の何倍か味わった水上勉は、人間のおそろしさにおののき、しかも人間を愛さずにはいられない。「女心遍歴」という言葉の中には、理想の女を求め、裏切られ、やはりそれを思うことをやめられない男の、せつない祈りがこめられている。また、みずから破戒坊主と称して、女性とのもつれ合いを「告白」するとき、水上勉の心には、愛へのはげしい願いが、こみあげてくる。……自伝的な、この2つの異色作は、著者の作品群の中で印象的な位置を占め、著者の心の記念碑ともいうべき、美しくかなしい物語である。
  • 皇女和の宮
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    皇女和の宮

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    有栖川宮熾仁親王と婚約するも、公武合体・尊王攘夷で揺れる幕末の、江戸幕府と皇室と複雑な関係から、将軍・徳川家茂に降嫁することになった和の宮。大政奉還の後、二人は再会するが……。巨匠・川口松太郎が描く、幕末のヒロインの物語。TVドラマ化もされ、またこのドラマが縁で平幹二朗と佐久間良子が結婚へ向かったことでも話題になった作品。
  • 脚光
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    脚光

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    ヤジマ製薬の宣伝部に働く大道輝子は、中流家庭にのびのびと育った明朗な現代娘。気まぐれに無名の劇団アシカビに加入し、たまたまヤジマ製薬提供のラジオ番組にサクラ出演したのが縁で、連続ドラマのヒロインに選ばれる。こうなると、本人の意志に関係なく、マスコミはスターの座におしあげていく。周囲の醜い嫉視、許婚者との愛の破綻に傷つきながら、輝子は次第に女優としての意識にめざめ、主役に抜擢されたT座公演の初舞台に、新生の第一歩を踏みだすのだった……。平凡なビジネスウーマンが一躍華やかな脚光を浴びて女優となる、現代の夢に愛と真実の意味を問う傑作長編。
  • 偽りと真実のあいまに
    値引きあり

    偽りと真実のあいまに

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    たみ子とのぶ子は、魅力的な結婚適齢期の姉妹である。よく似た顔立の2人だが、性質は対照的で、姉は引っこみ思案、妹は積極的でコケティッシュでさえある。ある日、のぶ子は、デパートの特売場で好意を感じている好青年・野崎正雄と出会い、急速に親しくなる。そこでのぶ子は、野崎とたみ子を結びつけるために、野崎の若い血潮を燃え上らせ「飢餓状態」に引き入れようと企んだが……。ユーモアと健康なエロティシズムで愛情の真実を描いた「偽りと真実のあいまに」の他、「ハシカのようなもの」「辛抱づよく生きたS氏の像」「私の犬はレオという」「猫」「老婆」を収録。
  • まぼろしの人
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    まぼろしの人

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    初恋の女性との結婚生活に失敗した私は、いまふんぎりの悪い独身生活をつづけている。ある日、私は、既に人妻となっているリキ子と、37年振りに再会した。私とリキ子には、東北のS町で幼い性の遊びをしたという遠い記憶がある。それは異常な老婆の仲だちで行われた暗い彩色画のような、心の歴史の一齣であった。幼い体験から出発した二人は、それぞれに辿った人生の半ばを過ぎた頃、ホテルの一室で語り合う夜がめぐり来るとは、夢にも思わなかった……。人生のたしかな実感に裏打ちされた中年男性の抒情を流露させた「まぼろしの人」ほか4編収録。
  • 嫉ける
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    嫉ける

    長嶋薬局の若主人・雄太郎は、若く美しい女・戸倉由里亜に心ひかれ、その親友・野田金次郎は、アパートの隣室に住む奔放なファッションモデル・松宮のり子にのぼせ、そして由里亜は、モデル時代の恋人の推理作家・柾目秋介が、のり子と関係をもったのに激しく嫉妬する。由里亜の夫・戸倉作也は、妻の心をとりもどすため、のり子と一芝居うったのだが……。からみあう男女の妬心を描く推理長篇。
  • 濡れにぞ濡れし
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    濡れにぞ濡れし

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    恐怖と表裏をなしている幼年時代の性の記憶、羞恥に彩られた少年期の性の意識……京都の三高に入学した私は、倉田百三の「出家とその弟子」の恋愛観、ひいては親鸞の「歎異鈔」の倫理観によって、新しい精神の世界にめざめていった。性には罪悪感がつきまとう。私には愛を伴わない情慾は考えられない。東大に進学した年、六本木のカフェで女給の柳とく子に逢ったとき、私は「ここに私の妻がいた」と直感する。彼女と旅に出た私は、宿では手を握り合って寝たが、帰京した夜、彼女の下宿で初めて烈しい性衝動に襲われ……。晩年までの性中心の自伝で、絶筆となった長篇。
  • 夜は新しく
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    夜は新しく

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    香料技術家の夫・毛利直保が、銀座街頭に連れだっていた若く背の高い女は誰だろう……。平穏な日常生活に退屈した28歳の人妻・由美子の心にしのびよる愛の渇き。そして、濃い眉と逞しい胸をした建築家の小泉青年とともに、バア・トレントで乾したジン・フィズの味が、ひとつの危機の重みとなって冷たくのしかかる。傷ついた美しい獣のような由美子が、死を賭してまで捉えようとしたものは何であったのか……。人妻の不倫に内側から照明をあて、大胆な筆致と濃密なムードに浮彫した野心的長編。永遠にかなしく美しい〈女のかたち〉がここにある。
  • 愛が扉をたたく時
    値引きあり

    愛が扉をたたく時

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    アパートの一室で、歌手の朱実は自殺した。彼女の突然の死は謎につつまれていた。朱実の死の翌日にその部屋を訪れる人が、朱実のほんとうの恋人なのだと、妹のみどりは言う……。男たちの欲望の渦の中を生きる美しい姉妹と、転向という過去を持つ中年の作家との交渉を描きながら、真実の愛の成り立ち難い戦後の暗さを追求した力作長篇。
  • 女の繭
    値引きあり

    女の繭

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    菱川佳世は、銀座「丸藤」専属の若い和服デザイナー。彼女の染めた衣裳を、一流会社の社長夫人・菅野三千代が着ると、人目をそばだてる。生家が西陣の帯地問屋と織元という関係で、三千代の方が年上だが、二人は幼い頃から姉妹のように親しかった。佳世の兄・豊喜は太平洋戦争の軍医で、ある夏、突然帰国する。彼は抑留中のいまわしい経歴から、虚無的な影のある男となっており、佳世はそんな兄の底知れぬ冷たさに幻滅するが、彼の帰還を10年待ち暮して今は人妻の三千代の瞳は、妖しく燃えるのだった。人間に絶望した男を愛のちからで蘇らせる、京おんなの激しくも哀切な恋を描く傑作。
  • 妻は知っていた
    値引きあり

