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  • 女神の贈り物 ペルセウス
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    今回の旅は、アリアナにとって初めての冒険だった。これまでずっと支配的な父の言うとおりに生きてきたけれど、いま初めて父にそむき、夢を―母の夢を実現させるのだ。八歳のときに死別した母は、アマゾンを旅して蘭を収集し、それを絵に描いて、本として出版したいと願っていた…。母のように上手には描けないかも。でも、やってみなくては。興奮と不安を覚えながらブラジルの空港におりたつと、アリアナはハンサムで逞しい男性の出迎えを受けた。父の手配した現地ガイド、レイフ・アントニオだ。いきなり手に口づけされ、顔を赤らめて恥じらった瞬間、レイフの目が険しく光る。いったいどうして?アリアナは狼狽した。甘やかされて育った愚かな娘だと嫌われてしまったの。
  • もう一度妻に ホワイトホーン・マーヴェリック
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    ホワイトホーン――彼女にとってそこは幸せと夢が打ち砕かれた場所だった。■トレイシーは七年ぶりにホワイトホーンの町を訪れた。FBIの捜査官として、近郊のラフィング・ホース保留地で発見された骨を調査するためだ。それは必然的に、郡保安官のジャド・ヘンズリー――かつての夫に会うことを意味していた。警察署でジャドの姿を見たとたん、トレイシーは稲妻に打たれたような衝撃を覚えた。初めて彼に出会ったときと同じように。でも、あのころのように感情の赴くまま、ジャドに身を任せるわけにはいかない。ふたりのあいだには今なお、息子を亡くしたときの悲しみが横たわっているのだから。
  • 涙が雪に変わるとき ホワイトホーン・マーヴェリック
    3.0
    ◆また彼に頼って、捨てられるのはいや!事件が解決したら、出ていってもらうわ。◆ 「きみの夫だ。寒いから早くドアを開けてくれ」暗闇から姿を現した夫に、ダニエルは強い衝撃を覚えた。FBI捜査官だった夫のカイルは、二年前、潜入捜査に入るとだけ告げて、家から出ていった。さらに、同僚を通じて、それまで住んでいたデンバーを離れるようダニエルに伝えてきた。以来、電話も手紙もなかった。先月、娘のサラが誘拐されたときも、救いの手をさしのべてはくれなかった。わたしはサラとふたりで、新しい生活を築いてきた。今さら戻って温かく迎えてもらおうなんて、虫がよすぎるわ。だが、依然として危険にさらされているサラの身を思うと、ダニエルにはカイルを拒絶することはできなかった。
  • ふたつの聖夜 ホワイトホーン・マーヴェリック
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    『おしゃべりな天使』保安官代理のシェーンは、意識を失って病院のベッドに横たわっている女性を見つめた。彼女の名前はアンジェラ。未亡人で、妊娠四カ月。教師の口に応募するために小学校にやってきたのだが、面接を終えて出てきたところを、二人組の男に襲われた。二人組は同じ場所にいた五歳の少女サラを誘拐していった。アンジェラが事件の鍵を握っているのは間違いない。だが、目を覚ました彼女はこうつぶやいた。「わたし……わたし、思いだせないわ」 『銀色の魔法』誘拐されたサラが保護された翌日。〈ヒップホップ・カフェ〉から家に帰るために、車に乗りこもうとしたリアは、突然激しい痛みに襲われた。陣痛のはずがないわ。まだ早すぎるもの。不安を覚えながらもリアは車を走らせたが、とうとう痛みに耐えられなくなって、路肩に車をとめた。そこへ偶然、〈ホワイトホーン記念病院〉の医師、ジェレミーが通りかかった。彼こそリアの一夜の情熱の相手。おなかの子供の父親だった。
  • 眠れる美女が目覚めたら 独身が最高?
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    テイラー・シンクレアはブティックの入口でとまどっていた。女性のお城のような店。男が気楽に入れる場所ではない。セクシーなテディ。サテンのネグリジェ。いたるところレースとフリルでいっぱいだ。「なにかお探しですか?」大ぶりの黒縁眼鏡の女性が尋ねた。これがミズ・ジャニス・ジェニングズか。とても美人だが、それでいて美人じゃないと言われている。繊細な顎のライン、つぶらな青い瞳、キスを誘うような唇。実際すごい美人なのに、おばあさんみたいな服と靴だ。「ええと、あなたの新しい会計士です。少しお話が…」「お話ってなにかしら?」その声はかすかに震えていた。テイラーは体が熱く火照りだすのを感じた。
  • 愛はいつも予定外
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    成績優秀なリジーは、マイアミ大学の医学部に受かり、意気揚々とテキサスをあとにして、アパート暮らしをしていた。勉強は楽しいが、気にかかることがあってどうしても消えない。それは、出発直前に初めてキスを交わしたハンクのことだ。このままでは勉強に差し障りが起きてしまう。彼を忘れて救急医になるためにも、会ってけりをつけなくては。一方、テキサスで牧場を営むハンクも悩んでいた。牧場は順調だし、そろそろ結婚して家庭を持ちたい。妻となる人は家庭に根を下ろし、牧場を裏から支えてほしい。それなのに、頭に浮かんでくるのはリジーの顔ばかり。医者を夢見る彼女のことは、あきらめたはずだったのに。そこで二人は、再び顔を合わせる決心をした。再会の場で彼らを待っていたものは…。
  • ドクターに一目惚れ
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    世間知らずの令嬢だと知ったら、あなたは私を嫌いになる? ■アマンダはすべてを捨てて屋敷を飛び出した。暴君のような父親と父の選んだ婚約者から逃れるためだ。友人宅に向かう途中、ビクトリア朝様式の邸宅で上半身裸の男性がはしごの上で窓を洗っているのに目を奪われた。すると何かにぶつかる衝撃を感じて、冷たい地面に倒れた。「ドクター・ハンサム、急いで!」朦朧とする意識の中、医者を呼ぶ声が聞こえる。すると先ほどの男性が近づいてきた。まあ、本当にハンサムだわ!名前を尋ねられ、アマンダは思わず偽名を名乗った。それが後に大きなトラブルのもとになるとも知らずに。
  • 別れの傷跡 スキャンダラスな家族 III
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    七年前の誕生日の夜、わたしの心は死んだ。 ■デボラ・マクラウドは、初恋の人ディランとの恋が破れて以来故郷を離れ、傷心を抱えて暮らしてきた。兄の結婚式で久しぶりに帰郷すると、母が何者かに脅迫されていることを知る。私情を捨て警官のディランに相談を持ちかけたことがきっかけで、二人は頻繁に顔を合わせるようになった。だが、過去から完全に立ち直ったふりをするデボラに、ディランは腹を立てる。「君はもう何も感じないんだな? それなら証明してみせてくれ」彼は挑むように言うと、唇を重ねてきた。
  • 引き裂かれたふたり ホワイトホーン・マーヴェリック
    3.0
    どうしてわたしを責めるの?裏切られたのはこっちのほうなのに。■「モライアか?」受話器の向こうから男らしいバリトンの声が聞こえてきたとたん、モライアの心臓は止まりそうになった。ケイン・ハンター。わたしが愛した、ただひとりの男性。高校時代に彼と出会い、一カ月間情熱的に愛しあった。だがそのあとメディカルスクールに戻った彼とまったく連絡がつかなくなり、絶望したモライアは逃げるように故郷の町ホワイトホーンを出た。そして娘を産み、今日までひっそりと暮らしてきたのだ。ケインは、モライアの父親が行方不明になったので捜索のために戻ってくるように言う。思わず悲痛な声をもらした彼女に、彼は冷たく言い放った。「きみの芝居には二度とだまされないぞ」
  • ロイヤル・ターゲット ヴァシュミラの至宝 I
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    狙われているのは国王? それともわたし?王宮に渦巻く陰謀が今、襲いかかる。■記者エリカは新国王の戴冠式取材のため、ヴァシュミラを訪れた。驚いたことに、空港に降り立った彼女を出迎えたのはタクシー運転手の制服を着た新国王ニコライ・ザレド二世自身だ。巧みな変装だが、風雅な物腰と輝くばかりの美貌は隠せない。真意をはかりかねながらも、彼女はニコライの案内で市内を見て回った。やがて公園でベンチに座り、彼から前国王暗殺の経緯を聞くうち、異様な光景を目にしてエリカは凍りついた。一台の車が猛スピードでこちら目がけて突っ込んでくる。とっさに二人は、迫りくる車から逃れようと噴水に飛び込んだ!
  • 想いが届く日
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    ●『ボスにお手上げ』(レイ・モーガン著)シャイラの上司マットは、ハンサムでやり手の実業家だが、人間味には欠けている。そんな彼が、ひょんなことから赤ん坊を引き取ることに。世話係をシャイラに押しつけると、マットは平然と言い放った。「あとは、妻を人材紹介所から探してきてくれ」 ●『一夜の奇跡』(アネット・ブロードリック著)テスは早朝のしつこい呼び鈴で起こされた。玄関先には、二年は戻らないと言ってチベットに発った幼なじみのクレイグが立っていた。なぜ、二カ月もしないうちに帰ってきたのかしら?ふとテスは彼が旅立つ前の、あの一夜の出来事を思い出した。
  • 白夜のプリンセス バイキングの花嫁たち I
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    エリがある日帰宅すると、バイキングが待ち伏せしていた。その全身黒ずくめのたくましい大男は、王の戦士ハウクと名乗り、国に戻れという父王の命令を伝えに来たと言う。エリは父の顔さえ覚えていない。両親の離婚にともない、幼いころ北欧の王国からアメリカに移住したからだ。わたしたちをほうり出した父が、今さらなんの用なの?王国には戻らないわ。エリがきっぱりと断って家から逃げ出そうと身をひるがえしたとき…。「お許しを、殿下」突如大男に押さえつけられ、目の前が真っ暗になった。
  • 指輪と嘘 ホワイトホーン・マーヴェリック
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    その夜、リンはシンデレラに変身した。あと必要なのは、お相手だけ…。美容院の鏡に映っているのは、赤いドレスのレディー。いつも地味な服を着て、自分を押し殺している、教師のリン・テイラーではなかった。二十四回目の誕生日を迎えたリンは、親友のダニエルに美容院に連れていかれ、四時間半かけて変身させられたのだ。ダニエルからのバースデイ・プレゼントだった。「先生、舞踏会に行く用意のできたシンデレラみたいよ」ダニエルの娘、サラが叫んだ。「あと必要なのは王子さまが現れてくれることだけだわ」リンがそう言ったとき、弁護士のロス・ギャリソンがやってきた。リンの生徒、ジェニファー・マッカラムについて尋ねるためだった。
  • 昨日までひとりぼっち
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    ダラスに引っ越そうと車を走らせていたブリンは事故に遭い、同乗のケリーに大怪我をさせた。偶然通りかかった医者ジョーに助けられ、ケリーは入院。行くあてのないブリンは、ジョーの提案で、彼の実家であるダレッサンドロ家に泊まることになった。そこでは、大家族がそれぞれブリンの身の上を心配し、ナニーとして働かないかとまで誘ってくれた。事故当時から、ブリンとジョーは互いにひと目で心を奪われていた。しかし、少しおせっかいだが心温かい大家族で育ったジョーに、ブリンは素直になることができなかった。彼と違って、里親の家で育った子供時代が孤独だったから。それに、ある事情から母親には絶対ならないつもりだから。
  • 移り気なプレイボーイ
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    “口説いては捨てる”それがプレイボーイの愛し方。■この男性(ひと)には気をつけなければ……。新米弁護士のリサは身構えた。依頼人が不当勾留されたと聞いて駆けつけたところ、現れた保安官は若くセクシーなクイン・サットンだったのだ。こういうハンサムな男性は体目当てに女を口説くもの……。誘うように微笑むクインに、彼女は警戒心をあらわにした。しばらくして仕事の話を終えて席を立ったリサは、外まで追いかけてきたクインにいきなり唇を奪われる。魔法のような瞬間に酔いしれつつも、彼女はやがて我に返った。彼の餌食にはならないわ! リサは走って逃げだした。
  • 恋に落ちる予感 富豪一族の伝説 IX
    -
    「そそられる申し出だが、見知らぬ女性とはセックスしない」男の言葉に、ハンナはぽかんと口を開けた。なんですって?この人は、わたしを娼婦だと思っているの?親友の経営するレストランでウエイターが粗相をし、客のイタリア製のネクタイを汚してしまった。訴訟ものだと言う彼をなだめようと店の奥の部屋に連れていってこんなことを言われるなんて―ハンナはその場から走り去った。数日後、あるパーティに参加したハンナは、母の婚約者が雇った弁護士パーカー・マローンを紹介され凍りつく。こちらをまっすぐ見つめる鋭いブルーの目。あのときの男だわ。
  • 御曹子の憂鬱 結婚嫌いの三兄弟 I
    4.0
    祖父の誕生パーティの企画をお願いしたい、ですって?突然かかってきた電話にケイティは仰天した。相手は名門ブラドック家の長男アダム。なぜかケイティをパーティ・プランナーだと思いこんでいる。人違いだわ。わたしは単なるウエートレスなのに。だが、アダムはケイティの説明を遮って話を進め、ロールスロイスを迎えによこすと言った。強引さに負け、会って事情を話すことにしたけれど、誤解は解けずにアダムはさっそく仕事を命じてきた。ケイティは困惑しながらも、好奇心から引き受けるが…。
  • さらわれた令嬢
    -
    まさか彼があの秘密を知っているはずはないのに……。■「誰か助けて!」そう叫ぶジュリアナの声はむなしく宙にかき消えた。北海に浮かぶ小国ビョルリの路上で、彼女は何者かに襲われ、無理やり飛行機に乗せられた。国王の秘書官の娘であるジュリアナは、国際的な陰謀に巻き込まれたと確信した。だがアメリカの空港に降り立ち、連れていかれた要塞のような屋敷に待っていた人物を見て仰天した。グリフォン・タイナーが不敵な笑みを浮かべてこちらを見ている。ジュリアナの胸に鋭い痛みが走った。二年前、スキー場で出会って恋に落ち、夢のような時を過ごした。だがある朝、グリフォンはベッドで眠る彼女を残し、姿を消したのだ。非情にもわたしを捨てていった彼が、今さら何の用なの? どうしてわたしを誘拐したの?
  • 夢見るシンデレラたち
    3.0
