あらすじ
土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。漆喰の繭に包まれた坊主の遺骸が発掘されると同時に、近辺では老婆の死霊が住民を憑き殺す事件が多発。曳き屋・仙龍と調査に乗り出した広告代理店勤務の春菜が見たものは、自身を蝕む老婆の呪いと、仙龍の残り少ない命を示す黒き鎖だった――!ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らのサニワと向き合うことを決意する。
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Posted by ブクログ
評価の高い本書から「よろず建物因縁帳」シリーズ初読みしてみました。
ちなみに著者の作品も初読みです。
いやぁ~、ドハマりしちゃいそうです(^^;
曳き屋・仙龍と広告代理店のキャリアウーマンであり、サニワ(審神者)の春菜のW主演作。
昔から地滑りが続いていた猿沢村の地滑り現場から発見されたのは、この地の言い伝えで地滑りを鎮める為に人柱となった坊主の亡骸。
その直後から近隣で目撃されるようになった老婆の霊。
そして老婆を見た村人は次々に急死していく。
曳き屋・仙龍と共に老婆の霊の調査に乗り出した春菜。
言い伝えを聞き、老婆の謎を解き明かそうとする春菜が見たものは、自身を蝕む老婆の呪い。
春菜が金縛りにあうシーンでは臨場感がありすぎて恐怖を体験しました。
そして、代々隠温羅流導師は42歳の厄年で命を落とすとの言い伝え通りに仙龍に付き纏う黒き鎖。
ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らのサニワと向き合うことを決意する。
古くから土地の人に魂呼び桜と呼ばれてきた枝垂桜の古木。
ついに仙龍と春菜はその桜が人柱として命を捧げだ坊主を想う娘の亡骸から生まれたことを突き止め、坊主の亡骸を祀る為に建立される御堂の側へ桜を牽くことで彼女の魂を鎮めようと試みる。
密かに仙龍を想う春菜の一途な想いは、死んで霊となっても人柱となった僧を想う老婆の姿と重なる。
おぞましい怨念と純愛が見事に共存した作品。
同シリーズ作品を追いかけることになりそうです。
説明
内容紹介
土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。漆喰の繭に包まれた坊主の遺骸が発掘されると同時に、近辺では老婆の死霊が住民を憑き殺す事件が多発。曳き屋・仙龍と調査に乗り出した広告代理店勤務の春菜が見たものは、自身を蝕む老婆の呪いと、仙龍の残り少ない命を示す黒き鎖だった――!ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らのサニワと向き合うことを決意する。
魂呼び桜には恋と呪いが宿る。
祓い師・仙龍の死期が迫るなか、彼を想う春菜が下した決断とは――。
☆☆☆
土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。
漆喰の繭に包まれた坊主の遺骸が発掘されると同時に、近辺では老婆の死霊が住民を憑き殺す事件が多発。
曳き屋・仙龍と調査に乗り出した広告代理店勤務の春菜が見たものは、自身を蝕む老婆の呪いと、仙龍の残り少ない命を示す黒き鎖だった――!
ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らのサニワと向き合うことを決意する。
内容(「BOOK」データベースより)
土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。漆喰の繭に包まれた坊主の遺骸が発掘されると同時に、近辺では老婆の死霊が住民を憑き殺す事件が多発。曳き屋・仙龍と調査に乗り出した広告代理店勤務の春菜が見たものは、自身を蝕む老婆の呪いと、仙龍の残り少ない命を示す黒き鎖だった―!ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らのサニワと向き合うことを決意する。
著者について
内藤 了
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。近著に『BURN 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(上下巻・角川ホラー文庫)、『夢探偵フロイト -てるてる坊主殺人事件-』(小学館文庫)。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内藤/了
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
今までのシリーズで一番好きな話。桜を曳くシーンは文章で読むだけでも鳥肌が立ちましたが、映像化されたらさぞや綺麗で悲しいんだろうなあ…。このシリーズは実写化は難しいと思うんですが、隠温羅流の職人たちの勇姿をぜひこの目で見てみたいといつも思います。
Posted by ブクログ
2019/4/16
やはり素晴らしかった。
スタートはゆっくり目で今回は冷静に読めるかな?とか思ってたのに実は春菜が危ないってなった辺りからグングン引っ張られ、クライマックスでは私は通勤電車にいなかった。
桜と僧侶と大姫を呆然と見ていた。桜吹雪の中、奇跡に感動していた。
びっくりした。文字を読んでいる感覚が全くなかった。
高砂からのほんの3ページほどだけど、本の中に入れたみたいだった。驚いた。
それにしても仙龍、ツンが過ぎるよ。
もうちょっと心配して動揺してよ。かっこいいけどさぁ。
コーイチに春菜が危ないって聞かされた時のやり取りも見たかったよ。
じらすよね~内藤さん。
春菜を連れて行ったことを後悔してるかな?とか想像を逞しくしてしまったわ。
仙龍もコーイチもちょっとしたしぐさがかっこいいんだわ。
かばう位置に立つとか振り返って春菜の安全を確認してから行動開始とか。
細かいところがニクイ!好き!
Posted by ブクログ
何度も言っていることですが、今いちばん楽しみにしているシリーズです。
シリーズ開始当初から読者の間で好かれていない様子の春菜ちゃん、私は大好き。可愛げのないところが可愛いんだもん。美人でファッショナブルで、ズケズケした物言い、いろいろと上から目線で、好きな人にもつい強気に出てしまう。憎めません。
そんな彼女が今回はいきなりガールズトークを喜んでいる。そんなの春菜じゃねぇ!と思ったら最初だけでした(笑)。ほっ。
地滑りが起きたせいで発掘されたのはミイラ化した人柱。それを移送したら現れるようになった老婆の幽霊。
このシリーズお得意の悲恋は今回もたまらなく切ない。これまでで最も怖くなかった気はするけれど、でも夜中に目が覚めて、ババアに乗りかかられていたらめちゃくちゃ怖いか。
何でも曳きますねぇ、仙龍さん。42歳で亡くならない可能性も出てきたから嬉しい。あきらめの悪いサニワ春菜、仙龍を死なせんといて。
Posted by ブクログ
魑魅と魍魎って別々のモノなんですね。
自分の代わりに人柱となったお坊様を、魍魎になりはててまで共に在りたいと願い続けた大姫の恋心がとても切ない。
魂は添えずとも、身体だけでも一緒でありたかった願いを叶える為に古桜を曳く場面が印象的でした。
迎えに来てくれたお坊様も、ずっと大姫の未来を願っていたんだろうなぁ……。
Posted by ブクログ
地滑りした場所から人柱が発見された。
そこは古くからお坊さんが人柱として土地を守ってくれていると言い伝えがある場所。
しかし、それから何故か老婆の幽霊が出る様になる。
その老婆は「お寺に行きたい」と言い背中に乗るのだがその重さが墓石程あると言う。そして老婆を見た人達に次々と不幸が起こる。
そして遂に春菜に死霊がとり憑いてしまった。
老婆はその土地の大姫で僧侶とは恋仲であった。
大姫は代々受け継がれていた人柱として埋められる筈だったがそれを僧侶が代わりにやったのだった。大姫は毎日毎日埋められた場所に死ぬまで通い続けたのだ。
大姫が亡くなるとその亡骸はあまりに重く動かせなくいつしか桜が咲く様になったのだ。
死しても尚、僧侶の側にいたかった。
あまりにも強い想慕。
春菜のサニワとしての力がどんどん強くなっている気がする。てか、仙龍とは結ばれるのかしら?