あらすじ
カイロ発ホノルル行き。エア・アフリカンの旅客機が、乗員乗客200名を乗せたまま消息を絶った。乗客には、日本唯一のウォーカロン・メーカ、イシカワの社長ほか関係者が多数含まれていた。時を同じくして、九州のアソにあるイシカワの開発施設が、武力集団に占拠された。膠着した事態を打開するため、情報局はウグイ、ハギリらを派遣する。知性が追懐する忘却と回帰の物語。
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Posted by ブクログ
Wシリーズ9作目。
あらすじやら、帯やら見ると、イシカワのチャーター便が行方不明にって所が前面に押し出されてるけど、いやいや、そこは問題じゃないって。イシカワのゴタゴタよりもあるけど、そこでもない。読んでて「この巻のメインは何だろう?」てずっと考えてた。登場人物(※人工知能やトランスファ含む)が増えてきて、整理しないといけない感じにもなってきたけど、要は、整理しなきゃいけないくらい、人間、ウォーカロン、トランスファ、人工知能の境目がわからなくなってきている。ポスト・インストールしていないウォーカロンや、クローンに焦点が当たっていて、倫理的な議論もなされてる。今の時代はどう考えても叩かれるし、Wシリーズ内でも世間の反発があるとハギリ博士が認識している。だけど、もし本当にこんな未来が来るのなら、倫理観って何なのかなって思ってきちゃうんだろうな。
答えが薄ぼんやりとも見えないので、私の頭では難しいテーマだ。
さて、次巻で完結するらしいこのシリーズ。今までシリーズ内で出てきたテーマに結論が出るのかどうか……。それすらも読めない(笑)
Posted by ブクログ
人工知能の自我発現ってとこかな。ただ、事件の真相(とくに飛行機事故のほうね)がいまいちはっきりせんし、ちょっともやもや感ある。回収されたチップの正体も秘密のままだし、徐々に明らかになるあのお方の行動を含めて、最終巻で伏線回収されるんだろうか。
ま、いずれにしてもラストが楽しみではある。
Posted by ブクログ
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Wシリーズ第9弾。日本唯一のウォーカロンメーカーイシカワの社長や関係者を乗せた飛行機が行方不明に。一方で九州アソにあるイシカワの開発施設が武装集団に襲われ、派遣されたハギリ。そこはキガタの育った場所。中学時代の教師ロボットオーガスタ。もぬけの殻のメインコンピューターカンナ。スペースステーションに命懸けで向おうとするウグイをムキに止めるハギリ。反対するハギリに対して結局キガタが向う。カンナと交流するキガタ。身売り拒否とカンナも含めた集団自殺。行方不明も襲撃もカンナ絡みの結果。キョートの国立博物館のクジコレクション。シキが持ち去ったロボットロイディの写真。他人格な人工知能の統合システムによって切り捨てられる部分への哀愁、人工知能の自殺という展開、ウグイとハギリの関係も親密になり掛け合いも面白い。
トランスファの実体は分散型の機能実行プログラム。タナカ博士は元イシカワ。ウォーカロンは一般に集団行動の時にリーダーに従う習性があるが、好意は抱かない。ポストインストール時のモラルの尊重が影響。人間は支配されると好意が芽生えることがある。
オーガスタのロボット埋め込まれたチップ。合言葉のサリノの渾名サッチャン。
次巻でもう少しカンナの思惑への推測が示唆される。生殖に関する研究成果に成功したイシカワ。それが広がった社会を憂いカンナがWHITEにチップが渡らないように画策した結果という説も。
Posted by ブクログ
人工知能の名前が覚えられなくなってきた…。とうとう宇宙も舞台に入ってきた。今回は大勢の人やウォーカロンが死んだけど、悲しい的な感情が一切湧いてこないのは、やっぱり人の命の価値がちょっと希薄な世界だからかな。
Posted by ブクログ
Wシリーズの9冊目 Where is the Sky Arrow?~カイロ発ホノルル行きエア・アフリカのチャーター機が日本のウォーカロンメーカーの首脳陣を乗せて行方不明になり,九州の火山近くにある施設が何者かによって乗っ取られた。警察のロボット部隊も,HWITEのウォーカロン部隊も突入したまま帰ってこない。装甲車を有線で繋いで突入すると,人やウォーカロンの遺体が発見されるだけ,メインコンピュータは空だった。消息を絶った飛行機が宇宙空間でみつかり,生存者はないが,メインのAIが抜け出したくてデータをすべて送ったらしい。キガタが衛星に飛びチップを回収する。その内容は明らかにならないが,イシカワは企業として存立が危うくなり,他のメーカに買われる位なら,データを逃がすことを考えたのだ。イシカワはポストインストールを施していないウォーカロンを世に出していたのだ。これはもう人だ~人間のように泣いたのか?は2018年10月,完結?