錆鯖さんのレビュー一覧

クルッポー

ついに私のBLコレクションが鳩まできたか…と感慨深く手にした一冊。

合間に入る鳥知識アレコレが面白かった。ピジョンミルクはあるだろうと思っていたけれど、やっぱりあった(笑)表題が一番良かったかな。しかし、受けの顔が好きになれず。鳩の王はイケメンです。

短編は雀の眉斑(そもそもニュウナイスズメ以外はない)が苦手で、ハシブトガラス攻めはウザかった。
身近な鳥ばかりで現実味があるかもしれない(いやないよね)BLってことで。

興味深い江戸文化史

絵が抜群に上手い！これがデビュー作とは！あとがきにあるように、文化史考証に基づいて描き込まれた人物はもちろん、小物や背景に至るまで丁寧で見応えがある。もちろんよく練られたストーリーで、少しミステリーテイストになっているのも面白かった。

朴訥とした薬師と元陰間の美しく強かな紫音。未練や思慕の苦しみで伸びる角を持つ紫音が切ない。ついでに角はエロかった。このまま鬼へと変化するのかと思わせるストーリーの運びが良い。終わりの少々不穏な雰囲気が印象に残った。

文句なしの星5だが、タイトルをもう少し捻って欲しかったかも。

長髪のお洒落で美しい男

静かにゆっくりと進むストーリー。何度も読んでいる特にお気に入りの一冊。

86万円のコートの弁償代わりに押しかけた同居から始まり、真理がどこまで許してくれるのかキスやアレコレ試していくハル。試したくなるのも何でも許すのもシンプルに「好きだから」だったのね。

奇妙な同居は本当に居心地良さげで、自然に恋人のようになっていく穏やかな過程が好き。殺風景な部屋が、いつのまにか家具が増え2人で過ごすための部屋になっていて微笑ましい。

ハルの長髪美人が印象的。ちょっと分かりにくいモノローグも自分の気分次第で色々想像できる。描き下ろしの2人と犬が穏やかでちょっぴり甘くて最高だった。

流され馴染む2人の関係

ぐいぐい迫りまくるタカシと常に騙され流されすぎの悟。2人とも騒々しくずっと喋っていて安定の面白さ。
1話目でタカシの猛攻に悟はプリプリと怒って抵抗していたのに、2話目でもう拘束プレイしていて笑う。

剃毛が一番好きかな。タマ周りの擬音「タプ」「タパ」も好き〜　エロ特化してないとタマ擬音そうそうないので、見られてラッキー。

弟の面白すぎるツッコミと、描き下ろしの搾り取る悟が良かった！

エロカワ耳づくし

特にケモ耳が好きとか、おもらしやショタが好きとかないけれど、どの短編もお気に入りで何度も読み返す一冊。

受けそれぞれに切ない事情があるが、溺愛型の攻めが救済？するのがいいのかな。どの攻めも芯がブレないし、すごく優しい。攻めみんな好きだ〜！

変身しているわけではないのにコマによって猫だったり人だったりするが違和感なく読める。ファンタジーな世界観もエロもすごく好き。

モフモフニャンコのシャルル(脱いだらスゴイ)とあちこちのネコマークが可愛かった♡

古語かな? かなし【愛し】

翔真は芯のしっかりした男気のある博愛型善人。作者の描くピュアタイプにはいつもキュンとなる。

しかし、芦田の刹那的な恋愛観や行動から、底になんとなく重い空気がある。台詞の端々で、一見チャラい芦田が歩んできたのは、決して幸せで平穏な道ではなかったのだろうと想像できるからだ。

芦田の面倒くさい頑なな心が翔真により氷解した瞬間に物語は終わる。
翔真の懐深い愛は、この先の芦田をどう変えるのか見たいと思いつつも、相手が翔真ならば芦田はこれ以上不幸になることはないだろうという絶対の安心感もある。最後は少々文学的な余韻が生まれていて、この幕引きを選択できる作者(編集者も)の力量やセンスに感服。
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帯について賛否両論ありますね。賛否どちらもあることをおそらく見越して、ここまで読者に意見を出させる編集手腕にむしろアッパレ。

もっと甘えて

相変わらず一緒にいて居心地良さそうな2人。互いの心が少しずつ近づいていくさまを丁寧に描いてあり、短いのに満足度高いです。

過去の経験から恋愛に少し臆病で、相手に過剰な期待をしないように、あえて余裕を見せる藤。今回の第2話は、愛情をきちんと体現するようになった太一に対し、藤がやっと素直に心情をちょっとだけ吐露するストーリー。