    『公爵に片思い』王宮付の庭師の娘セリーナは、一夜だけ親友のアンナ王女にドレスを借り、舞踏会に出席した。豪華絢爛さにとまどうばかりだったが、憧れのハリントン公爵にダンスを申し込まれ、誘われるがまま夢心地で夜をともにする。でも……彼とは住む世界があまりに違いすぎる。借り物のドレスをまとった私を、彼は令嬢と勘違いしているだけ。そう悟ったセリーナは翌朝公爵の前から姿を消すが、一夜の情熱の証はしっかりとその身にやどっていた……。『わたしだけの王子様』いつか王子様と結婚するのがマギーの幼いころからの夢だった。だが、現実は平凡なできごとの繰り返しだ。今は看護婦として働く彼女のもとに、ある大晦日の晩、けがをした男性が運び込まれてきた。そのハンサムな容貌、高貴な雰囲気に心を奪われたマギーは意識を失っている彼の唇に思わずキスしてしまう。やがて目を覚ました男性の言葉に、彼女は耳を疑った。「僕はデブン・レノー。ウィルシャー島の王子だ」
  • 夫は億万長者? 都合のいい結婚
    -
    億万長者の夫が提示した離婚の条件に、彼女は茫然とするだけだった。■ジェナには、しなければならないことがあった。別れて数年になる夫、マックと正式に離婚することだ。苦労して消息を突き止め、連絡をとった。仕事中毒で家庭など二の次だったマックは、今や弁護士として成功をおさめ、億万長者になっているという。さっそくジェナが話を切りだすと、彼は離婚の書類にサインする条件として、途方もないことを言った。ジェナとふたりきりで二週間過ごすことを要求してきたのだ。まあ、なんて人なの! こんなの恐喝だわ。今さら一緒に暮らしたって、愛がよみがえるわけないのに。しかし、ジェナはその条件を受け入れるほかなく、波瀾に満ちた二週間の生活がスタートした。
  • 花嫁をさらって
    -
    その日、ケイは華やかなウェディングドレスに身を包み、好きでもないルイスと結婚式をあげようとしていた。ルイスの会社で盗みを働いた弟の罪を償うためだ。誓いの言葉を交わす瞬間が迫ってくる。そのときだった。「待ってください!」教会の入口に、自信に満ちた笑みを浮かべた男性が現れた。ジャック・メイスフィールド…。六年前、旅先のカリブで知りあってから、ケイがずっと思いを寄せていた男性。祖父の命を救ってくれた人。“いつでも、どこでも、どんなことでも、あなたの頼みをきくわ”六年前にケイが交わした約束をたてに、ジャックはウェディングドレス姿のケイをさらっていった。
  • ドクターの贈り物 都合のいい結婚
    4.0
    赤ちゃんの父親は彼だけれど、ぜったい結婚するわけにはいかない。■レイシーは婚約者に逃げられたローガンを慰めようと彼の家を訪ねたところ、思いがけず結ばれてしまった。ほどなく妊娠していることに気づいたが、ローガンにはいっさいそれを伝えなかった。彼の心は、いまだに去った婚約者にあるのを知っていたから。しかし、あと一週間ほどで出産予定日というときになって、やっとレイシーはローガンに事実を知らせた。大あわてで駆けつけた彼が言ったのは、“結婚しよう”という言葉。昔から口うるさい兄のような存在だったローガンのことだから、プロポーズは単なる責任感によるものにすぎないはず。愛のない結婚なんて、ぜったいするわけにはいかない。レイシーはローガンのプロポーズを断固としてはねつけた。
  • 出会う前から愛してた スキャンダラスな家族 II
    -
    人気作家の担当エージェントを務めるエイドリアンは、締め切りが過ぎても連絡がつかないのに焦れて、その作家ギデオン・マクラウドの自宅に押しかけることにした。彼とは一度も会ったことがないが、マスコミに姿を見せず、隠者のような生活を送っているのだからきっと変わり者の老人に違いない。実際会ってみると、ギデオンは緑色の瞳の若い男性で、無愛想ながらも、家に泊めてくれるほど親切だった。翌日も、不注意で捻挫した彼女を看病してくれる。だが感謝の気持ちを伝えるエイドリアンに、彼は冷ややかに応じた。「勘違いはやめてくれ。僕は自己中心的な男だ」
  • 虚飾のピラミッド 闇の使徒たち II
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    言語学者のグレッチェンには恋愛経験がない。内気な性格と目立たない外見に加え、ひたすら学問に打ちこんできたからだ。でも最近、彼女は切実に孤独を感じていた。研究のために訪れているここエジプトの熱気のせいかしら?それとも、毎晩ひとりでとるディナーの味気なさのせい?ある夜、カートと名乗る魅力的な男性にダンスに誘われる。きらめく瞳と機知に富んだ会話はたちまち彼女を虜にした。カートが周到な罠を仕掛けていることに、純真なグレッチェンは少しも気づいていなかった。ディザイアの人気作家A・M・ウィンストンによる灼熱の恋物語。幼いころの記憶がないグレッチェン。実はその過去に最大の謎が隠されていて……。ますます目が離せない展開です。
  • 裏切りの美女 コルビー捜査ファイル III
    -
    FBI捜査官のニコルは苦境に陥っていた。過去にかかわった事件の関係者が次々と殺され、いまや魔の手は彼女にも迫りつつあった。イアン──そう、もう頼れるのは彼しかいない。かつて二人はチームを組んで仕事をし、それ以上に親密な時間も分かち合っていた。だが、そのせいで重要な任務を失敗して、彼は連邦執行官としてのキャリアも失ったのだった。イアンは、まだわたしを恨んでいるかしら?久しぶりの再会を前にして、ニコルの心に鈍い痛みが広がった。
  • 愛すれど君は遠く
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    サラは生死の境をさまよっていた。数時間前まで、彼女は雪に覆われた厳寒のカイアミシ山を猛スピードのバイクで飛ばしていた。山中深くに暮らすマッケンジー・ホークに会うために。行方不明になった兄を救えるのは、彼しかいない。コーヒーの香りに誘われ、サラはぼんやりと意識を取り戻した。頭はずきずきと痛み、体が思うように動かない。まぶたを開けると、燃えさかる暖炉の前に男性の姿が見えた。ああ、なんて美しいのかしら。あなたは私の守護天使なの?だが翡翠色の目をした彼は、ただ黙ってサラを見つめていた。
  • 霧の中の出会い 再会に乾杯 I
    3.0
    スコットランドの村で治療師をするフィオナの家にある日の夜更け、アメリカ人らしき男性が訪れた。ここへはめったに人は訪ねてこないのに、何の用だろう。それに、彼はひどい咳をしている。今すぐ休ませないと、肺炎にかかってしまうわ。見知らぬ男性への興味は、体が弱っていてもなお伝わってくる強烈な男らしさのせいでいっそう駆りたてられた。フィオナが名乗ると、男性はいきなり彼女の手を取って言った。「きみこそ、ぼくが探し求めていた女性だ!」
  • 永遠はお嫌い? 都合のいい結婚
    -
    形だけの結婚でもいい。ただひとり愛した彼となら。■ロサンゼルスのホテルのロビーで、メギーは生涯でただひとり愛した男性を待っていた。ネイト・ブラボー。幼なじみで、今はロスの私立探偵。少年と少女だったころ、誰より理解しあっていた相手。だが十九歳の夏、メギーが愛を打ち明けると、ネイトは彼女を拒み、故郷の町を出ていってしまった。あれから十数年、今度こそ、メギーは彼に頼むつもりだった。わたしと結婚して、子供の父親になって、と。“二年以内に結婚して子供を産まなければ、牧場は相続させない”亡き父の遺言のせいで、大切な牧場を失わないためには、夫と、子供が必要だ。その相手はネイト以外考えられない。今も変わらぬ思いを打ち明け、契約結婚をもちかけるメギーを、ネイトは今度も拒絶した。だが一週間後、そのネイトが突然現れ、夫になってもいいと言いだした。
  • 花嫁からの手紙
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    時ならぬ春の嵐が吹き荒れる。モンタナの大地と、一人の女の胸に。■季節はずれの吹雪とともにキンケイド牧場に現れたのは、不安を目にたたえた華奢な都会の女性、スーザン。牧場をあずかる牧童頭のランドにわかるはずもなかった。それが、花嫁募集の広告に返事をくれた相手だとは。もっとも、正確には、返事を書いたのは彼女自身ではなかった。むずかしい年頃の彼女の弟、マックの仕業だ。都会に嫌気がさし、牧場暮らしに憧れる少年は、姉がカウボーイと結婚すれば自分も都会を抜け出せると考え、姉の名前で偽りの手紙を書き、他人の写真を同封したのだ。肌もあらわな、ブロンドのピンナップガールの写真を……。家出して一人モンタナへと向かったマックを追ってきたスーザンは、もちろん、すぐに弟を連れてボルチモアへ帰るつもりでいた。なのに、この雪嵐!道が雪に埋まり、とても帰れそうにない。荒くれたカウボーイたちと一緒に何日も過ごせというの?
  • 再会の予感 白いドレスに乾杯 II
    -
    舞踏会の夜、大人への扉を開けたとき、少女の初恋は思い出に変わった……。■ロビンは十八歳になり、社交界にデビューする日を迎えた。舞踏会のための白いドレスに身に包んだ彼女が、家政婦の娘だったと知る者は多い。けれど、母亡きあとも雇主の厚意で寄宿学校に学び、ロビンは今や輝かんばかりに美しく知性的な娘になった。そんな彼女の成長ぶりを知らず、会場の入口ではらはらしながら待ち受ける青年がいた。四年ぶりに顔を合わせる雇主の息子コーリーだ。“シカゴでいちばん結婚したい男”そう呼ばれる若きエリート医師は、ロビンの初恋の人。彼は信じられないという目で成長したロビンを見つめた。その夜、大人になったばかりのロビンは胸の思いを打ち明け、コーリーは彼女を一人の女性として扱った。しかし、幸せな朝は彼の一言で別れの瞬間に変わってしまった。
  • 笑顔の行方
    3.0
    旅の途中で立ち寄った町には、難解な事件と激しい恋が待ち受けていた。■自分の身代わりになって撃たれた相棒の死が、敏腕刑事ジャド・ハンナを腑抜けにしてしまった。悪夢にうなされ、何にも集中できない。とうとう休暇を命じられ、彼は放浪の旅に出た。心は空っぽだったが、通りがかりの町で幼い少女が牛に踏み倒されそうなのを目にすると、車ごと突進して命を救った。刑事の勘は染みついていた。少女の母親チャーリーにすすめられて、しばらく農場の一部屋に滞在することになったけれど、未婚の母チャーリーと、よそ者ジャドは、人目を引いた。そんなとき、町に不可解な事件が起きた……。
  • 片思いにさよなら 愛よ、おかえり
    -
    ニッキは病院のベッドで目覚め、目の前にいる男性を見て息をのんだ。上司だったアレックス!彼の秘書だったニッキは、上司へのかなわぬ思いに終止符を打ち、一人で旅に出た。だが滞在先で意識を失い、その先の記憶はなかった。宿から連絡を受け、かけつけてくれたというアレックスは、有無を言わさぬ口調でニッキに告げた。「しばらくは僕が君の面倒を見る」呆気に取られるニッキを車に乗せ、たどりついた先はハネムーン用のコテージだった。★好評のミニシリーズ『愛よ、おかえり』の最新作です。★
  • 炎の夜と氷の朝 ファイナル・ミッション I
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    乗っている飛行機がまさに墜落しようとしている今、サラはふいに初恋の人カークのことを思いだした。高校時代の彼女は、クラスメートに“がり勉”呼ばわりされる、あか抜けない女生徒だった。一方のカークは、絶大な人気を誇るフットボールの花形選手だ。彼は私をからかっているだけ。そう自分に言い聞かせながらも、ひとけのない図書室で眼鏡を外され、カークの唇が近づいてきたとき、サラは胸を高鳴らせた。それなのに……。彼女は今でもカークとの関係を悔やんでいた。心残りのあるまま死にたくない! だが険しい山々が迫ってくる。やがて激しい衝撃が訪れ、サラの視界は闇に閉ざされた。
  • 見えない絆
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    彼をだますことになるのはわかっている。でも仕方ないわ。弟の命を救うためだもの。■同僚の医師マイクに、真実を告げないまま骨髄ドナーの適性検査を受けてほしいと頼むことに、リアは強い抵抗を感じていた。だが、重い白血病に侵された義理の弟クイントンの命を救う道は骨髄移植しかないし、病状は一刻を争う。そして、弟のHLA――すなわちヒト白血球抗原が一致する可能性があるのは、マイクしかいないのだ。なぜなら、マイクはクイントンの異父兄だから。マイクはその事実を知らないけれど……。検査の結果、マイクとクイントンのHLAは一致した。マイクは喜んで骨髄を提供し、クイントンは命をとりとめる。だが、リアの計画のなかには入っていなかったのだ、自分がマイクに惹かれるようになるなんて。
  • 月の光に魅せられて
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    “性的な関係はいっさい強制しないよ。僕が求めているのは社交上のパートナーなんだ”ハミルトン・エンタープライズの最高経営責任者マックスからの突然のプロポーズ。利己的にも聞こえるその内容が、私にとっては魅力だった。里親の家で忌まわしい体験をして以来、結婚や出産に対する夢はすっかり失っていたし、ひとりぼっちにも慣れていた。ただ、誰かに守られていると感じたくて、イエスと答えた。祭壇で交わした誓いのキスにまどわされた私は、窓から差し込む月の光に誘われるままに彼と一夜を過ごし、ばら色の未来を信じながら眠りに落ちた。でも、気づけばとなりに夫の姿はなかった。まさか結婚式の翌朝、ベッドに置き去りにされるなんて。
  • 九カ月の約束 都合のいい結婚
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    わたし、妊娠してる!大学で会計学を学ぶアビーにとって、計算はお手のもののはずが、計算外のことに、彼女の頭は大混乱。しかし心のなかでは、すでにひとつの答えが出されていた。なにがあろうと、この子を産みたい。でも、どうやって?誰にも相談はできない。相手のキャッシュにも。アビーより十五歳年上のキャッシュは、彼女にとってなんでも相談できる兄のような存在だったはずなのに…。彼女の胸に、あの夜の出来事がよみがえってくる。突然の父の死が受け入れられず、ひとり泣いていたアビー。彼女を、やさしくなぐさめてくれたキャッシュ。やがて、甘美な思いに包まれて…ふたりは結ばれた。キャッシュがこのことを知ったら、なんて言うかしら?でも、彼には絶対に知らせたくない。妊娠したとわかれば、彼は責任を感じて、必ず結婚を口にするだろうから…。
  • 人魚の記憶 トリプル・トラブル III
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    “わたしの名前はアナ・ジェーン。九歳です。これを見た人が、うちに来て、お友達になってくれたらうれしいな”ガラスのボトルのなかには、そんな言葉が書かれた紙が入っていた。休暇を過ごすために、妹たち夫婦よりひと足早くカリブ海の島、セント・アリシアにやってきたファロン。彼女は浜辺を散策していて、ボトルが海に浮かんでいるのを見つけた。ファロンは興味をそそられ、その少女を訪ねてみることにする。同じ紙に描かれた地図から、少女の家がこの島の北にあると見当をつけ、海岸伝いに歩きだした。だが、途中、昼食をとった入江で疲れて眠りこんでしまい、気がついたときには満ちてきた潮にのまれ、岩にたたきつけられ…意識を失った。目覚めたとき、彼女は見知らぬ部屋で、知らない男性に見守られていた。ここはどこ?…そして、わたしは…。彼女は自分が誰であるかを忘れていた。
