【感想・ネタバレ】捜査組曲 東京湾臨海署安積班のレビュー

あらすじ

お台場の公共施設で放火との通報が入った。安積班のメンバーが臨場すると、警備員がいち早く消火活動を始めており一大事にならずに済んだ。警備員から聞き込みをした須田は、何か考え込んでいて……。三日後、またしても同じ施設内で強盗事件が起きる。珍しく須田が、この事件を担当したいと安積に頼むが――(「カデンツァ」より。)安積班をはじめ、強行犯第二係長・相楽、鑑識係・石倉、安積の直属の上司・榊原、それぞれの物語を音楽用語になぞらえて描く、安積班シリーズ待望の文庫化。(解説・関口苑生)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 今野敏さんの警察小説の中でも、最も息が長いシリーズであり、連続ドラマ化もされた安積班シリーズ。本作は、その安積班シリーズの最新刊である。

 安積班シリーズは、長編も面白いが、本作のような連作短編集にこそ魅力が詰まっていると考える。1編当たりは短いが、きちんと物語があり、人間模様がある。本作では、安積班の面々の視点に加え、安積をライバル視する相楽や、鑑識の石倉など、臨海署の様々な面々の視点で描かれているのが興味深い。

 「カデンツァ」。現実にも聞く、呆れた犯罪。察知したのは…。「ラプソディー」。船上で遺体発見。警察と海保のせめぎ合いは、意外な結末に。「オブリガート」。安積班と相楽班の事案が絡み合う。素直に感謝できない相楽であった。しかし、やるべきことはやる。

 「セレナーデ」。これまた実際にありそうな話。今回のお手柄は…。「コーダ」。先入観で判断する危険性とは。これは読者への戒めでもある。「リタルダント」。忙しいときほど、ゆっくり考えろ。至言だが、なかなかできることではない。

 「ダ・カーポ」。またこのパターンかよ。紆余曲折はしたが、警察は見抜く。「シンオフォニー」。常に忙殺されている鑑識。しかも、相楽がいちゃもんを…。彼らこそ、縁の下の力持ち。「ディスコード」。上層部には上層部の苦悩がある。不協和音も悪くはないって?

 最後に「アンサンブル」。相楽班に失態が続いていた。上層部も気を揉んでいる。こんなとき、安積にできることはない。汚名返上は、自らするしかない。

 全10編のタイトルが音楽用語になっており、しかも内容とリンクしているのが芸が細かい。相楽の扱いが少々気の毒だが、味があって憎めないキャラクターだ。安積班と相楽班、臨海署を支える2つの強行犯係には、それぞれの物語がある。

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2016年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。ちょっと雑な話もあったが、石倉や榊原視点の話も合って良かった。
成長していくのだろうが相楽がザコキャラみたいになってて可哀想。

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2025年08月22日

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