太一の男前度がさらに爆上がりしています。やばい、心が持っていかれる〜！藤もやっぱり可愛いし、エロい♡藤のジッポとタバコを持つ手がセクシーでいいね。

作者の熱意が伝わってくる一冊。
受け攻めそれぞれかなり拗らせた両片想い。攻めの裸体が眼福。線の細い絵も綺麗。

テンポの良いダイアログと同時に展開する斜め上をいくモノローグ、ぶっ飛んだ妄想と回想が入り混じる。思考も行動も暴走気味、感情も豊かを超えて乱高下。とにかく勢いと情報量がハンパない。

乱パ、拉致などシリアスかと思いきや後半はギャグが入り独特のテンポ。濃い脇役も多く、ストーリーはパンパンに詰め込まれカオスな印象。安全バーのないジェットコースターから振り落とされないよう必死でしがみつく感覚で読了。新感覚BLだった。

書き込みが多いので、読み応えを求める方や気力がある方におす...続きを読むすめ。

紫煙の向こうにあるドラマ

煙草オムニバスすっごく良かった！あの人の銘柄、同じ匂い……わかる、わかるよ〜！このあたりが切なさやノスタルジック感をさらに演出してるんだろうな。火の貸し借り、ジッポの音、紫煙、煙草は五感に訴える小道具だったのね。4話それぞれのストーリーもドエロも甲乙つけがたい。最高です。

喫煙所の雰囲気がリアルおっさんズ。喫煙所と飲み会での野次も一昔前の上司あるある。煙草仲間に飲みニケーション、今後先細っていくのでしょう。ちなみに浜さんの煙草は峰！ここにわかばを入れたらもうコンプリートですよね？

後半の猫話も良かったです。由良にダメと言われてショックをうけるニャンコズが可愛い。猫の描写が本当に上手...続きを読むい！横尾さんの香箱座りと鼻息にメロメロです。

アレコレエロ甘

作者の描く男性が大好きです。顔はもちろん、頭身のバランス、裸体の描線、とんでもなく好み。ちなみに今回は同僚の河野の外見が最も惹かれました。笑いのセンスも大好き。

表題、早々にお互い好きだとわかるので甘くてエロ多くてイイです♡白短冊だし。多彩なエロアングルもオススメ。彼氏の弟に誕生日プレゼントのアイデア聞きに行っちゃうくだりに笑いました。

短編も良かった！なんともカワイイ2人、「好き」を沢山言うって良いね♡しかし、天才ダンサーのせっかくのチョコレート腹筋を是非ともよく見たかったのに、あんまり見えなくて残念〜

心が疲れたときに読み返すBLマイベスト10入りです。

とにかく攻めが激甘少女マンガ的で、最早ファンタジー！とんでもない包容力、甘いセリフ…これで高校生とは末恐ろしい！ワンコまではいかず、一貫して男前です。

攻めの圧倒的なイケメンぶりを前に、古川が霞みがちですが、こじらせ初恋の昇華まで丁寧に描かれています。表紙の古川の顔がちょっと残念。本編はもう少しカッコ良いです。心のビーグルもかわいい。

短編はビッチ受けを喰ってしまうストーカー。攻めが色っぽーい！
表題と短編の振り幅が大きい…でもどちらも好き。

背筋も気持ちも伸びて

大島かもめ作品を集めるきっかけになった本。しっとり大人な雰囲気、丁寧に心情を綴っています。

自己肯定の低いハーフでノンケイケメンのジョージ×スポーツインストラクターの強気ゲイ美人の石渡。ジョージが石渡に惹かれる過程がすごく自然。初Hへ至る雰囲気とキスしそうになって謝るジョージが好き。

黒髪石渡の表情が艶っぽい！大島かもめ作品の美人受はホントたまらない！

察しの良い(笑)ザビエルママもいい味です。「俺がそうしたかった」にママと石渡と共に私もキュン。甘える石渡をもっと見たい。

教科書に載せたい数学必要論

「三夜前線」が良かったので、購入。
序盤のハッテン場を思えば後半が不思議なくらいピュア。ハッテン場での2回目が良かったです。数学を学ぶ意味も今更ですがストンと腑に落ちました…。

辛抱強く待つサクの成長した外見の描き分けがもっと欲しいかな。数年たっても幼く見えます。欲を言えば、互いの心が通ったあとの情事が見たかった！
先生の首を傾げて「……する？」にドキドキ。いや〜良いコマです！