  • 夢遥か、バハマ
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    私は、とうとう来てしまった。マイアミの空港の雑踏の中で、マティは迎えに来るはずの男性を待っていた。彼の名はデイモン・クイン。八年前、大学で出会い、マティがひそかにあこがれてきた人だ。故郷のミネソタからマイアミ、そしてデイモンと空港で会い、彼が住むバハマの島に渡る…。小児科の看護婦として地元の病院に勤め、友人にも恵まれ、平穏に暮らしてきたマティの人生が、大きく変わろうとしていた。二十七歳の誕生日に、友人たちとシャンパンを飲み、大学の校友会新聞に載っていた、赤ん坊の世話ができる妻を探しているというデイモンの記事に、酔った勢いで応募してしまったのだ。電話で事情を聞き、彼の妻になるためにここに来たものの、マティにはまだ迷いがあった。彼との結婚が、裁判で赤ん坊の養育権を勝ち取るためのものであることに…。
  • 明日が見えなくて 富豪一族の伝説 X
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    看護師のビクトリアは、内戦状態にある南アメリカの島国、サント・ボニストの診療所で負傷兵の治療にあたっている。テキサスの大富豪である父からは、何度も帰国するよう言われてきた。だけど戦火におびえるこの町で、傷ついた人々を見捨てることなど決してできない。ある日、いつものとおり負傷兵をのせたジープが到着し、表に出てみると見知らぬ男が車から降りてきた。野性的で傲慢そうなほほえみ。でもなぜか目を離せない男性だわ。全身を貫いた奇妙なうずきから逃れたくて、彼に背を向けたビクトリアは、背後から名前を呼ばれて凍りついた。「ビクトリア」なぜ? どうして彼が私の名を?
  • 初めての情熱 伝説のガウン
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    初めてのボーイフレンドとゴールイン。それが望みだと信じていたはずだが……。■二十五歳の誕生日を六週間後に控えたキャシーには、九年越しのボーイフレンド、ジョエルがいた。左手の薬指には大切な指輪。でも、婚約はまだだ。キャシーの家に伝わるナイトガウンを二十五歳の誕生日に着て寝ると、運命の相手に夢で会えるはずだから。もちろん、夢に見たいのはジョエル。だけど…。そんなとき、幼稚園の保母であるキャシーは、姪を引きとろうとブラッドリーの町に来たライアンに、住みこみのベビーシッターとして雇われる。ライアンはコンピュターソフト会社の経営者で、ちょっと子供が苦手な都会の男性。出会ったことのないタイプだ。キャシーのなかに、新鮮ななにかが生まれはじめる。
  • だんなさまは四百ドル 愛を知らない男たち
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    ハンナはまだ見ぬ母に会うためにグレンウッドに向かった。偽りの夫とともに。■法に触れるようなことも平気でする、危険な男―。それがハンナのニックに対するイメージだった。警察官であるハンナは、この一年、署内でたびたび声をかけてくるニックの誘いを振り切ってきた。だがその日は、なぜか彼の誘いを受け、テキーラに酔った勢いで、こう口走っていた。「わたし、夫を必要としているの」と。生まれてすぐ養子に出されたハンナのもとに、実母から、まだ時間が残されているうちに会いたいと書いた、手紙が届いたのだ。母親が私立探偵を使って居所を捜しあてたとき、まだ結婚していないハンナは、老い先短い母を心配させないよう、週末、四百ドルで夫の役を務めてくれる男性を探していたのだった。「喜んで力になるよ」ニックはそう申し出て、ふたりはハンナの母が住む町グレンウッドへと向かった。
  • 愛は戯れでなく
    3.0
    ただ一度でいい、ほんの遊びでかまわない。もしもあなたが私を抱いてくれるなら……。■末っ子の妹を心配する七人の兄たちに囲まれて育ったせいか、トニーは二十九歳の今もまだ、生涯の伴侶と巡り合えずにいた。実際、結婚はもうあきらめている。欲しいのは赤ん坊だけ。一夜でいい。誰かに抱かれ、子供を授けてもらえるなら……。そんなことを思いながら家路を急いでいると、ふいに雷鳴が轟き、嵐に巻き込まれた。そのとき、轟音とともに炎の塊が空をよぎった。落雷で墜落した飛行機だったが、むろんトニーは知る由もない。ましてこのあと、その事故現場でレイン・マンデーなる男を救い、彼に抱いてほしいと頼む日が来ようとは、知るはずもなかった。
  • 愛と欲望のゲーム ファイナル・ミッション III
    -
    あこがれの警察官になったのも束の間、パイパーは収賄のぬれぎぬを着せられて、解雇された。無実を証明するには、プロの力を借りる必要がある。頼れるのは、ジャック・ドノヴァンしかいない。かつて隣家に住んでいた彼は、パイパーの初恋の男性で、今はエキスパート集団〈シェイ・グループ〉の一員だ。彼に真相究明を手伝ってもらえるなら、二十五年間守ってきたこの純潔を捧げてもかまわない……。ところが、ジャックの言葉はすげなかった。「ちびすけパイパーか? こうるさい小娘の?」
  • 一万ドル物語
    -
    “求む。特別な役がこなせる、若く、熱心な女優。経費は全額支給。ふさわしい人物には高額の支払い”ローレンは偶然見つけた新聞の求人広告をじっと見つめた。ゆきづまった今の生活を変える、願ってもないチャンスだと思った。彼女は婚約者に裏切られ、歯科衛生士の仕事にも興味をなくしている。女優の経験はなかったが、ローレンは早速、広告に応募した。数日後、ローレンの勤めるクリニックに、新しい患者がやってきた。サム・ラトリッジと名乗ったその男性は、治療を受けながら、さまざまな質問を浴びせて、ローレンを戸惑わせる。淡いブロンドの髪に、相手を愛撫するようなブルーの瞳。彼は、魅力ある笑みを浮かべ、しきりに話しかけてきた。ひょっとして、彼は、わたしに惹かれているのかも…。ばかげているとは思いながら、ローレンはまんざらでもなかった。だが、そんな淡い思いは、彼の思いがけない言葉で吹き飛んだ。「ぼくは患者ではない。きみについてもっと知りたくて…。求人広告へのきみの応募のことで来たんだよ」ローレンはショックのあまり、茫然とするばかりだった。
  • 過去のある情熱
    -
    苦い十代のころの思い出――それは、今なお二人にわだかまりとして残っていた。■「この写真、よく撮れてるじゃない!レイチェル、特にあなたが」共同経営者のアリスが歓声をあげた。レイチェルは、地元の新聞に載った、自分たちの不動産会社の記事をのぞきこんだ。女性ばかりの三人で始めた会社のすべりだしとしては順調といえる。アリスはご機嫌の様子で、声に出して記事を読み始めた。しかし、レイチェルの耳には、その声はもう聞こえていなかった。同じページにある、別の記事に気をとられていたのだ。そこには、開発業者として成功したリーの写真が載っていた。記事は、彼が今度は大規模な分譲住宅を建設中だと伝えていた。その住宅の販売を担当できれば、会社には大きな利益となる。十代のころ、リーは父の薬局でアルバイトをしていたことがある。レイチェルはすぐにでも連絡して、仕事の話を持ちかけたかった。だが、二人の間には、その十代のころ、彼女の両親によってつきあいを禁じられた、苦い思い出があった。彼女はリーのことを思うと、今でも心が乱れるのにとまどいながら、彼に連絡をとるべきか、ためらいを感じてしまうのだった。
  • 偽りの館
    -
    忘れかけていた相手が帰ってきた。初恋のときめきは大人の愛に変わった……。■生まれ育った町で刑事になったキャメロン・リードは、次々に建てられる住宅や店舗をながめながら、急速な発展ぶりに時代の流れを感じていた。絵本の中の平和な町のイメージはもはやどこにもない。いや、一箇所だけ、十一年前の姿のままたたずむ家がある。マッキー邸――セレナの家だ。十一年前に、この町で初めての殺人事件がそこで起きた。セレナの父親が妻を殺害し、第一発見者だったセレナは、そのあとすぐ伯母と一緒に町を去っていった。初恋の相手キャメロンと顔を合わせることもなく……。今、彼女はどこにいるのだろう? 幸せだろうか?何を考えていても何をしていても消えなかった面影が、最近では覚めかけの夢のようなおぼろげなものになっている。ところが、ある夜、マッキー邸の窓に明かりが見えた。キャメロンの知らぬ間に、セレナが帰ってきていた。
  • 赤ちゃんがいっぱい
    -
    絶対に我が子の行方をつきとめてみせる。たとえ、この男を誘惑してでも。■裕福な家の娘として気ままな毎日を送っていたダニーは、ふとした過ちからみごもった。父親は激怒し、生まれた子どもを養子に出してしまう。一度も抱くことの叶わなかった我が子に会いたかった。父親を許せず家を出た彼女は今、老判事の付き添い看護に従事している。以前とは打って変わった地味で堅実な日々だ。だが、六歳になる我が子への熱い思いは捨てていない。そんなダニーにチャンスが訪れた。不注意から、老判事が四つ子を引き取る書類にサインしてしまい、はからずも養子斡旋事務所の所長に会う機会を得たのだ。ジェイク・ルーカス――彼こそ、我が子の養子縁組を手がけた男に間違いないはず。
  • レディへの階段 結婚嫌いの三兄弟 III
    -
    ぼさぼさの髪に大きな黒縁めがね、ひどく流行遅れの服。名門の令嬢セアは“社交界の醜いあひるの子”と呼ばれパーティではいつも壁の花だが、紳士の務めとして毎回一度だけ踊ってくれるピーターに憧れていた。ある夜、ピーターのエスコートで外出するチャンスが訪れる。だが厳格な祖母に育てられたせいで内気で臆病なセアは、ほとんど何も話せず、二人きりの時間は終わろうとしていた。家に送ってもらう途中で雨が降りだし、ずぶ濡れになった二人はセアの部屋で服を脱いだところを、祖母に見つかってしまう。それは両家を揺るがす大騒動に発展し……。
  • 眠れぬ夜を重ねて
    -
    ■奈落の底で垣間見た光明は、更なる深淵への序章にすぎなかった。■著名な医者の妻として瀟洒な邸宅で暮らすエミリーに、突然、思いがけないかたちで悲劇が襲いかかった。あの優しかった夫が、愛人と一緒に焼死……。莫大な借金だけが遺り、彼女は無一文で放り出されることになった。人々には好奇の視線を向けられ、義母からはエミリーがいたらなかったせいだと責められる。だが、最も恐れていた夫の兄ディロンの反応は予想外だった。エミリーをずっと無視してきた彼はなぜか優しい気遣いを見せ、まるで騎士のようにそばについていてくれる。しかも彼女を助けるため、便宜上の結婚さえ申し出た。こんなこと、間違ってるわ――そう思いながらもほかに解決の道はなく、エミリーは承諾してしまう。この決断が、より大きな悲劇を招くことになろうとは知りもせずに。
  • 小さな願い
    -
    ■九年前、あなたから欲しかったものがあるの。指輪やプロポーズではなく、愛しているのひとこと。■アメリカ南部の町オーチャード。蒸し暑い、いつもと同じ夕暮れ。この町で銀行を経営するアダムも、忙しい一日を送ったあと、自宅の書斎でひとりの静かな時間を過ごしていた。その時、部屋の窓を割ってソフトボールが飛び込んでくる。やがて割れた窓から、小さな子供が顔をのぞかせた。おてんばなその少女――ビリーのペースにのせられて、アダムは庭でキャッチボールに付き合う。そこへビリーの名を呼びながら、ひとりの女性があらわれた。思わずその場に凍りつくアダム。ジェーン。どうして帰ってきたんだ……いまさら。この瞬間、アダムの平和で心安らぐ日々は、終わりを告げた。かつてふたりは、この町の星空の下で恋に落ちた。おとなり同士で、幼なじみ。従順な女の子と、銀行の跡取り息子。九年前、アダムは“お互いにふさわしいから”とプロポーズし、ジェーンは白いばらに囲まれて、花嫁となる日を楽しみにしていた。だが、彼女はこの町を去った。式の当日、ひとことも残さずに……。
  • 天使の落とし物
    -
    ■この世にたったひとりの運命の相手の顔。それはどんな女性の胸にも刻まれている。■いつもと変わらない穏やかな朝を迎えたモリーのもとに、思いもかけない運命が、文字どおり落ちてきた。家のそばの崖で、気を失っている男性を見つけたのだ。彼は隣の農場で働いていたメキシコ人で、不法就労者の摘発の際、脚を撃たれて転落したらしい。モリーはその男性の顔になぜか強く心引かれ、保安官代理である弟にも連絡せず、連れ帰って手当てをした。その男性、アレハンドロ・ソーサは、きれぎれの意識のなかで、姪のホセフィーナを捜してほしいとモリーに頼んだ。農場から逃げる際に、はぐれてしまったのだという。彫りの深い顔に漆黒の髪がつややかにかかる彼を見つめながら、モリーはホセフィーナを捜す決心をする。
  • 美しすぎる狼
    -
    ■過去を忘れてとは言わない。あなたの未来にわたしを置いてほしいだけ。■「あなたは心を失った王子さまね」妻を亡くしたあと山奥でひっそり暮らしているタイラーは、都会からやってきた情熱的な美女にそう言われてはっとする。アンナはタイラーの母親が勤める美術館の新任学芸員だ。その彼女が雪の降るなかを訪ねてきたのは、きっと、妻の命日を一人で過ごす息子を心配した母の差し金に違いない。悲しみの癒し方は人それぞれなのに……。一方アンナは、タイラーに会うたび胸がどきどきしていた。でも、彼の心には亡き妻以外の女性が入る余地はない。憧れても、おとぎばなしのような奇跡は訪れないのだ。ところが、激しくなった雪がふたりを山小屋に閉じこめた。アンナは緊張し、普段以上におしゃべりになって、不安と期待を抱いた――なにかが起こるかもしれない。
  • 天使に祈りを
    -
    ■悪夢がもたらすこの苦しみも、君に抱かれて眠ればいつかは消えるのか?■戦地で目にした光景の悪夢から抜けだせず、ジェイクは軍隊をやめ、故郷の町に帰ってきた。やせた頬に不精髭、それに肩までのびた髪という姿には、彼自身うんざりしていた。だが、そんなジェイクに、少女のころと同じ憧れの目を向ける女性がいた。今は医師となって、人々の信頼を集めているラモーナ。自らもレイプされた過去を乗り越えた経験がある彼女は、苦しむジェイクをなんとか立ち直らせてあげたかった。高校時代、彼は同級生にからかわれた私を助けてくれた。あの日のジェイクに戻ってほしい。どんなに外見が変わっても、私は遠い昔の彼を知っている。ラモーナはジェイクに救いの手を差しのべた。彼がそれを女からの誘惑と受け取ってもかまわなかった。
  • しあわせな秘密 愛の女神たち I
    3.0
    母を亡くしたときからハンナの人生は大きく変わった。大富豪の婚外子であることが判明して広大な屋敷に引き取られ、家族の期待のままに東部の大学に進学した。だが今、ある事情から、誰にも知らせず故郷の町に帰ってきたのだ。ひとり静かな日々を送るハンナは、意外な人物に再会した。エリック・メンドーサ――十代のころにあこがれた人は、今や郡の中核病院の管理職になっていた。彼は再会を喜び、美しく成長した彼女を情熱的な目で見つめて、大人の男としての思いを熱いキスに込めて伝えてきた。■アメリカの小さな町を舞台に、そこに住む人々の恋愛模様を描くミニシリーズ『愛の女神たち』です。秘密を抱えたまま、十代のころからのあこがれだったエリックとデートを続けるハンナ。でも、ある日ひょんなことからすべてをエリックに知られてしまい……。■