    妻は知っていた

    小説・文芸
    -
    1巻462円 (税込)
    デパートの設計部に勤務し、若くて優秀な室内装飾デザイナーの菊雄を夫にもつ多緒子は、幸福な家庭生活をおくっている。ところが、菊雄が上顧客である貿易会社の社長令嬢・潮子から、商業装飾の店の専門技師として転職をすすめられ、この事件をめぐる夫婦の感情のもつれが、やがては家庭の苦悶の姿に変っていく……。
  • 現代好色一代女
    値引きあり

    現代好色一代女

    小説・文芸
    2.0
    1巻462円 (税込)
    男の欲望のまにまに押し流されて生きる美しい母・よし乃。真実の愛を求めて悩む娘・ゆかり。夫の岳夫と母との不倫な関係を知ったゆかりは、恋人・篠田との新生活を望みながら、夫の脅迫に怯えその腕に抱かれつづける。この女体の哀しさは、母の弱さとどこが違うといえようか……。戦争を境に、衣笠家は没落した。かつて宮家の姫たちに仕え由緒ある豪農に嫁いだよし乃は、夫・義則の嗜虐的な愛撫に馴らされていたが、夫の死後は女手一つで生きるため、次々と男に身を委せていくのだった…。女盛りの寡婦のたどる数奇な男遍歴を通して、女体に潜む「業」を追求した、円地文学の会心作。
  • 私も燃えている
    値引きあり

    私も燃えている

    小説・文芸
    -
    1巻477円 (税込)
    ユニークな自我に生きる女流作家の宇女子と、美しく聰明な姪の千晶を中心に、2人が同時に愛する若い原子物理学者の香取耕二、千晶の婚約者である医師の宇津木努、江戸趣味に生きる洒脱な美術評論家・市島克衛、繊細な心情を持つ理論物理学者・小坂部、千晶の父の病院長・弥曾次、母の類子、宇女子ファンの芸者・小千代など、さまざまな恋の姿と、綾なす人間群像が描かれる。この作品は、著者の男性観・恋愛観のすべてを注ぎ、個性的なリアリティを持った円熟の筆に、恋の虚飾と真実を、見事に凝縮し、彩りゆたかに描きつくしている。豊麗な大河の魅力を思わせる傑作長編。
  • 泥の勲章

    泥の勲章

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    社長秘書の交通事故死、それにつづく専務の失跡。東洋石油には秘かに、しかも確実な足どりで「魔の手」が迫っていた。資本金140億円の巨大な会社を背後からあやつろうとしているのは誰なのか――。専務秘書・名取洋三は、その激流のなかにサラリーマンとしての運命を賭けた。彼がみた汚濁にみちた人間の闘争。泥にまみれた「勲章」を狙って、社長、重役、右翼ゴロ、新興宗教……人々は牙をとぎすました獣のように争う。が、東洋石油の経営権は、その誰の手にも得られない。最後にそれを手にするものは? 金融資本対産業資本のすさまじい闘争を描く力作。
  • 女人白道

    女人白道

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    焼夷弾を避けて逃げ惑った東京大空襲の日、手を引く母に逆らって、細い道を選んだために生きのびた二宮唐子。――12歳の彼女は、白く光る大道を幻に見ていたのだ。 戦後〈霊感少女〉に仕立てあげられた唐子は、仮面をつけた生活に失望する。自堕落な母の生き方にも反発して、流行歌手・江月の前に自らの体を投げ出すのだった。が、唐子は妖気をはらむ女なのか……男の体を萎えさせるだけなのである。やがて江月は、自らの生命を絶つ。唐子も歌手としての道を求めて大阪へ家出する。幸運の卦はいつ訪れるのか?――無限に拡がる「白い大道」。
  • 巨人商社

    巨人商社

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    雨の夜の神戸港で、港湾労働者スケやんが水死体となって浮んでいた。その死因に疑問をもった水上署の刑事はひそかに捜査を始める。一方、貨物船興亜丸の沈没で兄を失った小柳は、沈没のナゾを解くべく貿易商の玉井、美人真珠商の伊吹楊子と共に事件を追及するうち、興亜丸と共に沈んだはずのコック・吉村公夫の生存を知る。膨大なる組織をめぐらして真珠市場に君臨する極東商事の暗い過去。不能者の玉井と同棲する美女アンナ。欲望のために小柳を捨てた過去の女、早苗。――冷酷な陰謀を秘める巨人商社のシンジケートに挑戦し、現代社会の偽装を暴く雄大な産業推理長編小説。
  • 歩いている女

    歩いている女

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    信吾とみや子は、同人雑誌の仲間であり、恋人未満の煮え切らない仲であった。信吾はテレビドラマのプロデューサー、佐竹のもとへ脚本を持ち込んだが不採用。しかし、みや子を紹介してほしいと頼まれる。佐竹は今度のドラマの主演女優としてみや子に目をつけたのだ。一度は断ったみや子を説得し、女優の道に進ませた信吾だったが……。仕事に悩み、恋につまずき、新たな扉を開けながら歩いていく青春群像。
  • 風変りな代償

    風変りな代償

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    美貌の女子大生・古園洋子が失踪した。彼女はホステス・アパートの一室を借りていたのだが、管理人・谷本恵吉の姿も見えない。ホステスたちは谷本の正体もアパートの所有者も知らないという。――数日後、洋子の死体が相模湖から見つかった。谷本の愛車ルノーに乗ったまま湖底に沈んでいたのだ。また意外にもアパートの持ち主が、T大で倫理学を教える清水助教授であることも明らかになった。《倫理学教師のホステス・アパート経営!?》。ナゾは深まるばかりだった――が、巧妙な偽装がはがれた時、白日にさらされたのは腐肉の如き性の悲劇だった。「風変りな代償」他5篇。
  • 独裁者のラブレター

    独裁者のラブレター

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    新興マルギダ国の独裁者アント・カーネの来日を絶好のチャンスとして、カーネ暗殺を計るマルギダの革命派。一方、日本の商社・富士物産と大協実業は、マルギダ進出を狙って激しいしのぎをけずっている。大協実業の秘密社員・島田は、会社のためばかりでなく、彼自身の意地と、マルギダ革命派の美しい女グローズへの恋を賭けて、どこまでもカーネ暗殺を追求しつづける。革命家の暗躍、企業間の葛藤、政治、死、恋。『私は貝になりたい』の筆者が、もっとも今日的な主題を乾いた男性的筆致で描く、スリルあふれる長編サスペンス小説。
  • 青いサファイヤ

