【感想・ネタバレ】さよなら私のクラマー(13)のレビュー

あらすじ

累計500万部突破!『四月は君の嘘』の著者・新川直司の最新作は、女子サッカー。埼玉県蕨青南高校、通称「ワラビーズ」と呼ばれる弱小女子サッカー部に集まった個性豊かな少女達。名セリフの数々と、躍動感あふれる試合シーンで綴られる彼女達の物語から目を離せない!

激闘の末、興蓮館戦で惜敗したワラビーズは、高等学校女子サッカー選手権・埼玉県予選に備えて合宿を敢行!! そこで深津監督は、彼女たちに新戦術「ゲーゲンプレッシング」を伝授する――!!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 戦いが終わった後の、そして次なる戦いに向かっていく前の物語が描かれた13巻である。
 JKFBインターリーグ決勝での敗戦を経て、翌日に盛大に身内からディスられるところから始まった物語は、一週間の合宿を経て早々に選手権大会編へと突入している。

 物語的には間章の役割を持つ今巻だが、そう言って流せないエモさがある。

 彼女らがサッカーに賭ける思いの濃さは、2年の田勢、宮坂の両名にスポットを当てる形で十全に描かれていた。
 そこには確かに女子サッカーの命脈が感じられる。
 彼女らの声に見える命脈こそがこの物語の根幹であることは、疑いようがないところだろう。

 サッカー面でも、新たな基幹戦術となる「ゲーゲンプレッシング」を導入し、矢継ぎ早に埼玉県での予選二戦を描くことでその強みと弱みを描いている。
 青春物として見ても、夏休み中の一週間の合宿を通じて成長を遂げていく彼女たちの姿は色鮮やかだ。


 間章をここまで描き抜く筆力にはただただ脱帽する他ない。
 文句なしに星五つで評価したい一巻である。

 めでたくも映画とテレビの両面でのアニメ化が発表された一方、本誌ではすでに完結を終えているこのシリーズ、残る巻数もわずかだろう。
 彼女たちの物語の結末を楽しみに待ちたい。

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2021年03月19日

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