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  • 愛したのはボス 闇の使徒たち III
    -
    早く月曜日にならないかしら。秘書のキャリーにとって、ボスに会えない週末はいつも憂鬱だ。大統領補佐官マット・タイナンは有名なプレイボーイ。わたしみたいな田舎娘を相手にするわけがない。そうはわかっていても、思いは止められなかった。ある日、彼女はマットから極秘調査を命じられる。経過報告のため彼と過ごす機会が増え、キャリーは有頂天になった。親密なディナー、きらめく夜景をのぞみながらの熱いキス……。だが、終わりは突然にやってきた。「きみとはもう会いたくない」キャリーは涙をこらえ、マットの前から姿を消した。

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  • 戦火のヴィーナス 狼たちの休息 VIII
    4.0
    父が生きている? まさか……キャサリンは一瞬、耳を疑った。傭兵だった彼女の父親ラニーは、二十年前に独裁国家サラサの内戦で戦死したはずだ。なのに、いまだ父が捕虜として投獄され続けているなんて。CIAの担当者は淡々と続けた。「解放の条件はただ一つ。身代金十万ドルを直接現地へ届けること」混乱するまま、キャサリンは身代金を携え空港へ向かった。父のかつての盟友マードックがボディガードとして同行するという。元傭兵、父と同じ種類の男。いったいどんな人かしら?人波の中で彼女は奇妙な震えとともに彼を見つけた――本能的に。