    青いサファイヤ

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    破天荒の「テレビ結婚」で一躍脚光をあびた井戸美子は、プロレスラーと蒲原財閥の当主を手玉に取って、ついに財閥夫人にのしあがり、プロレスラーに夫を殺害させて、莫大な遺産を継ぐ。熱海沖のH島を買占めて東洋のモナコにする野望に燃えた彼女は、政治の腐敗につけこんで政界の実力者・佐渡代議士を籠絡し、その準備を進める。だが、蒲原政之助の死因に疑惑を抱いた新聞記者・中川隆夫に、かつて彼女が地方実業家にニセ札づくりをもちかけて、類ない肉体を餌に500万円を詐取した旧悪を報道される。そして佐渡代議士との密会も暴かれて、ついに破局へ……。渾身の現代悪女物語。
  • 詰め腹

    詰め腹

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    動乱の中近東から安い石油を輸入する放れ業を演じて、業界をあっといわせ、「世界石油」を一流会社にのしあげた社長・葛原大三の満々たる自信が、今や揺らぎ始めた。腹心の橘専務が裏切ったのだ。しかし彼は、背後に迫るさらに巨大な陰謀の存在をいまだに知らない。経営危機を切り抜けようとアメリカに飛び、米資本の融資を取り決めて帰国したとき、彼を待っていたのは社長退陣の要求だった。湯水の如く政界に撒いた献金の効果も、今は空しい。――著者が足で取材した秘材をもとに、金融資本の悪魔にひとしい裏面を鋭く抉る「詰め腹」他5篇。
  • 歪んだ栄光

    歪んだ栄光

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    T省の屋上から墜落する人影を「私」は窓ごしに見たのだ。前庭の花壇を鮮血にそめて惨死したのは「私」の上司・小田課長補佐だった。新聞は「自殺」の原因に汚職の翳があるという……。その3日後、こんどは若い雇員の本石幸一郎が走る列車から転落した。報せをうけて豊橋に急行した「私」を見て、本石は「殺しに来たな!」とわめく。その両眼は空虚に鈍く光っていた。《この2つの事故が、どう関連しているのか?》。「私」は戦慄すべき真実に直面した。それは官僚機構にひそむ抑圧された青春の狂気である。表題作他5篇を収録。
  • 冷酷な報酬

    冷酷な報酬

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    名神高速道路の闇の中に死んだ雨宮義人。彼の自動車は、〈梶原トンネル〉の壁面に激突しての即死だった。太陽産業の気鋭の研究者として、カラーテレビ開発の第一線に立っていた雨宮の死には、不可解な謎が感じられた。 社名をうけて、この事故死に取組んだ野田誠司が、苦心の末に探りあてた死の真相は、激甚な産業の恥部を覗きみるような策謀と非情の世界だった。研究グループごと、ごっそりと競争会社のスカウトの手がのびていたのである。拒否した雨宮を襲った非業の死。――梶山文学の独壇場ともいうべき産業スパイ小説「冷酷な報酬」他5篇を収録。
  • 涙は拭かずに

    涙は拭かずに

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    商店街のPR誌の編集者・相良道子は、雑誌のスポンサーである服部から、ブーツをプレゼントされた。はいてみせてくれ、という服部の注文に応じた道子は不自然な体勢のところを襲われ、あやうく犯されそうになる。道子はかねて編集長の伊賀に好意をよせていた。伊賀も同様らしい。しかし人生は皮肉だ。道子は姉の夫・前田英一に強姦同然で処女を奪われてしまう。ショックは道子を一時的に自暴自棄に追いこむ。さまよう彼女の明日は? 処女喪失が女性をどう変貌させるか、をテーマに描くロマン大作。
  • 男の階段

    男の階段

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    秋晴れの鬼怒川渓谷に、堅田邦子の死体は浮いていた。乳房にはバラの花弁のようなキス・マークがついている。邦子には年下の恋人・所道雄があった。が、彼はその前日にゴルフ場で彼女と別れたばかりだという。確かなアリバイもあった。邦子の弟・浩一は葬式の夜、姉の日記をひらいて、彼女の心の奥にかくされた恋人の不信の事実を知る――証券会社のエリートコースを望む所道雄は、常務の娘との縁談を進めていたのだ――。年上の恋人を無情に捨て去って、出世の階段をのぼろうと焦る男の姿こそは、現代サラリーマンの心奥にひそむ妄執の汚点だ。「男の階段」他3篇。
  • 寝業師

    寝業師

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    二流商社の平社員・村中陽吉は、会社の将来に対して痛烈なレポートを書いたがために、単身ニューヨークへ飛ぶ破目になった。支店を開設しろ、というのである。英語もろくにできない村中はセントラル・パークで途方にくれた。英語の勉強でも、と思って大衆小説をひろげていると、思いがけず隣りにすわった白人女性が声をかけた。50がらみのその女性は「うちへいらっしゃい、本が沢山あるわ」と誘った。村中はその誘いに応じたのだが、縁は異なもの、そこから彼は大変な見つけものをする。快人物の一代を描く標題作のほか4篇を集めた、さわやかな作品集。
  • ある復讐

    ある復讐

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    佐伯隆二は、今も7年前のあの日の憤懣と屈辱が忘れられない。一流大学を卒業した彼が、大東映画の採用試験に落ちた日のことだ。合格、と信じていたのに、身上調査でふり落されるとは。 己の才能が信じられなくなり、いつかエリートコースを踏みはずし、妻に養われる怠惰な男になってしまったのも、すべては屈辱の思いに耐えられなかったからだ。その佐伯が新聞広告につられて応募した興信所に勤めた時、初めて知る身上調査の実態――それは巨大な社会組織の翳りのような虚偽の世界ではないか――に佐伯は唸った。俺は嘘のために一生を失った!「ある復讐」他5編を収録。
  • 浪士組始末

    浪士組始末

    出羽の浪士・清河八郎は一介の剣客ではなく、政治的野心の熾烈な機略家であった。安政6年、江戸は神田お玉ヶ池に堂々と「文武指南所」の大看板を掲げたほどの豪の者だったが、郷里で17歳のおり隣家に娼婦を招くなど、34年の生涯は不羈(ふき)奔放なところがあった。――文久2年11月、幕府の政事総裁・松平春嶽に当今急務三策を上書して、浪士組成立の端緒をつくった清河八郎が、京師にのぼって攘夷を画策、江戸帰還後も浪士組の隠然たる黒幕として、向背つねなく、攘夷の勅諚を奪還せんとして、幕府の浪士抑圧の策におちいり、仆(たお)れるまでを描いた「浪士組始末」他8編。
  • 忍法相伝73