１つ短編も入っています。海外へ出る度にタトゥーを増やす受をいつのまにか好きになっていることに気付く攻。短くて消化不良な分、想像できる余地がある。
「三夜前線」の中の短編も良かったし、この作者の短編は自...続きを読む分に合うのかも。

不思議なインテリア

部屋中に充満するモフモフとした物体が気になって思わず購入。

チュー止まりなので物足りなく感じるかもしれません。しかし、ページボリュームもあるし設定も凝っていたので物語として楽しめました。もう少し長ければアンダーグラウンドなストーリーをもっと深く展開できたかな。歓楽街の路地の雰囲気が上手いです。

異星人小ネタが満載で、面白かったです。地球のウイルスに感染しないとか、家電が要らないくらい体温調節できるとか…灰のバックグラウンドをもっと知りたくなりました。

正直、攻の桜井の魅力はわからなかったけれど、いつでも謙虚な灰の深いセリフに考えさせられました。
とにかくあのモフモフが詳しく...続きを読む知りたい！

さておかない恋と愛

もうすっごく良かったです！短いので購入を迷っていましたが、英断でした。
愛しさを体現できる太一の成長がすごい。男前です。

前編に続き、タバコがキーポイント。今回は火を貸すシーンが好き。さらに言えばどのシーンでも手の描写が本当に上手い。ザ・男の手。甲の筋、最高！太一はもちろん藤の手もしっかり男性で、萌度上がります。

極めつけは太一が火をつけたタバコを藤に手渡すシーンです。喫煙者ならわかると思いますが、タバコにわざわざ火を灯してから渡すって、余程でないとしないです。ということで、2人の猛烈なラブ度に驚愕、キュン死しそうでした。

停滞前線通過、晴れ模様

1.表題。とても良かった！美人で仕事のできるゲイの上司真塩と正直素直なノンケ部下の吉野。真塩のようなスパッと潔い受けが大好き。キュートで小悪魔、上司としての余裕も魅力的。後日談で甘さの補完もできて良い。

2.短編。同性愛者で同姓愛者の佐藤さんと佐藤くん。こっちの佐藤が受けなの？攻めなの？と案外エロい。三作の中では一番コメディ度高い。

3.短編。完成度高め。雰囲気がある。もっと読みたい！と思わせる絶妙な幕引き。

三作とも最後のおまけマンガがあって、それが良かった。コメディとシリアスのバランスが絶妙。短編が入っていても満足度の高い一冊。

キュンと笑いのループ

少女漫画ばりにキュンキュンするラブコメ。とにかくカワイイ！尊い！
男子高生のワイワイガヤガヤな寮生活を愛でながら、のみしばの両片思いに萌え転がれます。野宮が男前でこっちが惚れそう。

あるあるや合間のモブ劇場も面白い。男の娘マニアのミシンが工業用だったり、腐男子の直感分類記号とか細かいところまで笑いました。中王子が割とツボです。
中王子のシャワー室でのセリフに爆笑！
次巻も楽しみ、早く読みたい。

さておいても惹かれ合う2人

サラッとしたストーリーなのに、何故か繰り返し読むほど好き。身体から始まり、好きとか付き合うとかハッキリ言葉にはしていないけれど、なんとなく一緒にいて互いに居心地が良さそうなところにリアリティを感じます。

男性のタバコを吸う姿が好きなんですよ。だから太一のスモーカーぶりに萌えまくり。ソファで吸う姿にズキューンとなりました。藤の吸う姿も、これまたイイ！可愛いが女っぽくない、ちゃんと男性なところもポイント高い。

藤の置き手紙には吹き出しました。最後の休日が甘くて良かったなぁ。これは続編も読まねば！

作者のセンスがすごい

大好きすぎてもう何度も読んでいます。
背景の細やかさ、絵の構成に読むたび唸ります。野末と外川のテンポのよいかけ合い、言葉のチョイスが秀逸です。
「後悔は幸福になるための糧で、人生の燃料」これは刺さりました。落ち込んだ自分を鼓舞するため何度でも思い出すでしょう。

とにかく外川の見た目がクソ好み。立ち姿のバランスが好き。ワイシャツ姿もTシャツ姿もドストライク。さらに、脱ぐと美しい逆三角形の上半身！！心臓を撃ち抜かれました。外川の裸がもっと見たい！

野末の穏やかな対応や相手を思いやる優しさは同じ人間として真似したいし、インテリアや料理上手なところもお手本にしたい！
番外編と描き下ろ...続きを読むしの甘さが最高でした。