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  • シルクの誘惑 哀愁のシカゴ I
    -
    マフィア幹部の息子が殺され、シカゴの街は危険度を増していた。だが、地道にランジェリーショップ〈シルクス〉を営むスンニ・ブレイズには別世界の出来事だった。殺害現場のベッドルームから、スンニの店のランジェリーと彼女の指紋がついたスカーフが発見されるまでは。被害者をろくに知らないのに、容疑者にされるなんて! 一刻も早く無実を証明しなければ……。マフィアの復讐におびえる彼女の前に、やがて謎の男が現れた。会うなり、男はスンニをかき抱いて甘いキスをする。思わずうっとりしたスンニだが、男の隠し持つナイフに戦慄した。もしかして、彼こそがわたしを狙う殺し屋なのだろうか?

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  • ボスはプレイボーイ 富豪一族の伝説 V
    -
    エミリーはこの二年間、ボスのローガン・フォーチュンに報われない思いをいだいていた。上流社会の女性たちと浮き名を流すボスへの気持ちを隠し、彼の恋の後始末さえ引き受けてきた。だがある日を境に、ローガンの優雅な独身生活は一変する。かつての恋人がひそかに彼の子供を産み、亡くなったのだ。一夜にして父親となったローガンは、またもやエミリーに助けを求めてきた。「きみが必要なんだ」熱く訴える彼のまなざしに、エミリーは愚かにも叶うはずのない夢を見てしまった。

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  • 愛した人は敵 秘密を抱えた天使たち
    -
    誰かが私のベッドで寝た跡がある……。レイシーは怯えながら森のキャビンの中を見回した。すると突然、背後のドアが開き、長身の男性がかすかな笑みを浮かべて立っていた。コナーと名乗るその男性は、ここにいる理由も素性も明かさず、キャビンを修理する代わりにしばらく滞在させてほしいと言う。そして、他人に彼の存在を明かすなとも。断るべきなのに、レイシーはセクシーな青い瞳に惑わされ気がつくとイエスと答えていた。その決断が自分自身を傷つけることになるとは知らずに。

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  • 偽りの口づけ
    -
    こんな屈辱には耐えられないわ!私を捨てて同僚と再婚した元夫が出席するパーティに出なければならないなんて。困り果てたマギーは、幼なじみのジェイクに頼み込んでエスコートしてもらうことにした。十五年ぶりに会った彼はすっかりたくましい男性に変わっていた。プレイボーイという噂もうなずける。好奇の目を向ける人々であふれ返ったパーティ会場に乗り込むと、ジェイクは恋人同士を装うためか、震えるマギーにいきなりとろけるようなキスを仕掛けてきた。

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  • バイオレットの封印 闇の使徒たち I
    -
    医師メイジーは見知らぬ老婦人から甥の治療を頼まれ、荒れはてた屋敷を訪れた。ぎこちなく笑う老婦人の夫。急にいばりちらす老婦人。二人の息子だというが、武器を手放さない若者。どこか不自然で芝居めいた一家の様子に、メイジーは不安を覚える。でも、医者として病人を見捨てるわけにはいかない。ベッドに横たわる男性の整った顔立ちを目にし、彼女ははっとした。まさかあの天才経済学者、ミスター・イングラム?男性がふいに青い瞳をあけ、訴えるようにまぶたを震わせた。なんてこと! 彼はベッドに縛りつけられている!その瞬間、後ろで重い扉がしまり、錠のかかる音が響いた。

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  • 誘う追跡者 コルビー捜査ファイル I
    -
    探偵事務所で調査員をつとめるキャサリンは謎の失踪をとげた政府機関の契約捜査官、ジャック・レインを追って車を走らせていた。この初仕事を失敗するわけにはいかない。絶対に成功させて、自分の能力を証明してみせるわ。そうすれば、兄のように優秀な警官になれなかったわたしを、父も認めてくれるに違いない。調査の末に突きとめたレインの潜伏先まで、あと少しだ。そのときふいに車の前に何かが現れ、彼女は急ブレーキを踏んだ。そして、すべてが闇に包まれた。■ミニシリーズ『コルビー捜査ファイル』は、美と知性を兼ね備えた探偵事務所調査員たちが織りなすラブ&サスペンスの秀作です。