    忍法相伝73

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    安サラリーマン伊賀大馬が、トランクの中より探し出せし一巻の巻物、これぞ伊賀忍者の太祖、風忍斎が遺したる忍法相伝書である。大馬が早速、忍法「墨消し」を実験すれば、おお魔天の感応か、その鼻息を受け、あらゆる活字が消失するではないか! かくて、伊賀大馬は現代の忍者と化した。老残の硯学、松中半兵衛先生と肉体美女、鳥羽壺子嬢に支援されて忍法を発動すれば、「鳥の死声」は実力政治家をして「民衆から収奪する喜び」を天下に告白せしめ、「諸行無常」は男女の交りを索漠たる灰色の世界に墜し、セックス万能の時流を排す。辛辣にして軽妙、世人の意表を衝く珍騒動! まさに風太郎ワールド全開!
  • 素浪人梅津長門

    素浪人梅津長門

    『江戸群盗伝』の続編。将軍家斉の御落胤雪姫と所帯をもった梅津長門は、読本の人気作家となっていたが、ある日、北町奉行の遠山左衛門尉に見込まれ、因縁の相手が絡む事件に巻き込まれる。隠された財宝、引き起こされた殺人、雪姫とよく似た娘……謎は深まってゆく。『眠狂四郎』に先立ち書かれた美貌の剣士、梅津長門の剣が冴える痛快時代小説。
  • 女の踏絵

    女の踏絵

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    東洋映画を背負って立つ、一枚看板の大女優・草壁三樹子は日本でも指折りの大富豪、一井男爵を父に、新劇女優・水田三重子を母にして生まれた。彼女は生まれつき淫奔で、志村プロデューサーと関係し、カメラ助手・白石次郎の子を生み、多くの男と浮名を流すのだった。しかし、二枚目スター・林光哉を知るや、三樹子は全身全霊で彼を愛し、同棲するようになった。そんな三樹子を、彼女の幼時からの忠実な下僕――「カシモド」は嫉妬の炎を燃やし、冷たく見つめるのだった。……。強烈な欲望に生きる奔放な女性を描いた問題作「白い炎の女」他3編を収録。
  • 遊太郎巷談(上)

    遊太郎巷談

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    総髪、無精髭、古着を着流した姿でも、その品位を隠せぬ謎の浪人。腰には香木刀を帯び、えもいわれぬ芳香をまとうその男、巷では遊太郎と呼ばれている。上州で女親分お葉を助けた縁で、一家に身を寄せた遊太郎。身の回りの世話をしてくれるお夕に思慕の念を抱くものの、心中からは病める剣鬼、平手造酒の妖気を帯びた気魄が消えず……。1959年市川雷蔵主演映画の原作、長編時代小説上下巻。
  • 遊戯の報酬

    遊戯の報酬

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    耐性皮革研究所という名の奇怪な洋館には、ときどき上流階級とおぼしき数人の客がやってきた。館の主人は、美貌の女性である。が、ある日、欧風のサロンにも見えたこの邸で、殺人事件がおきる。しかも、被害者は志村千恵――女主人であった。千恵の弟・達夫は、姉の死に不審を抱く。彼は、自分の学資を出すためにコールガールまでしていた、姉の過去を知っていたのだ。何かが隠されている! 達夫の調査は、次々に洋館の正体を暴いてゆく。耐性皮革研究所は、実は皮具を用いて、サディストやマゾヒストが快楽をむさぼる隠れみのだった。そして、姉の本当の死因とは……。
  • 虹を掴む

    虹を掴む

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    敗戦の時、20歳になったばかりの安心院傑四(あじみ・たけし)は、巡回映画で大金を掴んだ。ついでGIを利用したヤミ商売で大アナを当てる。「よっしゃ、これからはアイデアの世の中だ」。彼の夢は、まるで虹のような華やかに彩られた。妻の英子には大阪に、愛人の咲子には広島にバーをもたせると、目指すは東京進出! 「大金持ちになったるで」と、日本一のクラブ『ラール』をオープン。マダムに初恋の女・秋子をすえると、彼が考えたのは、花のパリからのPR新戦法。これも大いに当たって……。戦後派のシンボル「英雄豪傑」の、野心と商才と色の道を、快調なテンポで描き出す梶山文学の面白さ!
  • 太陽はまた昇る 公爵近衛文麿 (上)

    太陽はまた昇る 公爵近衛文麿

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    公爵・近衛文麿は、昭和15年7月に組閣の大命をうけ、第二次近衛内閣を組織した。陸相は東条英機、外相は松岡洋右であった。この時から、近衛文麿の悲劇が始まる。三国軍事同盟の締結で大陸戦線は膠着し、日米交渉は暗礁にのりあげ、近衛はグルー大使と会見する。それは近衛個人の悲劇にとどまらず、日本の悲劇に他ならない。日本近代史における近衛の演じた役割はあまりにも大きかった……。この「太陽はまた昇る」は、戦争か平和かの岐路に立って悩む近衛を中心にして、しだいに軍閥の掌中におどらされてゆく日本の姿――第二次大戦を軸とした日本の近代史――を描いた、上下2巻の長編歴史小説である。
  • 十三角関係

    十三角関係

    遊郭のマダムが、むごたらしいバラバラの死体で発見された。店の女たちにも慕われる評判のいいマダムが、なぜ殺されたのか。事件直前に訪れた客たちを調べても、いずれも犯人には辿り着けない。その謎を、風太郎現代ミステリー唯一のシリーズ探偵の「飲んだくれ産科医」荊木歓喜が解き明かす!
  • 悪人志願(上)

    悪人志願

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    生まれながらの巧みな弁舌で、郵便局の養子に収った番匠銀之助は、家付きの姉妹をものにすると、もう次の悪事に想いを走らせる。代議士の姪・路子の征服――この娘を俺の出世に利用しないわけにはいかぬ……。悪事のプランは夜床の中で、塩煎餅を齧りながら思案する。やがて、銀行を舞台に籠抜け詐欺で得た大金で、汽船会社を乗取り、ボロ船で保険金を搾取し……。20歳を過ぎたばかりで、もう一流実業家気取りの彼は、関東大震災すら、自らの色と欲に悪用した。市内の用地略取に始まる軽井沢と箱根の土地買占めである。欺瞞に満ちた銀之助の半生を描く長編悪漢小説、上下2巻。
  • 夢に罪あり

    夢に罪あり

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    江上医院の美人三姉妹が、それぞれに辿る愛の軌跡。長女に一夜の契りを残して出征していった男、世界を放浪の末に巨額の宝石を手に帰国した男、妻を亡くして愛娘と暮らす美貌の仏文学者などが辿る、それぞれの人生の軌跡。三姉妹と男たちの軌跡が交わる時、愛と憎しみ、希望と絶望とが交差する。
  • 飛騨忍法帖

