検索結果
-
5.0冬の夜、結核療養所で聞こえた奇妙な泣き声。日中衰弱しきって運び込まれた母娘は、朝を待たずに逝った。それを知った著者は、娘の体をさする瀕死の母親のやせた腕を幻視する──「小さきものの実存と歴史のあいだに開いた深淵」、それは著者の原点にして終生のテーマとなった。近代市民社会と前近代が最深部で激突した水俣病闘争と患者を描く「現実と幻のはざま」、石牟礼道子を日本文学に初めて現れた性質の作家と位置付けた三つの論考、大連体験・結核体験に触れた自伝的文章など39編からは、歴史に埋もれた理不尽な死をめぐる著者の道程が一望できる。
-
5.0『逝きし世の面影』の著者渡辺京二は、日本近代史の考察に、生活民の意識を対置し、一石を投じてきた思想家である。その眼差しは表層のジャーナリズムが消費する言説の対極にある。本巻には、西欧的な市民社会の論理では割り切ることのできない、大衆の生活意識にわだかまる「ナショナル」なものを追求した「ナショナリズムの暗底」、明治国家への最大の抵抗者としての西郷隆盛を常識的定説から救抜する「逆説としての明治十年戦争」、北一輝と日本近代の基本的逆説の関連を問う「北一輝問題」など、日本近代史を根底から捉え返すことを試みた論考を集成する。
-
-■■■緊急特集 都知事の「ウラの顔」■■■ ◎小池百合子都知事 元側近の爆弾告発 小島敏郎(元都民ファーストの会事務総長・弁護士) 「私は学歴詐称工作に加担してしまった」 ◎カイロで共に暮らした友への手紙 北原百代 百合子さん、あなたが落第して大学を去ったことを私は知っている── ◎コロナワクチン後遺症 読者の疑問に答える 福島雅典(京都大学名誉教授) ◎大座談会 昭和海軍に見る日本型エリート 保阪正康/河野克俊/戸高一成/新浪剛史/楠木建 ◎特捜部はなぜ五人衆を逮捕できないか 五十嵐紀男(元東京地検特捜部長) ◎プーチン新政権の「影の軍団」小泉悠×長谷川雄之 ◎トランプ前大統領は気配りもできる 杉山晋輔(元駐米大使) ◎短期集中連載4 駐中国大使、かく戦えり 原発処理水「情報戦」の真相 垂秀夫 ◎訂正できない日本共産党 東浩紀×松竹伸幸 ◎五大商社を鍛えた失敗の歴史 秋場大輔 ◎伝説のサラリーマン投資家が明かす個人資産800億円の投資術 清原達郎 ◎東大教授の「尊厳死」提言 あなたはどう死にたいですか 佐倉統 ◎カラダの不調スッキリ 室伏流4つのメソッド 室伏広治(スポーツ庁長官) ◎令和Z世代はなぜ働かないのか 麻布競馬場 佐藤優 ◎皇居の新博物館で宝物を探そう 磯田道史 島谷弘幸 ◎アカデミー賞なんて夢みたい 本田雄 ◎松本幸四郎インタビュー 叔父吉右衛門の煙草入れ 【連載】 ◎新連載 地図を持たない旅人 大栗博司 ◎お笑い社長繁盛記4 太田光代 ◎ムーンサルトは寝て待て10 内館牧子 ◎記者は天国に行けない28 清武英利 ◎有働由美子対談64 万城目学(作家) ◎小説 病葉草紙 京極夏彦