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  • 紳士の誘惑 狼たちの休息 VII
    4.0
    部下の失踪事件を調査中のアニーは暴漢に襲われたところを通りがかりの男性に救われた。聞けば、著名な警備会社ダンディー・エージェンシーの最高経営責任者(CEO)デイン・カーマイケルだという。プロとして調査に協力しようと言うが、真意は別にあるようだ。南部の旧家出身で、女性はおとなしく男性に従うものと信じる彼は、意地っぱりなアニーの“調教”に興味を持ったらしい。えらそうな男性優位主義者は大きらいよ!思わず反論しようとする彼女を、デインは挑発した。「君は僕のタイプではないとだけ言っておこう」

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  • ドクターに恋したら 救命病棟は眠らない II
    -
    本当のわたしを知ってほしい……。けがでブレア・メモリアル病院に入院したロンドンはある男性に恋いこがれていた。大使令嬢として追従や欺瞞に満ちた世界で生きてきた彼女に、初めて本音で接してくれた人物、それが担当医のリースだった。わがままなお嬢さまとしか思われていないのは知っているけれど、なんとかして彼の心をつかみたい。だが、ロンドンは重要なことを忘れていた。自分が悪魔につけねらわれており、近づく人間はみな攻撃されてしまうことを。今まさに、悪魔はリースに狙いを定めようとしていた!

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  • 危険な報酬 愛を知らない男たち
    -
    護身術のインストラクター、D・J・モンローは、軍主催の模擬戦闘訓練に参加し、敵を一人捕らえた。だがクインと名乗る捕虜の男性は不敵な態度でD・Jを見下す。森で夜を明かすことになっても非協力的で、おとなしくするという条件でキスまで求めてきた。なんて図々しい! そう憤慨しつつも思わず唇を重ねてしまう。翌朝目覚めると、彼はいましめを解いて姿を消していた。屈辱をこらえ、D・Jはクインを捜し出し技能を教えるよう迫る。自尊心を犠牲にしても強くなりたい事情があるのだ。だがにべもなく拒否され、彼女は最後の手段に訴えた。「教えてもらう代わりに、わたしの体をあげるわ」

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  • 媚薬のレシピ
    -
    『男心を射止めるレシピ』の作家のプロモーションのため、ジョシーはイベントの開催される小さな町にやってきた。まもなく作家が何者かに狙われていることがわかり、ジョシーは警察署長のダンに助けを求める。映画スター並みにハンサムな彼は、中身はまったく食えない男性だった。彼女をわがままな都会の女と決めつけ、軽蔑を隠そうともしない。あるとき、作家の作ったレモネードを飲みながら彼と口論していると、不思議な感覚が体を駆け巡った。ダンも同じだったのか、彼女を熱く見つめ……。

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  • 愛するには危険 都合のいい結婚:悩める三兄弟 II
    3.0
    ジェインは隣に越してきた男性、ケイド・ブラボーのことが気になって仕方がなかった。かつて札付きの不良だった彼は、今はプロの賭博師だ。女性とは束の間楽しんだあと、冷酷に捨てるという噂もある。絶対に好きになってはいけないタイプの男性なのに気のあるそぶりをされるたび、ジェインは恍惚となってしまう。ある日、とうとうケイドが交際を求めてきた。ジェインは勇気を奮い起こし、震える声で拒絶する。だが翌日、彼女の家の前に高価な贈り物が置かれていた。■『都合のいい結婚:悩める三兄弟』の第二話をお届けします。ブラボー三兄弟の中で最も危険な男性ケイドがヒーローです。

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  • 恋人はプリンセス ロマンスは海を越えて I
    -
    「ぼくは子供を持つつもりはないんだ」ニューヨークで会社経営に携わるシシーは、ビジネスパートナーのシェーンがなにげなく言った言葉に愕然とした。数週間前、彼と仕事のことで言い合いになったあと、思いを抑えきれずにベッドをともにしてしまった。そして、思いがけず妊娠しているのがわかったのだ。彼に頼らずにひとりで子供を育てなければ……。複雑な思いを抱えたシシーは、小国コロソルの王である祖父から、突然王位を譲ると告げられて驚く。いったいどうすればいいの? 未婚の母が女王だなんて。■第一話は、突然王位を譲られ、女王になる決意を徐々に固めていくシシーの物語です。

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  • 恋するキューピッド 幸せを運ぶ人 I
    -
    互いにぴったり合う男女を結びつけるキューピッド。少女のころからのあこがれの仕事に、エインズリーはついに携わることができた。永遠の愛を誓うにふさわしい一組を自分の勘で見つけ出す。なんてすてきなのかしら。兄や姉は末っ子の私をいつまでも子供扱いしているけれど、恋がどういうものかは私だって知っている。手はじめに、いつも母親気取りの姉のミランダと、兄の親友のアイヴァンを組み合わせてみるのはどうだろう。初恋の人アイヴァンへの、ほろ苦い思いは封印して。

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  • 誇り高きドクター 救命病棟は眠らない I
    -
    “「もう一度言わせるな、外へ出ていけ」立ちはだかる白衣の独裁者の不遜な口調にFBI捜査官のリディアは唖然とした。重傷を負ったテロリストを見張るため病院に来たところ、いきなり担当ドクターにどなられたのだ。人殺しの命を救おうとするなんて、どういう神経をしているの?たとえ天才心臓外科医ルーカス・グレイウルフでも許せない!ところが病室から出てきたルーカスは、怒りも冷めやらぬリディアに再び命じた。「上着を脱ぐんだ」なんですって? 彼は何を考えているの?”■『救命病棟は眠らない』はブレア・メモリアル病院に所属する優秀なドクター達が主人公。今後、外科医リースと令嬢の恋と冒険を描く「ドクターに恋したら」を刊行します。

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  • 残酷なランデブー
    -
    妹のへリーンが死体で見つかった。イーデンにはまだすべてが信じられなかった。両親の死後、親代わりとなって育てあげた、たった一人の肉親。命を懸けても、犯人はかならず見つけだすわ。妹のわずかな遺品のなかに、イーデンは一通の招待状を見つけた。貧しい学生が、こんな豪奢な舞踏会に招待されるのはおかしい。へリーンになりすまして舞踏会に潜りこんだ彼女は、偶然にもそこで意外な人物と再会した。ハンター――七年前に失踪した元婚約者が、なぜここに?気づくとイーデンは彼に強引に腕を取られ、ダンスフロアに出ていた。■イーデンは七年ぶりに元婚約者ハンターと再会し、意外な失踪の真相を聞かされることに。読むほどに引きこまれる衝撃の展開です。

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  • 思いがけないキス 幸せを運ぶ人 II
    -
    世界中を駆けまわって慈善活動を続ける両親に代わり、ミランダは子供のころから、きょうだいの世話をしてきた。豪奢な屋敷に暮らし、大勢の使用人がいるとはいえ、何をするにも自分が中心になる生活から早く自由になりたい。誰かに愛され支えられたいと、こんなに強く望んでいるのに、気づいてくれる男性はこれまでいなかった。ある日ミランダは、いとこの結婚式で出会った男性に心引かれる。十数年ぶりに故郷に戻った元軍人のネイト・シェパードだ。だが彼は、ミランダの恋人の条件からは大きくはずれる相手だった。■仲人見習い中のエインズリーが縁結びに奔走するミニシリーズ『幸せを運ぶ人』の第二作目。今作のヒロインはエインズリーの姉ミランダです。心から愛する男性との結婚にどうしても踏み切れない彼女は……。

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  • きまじめな情事 ロマンスは海を越えて III
    -
    王位継承を辞退した姉の結婚披露パーティで、コロソル王国の王女ルシアは、一目で引かれた年上の男性ハリソンとダンスを楽しんだ。だが国王の顧問である彼は、ルシアの正体を知ると突然よそよそしい態度をとりはじめた。その後国王の意向で、ルシアは次期女王候補に選ばれたことを知る。女王としての適性判断のため、ハリソンと面談したルシアは、仕事に徹してどこまでも冷静な彼にただ動揺する。でも、わたしたちのあいだには特別な何かがあるはず。ルシアは密かに誓った。必ず彼の心を開いてみせるわ。■ヨーロッパの小国の王女たちの恋を描く『ロマンスは海を越えて』の第三作目をお届けします。姉二人が王位継承を辞退し、ついに末娘のルシアに白羽の矢が立ちますが……。

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  • 天使と野獣 狼たちの休息 II
    3.0
    六年前、瀕死の重傷を負ったサム・ダンディーを見つけ、みずからの癒しの能力で救ったときからジニーはかなうことのない恋に身を焦がしていた。あのとき心にも傷を負ったサムは恩返しを誓いつつも、彼女の愛を受け入れることなく去った。だが超能力者であることを騒がれ、身の危険を感じる今のジニーは警備会社を営むサムに頼らざるをえない。SOSを聞きつけて現れた彼に胸を高鳴らせたが、その冷たい言葉は彼女の淡い願望をこなごなに打ち砕いた。「ぼくがここにいる理由を勘違いするな」

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  • 悲しい契約 愛の女神たち II
    -
    産婦人科クリニックに勤める助産師シシリアは、毎日、新しい命が誕生する瞬間に立ち会っていた。若い母親たちの幸せそうな顔を見るたび、胸の奥にかすかな嫉妬とあこがれのまじった感情が込み上げる。わたしも赤ちゃんが欲しい! でも、夫はいらないわ。愛は永久に続くものではないと、身にしみて知っているもの。幸せを獲得する方法を考えはじめたシシリアは、雲の上の人と思っていた名家の御曹子ジェフと偶然親しくなる。2人だけで食事をし、シシリアの家で一夜を過ごしたあと、彼女は思いきって計画を打ち明けた。■エリックの姉シシリアがヒロインとして登場します。過去の苦い思い出のせいで愛など信じないと思っていたシシリアの、揺れる心が描かれています。

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  • 罪深きプリンス
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    これは……夢? わたしは幻覚を見ているの?ルアンヌは朝のまばゆい光の向こう側に信じられない現実を見た。そう、最愛の男性の姿を。かつて孤独と貧しさに疲れきった彼女は、ただ1人優しさを示してくれた異国のプリンスにすべてを捧げた。だがプリンス・アレクサンダーが愛をささやいたのはその一夜だけ。すぐに彼は町をあとにし、ルアンヌは1人取り残された。あれから11年――プリンスの恋愛スキャンダルを耳にするたびに胸をえぐる痛みをこらえつつ、必死で生き抜いてきたのだ。今ごろ姿を現すなんて、どうして……?険しい表情で歩み寄る男性に、彼女は思わず背を向けた。■本作の主人公は好評を博した「プリンセスの休日」のヒロインの兄プリンス・アレクサンダー。逆境に耐えるヒロインのけなげさが胸を打つ感動作です!