    飛騨忍法帖

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    女人禁制の誓いを破るとき、飛騨忍法は破滅する――乗鞍丞馬は、天人の如きお美也の美貌に触れたとき、奔り湧く恋情に忘却すべからざるこの戒めを忘れた。彼の幻法は瞬時にして枯死し、宗像主水正の豪剣に左腕を断ち落とされた。以来、宗像家の忠僕となった丞馬が、再び忍者として立ったのは、主水正が闇を縫う銃弾に斃れしゆえ。いま、飛騨忍法は甦った! 夫の仇討ちに京へ旅立つお美也を助け、丞馬は飛騨伝来の「五幻の術」で銃口の前に身を挺する。――かくて4年、最後の敵に対したとき、死を賭けた彼が、お美也への愛慕を籠めた秘法「死恋幻法」の凄まじき美しさ。
  • 度胸時代

    度胸時代

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    桑名藩十万石・松平下総守直正(ただまさ)の世子に生まれながら、生後まもなく怪盗百夜の弥吉の反抗的悪戯から、身投げ女の赤ん坊とすりかえられて育った左右吉は、生来の利発さと度胸のよさで、思いもうけぬ人生経験を豊富にする。日光東照宮の修築をめぐって、苦境に立つ桑名藩の側頭役・奥町丹左衛門の苦衷と、世子誘拐を策する公儀目付・竜道寺源五郎の執拗な魔手と、公儀隠密群の暗躍。市井の浪人・太郎左と名のる若年寄・小笠原相模守の隠密・武四郎は、怪盗百夜の弥吉から左右吉の出生の秘密を打ち明けられて庇護するが……。意表を衝く結末にいたる奇想天外な左右吉の度胸っぷりを描く巨篇。
  • 大将

    大将

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    大きな耳にダンゴ鼻、茫洋としたなかに、強烈な個性を秘めた、130キロの巨漢――野呂内大太郎が、本篇の主人公である。 日本の敗戦で、ソ連の抑留生活から故郷の松山に還った大太郎は、340万円の遺産と、10ヵ条からなる亡父の遺書を胸に秘めて、松山市内での映画館経営を皮切りに、莫大な負債で倒産寸前の造船所を再建し、奥道後の温泉発掘に半生の運命を賭ける……。奥道後に万里の長城にみたてた巨大なホテルと純金の金閣寺を真似て建て、理想の大レジャーランドを建設した夢想の実業家=「四国の大将」をモデルに、波乱に富んだ半生を描いた、痛快な長編小説。
  • 魚たちと眠れ

    魚たちと眠れ

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    週刊誌記者の矢島が、ファニ―化粧品主催の洋上大学の取材をひきうけたのは、ハワイへ行ける楽しみより、生徒として参加する平均22歳半という100人の美女たちに惹かれた、といったほうがいい。4月中旬、豪華船セントルイス号は、5人の講師、カメラマンなどを加えた114人を乗せて横浜を出航した。しかし、生徒中1、2を争う美女・水島陽子の突然の失踪が、船内の華やいだ空気を一変させることになる。つづいて、講師のファッション・デザイナー及川弥生の変死……。華やかな雰囲気の陰の醜い愛憎の葛藤と意外な真相を、巧妙緻密な推理で解き明かしていく長篇推理小説。
  • 奇妙な人たち

    奇妙な人たち

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    小池サクが女性実業家として異能を発揮しはじめたのは、彼女が中年の未亡人になってからである。彼女は生前、夫の放蕩に泣かされていたが、頭脳は男以上に良かった。サクが着目したのは、当時珍らしいコンドームの製造。だが、昭和初めである。苦労して作ったものの、販売と宣伝がむずかしい商品だった。彼女は自ら薬局をまわる。だが、反応は思わしくない。サクは、軍隊に目をつけた。うまく当り、海軍省ご用達に。さあ、急に大量注文がきた――。コンドーム産業の創成期に活躍した女傑を描いた「さっく一代」ほか、奇人伝6篇を収める異色小説集。
  • 奇蹟の武将

    奇蹟の武将

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    南総の名家・里見家の二男・弥九郎時蕘(ときたか)は、生来の非力で、うつけ者とそしられたが、14歳で、里見家十三将の筆頭・正木氏を継いで、安房南条の鳥山城主となるや、突然変異で、鬼神のごとき膂力(りょりょく)を発揮して勇名を駛せるが、神通力を喪失したときは、元の非力者に還ってしまい、大正16年、土岐頼春との合戦にはぶざまな敗戦をしてしまう。だが、翌年の合戦には鬼神のごとき膂力を恢復して、一人で50余人を斬って捨て、天下に剛勇ぶりを知られる。……秀吉小田原攻めのかげに盛名を失った里見一族の狂い咲き、正木大膳亮時蕘の数奇な半生を描いた「奇蹟の武将」ほか、珠玉の時代小説集。
  • 花ひらく森

    花ひらく森

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    美也子が書いた「秘書日記」が思いがけず爆発的なベストセラーに。彼女が勤める大手出版社の社長、ライバル会社の社長、悪徳映画プロデューサー、映画監督、文芸記者、地方の良心的実業家たちが入り乱れて演じる、映画化権を巡るドタバタ劇と愛の綾。明朗軽快なタッチで描く傑作ヒューマン小説。
  • チャンスは三度ある(上)

    チャンスは三度ある

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    一度は倒産した社長・修一郎、デザイナー志望の美貌の青年・五郎、老フィクサー・相馬、実業家たち、ライバル社の専務、創始者の孫・宏……などの葛藤と、彼らにまつわる多彩な女性たちの存在。廻る糸車のように絡んではほどける人間模様と、ターミナル駅・池袋に繰り広げられるデパート業界の戦い。<上下巻>
  • 微笑剣

    微笑剣

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    厩橋の領主・小野田義政の帷幄にあって、主家の興廃を双肩に担った堀内甚左衛門の娘・小笹は、内祝言したばかりの夫、北条氏の密使・鹿野門三郎に父を暗殺され、しかも妊ったのを知って、復讐の鬼と化す。一夜、上泉伊勢守信綱に微笑剣の極意を授けられると、巡礼に姿をやつして小田原の城下をめざす。戦国乱世の折から道中の掟はきびしく、女ひとりの旅を怪しむ男に微笑をみせて身を委ねながら、女夜叉となって懐剣に男たちの血を吸わせてゆく……。目的のためには手段をえらばぬ女の残酷さと、女の性の哀しさを描いた「微笑剣」ほか、8編の傑作を収めた時代小説集。
  • 真紅の瞳

    真紅の瞳

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    女性の美への憧憬が、現代社会において、さまざまな哀歓を生む――その美しく粧った心おごれる女性・蒔絵を中心に、心の美しさをつつましく守る女性・杉枝を対比させ、ゴルフに練達する素朴な青年、落魄の元宮殿下、好色で貪欲な実業家などの現代社会を表徴する男たちを配して、世相の明暗、女の生き方などをたくみに捉えた長編小説。現代小説に新たな意欲を示す会心の力作長編。
  • 女の敵

    女の敵

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    たぐいまれな美貌にめぐまれたがために、女はより深い悲しみに哭かねばならないのか? 不幸な星のもとに生まれた女は、清純な魂をもつがゆえに、現代のさまざまな、「女の敵」に翻弄されながら生きねばならないのだろうか? 大正時代の孤高な作家といわれた黒木亮二を父に、瀬戸内海に臨む岡山県の片田舎に600年の歴史を誇る平家一門の旧家の一人娘を母にもつ黒木小露は、人生の暗い谷間に行きくれながら、渡り鳥のように女の幸福を追い求めるが、男の愛の暴力にすべてを奪われてしまう。――昭和動乱期のなかに哀しみを埋没させられた女の悲劇を描いた雄篇。
  • 修羅長脇差

    修羅長脇差

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    中仙道の首駅、武州下板橋宿の伝馬継問屋場をとりしきる梅谷六兵衛親方に、縄張を奪われた土地の貸元・久良蔵は、六兵衛が博徒の名のりをあげる花会に用意した金の一部を奪って、信州へ逃げた。3月後、上田生まれの幸太郎は、渡世の仁義で、失意の久良蔵親分に託された金を、根岸は御行の松の近くに住む久良蔵の妾・小芳に届けて、小芳を下板橋の乗妙寺まで案内する。翌日、小芳は未練気な旦那に別れて、幸太郎に根岸へ送られる途中、月明りで幸太郎の横顔に7年前のある夜、自分の一生を狂わせてしまった闇の男の面影を見出す……。渡世人の非情さを描く「修羅長脇差」その他。
  • 今日の男

    今日の男

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    探偵小説家・山河幾太郎は、鋭い推理力と神出鬼没の行動力を駆って、銀座のネオンの蔭に巣食う麻薬密輸団の秘密をあばこうとした。身分を偽って14万ドルの遺産を相続しようと企む美しい魔女、その遺産を狙う謎の男、密輸団の首領、殺された女にからまる国際スパイの巧妙なトリック……。わが和製ルパン・山河幾太郎は、不気味な殺気がただよう暗黒街に颯爽と挑戦する。
  • 孤独な剣客

    孤独な剣客

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    鏡心明智流・桃井春蔵の道場に居候して、天才剣客と謳われた上田馬之助ほど、孤独に徹した剣客も稀れである。旗本小普請の伜で、生来の読書好きで竹刀をとったこともなかったが、13歳のとき母と密通していたい井蛙流の平井利兵衛に父を討たれて、父の遺言で母をその場で斬った瞬間から、虚無に生きる人間となり、13年後に漸くめぐり会った仇敵が中風で半身不随の病床にあるのを見て、さらに孤独が深まったのである……。道場破りで流浪しながら、島津斉彬の面前で魔技に等しい業を披露した上田馬之助の異常な天才ぶりを描いた「孤独な剣客」ほか、評判の時代小説集。
  • 異変助太刀記

    異変助太刀記

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    下野国の家老と奥役の争いが引き起こした「異変助太刀記」、塚原卜伝の逸話「一の太刀」、赤穂藩主の世襲問題に端を発した仇討ち「乱闘・高野街道」、安南国へ旅をした船の乗組員の記「異説おらんだ文」、天正遣欧少年使節・中浦ジュリアンの生涯「美しい日本の少年」、美濃の蝮の奸計と出世「斎藤道三残虐譚」、浪士組結成以前の若き日々「清河八郎」。代表作「眠狂四郎」の連載開始と同時期に書かれた柴錬初期の鮮烈な時代小説集。
  • わしは、わしの道を行く

    わしは、わしの道を行く

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    敗戦の日本に、羽織袴のいでたちで姿をみせた15歳の少年――豊臣筑前守秀吉(ひできち)こそ、ブラジルの千万長者・秀右衛門が、「何事も修行のためでござる」と故国に送りかえした可愛い孫だった。はげしい流転の世相が、少年を包む。捨て子の加奈子、旧高利伯爵の庶子・元和、没落した元宮様の娘・和子、さらに元満鉄総裁の娘・啓子……。音をたてて崩れさる古い社会にあがく人々の中で、どこか超然と次元のちがう生き方を貫く筑前守。「2億円くらい孫に使わせてみよう」と、祖父が後をおって帰国した時、奇怪にも彼は行方をくらましていた――痛快しかも辛辣な巨匠の作品。
  • 旅情密集

    旅情密集

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    ここを永住の地と決めている人が、はたしてどれだけいるだろうか。新しい都会生活の様式=団地。10数万人がそれぞれに群がり生きている。鉄筋の壁を隔てて恋人同志が暮していることもあれば、挨拶を交さない隣同志もあろう。職業も生活も千差万別。そして、やがてはまた離ればなれになっていく……。 この巨大なマンモス・ビルの中に住む人々の哀歓を、1話1話にまとめて大きな反響を呼んだ、沢野久雄氏の評判小説。
  • 誰にも出来る殺人

    誰にも出来る殺人

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    安アパート「人間荘」は、1階に7部屋、2階に9部屋があって、それぞれに人間離れした住人が住んでいる。12号室の住人は変わるたびに、人間荘で起きた殺人事件を、黒い表紙のノートに書き遺して……。そのノートが暴く5つの連続殺人と、その円環を閉じる最後の殺人の物語で、「新本格」の先駆けとなるような奇想に満ちた大傑作。
  • 息子の結婚

    息子の結婚

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    大学教授兼評論家で釣りの好きな小山行夫さんも、そろそろ息子の結婚を考えねばならなくなった。照夫君には、ガールフレンドのヒロ子さんがいる。彼女の父・牧ドクトルも、釣り天狗である。照夫君の学友・進藤進一君の父・嘉六氏は、小山さんの先輩で、政治ずきな実業家だ。手に負えない息子と杉本ユリエさんの運命的なトラブルで、嘉六氏は小山さんに相談する。アプレ息子を持つ親父には、共通の不安と悩みがあるが、それを解決するために、小山さんの活躍がはじまる。戦後のホームドラマに新生面を開拓した作者が、奔放な青春にやどる思索と行動を描いた明朗な長篇小説。
  • 青春探偵団

    青春探偵団

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    片田舎の高校で、ミステリー小説研究会「殺人クラブ」の同人6人の、軽快な会話とドタバタな調子で語られる推理劇5篇の連作集。
  • 色の階段

    色の階段

    小説・文芸
    2.0
    1巻660円 (税込)
    猟色のベテラン・小見山が、デパートに勤める紀子にウツツを抜かし、しかも、目的が果たせないという、珍しいことが起こった。彼が、紀子のことで、あの手この手の策を弄していると、かならず、見知らぬ女の声で、電話がかかってきた。しかも、それは、彼に欺された過去の女の亡霊のように、彼をおびやかしつづけた。やむなく、小見山は、かつてガール・ハントの手ほどきをしてやった宇津に、助けを求めたのだが……。 2人の男のあくなき女体探求を通じて、性の世界の百態を展開する長編小説。前作「色名帖」の続編として書かれた異色作。
  • 女人国伝奇