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  • 華麗なる情事 富豪一族の伝説 XII
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    家事代行業を営むグウェンは、プレイボーイと評判の顧客ゼインから、彼の恋人のふりをして親族の結婚式に出席してほしいと頼まれた。結婚しろと口うるさく言う親戚たちの目を欺くためだという。二千ドルの報酬にそそられて引き受けたものの、一緒に過ごすうち、グウェンはすっかりゼインに心を奪われる。いいえ、だめ。ゼインと私の生活は天と地ほどもかけ離れているのよ。それに、私には決して彼には話せない秘密がある。そう自分に言い聞かせたが、彼に抱きすくめられ、キスをされると、グウェンの体は喜びに震えた。次のデートに誘うゼインの声がぼんやりと頭のなかでこだました。■『富豪一族の伝説』の第十二話。あまりにも身分の違うゼインと恋に落ちてしまい、とまどうグウェン。彼の優しさに徐々に心を開いていきますが、二人の間にはある障害があり……。

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  • パラダイスの誘惑 デブロー家の伝説
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    クリスティは、大好きだった叔母から古びたリゾートホテル〈パラダイス・リゾート〉を相続し、立て直しに奮闘していた。最新の設備もなく、今ではすっかり時代遅れのホテルだ。でも叔母が生涯をかけて守り抜いたこのホテルに、きっと往年の輝きを取り戻させてみせるわ。ある日、以前からホテルの売却を勧めていた不動産業者が、新しい担当者コナーを送り込んでくる。はっとするほどハンサムな顔とセクシーな雰囲気を持つ男性……。だけど彼がいくらすてきでも、このホテルを売るわけにはいかない。売却を拒み続けるクリスティに向かって、コナーはそれなら僕はここに泊まり込むと宣言した。