    女人国伝奇

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    蜀山人が「全盛の君あればこそこの廓は 花も吉原月も吉原」と頌歌をささげた松葉屋の花魁・薫。抜群の美貌と聡明さ、そして見事な侠気で、この女人国の苦海を泳いでゆく。欲と金、色恋の深淵、侍の意地……。快楽の国・吉原で起こる奇っ怪な出来事に、鼠小僧次郎吉、葛飾北斎、遠山の金さんなどが絡んでゆく、山田風太郎ワールド。
  • 光の肌

    光の肌

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    晴海埠頭で1台の自動車が引き揚げられたが、運転者の死体は出てこなかった……。Mデパートの店員・野上美樹子は、妊娠処置のことを、銀座のクラブに勤める友人に相談した。そのとき、英会話と車の運転ができる美樹子に、ある会社の秘書にならないかとの話がでた。そして美樹子は、大竹通産の専務秘書になった。高価なドレスや和服を着せられ、高級レストランや料亭につれ歩かれた。数か月後のある夜、大竹通産の社運をかけた取引がおこなわれた。相手は、東南アジアのQ国使節団。座には芸者もきて賑やかだったが、代表格の男は、美樹子にしか関心を示さなかった。その数日後……。
  • 美しき母への讃歌

    美しき母への讃歌

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    代々の豪商の家に嫁ぎ、 日出夫を22で生んだ母。若旦那育ちの父は事業がうまくいかず、飲んでは母に暴力をふるい、やがて女と出奔してしまう。日出夫は小学5年、そのときから母子の貧乏が始まった。村に移り住み、製糸工場で働く母。日出夫を中学にやりたいが、その金がない。日出夫は進学をあきらめようとしたが……。母の大きな愛、それに応えようと成長する息子。学び舎、友、恋、青春の日々。
  • 半九郎闇日記 上

    半九郎闇日記

    赤穂浪士が仇討ち後、死をたまわって14年。いまだに泉岳寺の辺りに、大石内蔵助(くらのすけ)が出没するという。駿河屋小町と評判のお京も、たしかに大石を見た。いや、大石に狙われたのだ。小日向主水(もんど)を婿に迎えた夜、お京は誘拐されてしまった。ただ、奇怪はそればかりではない。播州浅野家縁故の女性が、あいついで殺されている……。なぜか? 大岡越前守の懐刀(ふところがたな)水木半九郎も手をこまねくばかりだった。だが実は、浅野家の瓦解前後、奥方をめぐって何か事件があったのだ。瓦解によって門外に出た「将監闇日記」の秘密。竜宮と於菟(おと)姫と浦島、塩売り吉次、幽冥庵など、不可解な謎が半九郎の心を迷わせる……。<上下巻>
  • 赤ちゃん誕生

    赤ちゃん誕生

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    男児か? 女児か? どんな赤ちゃんか? 第1子誕生を目前に、不安と期待に胸おどらす若夫婦を中心に展開するホームドラマーー「まるで貴重な壺みたいなものだ。よほど丁寧に扱わないと、こわれてしまう」……愛妻・美和子さんのふくらんだ下腹を見ながら、光男は禁酒・禁欲の決心を新たにする。初めての子供が生れるのだ。あとしばらくの辛棒である。ところが、5年前に別れた初恋の女性・歌代が、いまはスターとなって出現、彼の禁欲をゆさぶったり、ネズミのフンと杉苔を妊婦にのませると、頭脳明敏な男の子が生れると信じてやまぬ故郷の父が乗りこんできたり、三田家は臨月をひかえてもユーモラスな騒動がたえない……。軽やかに淡々と、家庭の笑いをふりまく林文学の異色作。
  • 酔いどれ牡丹(上)

    酔いどれ牡丹

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    沼田藩・真田家の奥深く、「お黒の森」に幽閉されて育った、雪姫に秘められた謎。雪姫に懸想した当主・信明が捨てた春姫が、身中に育てる邪悪な心の結末は? 雪姫派と春姫派に二分された真田家を巡る、家臣軍団と凄腕忍者たちの抗争。「雪姫の幸あれかしと黒姫の」の下の句に隠された謎を明かす鍵とは……。<上下巻>
  • 寝みだれ夜叉(上)

    寝みだれ夜叉

    身寄りのない自分を育ててくれた叔父の墓参りにでた美奈は、その近くの梅屋敷で、見てはならぬ情事を見てしまった。白昼の悪夢のごとき光景! だがそれがモトで、美奈は水死……いや、殺されたのであった。恋人・長谷川多聞の驚き! 多聞は狼狽して、水木半九郎に助けをもとめた。半九郎は、いま売出しの町方同心である。しかし、半九郎が真剣になればなるほど、複雑な難事件であった。今様吉田御殿と騒がれる鷹取屋敷の椿の方、謎を秘めた紀州家の奥、幸うすい千世姉妹、闇を跳梁する頭巾の女、そして半九郎が最も頭を痛めたのは、上司・大岡越前守の疑惑の行動だった! <上下巻>
  • 将棋大名(上)

    将棋大名

    安永年間の江戸、ある日、奇人の蘭学者・平賀源内ご自慢の舶来遠眼鏡に映し出されたのは、妖艶な裸の女性がむごたらしく殺される場面だった。死体につけられた「死人詰」という一風変わった詰め将棋の図を手がかりに犯人捜しが始まるが、やがて捕り手の柳造が、次にはその娘も残忍に殺され、二人にもまた、同じ「死人詰」図がつけられていた。源内の弟子で柳生流の達人・高島春作は、江戸を揺るがす連続猟奇殺人となったこの事件に、彼を慕うお千代とともに巻き込まれていく。伝奇小説の産みの親が描く時代ミステリー長編、映画化もされた傑作。<上下巻>
  • 春風まぼろし谷(上)

    春風まぼろし谷

    江戸の謎といわれる笠松屋敷に奉公した孤独の美女・お信乃は、偶然にも禁制の離れをのぞいてしまった。世にも怖ろしい光景が、お信乃の眼前に展開する。妖気をはらむ屋敷の主(あるじ)笠松半太夫とは何ものだろう。さらに、彼をうかがう若い素浪人、怪童、乞食大名、女忍者との激烈な争いは? 事件の一切の鍵は、伝説の秘境・まぼろし谷と、そこに住む霧姫さまの上にあった……。<上下巻>
  • 再婚旅行

    再婚旅行

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    越智さんは齢50を越えた、鎌倉の人里離れた地で執筆に追われる、人気の小説家である。結婚25年の千代子さんと2人の男の子、お婆ちゃんとお手伝いのお啓と暮らしている。一見穏やかな世間にある日々だが、酸いも甘いもかみ分ける越智さんにとっては、人生模様のドラマを垣間見る毎日でもあった。老いも若きも男も女も、町の親分も謹厳な弁護士も、動物たちも、悲喜こもごもに思いを語りだす、10篇の連作ユーモア小説。
  • 月姫系図

    月姫系図

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    極悪非道の金山奉行・大久保石見守長安の配下の忍者・いの字や浪人・兵馬と戦う、正義の剣士・桜井進太郎。信玄の隠し金山をめぐる欲と欲のぶつかり合いと、武田勝頼の妻・月姫の謎とその孫に迫る毒牙。
  • 海風山風(上)

    海風山風

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    毛利家の城奥ふかく「客人」として扱われている姫君・也々さまの救出こそ、速水茂平次の悲願だった。秘策をこらして一度は成功したのに、姫の姿は瀬戸内の島影に消えた。誰の仕業か? 茂平次がシャムに使した時から影のようにまつわりついている奇怪な党派の首領・甚吾の妨害なのか。知香と名のる野性の美女の正体も判らぬ。が、茂平次は決然と島に乗りこんだ……。実は、一触即発の豊臣・徳川の対立をまえに、鉄砲・火薬あつめに暗躍する一派にとって、也々さまの生いたちには、貴重な財宝をさがすカギが秘匿されているようだ。姫は何者の手中に……。<上下巻>
  • 黄金の星座

    黄金の星座

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    卒業まであと1週間というところで、大学を放校になった邦彦。代わりに首席となった謙之介。孤高の天才と、野心に溢れた策士。ともに建築家を目指して上京し、邦彦は落ち目の建築事務所で、謙之介は一流建設会社で働き始める。才能対野望、因縁のライバル。ネオン瞬く東京の空、黄金の星座に続く黄金の梯子を上り詰めるのは、果たしてどちらなのか?
  • まぼろし若衆(上)

    まぼろし若衆

    桔梗の紋所の着物を着て夜に徘徊する若衆の正体は? 将棋の駒と秘文書に秘めし、鄭成功の遺した財宝の謎。異様でサディスティックな性的衝動に駆られた男が築き上げた王国と宮家の血を継ぐ姫との対決の結末は? 翻弄されながらも、亡き母が遺した笛と秘曲を吹いて、秘宝に……。<上下巻>
  • 賭の季節

    賭の季節

    小説・文芸
    4.0
    1巻660円 (税込)
    映画スター・上杉悠子邸の玄関先に倒れていた死体――それは、悠子にそっくりの女であった。熱狂的なファンの「自殺」として片づけられたこの事件に、木島刑事は疑問をもつ。「捜査の邪道かもしれないが……」彼は心に殺人事件を描いてみた。悠子には幼くして別れた双生児の姉・竹村久子がいた。死体は、この久子なのだろうか、あるいは悠子その人なのかもしれぬ。刑事は、付人の西条悌子とマネージャー・藤岡謙にあたった。捜査が、華やかな女優生活の裏にひそむ「影の女」の存在を知った時、事件は意外な終末を迎える。巧妙なトリックを用い、「女の賭」を描く本格推理。
  • 赤姫秘文

    赤姫秘文

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    前田家の美貌の息女と瓜二つだったために、貧乏浪人の娘が遭う災難と冒険。赤城山の奥深くに、人知れず住む人たちの秘儀・赤姫秘文の謎と、それにまつわる奇譚を軸に、ふたりの美貌の女性たちの恋と欲とがないまぜになった、伝奇小説。
  • 青春家族(決定版)

    青春家族(決定版)

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    食料不足の終戦後、小説家の越智さんは、親子4人の栄養失調を回復すべく、毎日書斎にこもって腰の骨の痛くなるほど書きつづける。「いやしくも一家の家長である以上は、家族扶養の義務をおろそかにすることはできない。」……昭和の父の奮闘、妻の献身、息子の成長……。家族の青春をコミカルに、ポジティブに描いた「青春」シリーズ決定版。
  • 高すぎた代償

    高すぎた代償

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    失業した久世は、元上司の未亡人・治子が経営する連れ込み旅館に居候している。ひも生活の慰みにと、客室に集音機を仕込んで盗聴しているうちに、ある会社の労組絡みの無理心中事件に不審な点があることを知った。好奇心を覚えた久世は、私立探偵を名乗り、治子とともに関係者を調べ始めるが……。昭和30年代の東京を舞台にした長編ミステリー。
  • 狩りの時刻

    狩りの時刻

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    悪夢か? 現実か? 「侍従」と称する中年男に、毎夜、誘(いざな)われて、平凡なOL・小金井依理子がさまよいこんだ、不可思議な性の世界……。そこで、謎の美女・徳乃本夫人に、女同志の愛を教えられた依理子は、突然姿を消してしまった夫人のあとを追って、徳乃本もと侯爵の宏大な邸に忍びこんだ。逞しい青年を愛撫する侯爵、犬を相手に孤独なセックスを楽しむ料理女、奇怪な蝋人形館に閉じこめられた少年……。悪魔の館に棲む人々を垣間みた依理子を最後に待ちうけていたものは、残酷な初夜の儀式だった……。女性の欲望を利用して巧妙に仕組まれた犯罪の罠を描く長編小説。
  • 聖女

    聖女

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    デウス天理教団の海外伝道尼僧・風間登代が、サンフランシスコS街の路上で、黒人に襲われた。登代は薄れゆく意識の中で、黒い腕にかわって白く輝く球体のようなものを認めた。〈ああ……聖なるお方が、わたしの前にあらわれている……〉登代はこの事件で妊娠してしまった。「私は大司教の御子を身籠った」と口走り、今夜も私のもとにいらっしゃると言う。登代を訪れる謎の男とは何者なのか? ……という女の業を描く表題作の他に、「黄色い吸血鬼」「蟻の声」「V定期便」「赤い的」「猫パーティ」「最後の一切れ」「蜘蛛の糸」の7編を収録。
  • 揺れる女

    揺れる女

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    深夜、私の部屋の電話が鳴った。「あたし、由香利です。死のうと思ってるの」……電話の主は、青江由香利・18歳。女流作家の私を慕ってくる、六本木のフーテンのひとりであった。その翌朝、由香利は、私の8年来の情人である国井と、心中しているのを発見された。私は愕然とした。なぜ、あのふたりが? 苦悩と懐疑が私を駆り立てた。由香利には、国井を《死》に誘うほどの魅力があったのだろうか。そして、私はついに、由香利の肉体の秘密を知った……。傷ついた心と肉体をもち、荒涼たる現代の夜をさすらう少女を描く「揺れる女」など、全7編。

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