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  • 恋に落ちたスパイ 富豪一族の伝説 XVI
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    ウィラは、自宅の前で誘拐されそうになったところを以前から顔見知りだったグリフ・フォーチュンに助けられた。初めて会ったときから、ウィラはグリフに思いを寄せてきた。だがなにやら危険な仕事についているらしい彼は、仕事については決して話さず、心を開いてもくれない。グリフはウィラの身の安全を確保するため、彼女を郊外の人里離れたコテージへ連れていく。これからしばらくのあいだ、二人きりでそこで過ごすのだという。ウィラは二人のあいだに徐々に情熱がめばえ始めるのを感じるが、グリフはなぜかかたくなにウィラを拒否し続けた。■脱走犯クリントがついに動き始め、危険にさらされるウィラをグリフは必死で守ります。そんな状況でめばえた二人の恋ははたして……。
  • 永遠をふたたび 愛の女神たち IV
    3.0
    産婦人科クリニックの新任広報部長として支援金集めパーティーの準備に忙しいリリーの悩みの種は、病院の最高経営責任者、ロン・ビンガムだった。彼は都会育ちのリリーの何もかもが気に入らないらしい。顔を合わせるたびに鋭い言葉を投げ、二人の間には火花が散るのだ。ロンのビジネスの手腕は全国的に知れわたっていても、リリーから見れば、頑固者で融通のきかない田舎紳士だった。ところが、会うたびに本音をぶつけ合ううち、リリーは誤算に気づいた。彼に恋してしまったなんて……。■ミニシリーズ『愛の女神たち』の第四話です。もう二度と恋などしないと思っていたリリーとロン。はたして二人は? 大人の恋をお楽しみください。
  • 緋色のターゲット
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    大統領直属エリート組織〈オメガ〉の秘密捜査員、ジャック・カーステアズはジレンマにさいなまれていた。警護対象のエレナは、海兵隊時代つきあっていた女性だ。だがエレナをめぐる政治的な思惑のせいで、彼は軍人失格の烙印を押され、不名誉な帰国を余儀なくされた。運よく、ほかに活躍の場を見つけられたからいいが、彼女のせいであやうく人生を台なしにするところだったのだ。もう二度と誤った相手を選びはしない。そう誓ったものの、以前と変わらず可憐なエレナの姿を目にし、ジャックはくじけそうになる心を奮い立たせた。愛情どころか憎しみしか感じないことをはっきり思い知らせよう。
  • 悲しい再会 富豪一族の伝説 XIV
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    どうして新しい上司がよりによってブロディなの?ジリアンは自分の不運が信じられなかった。10年前、オーストラリア留学中にジリアンはブロディと激しい恋に落ちた。だが彼が浮気をしていることを知り、逃げるように帰国したのだ。そして慰めと安定を求めて結婚したが、その夫も最近亡くなった。私に苦い思い出と、おなかのなかの赤ちゃんを残して……。ジリアンは妊娠を隠して仕事をしようと決心するが、いきなりむさぼるようなキスをされてとまどう。いいえ、だめ。もう彼に傷つけられたくないの。■過去に受けた傷を忘れられないまま、再びヒーローを愛するようになるヒロイン。2人がすべてを乗り越えられる日はくるのでしょうか?
  • 終わりのないハネムーン 富豪一族の伝説 XIII
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    マロリーは朝、モーテルのベッドで目覚め、隣に裸の男性が眠っていることに驚いた。結婚式を前にして婚約者のウィンストンを愛していないと気づき、数日前、ひとりになりたくてサンフランシスコを逃げだした。昨夜、リノのバーでシャンペンを飲んだのは覚えているけれど……。隣に眠るカウボーイのセクシーな体に目を奪われながらも、ことの重大さに気づいてマロリーは部屋を飛びだした。だが自分の宿泊先に戻ったとたん、ウィンストンに腕をつかまれる。ここまで追いかけてくるなんて!腕を振り払おうともがくマロリーは、別の男性の声に思わず振り向いた。「彼女は昨夜、ぼくと結婚したんだ」■出会ったその日に、リードと結婚するはめになってしまったマロリー。2人は本当の愛を得られるのでしょうか?
  • ミステリー・ブライド
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    私立探偵のサマンサは前夜の熱いキスを思い返して吐息をついた。調査のためパーティーに忍び込んだところ、見つかりそうになり、そばの男性にとっさにキスして逃げだしたのだ。男性は、地元の名士ウィル・シェリダン。裕福でハンサムな彼は、あらゆる女性のあこがれの的だ。聞くところによると、パーティーでは花嫁候補を探していたらしい。私は資産家の令嬢ではないし、レディらしいふるまいもできない。彼と結ばれるわけがないわ……サマンサは自分に言い聞かせた。だが、再会のときは思いがけなくやってきた。張り込み中のサマンサの目の前に、いきなり彼が姿を現したのだ。ウィルだわ! 彼はこんなところで何をしているの?■北米人気作家B・J・ダニエルズの作品をお届けします。息をつかせぬ展開と綿密に練られたプロットが特徴的です。
  • 鏡のなかの他人
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    この人が、妹のエイミーが恋していたイーサン・ハンター……。グレースは複雑な思いで目の前の男性を)眺めた。高名な形成外科医でありながら金次第で犯罪者の整形を請け負う卑劣な人物。だが、妹の命を奪った殺し屋の行方を知っているのは彼だけだ。なんとかして彼から情報を聞きださなければ。意を決したグレースは、イーサンの発した言葉に仰天した。「記憶喪失で何も覚えていないんだ、自分の名前もね」殺し屋のことも、妹の心をもてあそんだことも忘れたというの? いいわ、わたしがすべてを思いださせてあげる!
  • 偽りの誓約 ロマンスは海を越えて II
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    「もう一度結婚しましょう」アメリアは自分でも思いがけない言葉を口にしていた。コロソル王国の王女で、慈善活動家でもあるアメリアは、一年前、孤児を養子にするために便宜的な結婚をした。だが、その結婚が本物でないことが関係者に知られてしまったのだ。孤児の親権を守るためには、完璧な夫婦を装うのがいちばんだ。ちゃんと結婚式をあげて、用がすめば別れればいいわ。アメリアはさっそく結婚式の計画を立てはじめるが、ひとつだけ気がかりなことがあった。彼と偶然交わした情熱的なキスを、今でも忘れられないの……。■今作のヒロインは次女のアメリアです。一年前の偽装結婚のせいで王位の継承が危うくなりますが、本当の愛を知った彼女は……。
  • 美しき人へ 愛の女神たち III
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    身に覚えのないことで訴訟を起こされたミラに救いの手を差しのべてくれたのは、研修医として赴任してきたばかりのカイル・ビンガムだった。訴訟相手の心ない言葉に動揺したある日、ミラは慰めを求めて彼と情熱的な一夜をともにする。カイルがビンガム一族のはみ出し者ビリーの婚外子で、自分のいとこの異母兄だと知りながら。翌朝、自分がしたことの恐ろしさにミラは身を震わせた。母のビンガム家に対する恨みや、職場での噂を思えば、カイルからなんとしても離れなくてはならない……。■愛に傷ついた過去を持つミラは、カイルとの関係を一夜かぎりのものにしようと決心します。ところが、そんな二人に思わぬ事件が持ち上がります。
  • 闇の使徒たち 美しき暗殺者 V
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    愛する人も友人もいない孤独な生活を振り返り、サマンサはリムジンの後部座席でため息をついた。外交官としての重責に今や押しつぶされそうだ。そのうえ、何者かに命を狙われているらしい。彼女は車を運転する護衛のたくましい肩を見やった。アメリカ海軍が誇るエリート軍人マーカス・エバンズは、完璧な容姿とずば抜けた能力を持つ伝説的な人物だ。初めて会った瞬間から、サマンサは彼に心を奪われていた……。突然、マーカスが車を停めて言った。「たった今、あなたを誘拐しました」なんですって? 耳を疑う間もなく、彼の腕と唇が迫ってきた。■政府の遺伝子実験で生まれた天才児達をめぐるサスペンス大型企画『闇の使徒たち』。エリート軍人マーカスの抱える暗い秘密とは……?
  • よみがえる魔女伝説 呪われた城 IV
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    ベッカは友人たちと波止場のバーに来ていた。過去をなくし、故郷と言える場所も持たなかった彼女は何かに引き寄せられるようにこの地へたどりつき、暮らし始めた。あるいは、あの城の魔力が私を放さなかったのかもしれない……。ベッカは自分がなぜこれほど、丘の上に立つ不気味な城、とりわけ、そこに住む謎の男デイヴィッド・ブライスンに引きつけられるのか、わからなかった。ふいにバーの喧騒がいやになり、ひとり小雨の降る外へ出ると、そこには、物陰に隠れるようにして立つデイヴィッドがいた。ベッカがその怪人の手から逃れる道は、もはやなかった。■本作品は、主人公たちが5年の歳月と過酷な運命を乗り越えて結ばれる、ロマンティックな愛の物語となっています。
  • 共犯者はあなた 富豪一族の伝説 XI
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    六年前、探偵事務所を開いて以来、アニーは仕事に熱をあげてきた。おかげで事務所は高い評価を得るまでになり、ある日、大富豪のライアン・フォーチュンからの依頼を受ける。彼の恋人リリーにかけられた殺人容疑を晴らすために調査をしてほしいというのだ。だがリリーの弁護士として紹介された男性を見て、アニーは心臓をわしづかみにされた気がした。六年前、アニーを一方的に捨てた男性――アニーがいちばん彼を必要としていたときに、もっとも残酷な方法で捨てた男コールが立っていた。■『富豪一族の伝説』の第十一話。本当は忘れられなかった男性と思わぬかたちで再会したアニー。はたして二人の情熱のゆくえは?
  • 罪なプレイボーイ 富豪一族の伝説 III
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    なぜ、あんなばかなことをしてしまったのだろう。サバンナは心の底から自分を責めた。あの夜、フォーチュン家主催の華やかなパーティに招かれ、クルスという危険な匂いのする男性とダンスを踊った。するとたちまち彼の魅力に理性を奪われ、気がつけば厩舎で激しく愛しあっていたのだ。プレイボーイで有名なクルスとの一夜は、思い出で終わるはずだった。だが身ごもったことがわかり、状況は一変する。職場を追われ、彼女は親友であるフォーチュン家の令嬢の厚意でクルスが馬の調教師を務める牧場で働くことになった。彼がサバンナの妊娠に気づくのは、時間の問題だった……。■『富豪一族の伝説』の第三話は、RITA賞受賞作家の実力派マリー・フェラレーラがお届けします。プレイボーイとの熱い一夜の行方は?
  • 強引な誘惑 富豪一族の伝説 II
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    バネッサは心配のあまりどうにかなりそうだった。甥が誘拐されて二カ月がたつのに、何の手がかりも見つからない。状況を打開すべく、フォーチュン家に新たに派遣されたのは、FBIの敏腕捜査官デビン・キンケイドだった。バネッサは、瞳に孤独を漂わせる彼を一目見るなり運命を感じた。捜査を手伝って親密になれたらと願ったが、デビンは素人の口出しなどいらないと、露骨に彼女を避け続ける。業を煮やしたバネッサは、彼を挑発するためキスを仕掛けた。だが、彼の反応は期待していたものとはほど遠かった。「お手軽なセックスなら望むところだ」デビンはそう言うと彼女を乱暴に抱き上げ、ベッドルームへと運んでいった。■『富豪一族の伝説』第二話をお届けします。誘拐事件の捜査と並行して、二人の関係もスリリングに展開していきます。
  • 白い殺意
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    指折りの心臓外科医にしてナースたちのあこがれの的。それがニコルの夫となったマルコム・ランカスターの評判だ。端整な顔立ちと優雅な物腰はたしかに魅力的で、ニコルもたちまち心を奪われた。だが、最近は言いようのない不安にさいなまれている。ふとしたときに見せる夫の冷たい表情。夜中になるとたびたび家を空ける不自然な行動。ある日連続猟奇殺人の件で警察から連絡があり、被害者の美人看護婦がマルコムとひどく親密だったと知る。ひょっとして夫が浮気を? いいえ、彼女を殺したの?ニコルの静かな生活は音をたてて崩れはじめた。■順風満帆に見えたエリート医師との新婚生活。でもそこには残酷な罠が……。スリリングな展開は読み応え充分です!
  • 誘惑という名の香り 富豪一族の伝説 XV
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    マチルダはもう21歳だというのに、過保護な兄たちに囲まれているせいで恋もできなかった。その兄が留守にしている今こそ、恋人を見つけるチャンスだ。夜遊びを計画する彼女のもとに、兄の友人のドーソンが訪ねてくる。セクシーなドーソンには、初めて会ったときから思いを寄せてきた。だけどずっと年上の彼の目には、私の姿なんて映ってはいない。マチルダはハンサムなカウボーイたちとのポーカーに参加するが、ついてきたドーソンのせいでその場から追い払われてしまう。怒りをぶつけようとして、ドーソンと目を合わせた彼女ははっとした。ドーソンといると、私の心はどうしようもなく燃え上がってしまう。でも、なぜ彼は私につきまとうの?■『富豪一族の伝説』もいよいよ15話目です。ずっと不穏な動きを続けてきたクリントはどうなるのでしょうか?
  • 暗闇のレディ 孤高の鷲 IV
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    富豪の父の死によって生活が一変し、バレリーは困りはてていた。派手な生活を嫌ってひっそりと暮らしてきたのに大仰にもボディガードがやってくるなんて。手術跡の残る不自由な脚を哀れまれることにも、財産目当ての求婚者に言い寄られることにも、じゅうぶん傷ついてきた。もう誰とも関わりたくない……。バレリーは、目の前に立ちはだかるたくましい男性を見つめた。グレイと名乗る彼は、全身に危険なオーラを漂わせ、傲慢な態度をとりつづけている。こんな男性を信用できるわけがないわ!
  • 炎のドクター 闇の使徒たち VIII
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    ウイルスの研究者として活躍するフェイスはその業績とはうらはらに地味で控えめな性格だ。情熱的な恋愛にあこがれた時期もあったが、この平凡な容姿では叶わぬこととあきらめていた。ある日、彼女は謎の伝染病の調査のためモンタナへ派遣される。住民はみな親切でフェイスを歓迎してくれたものの、地元の医師ルークだけはあからさまな反感を示した。「きみはいったいどういう医者なんだ?」侮蔑のこめられた発言に、フェイスはめずらしく憤りを感じた。ほんとうに我慢のならない人だわ!■政府の遺伝子実験で生まれ、直後に引き裂かれた天才児たちの数奇な運命を描くサスペンス連作『闇の使徒たち』第八話。おだやかな性格のヒロイン、フェイスは初対面の医師ルークに怒りをぶつけられ、とまどいますが……。
  • ドクターは敵? 救命病棟は眠らない III
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    ブレア・メモリアル病院に勤務する整形外科医マックは、一流の技術とともにプレイボーイとしても名を轟かせている。どんな女性も思いのまま、相手が結婚を意識しだしたときにそっと身を引くのが彼のやり方だ。そんなマックのことを、看護師のジョリーンは苦々しく思い、愛想のない態度で接してきた。ところが彼の闘争心を掻き立ててしまったのか、次の標的は彼女だとばかり、あからさまに誘惑してくるようになる。医者という人種とは2度と個人的に関わりたくないのに――ジョリーンはいっそうガードを固めた。
  • 傷ついた令嬢 デブロー家の伝説 IV
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    「きみを誘惑するつもりは毛頭ない」友人の兄ニックの言葉に、エイミーの自尊心は砕け散った。エイミーは友人の赤ん坊をニックと一緒に世話するためにしばらくの間ひとつ屋根の下で暮らしている。ニックは決して恋に落ちない独身主義者と言われているけれど、ともに過ごすうちに、二人の間には何かが芽生えたと思ったのに。エイミーは彼が本気かどうか探るために、大胆な賭に出た。自分のほうから熱いキスを仕掛けたのだ。だがキスが終わってもニックは退屈そうな表情で冷たく言っただけだった。「終わったかい?」■『デブロー家の伝説』もいよいよ最終話。呪いのせいで一族は幸せな恋愛ができないというジンクスを、兄たちに続き末妹のエイミーも破ることができるでしょうか。
  • 別れのキスをもう一度 闇の使徒たち VI
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    「きみは親友だから」憧れの先輩エリックとの夢のような一夜を過ごした翌朝、リーはその残酷な言葉に凍りつき、現実を知った。やがて時は無情にも流れ、無垢な女学生は冷静沈着な大人の女性に成長した。もう2度と、どんな男性にも傷つけられはしない――そう誓った今、彼女は心おだやかな日々を送っている。ところが今朝オフィスのドアを開けると、変わらぬ笑みをたたえたエリックが立っていた。怒りと悲しみ、そしていとしさに貫かれ、リーは言葉を失った。■『闇の使徒たち』第6話では、濃密なサスペンスに絡めてせつない片思いが描かれます。ヒロインの一途な恋心が伝わってくる作品です。過去のヒーローたちも登場します!
  • 甘く危険な遊戯 コルビー捜査ファイル V
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    テレビ局の花形キャスター、パイパーはテロリスト集団SSUに命を狙われている。SSUに対する批判報道を行った記者仲間は次々と殺害され、残るは彼女を含めた3人だけだ。FBI監視下におかれた息のつまる生活も、もはや限界に近い。でも逃げるわけにはいかないわ。この仕事は私の使命なのだから。いつものように彼女が局に行くとカメラマンの姿が見えない。代役として現れたのは、カメラマンよりジゴロが似合うとびきりセクシーな新人、リックだった。奇妙な胸騒ぎがパイパーを襲った。彼は味方なの? それとも……。■大好評をいただいているミニシリーズ『コルビー捜査ファイル』の第五話です。テロリストがらみの凶悪事件という時事的なテーマに、ラテン系ヒーローとの熱いロマンスを絶妙に絡めた魅力的な作品に仕上がっています。

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